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No.21011の一覧
[0] 【チラ裏より】ラ・ヴァリエール家の不破(転生とらハオリ主 ) 十話追加[水無月](2010/09/19 13:49)
[1] プロローグ (改)[水無月](2010/09/12 21:28)
[2] 転生先は如何に?[水無月](2010/09/12 21:40)
[3] 三年目に思う事[水無月](2010/09/12 21:52)
[4] 主人公設定[水無月](2010/09/12 22:00)
[5] 護りたいから[水無月](2010/09/12 22:13)
[6] 剣術事始[水無月](2010/09/12 22:27)
[7] その名は『霊力』【副題 虚無少女の更なるチート】[水無月](2010/09/12 22:40)
[8] 外伝 ゼロの○○[水無月](2010/08/18 21:23)
[9] 剣を捧げるべきか否か 前編[水無月](2010/09/12 22:53)
[10] 剣を捧げるべきか否か 中編[水無月](2010/09/12 23:28)
[11] 剣を捧げるべきか否か 後編(改)[水無月](2010/09/01 01:09)
[12] 天高き国にて縁を紡ぐ 前編[水無月](2010/09/01 00:42)
[13] 天高き国にて縁を紡ぐ 後編[水無月](2010/09/05 20:40)
[14] 閑話 剣の行く先[水無月](2010/09/10 21:12)
[15] 手段は変われど想いは変わらず 前編[水無月](2010/09/15 22:36)
[16] 手段は変われど想いは変わらず 後編[水無月](2010/09/15 22:44)
[17] 日記 ①[水無月](2010/09/19 13:46)
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[21011] その名は『霊力』【副題 虚無少女の更なるチート】
Name: 水無月◆b60bbd75 ID:c4ad9fb0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/12 22:40
朝食が済み少々時間が過ぎて──
 
ラ・ヴァリエール家の広大な庭の片隅に、レイ・フォルス・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの姿があった。
 
誰にも見られたく無いのかキョロキョロと周囲を見渡し、更に一定周囲の気配を探ると言った些か臆病とも取れる慎重な行動の後……
 
フゥと息を吐き、徐にその場に腰を下ろした。
 
貴族にあるまじき『地べたに直接座る』と言う行動を見咎められるのを嫌っての慎重さかと思われたが、そうでは無さそうだ。
 
「見られる心配は無い……か。後は気を抜きさえしなければ……」
 
ポツリと呟き、足を所謂『座禅』の形にする。
 
そしてもう一度周囲を見渡し、徐に目を瞑った。
 
レイが何故このような事をしているのかには理由がある。
 
朝食前に考えた事 姉カトレアに、ある『力』に依る治療が効果が無いだろうかと考えたのだ。
 
レイが御神 斗真であった時、修行の旅の最中に『神咲某』と言う一剣士に出会った。
 
彼は少々変わっていて、とある一流派の皆伝者を名乗ったくせに斗真の扱う小太刀の取り回しの良さや守りに適した特性にいたく感心して興味を示し、斗真に扱い方の教示を要請したのだ。
 
渋った斗真に彼は、その代償としてと言う事で『人の内に眠る人ならざる存在を討つ力』すなわち『霊力』を教えると提示した。
 
そうまで言われては斗真も断れず、時に小太刀の扱い──御神を教える訳にはいかないので、一刀に依る扱い方だが──を教え、時に『霊力』の扱いを教わる と言う形で共に研鑽を積んだ。
 
この『神咲某』この後更に小太刀での研鑽を積み、そこに符術を加味して『神咲楓月流』を興すのだが……斗真には預かり知らぬ事である。
閑話休題
 
その後斗真であった時の老齢の砌に、衰えた体力を補う形で使っていた。
 
その『霊力』の利用法の一つである『癒し』に着目し、扱い方を思いだそうと相成ったのである。
 
真っ暗な視界の更に、更に、更に奥の、内の、内の、深遠と言える内側を、斗真では無くレイとして意識し、探査し、感知する。
 
身体の奥底に眠るマグマの如き熱、生命力の輝き。
 
それを斗真であった時の事を思い出し、表面に具現させる。
 
ドクンと一際大きな心音の音をきっかけに、身体に纏われたのを感じ目を開く。
 
煌びやかな生命力の輝き──黄金の光が身体から立ち上っている。 
 
この黄金の光が『霊力』であるのだが……
 
見られない様に慎重になっていたレイなのだが『霊力』は本来先天的、後天的を問わず『霊視』能力のある者にしか視確出来ないものである。
 
即ち、彼の慎重な行動は少々無意味に該当するかもしれない。
 
「ふむ……量は神咲氏に匹敵しそうか……」
 
レイとしての霊力量は、斗真であった時より増大している。
 
これはメイジという超常の力を扱う血が関係したのだろう。 
だが、今の所それは関係無い。
 
今知りたいのは……
 
「……俺の『癒し』でどれほどの効果を期待出来るか……」
 
である。
 
斗真の時にも数度『癒し』を行使した事があったが、それほど効果のあるものでは無かった。
 
尤も、いくら『神咲』直伝とは言え 少々習い、磨き上げた事実も無い上で『体に纏って少々の肉体強化及び耐久力強化』『小規模の霊力放射』『打ち身程度の癒し』と使えたのだから異常ともいえるが ──
 
少し時間を遡り
 
ルイズは朝食後に姿を消した兄を探していた。
 
兄と遊びたいからでもあるのだが、それだけでは無かった。
 
朝食前にルイズは言ったのだ。
 
自分も剣をやりたいと。 
 
その為に兄を探していた。 
 
話は少々変わるのだが、ルイズはレイにとって『特別』な存在である。 
 
それは大切な妹だから──では無く、彼の『天敵』になれる可能性故の『特別』
 
ルイズは気配を消せる訳では無い。
 
訓練をした訳でも無く、レイのような特殊な子供では無いのだから当然だが……
 
だがルイズが隠れようとした時、その気配はレイには感知し辛くなるのだ。
 
これをレイは『敵意が無く、自らの修行が足りない』所為だと考えているが、そうでは無い。
 
この先どれほど修行しようと、レイはルイズに気付けず、ルイズはレイの不意をつける。
 
故に『特別』なのである。
 
そのために気づけなかった。
 
座禅を組む自分に近寄ってくるルイズの気配を……
 
「あ、にいさ……」 
庭の片隅で遂に兄を見つけるルイズ。
 
いつものごとく声を掛けようとして、動きが止まる。
 
見たことも無い座り方で座っている兄。
 
その体から立ち上る黄金の光。
 
しっかり存在し、儚く揺れる。
 
それはまるで黄金の炎であった。
 
「……きれい……」
 
あんな光、あんな炎は見たことが無かった。
 
魔法かと思ったが無意識に違うと断じた。 
 
あれは違う。
 
あれはそんなものでは無い。
 
あれは命。
 
命そのものの光。
 
人に許された、存在無き存在を討つ力。
 
故に美しく、故に儚い。
 
茫然と眺め続けるルイズ。
 
不意にルイズは身体の内側に熱を感じた。
 
「……ふへっ?」
 
熱は始めは微かなもので、ただの違和感に感じられ ルイズは小首を傾げた。
 
だが次の瞬間……
 
「えっ……きゃ、きゃぁぁぁぁぁ!!」
 
熱は一気に燃え上がり、間欠泉の如く湧き上がった。
 
side レイ
 
「えっ……きゃ、きゃぁぁぁぁぁ!!」
 
「む!?ル、ルイズ!?」
 
突然背後から聞こえたルイズの叫び声。
 
何事かと思い、背後を振り返った。
 
「な!?……何だこの厖大な霊力は……」
 
そこには確かにルイズの姿があった。
 
だがそのルイズから途轍もない量の霊力が立ち上っていて、愕然としてしまう。
 
「はっ!馬鹿か俺!まずはルイズを助けるのが先決。呆けている暇など有りはしないだろうが!」
 
ルイズを護るのが俺の存在意義。 
 
故に霊力だろうと何だろうと、邪魔はさせん!
 
俺とルイズの間はこちらで言う10メイル程。
 
立ち上がる際の反作用の勢いを得て一気に駆け出す。
 
「……ぐっ」
 
距離が近付くにつれ圧力が増す。
 
本来無意識な霊力に物理的な力は無い。
 
だがルイズの霊力量が厖大な為か、そんな常識をねじ曲げている。
 
「ちぃ、系統は虚無で剣才は破格、霊力量も人外って、なんてチートだ!!」
 
つい叫んでしまうが、聞かれる心配は無いだろう。
 
ちゃんと気配は確認済みである。
 
残り2メイル程に来た時更に圧力が増し止まる。
 
今の身体能力的にこれ以上は限界かも知れない。
 
だが……
 
「……霊力が」
 
どれほどの障害だろうと……
 
「……霊力風情が」
 
例え神であろうと……
 
「御神不破を舐めるな!!」
 
『護る』御神に負けは無い!
 
無茶を承知で霊力で身体能力を強化。
 
今使える霊力の全てを使用した強化が切れる前に距離を詰め、ルイズに辿り着き、喉も破けよとばかりに叫んだ。
 
「目を、覚ませ!!ルイズゥゥゥゥゥ!!」
 
すると……
 
「はにゃ!?」
 
纏った霊力で浮遊--と言っても数サント程ーーし、夢現な表情をしていたルイズは何とも気の抜ける声を上げ正気を取り戻した。
 
「はにゃ?うにゃ?……あ、にいさま」
 
何事も無かったかのような様子のルイズ。 
 
そして俺はと言うと……
 
「……はにゃって」
 
気が抜けて後ろに倒れ込み意識を失った。
 
その後、意識を取り戻した時は大変だった。
 
ルイズとカトレア姉さんはわんわん泣き、エレオノール姉さんと父上は涙目で怒りと困惑で半々と言った様子。
 
母上は……目を向けられなかった。
 
そして罰として三日間の謹慎を言いつけられ、何とも遺憾な一日は幕を閉じた。




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