<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

ゼロ魔SS投稿掲示板


[広告]


No.33392の一覧
[0] 【ネタ】ゼロ魔日記(チラ裏から)【完結】[ニョニュム](2013/06/15 16:36)
[1] 【ネタ】ゼロ魔日記①[ニョニュム](2013/06/09 14:39)
[2] 【ネタ】ゼロ魔日記②[ニョニュム](2012/06/13 20:47)
[3] 【ネタ】ゼロ魔日記③[ニョニュム](2012/06/13 20:55)
[4] 【ネタ】ゼロ魔日記④[ニョニュム](2012/06/16 22:22)
[5] 【ネタ】ゼロ魔日記4.5[ニョニュム](2012/06/19 20:46)
[6] 【ネタ】ゼロ魔日記⑤[ニョニュム](2012/06/24 15:52)
[7] 【ネタ】ゼロ魔日記⑥[ニョニュム](2012/07/11 21:20)
[8] 【ネタ】ゼロ魔日記⑦[ニョニュム](2012/07/11 21:33)
[9] 【ネタ】ゼロ魔日記⑧[ニョニュム](2012/07/16 23:43)
[10] 【ネタ】ゼロ魔日記⑨[ニョニュム](2012/08/02 20:59)
[11] 【ネタ】ゼロ魔日記⑩[ニョニュム](2012/08/13 15:45)
[12] 【ネタ】ゼロ魔日記⑪[ニョニュム](2012/08/22 22:44)
[13] 【ネタ】ゼロ魔日記⑫[ニョニュム](2012/09/01 21:32)
[14] 【ネタ】ゼロ魔日記⑬[ニョニュム](2012/09/02 01:08)
[15] 【ネタ】ゼロ魔日記⑭[ニョニュム](2012/09/02 13:52)
[16] Q&Aコーナー[ニョニュム](2012/09/03 12:10)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[33392] 【ネタ】ゼロ魔日記④
Name: ニョニュム◆89bba7f2 ID:f5996ad4 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/06/16 22:22

○月×日◇曜日
『白の国』――――浮遊大陸アルビオン。内乱が勃発していると噂の危険地帯。その事をイリヤ達に説明してもよく理解しているようには見えなかった。まあ、こちらの世界とは違い、日本に住んでいたイリヤ達に戦争のイメージが沸かないのは無理もない。イリヤ達に説明している俺だって正直に言うとそこまで戦争のイメージがある訳ではない。この世界に生まれて、生活していく上で戦争を経験した人の話を聞く機会が何度かあったので漠然と戦争が前世の世界より身近に感じた気がしただけだ。どちらにせよ、そう簡単に向かえる場所ではない。浮遊大陸の名の通り、アルビオンという国はトリステインと同等の国土を持ちながら空中に浮いている。一言で言えば巨神兵がいない天空の城的なものだ。空中に浮いているので大陸自体が常に移動していてハルケギニアの上に訪れるのは月に何度か、ラ・ローシェルと言う港町から飛行船が出ている。丁度今頃ハルケギニアの上を移動している頃だと思うが少し遅い。ここからだとラ・ローシェルに着くまで馬を飛ばしても二日程かかる。むしろ、内乱状態と噂されているアルビオンへ飛行船が出ているかどうかすら分からない。

そんな風に思っている時もありました。俺は今、ラ・ローシェルにある宿で日記を書いている。今でも思い出したくない。俺がイリヤ達にアルビオンへ行く危険性を伝えていた時、ルビーがどうせ黒化した英霊(サーヴァント)と戦うから危険には変わりない的な事を言って、更に馬なんか無くても魔法使いなんだから飛べばいいんですよ的な展開で移動開始、戦闘では役に立たない俺だが治療ぐらいは出来る様にと治療用の魔法薬をいくつか揃えておいた。一応、フライという魔法があるのだが精神力を消耗する以上、ずっと飛び続けている訳にはいかない。イリヤと美遊に運んでもらったのだがその時にルビーとサファイアにぶら下がりながら移動という絶叫マシーンも真っ青な移動方法だった。実際、何度か手の握力が無くなって落っこちた。その度にフライで慌てて体勢を立て直していた。それでもイリヤ達のような年下の女の子に背負われるのだけは嫌だった。もはや男の意地である。

予算の都合からあまり上等な宿ではないが最低限扉に鍵がかかるくらいの宿にしておいた。飛行船が町を出るのはアルビオンが近付く関係上、明日出るらしく、夜が遅いのでイリヤと美遊には部屋から出ないように言い聞かせた後、『金の酒樽亭』と書かれた薄汚れた居酒屋でアルビオンの内戦に参加していた傭兵に一杯奢ってから情報を集めた。なんでも王党派はかなりやばい状態であるらしく雇われていた彼等は王党派に見切りをつけて帰ってきたらしい。それと考え過ぎだと思うのだが昼頃に貴族派と思われる緑色の髪をした美人の土系メイジが傭兵を集めていたという話を聞いた。土系メイジで緑髪の美人と言えば一人だけ思い当たる節があるのだがフーケがこんな場所にいる筈がない。それと店の客の一人にイリヤ達と行動していた所を見られていたらしく、イリヤ達の値段を聞かれた。

ロリか、ロリなのか、そちらの道は業が深いぞと心の中で呟きながら、貴族派へのお土産で純潔だからこそ価値があるとか適当な事を言って流しておいた。日記で書いて思い出すと相手に合わせる為とはいえ、我ながら最低な会話をしたもんだ。内戦状態で働き口が無いのでどこどこの女は安かったとかなんとか。お節介焼きの傭兵が何人かいて噂の土系メイジに口利きしてやろうかと言ってきたので危険を承知でお願いした。ドンパチやっている張本人達なら戦火の届いていない街や村を知っているだろう。そこを拠点にしてアルビオンを捜索すればいい。べ、別に美人メイジって言葉に惹かれた訳じゃないんだからな。




○月×日◇曜日
ねーよ、本当にねーよ。なにやってんだよ、トリステイン。死ね、祖国だけど死ね。なんで緑髪の美人メイジがフーケなんだよ。ありえんわ。まだ、一月も経ってないのに脱走とか職務怠慢もいいとこだ。居酒屋で顔合わせした瞬間に杖を差し出して降伏したわ。あんなゴーレムを作るメイジと戦争帰りの傭兵複数人とか抵抗する気も起きんわ。




○月×日◇曜日
昨日は感情の赴くままに日記を書いたが順を追って説明した方がいいんだろうか。ぶっちゃけ、俺自身よく状況が整理出来ていないので落ち着いて書きながら状況を纏めていこう。

昨日、傭兵に口利きしてもらった貴族派の美人メイジは捕まっている筈のフーケだった。美人メイジなんて言葉に反応しなければ良かった。

そうそう、フーケと居酒屋で顔を合わせた瞬間に降伏した俺はとりあえず敵意が無い事をアピールしたおかげで杖を没収されて椅子に両手両足を固定された状態でフーケが身を隠していたアジトへ連行された。そこでフーケと二人きりになるとどうしてここにいるんだとか、奴等と行動を一緒にしているのかとよく分からない事を延々と尋ねられて、全く意味の分からない俺が首を傾げているのを見て、溜息を吐きながら俺の目的を尋ねてきた。
フーケなら一度アレを見ているので正直にアレと同じような存在がアルビオンにいる事とそれを封印する為にやってきた事を伝えたらフーケの表情に凄い動揺が見えた。

確かにアレが戦場で暴れた時には味方も敵も、勝利も敗北もあったもんじゃない。後に残るのは圧倒的暴力の傷跡だけだ。戦争の結果がどうあれアルビオンという国がめちゃくちゃになっては意味が無い。
これをチャンスと判断した俺は一気に畳み掛けた。
アレはイリヤ達の世界から来たものである事。アレは無差別破壊をもたらす存在である事。アレを倒すにはイリヤ達の世界の人間にしか倒せない事。俺が死んだら契約が解除されてまだ六体も残るアレを置いてイリヤ達の世界へ帰ってしまう事。アレはまだ戦闘タイプでは無かった事。
アレに対する知識が無い割にアレの暴力を目撃してその危険性を認識している事を良い事に嘘を織り交ぜながら俺を殺さないような展開へ持っていった。伝説の『烈風』や一個師団を用意すれば英霊(サーヴァント)とやり合えるだろうがそんな事をフーケに教えてやる義理は無い。

それから数刻経った後、苦悶の表情を浮かべたフーケは椅子に縛り付けられた拘束を解くとお互いに干渉しない事を条件に一枚の手紙と戦火の届いていない村の名前を教えてくれた。サウスゴータ地方にあるウエストウッド村。ただし、その村に住む住人の一人でもアレの被害を受けたなら学院に乗り込んででもお前を殺すと宣言された。逆に言ってしまえばそれがフーケの弱点と教えているようなものだがそれでも守りたいものなのだろう。結局、杖は返してもらえなかったが他の物は返して貰えた。

どうやらフーケは誰かを襲撃した様で今日の飛行船に乗る事は諦めた。ごめん、正直に言うと杖が無い丸腰の状態で外を歩く怖さを思い知らされた。トラブルが起きてもよっぽど使わないが魔法という存在がどれだけ俺の中にある自信の基礎になっているか理解出来た。
これはもう魔法があるから他の剣術訓練はやらなくていいとか言ってる場合じゃない。
自分を守る力を持っている事に『慣れてしまった』俺は本当の意味で丸腰になる恐怖を思い知らされた。




マチルダ・オブ・サウスゴータの記憶
私が女売りに会おうと思ったのは本当に偶然だった。傭兵というのは基本的に血の気の多い奴が多い。同じ女としては胸糞悪いが傭兵達の欲望を向ける『犠牲』が必要である事は理解している。なんでも連れていた二人の少女は目が覚めるくらいの美人であるらしい。
本当は年端もいかない少女を売るその女売りをぶっ殺してやりたかったがそれほどの少女を純潔のまま確保する程ならば広い情報網を持っている筈。色々な情報を目当てに私は女売りに会う事にした。

傭兵が騒いでいる居酒屋でアイツと顔合わせした時、お互い呆気に取られていた。

アイツは捕まっている筈の私がここにいる事に対して。

私はあの餓鬼どもと別行動で私の事を追いかけてきたと思って。

それからアイツが杖を差し出して降伏するのは早かった。それと同時に上手いと思った。もし、この状況で抵抗したらアイツの実力から見れば傭兵の内、何人か犠牲が出ただろう。そうなればもう傭兵達も後に引けなくなる。だが、すぐさま降伏して命乞いをする事で傭兵達にアイツは数で脅せばどうにでもなる雑魚と認識するようになる。その刷り込みはなにか異常事態が発生した時に効果を発揮する。アイツが身のこなしだけならある程度の実力を持っている事を知っている。私を出し抜き逃げ出した場合、アイツを舐めている傭兵はアイツの事を捕まえられないだろう。

拘束して部屋まで運んで持っている情報を吐くように言うとアイツはなんの抵抗もせずに答えた。所詮、学生。命まで奪うつもりは無いがこちらが主導権を握っている限り命を脅しに使っていくらでも情報を奪える。そう思っていた。

アイツから伝えられた情報は私にとって衝撃の一言だった。

アレと同じ存在がアルビオンにある事。アレはアイツが呼んだ少女達の世界から来たものである事。アレは無差別破壊をもたらす存在である事。アレを倒すには少女達の世界の人間にしか倒せない事。アイツが死んだら契約が解除されてまだ六体も残るアレを置いて少女達の世界へ帰ってしまう事。アレはまだ戦闘タイプでは無かった事。

私の特製ゴーレムを一撃で鎮めたアレがまだ六体もいる。しかも、あの戦闘能力で戦闘タイプで無いと言う事実。アレよりもっと強い存在がいる。私が思い浮かべたのは村に住むあの子達の事。
アレの扱いを間違えればその被害は凄惨なものになる。私はアレとアレを討伐した少女達の人ならざる力を目の前で見ていた。

駄目だ、アレと同じ存在がアルビオンにある事自体が私には我慢出来なかった。アレの力が村へ向いたら。そう考えるだけで寒気がした。

だから私はアイツにかけて拘束を解いた。元々、私とアイツに敵対する理由が存在しないからだ。アイツがアルビオンへ向かう目的はアレを討伐する為。白仮面の計画の邪魔をする訳じゃない。


「アイツはどうなったんですかい?」

居酒屋に戻ると私にアイツの口利きをしてきた傭兵の一人が聞いてきた。

「スパイを引き入れそうになった事、主人には黙っておいてやるよ。感謝しな」

貴族の証でもあるアイツの持っていた杖を無造作に放り投げて踏みつけてへし折る。

「っ!?」

アイツの存在を知る傭兵全員が息を呑む。それだけの動作でアイツの末路を勝手に想像したのだろう。

それでいい。アイツにはアレをどうにかして貰わなければならない。これで白仮面に対する傭兵の口封じも完了した。

私は溜息を吐くと馬鹿な学生を襲撃する為に居酒屋を後にした。




後書き
主人公の失態+力を持ち慣れていた事の自覚回。魔法の使えない主人公は無力です。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.022233009338379