サイトに魔改造、ジョゼフはライダー、そしてヴィットーリオは東方。
コレを超えるダメ構成は存在しないと思う。
~Shibamura氏インタビュー「もうどうにでもなーれ」より~
「……満たされん」
ここは異界。
万を超える人間が倒れ、努力どころか才能すら超越した「選ばれた者」が集う決戦の地。
しかしそれでも……
「魔法も使えぬ歴史上最低の無能王からハルケギニアの頂点、か」
彼、ジョゼフの心は全く震えて居なかった。
かつての自分は最低だった。
どんなに求めようが、努力しようが決して自己に答えることの無い魔法。
同じ血を引いてもその才能で若くして周囲から羨望の眼差しを一点に集める。
そして、手に入らぬと諦めていた時に渡された王位。
ジョゼフは魔法が使えない、それだけで周囲から侮蔑の目で見られていた。
だがだからこそ、魔法という物がどれほど価値があるか誰よりも知っていたのだ。
なぜなら魔法以外で全てに勝っていた筈の自分より、弟を周りは評価していたのだから。
そんな自分に王位が回ってきたのが、思えば始まりだった。
そして、自分が虚無に目覚めた時もやはり、全てに嫌気がさしブリミルが作った世界を破壊しようと思った時だったではないか。
全てはジョゼフが諦めた瞬間、もう要らないと思った瞬間にその手に転がり込んできた。
だから、それらはジョゼフに何の感動も齎さなかった。
忌々しい、ただ憎いだけだ。
だから壊そう。
神を殺せぬなら、その神が守り作ったというこの世界を壊そう。
そう思って今まで生きてきた。
だがもしかしたら、いや間違いなく――――
同じ虚無の使い手ならば何かが共感できるのではないか。
そう、思っていたのだ。
この魔法主義社会で爪弾きにされた王家の血を引く者。
自分と同じ、周り全てに見限られ、しかし全てを手に入れる力を押し付けられた者。
会ってみたかった。
話をしてみたかった。
下らない不幸自慢をしてブリミルを罵倒しながら酒を飲んだらそれはどんなに楽しいひと時を過ごせるだろうか。
そういう風に考えていた時期が、ジョゼフにもありました。
完。
というのは冗談で、同じ虚無の使い手が居たとして、それがどうしたと彼は考えていた。
もしかしたら、先に書いたようにルイズと意気投合して笑いあう日がどこかの世界ではあったかもしれない。
だが、それはそれだ。
ジョゼフは見てしまった。
自分の使い魔のマジックアイテムを経由して見てしまったのだ。
もう一人の虚無の使い手、ルイズがウェールズと談笑している所を。
繰り返すがこの社会において"階級"と"魔法"の関係の絶対性を彼は誰よりも知っている。
だからこそ……
魔法の使えない公爵家の三女が……
亡国の皇子と話をしているという事実が……
それだけが彼には許せなかった。
アイツだけ上手いこと世の中渡りやがって。
まぁ、台無しだがつきつめるとそんな感じだった。
「速さは全てに勝る。杖を持つ相手は口を開く前に殺そう、剣を持つ相手は鞘から抜く前に殺そう。さすれば、誰が私を止められる?教えてくれぬか、神に最も近き男よ」
誰にでもなくそう呟いたジョゼフだが、その彼の正面の空間に黒いヒビが入る。
やがてそのヒビは裂け目として広がり、その中に広がる闇のような空間から人間の手足が、体が、頭が、そしてついに全身がズルリと姿を現す。
「始祖から受け継いだ至宝を嫌悪する貴方の考えは私には解りかねますが……いえ、言葉は必要無いでしょう?私たちは余りに違いすぎる」
神に最も近い男、ブリミル教が教皇にして虚無に目覚めた3人目、ヴィットーリオがそこに居た。
「そうだな、全てが今更だ。私は壊す。この世界を壊す。神の座になど興味は無い、それで正しいとも思っていない。だが、この歪んだ世界はそれで少しはマシになるであろうよ」
旧友に出会えたような懐かしい目でヴィットーリオを見ながらも、どこか諦めたような口調でジョゼフはそう呟いた。
「奇遇ですね、私も神となるつもりはありません。ただ厄災を防ぎたいだけに過ぎません。ヒトが滅ぶか、繁栄するかはやはりヒト自身が選ぶべきでしょう」
「あぁ、そういえばそのような話もあったな。それこそお前らが言う神の意思では無いのか?ヒトは……傲慢が過ぎた」
魔法主義な世界などクソくらえだと、壊してしまおう、後は放って置いても今よりマシな世界になる。
そう主張するジョゼフ。
ヒトが栄えるか滅ぶかはヒトが決める。私はただ大隆起という厄災を防ぎたいだけで、他は知った事か。
そう主張するヴィットーリオ。
お互いに共通するのは、自分が王や神になりたい訳ではなく、ただ何かしらの形で世界を救いたいだけ。
その後の事はその時に生きている人間がなんとかするだろう、統治になど興味は無い。
ただ、お互いが邪魔だという点だけはどうしようも無かったが。
ジョゼフにとってみれば、大隆起は世界を壊すのに丁度いいイベントに過ぎない。
コレがブリミルの意思ならばむしろ始祖ブリミルという個人を尊敬したっていい。勝手に捻じ曲げたのはその子孫達だ。
ヴィットーリオは大隆起を防ぐために聖地を奪還する以上、聖戦の足並みを揃える気が無い大国ガリアの無能王は邪魔だ。
お互いが邪魔というわかりやすい理由、そしてここは戦場。
ならば、する事など決まっている。
「ならば、仕方があるまいよ」
「ならば、仕方がありません」
ジョゼフはもう一度加速のカードを掴む様に掲げ、人差し指でトントンとカードの側面を叩いて戦いの意思を示す。
対するヴィットーリオは、自らの左右に空間の裂け目を展開、交戦の意思を露にした。
<<ATTACK RIDE>>
恋符弐連【マスタースパーク】
ジョゼフが純粋にその速さで世界から姿を消すと同時に、ヴィットーリオが左右に展開した空間の裂け目から極太の魔砲が放たれる。
世界を破壊する男と、幻想と世界を繋げる男の戦いが、始まった。
ルイズの前回のセリフが正しいなら、後2話らしい。
あとサイトとルイズどこいった。
キャラクター紹介
・ジョゼフ
速いです。
加速できるから仮面ライダーにしてクロックアップにしました。
一対一ならほぼ最強。
これはひどい。
・ヴィットーリオ
ワールドゲートがなぜかスキマになり、開いた隙間からスペルカードの弾幕が飛びます。
面制圧させたら一人でハルケギニアの全空軍相手にしても勝てる。
これはひどい。
以下、ハイパー言い訳タイム。
まず1つ。
入院してました。まぁ半月くらいだけど。
職場で倒れて救急車乗って調べたら胆のうに石が2個できてて胆のう取りました。
総胆管結石の疑いがあって検査が増えたりして入院が伸びました。
結果有給が全滅しました。
2つ。
ノートパソコンが壊れかけたのでデータだけサルベージしてPC買い換えました。
バッテリーをはずすときに動かすツマミのバネが効いていなかったので交換しました。
修理に出しました。
帰ってきたらハードディスクが壊れてました。
もう一回修理にだしました。
ハードディスクは新品に交換されてました。
前のノートからサルベージした文章や音楽データが全部消えました。
ごめん……やる気でなかったんだ……ホントは前回からすぐ更新するはずだったんだけどね……
一応あと2話書く予定です。
そうしたら次はもう……どうしよう。
あと散々好き勝手やっててなんだけど他の作者さんもこう思ったりするのかな?
「SSってどうやって書くか未だに全くわからない」