「ねぇ、ウソ……ウソよね……」
ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは目の前の光景が信じられなかった。
例えるならそう、その光景は一つの芸術に近いものがあった。
これが芸術なら、額縁に収められた絵画だとしたらどんなによかっただろう。
だがしかし―――――――――
目の前で背中から貫かれた槍のようなもので地面に縫い付けられ、倒れる事も許されず体を傾けている少年――サイトはどうしようもなく現実だった。
ルイズはフラフラとサイトに近づく、近づけば近づく程ルイズの顔はくしゃくしゃになって、手を伸ばせば届く距離まで来た時には泣き出してしまった。
優しく見守ってくれたサイトの目は瞬きを永遠に忘れ、最早何も写しては居ない。
ルイズの手を握り締めてくれた両手も、だらりと重力に引かれるままに垂れ下がっていた。
そしてなにより、サイトの胸の中心から地面に延びる棒状のナニカ。
元は銀色だったろうそれは、サイトから流れた血によって真っ赤に染まっていた。
ルイズはサイトの左手を握り締めてみる、まだ暖かい。
まだ暖かいのに、生きる物に宿る圧倒的な"何か"が欠落していた。
ついに耐えられなくなって、ルイズは嗚咽を隠すことを諦めた。
そう、どうしようもなく、一点の疑う余地も無く、ヒラガサイトは死んでいたのだ。
ルイズは、大きい、とても大きい扉が閉まる音を聞いた。
体の奥、心臓か魂かは判らないが、確かにそういった何かから響くその音を、確かに聞いた。
それは、絶望という名の音だった。
まだ、何も始まってない。
2人で実家に帰って結婚の許しを貰って、ダメなら家を出て、トリスタニアの片隅でひっそりと暮らそうと思っていた。
自分にはお金を稼ぐ手段が無いが、きっと色々知恵が回るサイトならなんとかするだろう。
サイトがどんな国でどんな風に暮らしてたか聞こう。
子供は二人がいい、男の子と女の子が1人づつ。
男の子が先だといいな。
名前は、サイトに決めて貰おう。
そして、父と母に、孫を見せに行こう。
その時こそ私は言うのだ。
自分を産んでくれてありがとうと、育ててくれてありがとうと………自分は今、最高に幸せだと。
それは、ルイズが描いた小さく、ささやかな夢。
ささやかだけれども大切で、それはこれから訪れてくる筈で、そしてそれは、何よりも暖かい時間に違いが無い筈だった。
扉が閉まる。
約束されていた筈の場所へと続く道が、閉ざされる。
ガラガラと、道が崩れてゆく。
「……あ!」
そして、気付いてしまった。
涙で歪んだ視界の中で、握り締めていたサイトの左手の甲にあったルーンが、だんだんと薄れてゆく事に気付いてしまったのだ。
「そんな、消えちゃダメ……待ってよ……置いていかないで……お願いだから……何でもするからっ!……何だってあげるから!……だからっ!!」
ルイズは目を閉じ、サイトの手の甲を額に当てて祈る。
ブリミルでも精霊でも何でもいい、私の持っている物なら全て差し出すから、だから……っ!!
目を閉じているルイズは気付かないが、ルイズの体の表面に魔力が溢れ始め、淡く発光を始めた。
その光はルイズの上半身、そして額に集まり、サイトの手の甲へと消えてゆく。
そして……
サイトのルーンがやんわりと……
輝きだした。
☆★☆★☆
夢を――――見ていた―――――
それは――――――少女を愛した少年の夢――――
「なぁ■■■■。俺っち、もっと強くなりてぇんだ。■■■■を守れる位に」
「何を焦ってるんだい?今でも君は十分に―――――」
「足りねぇ、全然足りねぇよ!!昨日だって■■■■は俺っちを守って怪我をして――――」
―――守りたい人が居た。
―――自分の全てを捧げても、守りたい人が。
「ゲホッ……っく……なぁ、コレで……最後だ……でも……俺っち……は……」
「すまない……僕が……」
「約……束……だ……ろ……?」
「あぁわかってる、わかっているとも。君の、魂は……死なせやしない。彼女を……頼む」
「ありがとうよ……ブリミル」
「なぁに、気にするな。僕の親友、デルフリンガー」
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以下本編より長くなるかもしれない駄文
俺は悪くない、カプコンがモンハンフロンティアを360で出すから!!
はい、本作のデルフ誕生秘話でした。
なんかブリミルが人間デルフの死後もサーシャを守れるように剣にしたりしなかったり。
初代デスぺラードにしようかとも思ったんですがやめました。
ゼロ魔新刊でデルフの製造方法出てましたね。
新刊出る前に更新してりゃ良かったんですが。
いやなんかですね、自分でこのSS読み返してキモッ!とかドン引きしちゃいまして。
うん、多分書いた時疲れてたんだろうなぁと思った。
本当は2~3話書いておしまいの筈でしたし。
一応次が最終話です。
なんか打ち切り的な終わりになるとは思うんですけどね。
書きたい話は一杯あるんですが文章力が全然追いつかないっていうね。
なるべく沢山書いて投稿して指摘された所直してって感じでやってくしかないんでしょうか。
まぁもうこの作品に関しては「とりあえず形だけでも完結しよう!」とバタバタ無理矢理終わらせようとしてるんでツッコミはご勘弁をって感じなのですが。
あとすいませんがoversはもう更新むりっぽいです。ホントスンマセン。
以下書くかどうかすら怪しいですが次回があればこんなの書きたいなぁっていうのをつらつらと。
レールガンの5話くらいの短編書きたいなと。
ストーリー頭から追っかけとかじゃなくて切り出した日常のifみたいなやつです。
シスターズモノで。
「番号しかないなんて悲しいこと言うなよ。なら俺が、名前をくれてやる!お前は今日から"御坂唯"だ!」
「ミサカ……ユイ?」
「あぁ、唯一のユイ。シスターズが一万人いようが、一億人いようが関係ねぇ。今俺と話してるお前は、お前ただ1人、唯一のお前なんだ!!」
「私が…私だけの?」
後日「そんなワケで他のシスターズにもパーソナルネームをつけて頂きたいのですが」
「一万人分?!」
「できればパーソナルネーム"ミサカユイ"のように思い出の名前……いえエピソード付きだとなおよいのですが……」
「まじで?!」
そして毎週のようにシスターズと命名式(という名のデート)に行く我らがウニ頭。
「学園都市を出るのは初めてだっけ?」「えぇ、"私は"初めてです。凄い、これが桜吹雪というのですね」「よし、お前は今日から"御坂桜"だ」
「雪……冷たい、本物を触るのは初めてです」「御坂……美雪なんてどうだろ」「安直ですね」「ぐっ」「冗談です、フフッ」
そんで赤ん坊の命名本を手にブツブツ呟くウニ頭に過剰反応するインデックスと美琴と神裂みたいな。
あ、なんかコレだけ書いたら満足しちゃったかも。
あとエヴァのギャグ再構成をアニメ1話をSS1話くらいのペースでサクッとやったりしたいです。
もしくはゼロ魔の新作をもうちょっと真面目に頑張って書くかですね。
ただまだ未読なんですがゼロ魔×モンハンは既に書いてらっしゃる方が居るみたいなので多分書かないです。
サイトがモンハンの世界⇒ゼロ魔の世界みたいな流れにしようと思ってたんですが、恐らくまた無謀な長編になるので多分書かないです。
タイトルは「神の盾はガード性能+2」にしようと思ってたんですがえぇ、書かないですよ。
「え?何?騎士?」
「あー、暁丸装備でよかった」
「シルフィールドが怯えてる……その槍は何?」
「希少種の火竜を倒して骨やら鱗やら牙で作ったガンチャリオットさ。そこらの竜じゃ見ただけでビビッて逃げ出すっていうシロモノなんだぜ」
「なんだコレ……スキルタトゥー[ガンダールヴ]?ガード性能+2 攻撃力UP[大] 防御力UP[大] ランナー 早食い ってほぼチートじゃねーか!!」
「無理よ!ブリミルだって倒せなくて大地の奥に封印するしかなかったのよ!?嵐を呼ぶ龍クシャルダオラ!マグマさえ物ともしないテオ・テスカトルにナナ・テスカトリ!見えざる龍オオナズチに山より大きいっていうラオシャンロンにシェンガオレン、伝説の龍が全部復活するのよ?!」
「何とか成るさ。俺だけじゃねぇ、あのいけすかねぇけど頼りになるジェリオだっているし、俺のハンターの師匠のシェフィ姉さんもいる。そしてなによりルイズ、お前が居る」
「おいサイト!なんだアレ!僕のトコの主もたいがいだがどんだけ常識外れなんだお前のご主人様は!!」
「うるせぇ知るか!!」
虚無の呪文 初歩にして最大の奥義 "タル爆弾の錬金"
「エクス<<全てを破壊する>>――――――プロージョン<<大タル爆弾G改>>!!」
神の盾ガンダールヴ、その槍はあらゆる敵を貫き、その盾はあらゆる攻撃から主を守る。
スキルタトゥー 主な性能 ガード性能+2 近接全体にスキル補正
神の笛ヴィンダールブ、 その笛はひとたび振り回せばあらゆる龍を気絶させる程度の能力を持つ。
スキルタトゥー 主な性能 笛効果倍増 近接全体にスキル補正
神の頭脳ミョズニトニルン、片手剣を手にあらゆる道具を使いこなし、どんな相手でも戦い抜くことが出きる。
スキルタトゥー 主な性能 高速設置 調合成功率+100% アイテム全般補正
そして最後に、示すことすら憚られる
スキルタトゥー 主な性能 ボマー
4つのしもべをしたがえて、我はこの地にやってきた。
「あれ?ルイズいれば俺らいらなくね?」
「奇遇だね、僕もそう思ってた所さ」
~神の盾はガード性能+2~
えぇ、きっと書かないですよ。四度言って見ました。