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No.21011の一覧
[0] 【チラ裏より】ラ・ヴァリエール家の不破(転生とらハオリ主 ) 十話追加[水無月](2010/09/19 13:49)
[1] プロローグ (改)[水無月](2010/09/12 21:28)
[2] 転生先は如何に?[水無月](2010/09/12 21:40)
[3] 三年目に思う事[水無月](2010/09/12 21:52)
[4] 主人公設定[水無月](2010/09/12 22:00)
[5] 護りたいから[水無月](2010/09/12 22:13)
[6] 剣術事始[水無月](2010/09/12 22:27)
[7] その名は『霊力』【副題 虚無少女の更なるチート】[水無月](2010/09/12 22:40)
[8] 外伝 ゼロの○○[水無月](2010/08/18 21:23)
[9] 剣を捧げるべきか否か 前編[水無月](2010/09/12 22:53)
[10] 剣を捧げるべきか否か 中編[水無月](2010/09/12 23:28)
[11] 剣を捧げるべきか否か 後編(改)[水無月](2010/09/01 01:09)
[12] 天高き国にて縁を紡ぐ 前編[水無月](2010/09/01 00:42)
[13] 天高き国にて縁を紡ぐ 後編[水無月](2010/09/05 20:40)
[14] 閑話 剣の行く先[水無月](2010/09/10 21:12)
[15] 手段は変われど想いは変わらず 前編[水無月](2010/09/15 22:36)
[16] 手段は変われど想いは変わらず 後編[水無月](2010/09/15 22:44)
[17] 日記 ①[水無月](2010/09/19 13:46)
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[21011] 護りたいから
Name: 水無月◆b60bbd75 ID:c4ad9fb0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/12 22:13
side レイ
 
腹の底に力を込めないと、思わず屈してしまう威圧感。
 
「……もう一度聞きます。……レイ、貴方はこヴァリエール公爵家の嫡男で有りながら、剣を手にしたいと……そう言いましたか?」
 
余りにも違う母の声音に、知っている事と実際に感じる事はやはり違うものだな──と、内心での驚嘆を隠し頷く。
 
「はい。母上」
 
剣を持たぬ自分など自分では無いと裂帛の意志を込め、母の目を見つめ返す。
 
──三歳の誕生日のその日
 俺とルイズの誕生日会が開かれた。
 
盛大なものを開きたがった父であったが、母の鶴の一声にて内々のものに変更を余儀無くされた。
 
尤も俺としては有り難い事だったが……
 
それでも誕生日会は盛況に進み、皆が祝ってくれるのが嬉しいのか、ルイズは終始ニコニコ顔であった。
 
普段は仏頂面の多いエレオノール姉さんも、優しさの溢れた表情で楽しそうにしていたし、日頃から体調の芳しくないカトレア姉さんも体調が良いようで──体調を考慮して控え目にしていたが──それでも楽しそうに笑っていた。
 
父は言わずもがなである。
 
母も機嫌が良さそうだったので、この場を借りて剣を始めたい旨を両親に伝える事にした。
 
その結果──今の状況である。
 
見つめた母の目には覇気が宿っていたが、怒気らしきものは皆目見当たらなかった為 自分の予想は間違いでは無いと確証を得る。
 
「……何故 剣を持ちたいのです?」
 
少々 視線を転じてみる。
 
父は威厳を見せ厳しい表情でこちらを見てくるが、母が怖いのか若干腰が引けている。
 
エレオノール姉さんは顔色を青くして 多分俺に発言の撤回をさせようとしているのか、心配そうな視線を向け 口をパクパクと開閉させていた。
 
カトレア姉さんは……
ニコニコと微笑んでいた。
 
やっぱりこの人は大物である。
 
そしてルイズは……
 
「にいさま……かあさま……ケンカ……してるの?」
 
俺の隣で泣きそうに顔を歪め、俺と母の間でオロオロと視線を転じつづけた。
 
ソッと微笑みルイズの髪を撫でる。
 
「ケンカなんてしてないよ ルイズ」
 
「本当……?」
 
返事の代わりに更に笑みを深め頷く。
 
そしてまたも視線を母に転じて……
 
「……護りたいからです。自分の大切なもの……全てを」
 
負けじと覇気を込め 、真の戦闘者同士にだけ通じる技法『目で伝える』を発動。
 
この程度の覇気なら、もっと強大だった『大うつけ』殿で慣れたもの。
 
況や俺にも出来ぬ事でも無い事だ。
 
「……護りたいと言いますが……それは魔法でも出来るのでは? むしろ魔法の方が色々な状況に対処出来る筈……」
 
やはりか……と思えてならない質問だった。
 
母が悪いのでは無い。
 
これがこの『ハルケギニア』での常識だ。
 
魔法衛士隊の様に剣を使うメイジもいるにはいるが、彼らは魔法の『補助』に剣を使うのであって、俺とは間逆だ。
 
俺のしようとしている事は、常識破りの異端である。
 
「確かに魔法ならば色々な状況に対応出来るでしょう。」
 
「なら……「ですが」……」
 
「……魔法は精神力が源と聞きました。ならば精神力が切れれば使えない。」
 
違いますか?と視線を投げかける。
 
「…………」
 
「……魔法が無ければ戦えないでは話にならない。それでは護れない──だから魔法が使えくても五体満足であれば戦える、護れる手段が欲しいのです!」
 
静寂が続く。
ついつい熱くなって、子供らしからぬ発言になってしまったかと内心冷や汗をかく。
 
せっかくルイズと二人きりである時以外は、稚拙な演技力を駆使して三歳児らしくしていたのに……
 
だがここは畳み掛けるべき場面。
 
好機を逃す真似はしたくないので、このまま発言を続ける。
 
「……それとも 母上の仰られる立派な貴族とは、魔法を使い切ったら護りたいものを見捨てるか、共に犬死にする者なのですか?」
 
「ッ、言葉が過ぎるぞ!レイ!」
 
沈黙する母の代わりに激昂する父。
 
予想通り、予定通りの行動に内心ほくそ笑み……
 
「申し訳ありません。言い過ぎました。ですがこれは私の正直な気持ちです。常々考えていたのです。誇りとは『過程』に該当させるだけで無く、むしろ『結果』にさせるべきでは無いかと……」
 
「「…………」」
 
「故により良い『結果』を、何者に対しても誇れる『結果』を得る為に──剣を、より多くの手段が欲しいのです」
 
ルイズの頭の上の手を下ろし、頭を垂れる。
 
「成すべき事もしっかりやります。その上で剣を握らせてください。お願いします」
 
またも静寂の帳が落ちた。
 
静かに時が進む中、 意外な人物が沈黙を破った。
 
「宜しいでは無いですか、お母様」
 
俺の右手横側、ルイズの隣に居るカトレア姉さんの声だった。
 
「……ですが」
 
「レイちゃんなら大丈夫ですよ。レイちゃんを信じてあげて下さい」
 
あまりの事に、呆然とした阿呆面でカトレア姉さんに視線を向ける。
 
こちらに気付いたカトレア姉さんは、悪戯げにクスリと笑みを零した。
 
「……解りました。レイ、剣を握るのを許可します」
 
予想では一度ぐらいの説得では無理だろうと考えていた為、 急転直下の展開に頭がついていかなかったが、自分の利となる事柄はしっかりと耳に入っていたので──バッと音がする程の俊敏さで視線を母に向けた。
 
「ですが自分で言った通り、成すべき事を成した上でですよ」
 
約束ですよ、と母は優しげに微笑んだ。
 
「はい!」
 
「レイ……」
 
「はい 父上」
 
若干空気と化していた父に目を向ける。  
「……やるのなら中途半端にするな。そんな者は、立派な貴族と言えんぞ」
 
先程の立派な貴族云々の意趣返しだろう。
 
不敵に笑う父に苦笑い気味に……
 
「はい、肝に命じて置きます。」
 
~おまけ~
 
「しかし…随分と大人びた発言をするのだな、レイ」
 
「あ…こ、これはその…」
「兄様、二人きりの時はもっと違うよ!」
 
「こ、こらルイズ!」
 
「あらあら」
「へぇー、どう違うの?教えてみなさい ルイズ」
 
「う~んとね、え~とね…何だか格好好いの」
 
「ほう」
 
「へぇーー(ニヤニヤ)」
 
「あらあらあら(ニコニコ)」
 
「む、むぅ……」
 
~おまけ2~
 
「むぅぅぅぅぅ」
 
「あら、どうしたのルイズ」
 
「──ルイズもやる」
 
「えっ?」
 
「兄様がやるならルイズもやる!」
 
「「「えっ!?」」」 

 
「あらあら」
 
「……やっぱりですか」
 
「何馬鹿な事言ってるの、このおチビは」
 
「やる!」
 
「ル、ルイズは女の子だから他の事を…」
 
「やるったらやるの!!」
 
「……(顰めっ面)」
 
「やるったらやるったらやるの!!!」
 
「……パンツが丸見えで、はしたないぞ 妹よ」
 
「 そこ!?(by父」
 
「あらあらあらあら」
 
~あとがき~

カトレアさんのイメージは琴絵さんです
こんにちは水無月です
第四話『護りたいから』をお送りしました。
少し両親の物分かりが良過ぎと思われるかもしれませんが、
私の中でのヴァリエール夫妻は前話の考察と合わせて こんな感じです。
違和感を感じる方をいらっしゃると思いますが、見逃して戴けると幸いです。
それでは 今回はこの辺で
また縁があれば







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