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No.29188の一覧
[0] 【短編集】水兵服とへっぽこ竜[MNT](2013/05/21 00:02)
[1] わたしのすきなせんせい[MNT](2011/09/01 12:12)
[2] これは私のための世界[MNT](2011/09/08 14:18)
[3] ヴェルダンデくんとフレイムくん[MNT](2011/09/19 14:11)
[4] 昔語り[MNT](2011/10/11 12:54)
[5] エレオノールの憂鬱[MNT](2011/11/10 21:32)
[6] 雨の日[MNT](2011/11/22 22:23)
[7] 粉々に[MNT](2012/01/19 19:27)
[8] 帰ってきたシルフィさんとフレイムくん[MNT](2012/02/04 19:29)
[9] ロビンさんとヴェルダンデくん[MNT](2012/03/14 00:41)
[10] 奇妙な主従[MNT](2012/04/07 21:01)
[11] 変わらぬ思いで[MNT](2012/04/25 00:57)
[12] 金属最大![MNT](2012/05/11 12:48)
[13] ガリアの優しいきゅうせいしゅ[MNT](2012/05/11 13:22)
[14] 愛と勇気とつぶあんと[MNT](2012/08/04 13:56)
[15] 晴れ後曇りの日[MNT](2012/09/19 23:01)
[16] 遠くにありて[MNT](2013/03/12 23:05)
[17] 水兵服とへっぽこ竜[MNT](2013/05/21 00:03)
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[29188] 金属最大!
Name: MNT◆809690c0 ID:e3975a1c 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/05/11 12:48

 きっかけは、春の使い魔召喚の儀式だった。

 キュルケは今でもありありと、「その時」のことが思い出せる。ゼロと呼ばれたツェルプストーの永遠のライバル、ヴァリエール家の三女は、順当にサモン・サーヴァントを失敗し続けた。

 爆発、爆発、またも爆発。

 最初こそ、万が一の何かの奇跡で、奇怪なものが召喚されるのではないかと思っていた生徒達も、ああやっぱりという思いになり、バカにして、そして飽きた。使い魔召喚をすませた生徒達が、一人また一人と学院に帰っていき、さすがに座り込んで眺めていたキュルケも、これはもうダメだと思い始めた時、ルイズ・フランソワーズは考えられないことをしでかした。
 召喚時に現れる銀色の鏡めいたもの、何十度めかの爆発の後、幻のように現れたそれに、彼女は突っ込んでいったのだ。

「いいわ、いいわ、もうわかった、わかったわよ! よーくわかったわ!! わたしの使い魔! どうしても来ないっていうなら、わたしが捕まえにいくだけよっ!」

 ミスタ・コルベールが止める暇も何もない。
 呆然とする生徒達の前で、ルイズ・フランソワーズは、姿を消した。この場所から、後々わかったことだが、この世界からすら。

 いくら魔法が使えないとはいえ、ルイズはトリステインの名家ヴァリエールの令嬢だ。それが授業中に行方不明、もちろん大騒ぎである。当時の直接の責任者であるミスタ・コルベールは投獄、最高責任者たるオールド・オスマンは職を辞して、蟄居。
 その場に運悪くいたトリステイン貴族の子弟達にも、軽いものだがお咎めがあったらしい。まあゲルマニア貴族たる自分には関係ないといいたい所だが、逆に他国の陰謀を勘ぐられ、キュルケとタバサは痛くもない腹をさんざん探られた。
 いや、タバサには痛かったのかもしれない、その後長期休学になってしまったから。

 退屈な毎日になってしまった。
 ヴァリエールもいない、タバサもいない。この国の男どもは微熱を燃え上がらせるには熱量が足りない。教師は萎縮している。
 ゲルマニアに帰る気になれないから、しょうがなくここにいる。そんな無味乾燥なキュルケの日常に再び転機が訪れたのは、オスマン老がいなくなり、老人の私物だった宝物庫の物を、出す出さないという時に現れた一人の盗賊の事件だった。

 盗賊のフーケ。土くれのフーケ。
 彼女は(女だった! 驚いたことにキュルケも知っている人物だった)、大胆にも開かれた宝物庫の扉をゴーレムで押さえつけ、力づくで中身を盗み出そうとして……失敗した。
 一人の女のせいで。

「まさか、こんなとこに転送装置があるなんてね!」

 なぜだろう、最初に目がいったのは、相変わらずボリュームが寂しい胸。
 手入れのゆきとどいてない、伸ばしっぱなしでパサパサのピンクブロンド。ドレス? 制服? 何ソレという汚れ放題の服。以前のヴァリエールの衣服からしたら露出度が高いそれから覗く肌には、数多くの傷跡が見え隠れしていた。いったいどんな修羅場をくぐってきたというのだろか。

 そして、
 はっきりとした意思を持つ強い瞳。
 ルイズだ。ルイズ・フランソワーズだ。

 だが、このルイズは、ゼロと呼ばれても鼻で笑い飛ばしそうな雰囲気があった。自信に裏打ちされた余裕。キュルケは、思わず高鳴った胸に我ながら驚いた。
 これが、あの、ゼロのルイズ?

 キュルケがぼんやりしている間に、目の前でもっと信じられないことが展開していた。見たこともない武器らしきものを手に、これまた見たこともない動きで、ルイズが戦っている。
 そうです、肉弾戦です。

「どんなゴーレムだろうと、使い手をヤればこっちのもんよ! この美味しいパイナップル……あげるわっ!」

 ヴァリエールの爆発魔法ではない、絶対ない。手のひらに乗るような小さな何かが大爆発をおこすのを、至近距離まで思わず近づいてしまったキュルケは見た。
 貴族の令嬢に何があったのか、動きには無駄がない。的を絞らせないように走り回り、あの得体のしれない武器らしき何かで、相手の力を確実にそいでいく。そして、こればかりは手放せなかったと信じたい杖で、ルイズの爆発魔法が炸裂。
 フーケはお縄となった。

 そしてルイズ・フランソワーズの帰還。

 だが、突如現れて、盗賊土くれのフーケを捕縛した英雄はこの世界に帰還することを、拒んだ。

「ツェルプストー、わたしは貴族なのよ。こんなナリになってしまったけれど、自分がトリステイン貴族なことを一時たりとも忘れたことなどない……そして貴族は受けた恩義は返すものなの」

 彼女は、マリアの仇を取ると言い切った。異世界に飛ばされたルイズを救い、母のように姉のように、まったく違う世界で生きる術を教えた不死身の女ソルジャーマリア……

「テッド・ブロイラー……絶対に許さない!」

 眩しかった。

 キュルケには、ヴァリエールが、ルイズが、輝いて見えた。自分が、だらだらとこのぬるま湯のような世界で過ごしている間に、ルイズはこんなにも変わった。思わず吐息を詰めて、吐きだすことを忘れるほどに。
 確かに外見はみすぼらしいといっていいだろう、だがそれをまったく意に介さない精神の強さ。

 転送事故とやらで、低確率ながらトリステインに戻ることができるとわかったルイズは、再び異世界に行ってしまった。両親にお会いするべきですという新学院長の制止を振り切って。

 その後もルイズはちょくちょく帰ってきては、奇妙な代物と言動を残していった。ドラム缶、お、おおおお、押すおおおお、押す、押す、というのが一番意味不明で、その他はスローウォーカーを注射でプスリよ、美味しいわよ、とか、解体、時代は今解体なの、とか、ポチはわたしの嫁もふもふ天国、とか、愛の新しい形がアレでアレでチップどこよ! カ○ル嫌ぁあぁぁぁあぁぁああぁ! スルー上等許してええぇえぇ! いや、わたし女だから、おねえさんってそういう意味っ?! ここキス魔だらけ! 何か汚れたわたし汚れた、とか。とか。

 そんなルイズが真面目な顔で、話しかけてきた。何度も何度も宝物庫の、あの奇妙な機械を潜り抜けてきたが、そんなことは今まで一度もなかったのに。

「ツェルプストー、いいえ、キュルケ、お願いがあるの。今までわたしの「あっち」での話を笑わないで聞いてくれたたった一人のあなたに。これを全部ヴァリエールに持っていって、そして、中身を研究するように言ってくれる? 特にこれは大切にして、とても貴重なものなの」

 回復カプセル、回復ドリンク、ゲンキデルZ、まんたんドリンク、エナジー注射にカプセル、名前を聞くだけで大体効果が想像できる。キュルケは、その薬類の向こうにルイズが歩いてきた険しい道のりを思った。女の子の玉の肌にこんなにも傷跡をつくっちゃって。それを気にしないどころか、勲章だと思っているあたりが、ちょっと悲しい。
 最後に手渡されたのは、再生カプセル。

「死者すら蘇生させると言われているわ……まあ、あまり本当とも思えないけど、瀕死の人間くらいなら蘇生できる、と思う」

 次姉カトレアの治療研究に役立ててくれ、と。

「わたし、ヴァリエールのいい子じゃなかったから、これくらいしか出来ないけど」
「ヴァリエール……ルイズ、あなた……死ぬ気なの?」
「テッド・ブロイラーの居場所がわかったの。あいつの攻撃、熱に対する準備もできた。一人じゃない、ミシカもアクセルも、ポチもいるわ、わたしは負けない」

 行かないで、なんて言えるわけがない。

「私の負けね、ルイズ」
「はぁ? 何言ってるのよ」
「こっちの話、必ず帰ってきて、また珍しいお土産をくれるんでしょう?」
「もちろんよ!」
「またね、ルイズ」
「ええ、キュルケ。また」

 笑顔で手を振り、転送装置に入って行ったルイズをキュルケは今も待っている。今はもう傷むだけ傷んでしまった鮮やかな桃髪の元ライバルの帰りを、待っている。
 理由はもちろんあるのだ。

「だってあの治療薬の研究結果、タバサのお母様にも使わせて欲しいこと言ってなかったんですもの」

 それに、ルイズは「また」と言ったのだ。真の貴族は約束を違えることはない。





チラ裏投稿時に頂いた感想と感想返しです。感想ありがとうございます。

[1]Rion◆6f35281a ID: 64ed7d94
まさかこうくるとはねぇ……すっかりワイルドになっちゃってw
しかしこんなMM世界に染め上げられたルイズも悪くない。
転送装置じゃ戦車までは転送できなかったはずだが、まあ戦車ならロマリアにもあるし、どうにでもなるかw
無事テッド・ブロイラーとおまけのバイアスも倒して帰還する未来を心待ちにしてます。



……ところで、当初の目的だった使い魔はどうしたんですかルイズお嬢様?

[2]am◆60b4837a ID: 37610472
結局、ルイズの使い魔は何なんだ?

[3]笹◆524122ec ID: 1dead949
>スローウォーカーを注射でプスリよ、美味しいわよ
-400超えたパンチラキックでもいいんじゃよ?
さあ、ルイズもレッツパンチラキック!

>いや、わたし女だから、おねえさんってそういう意味っ?!
イリットと結婚END乙
うん、まあ、実際女キャラでも結婚できるとはおもわなんだな
ルイズとイリットだと、想像すると微笑ましいけど


ナース♀とイリットだと犯罪的に妖しい絵面だよね


てか、ルイズの職業はなんだろう
やっぱりハンター/ナースかな?

[4]ジェイムデー◆a9c21b93 ID: 6f49477b
なんかもう使い魔はどうでもよさそうだ
熱対策だけしてモヒカンと注射で殺られると思ったけど、解体してるならそうでもないか…w

[5]雪印◆3061bb15 ID: 4004402a
タイトル見て一瞬、MMRマガジンミステリー調査班とのクロスかとオモタ

[6]ササハラ◆1d06737b ID: d27d8dbd
サイト以上にロマリアの戦車を乗りこなしそうなルイズ様w MM3のコーラを思い出す成長っぷり。
ルイズの使い魔候補。
1、ポチ・ベロ・ハチ
2、金食い虫
3、ブレード・トゥース
4、ドラムカン

[7]ふにゃ子◆b57417d6 ID: 720c7849
ルイズはブルフロッグとカリョストロには普通に勝てたのか!
MM2Rのあいつらはハンパなく強化されてて困るw

[8]宮毘羅◆3e00961a ID: 6c668878
MM2Rって何?
遊戯王やヴァンガードみたいなカードゲー?

[9]ミステリア◆1d06737b ID: d6c45f23
メタルマックス2リローデットのことだよ。
戦車と人と犬のRPG

[10]MNT◆809690c0 ID: e3975a1c
感想ありがとうございます。

ここしばらくずっとこればかりやってました☆3厳選は地獄です。
ルイズの職種は、ハンター/ナースのつもりでした。何ここの医療技術すごい、これならちいねえさまを……というイメージです。
逆に使い魔は、あまりきっちり決めていませんでした、一発ネタだったので。
まあポチくらいが妥当なところかなという気はしますが、ドラム缶金食い虫を引き連れるルイズも捨てがたい。

カエルはルイズの鬼門なのでアレはスルーされてますヒドい。

[11]unkown◆3ca736d1 ID: ae204ea4
こういう感じの母親とガチでやり合えそうなワイルドなルイズが大好きです。
転移当初は大嫌いな爆発魔法で生き残ったんでしょうねぇ

[12]B=s◆8818fd3f ID: 3915bd45
ここでまさかの「ドラム缶が使い魔」説浮上。久々にドラム缶を押したくなるから困る

[13]でぃえす◆99fdef01 ID: 2e53a515
正直ブラドの戦闘力が半端無かった件について
頑張れルイズ、そこまで辿りついたら後はブロイラーさんを倒してバイアスブラドに引導を渡すだけだ!!

MNT
レス遅くなってしまって申し訳ありません。
ガチ武闘派ルイズは、金食いドラム缶を引きつれても似合うと思うんですよ。
そして初期は節約のために爆発魔法を大活用という感じです。そしてブラドを倒したらクリア後の賞金首……がっ!
それにしてもテッド様は火炎よりも即死攻撃……がっ!


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