<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

ゼロ魔SS投稿掲示板


[広告]


No.21011の一覧
[0] 【チラ裏より】ラ・ヴァリエール家の不破(転生とらハオリ主 ) 十話追加[水無月](2010/09/19 13:49)
[1] プロローグ (改)[水無月](2010/09/12 21:28)
[2] 転生先は如何に?[水無月](2010/09/12 21:40)
[3] 三年目に思う事[水無月](2010/09/12 21:52)
[4] 主人公設定[水無月](2010/09/12 22:00)
[5] 護りたいから[水無月](2010/09/12 22:13)
[6] 剣術事始[水無月](2010/09/12 22:27)
[7] その名は『霊力』【副題 虚無少女の更なるチート】[水無月](2010/09/12 22:40)
[8] 外伝 ゼロの○○[水無月](2010/08/18 21:23)
[9] 剣を捧げるべきか否か 前編[水無月](2010/09/12 22:53)
[10] 剣を捧げるべきか否か 中編[水無月](2010/09/12 23:28)
[11] 剣を捧げるべきか否か 後編(改)[水無月](2010/09/01 01:09)
[12] 天高き国にて縁を紡ぐ 前編[水無月](2010/09/01 00:42)
[13] 天高き国にて縁を紡ぐ 後編[水無月](2010/09/05 20:40)
[14] 閑話 剣の行く先[水無月](2010/09/10 21:12)
[15] 手段は変われど想いは変わらず 前編[水無月](2010/09/15 22:36)
[16] 手段は変われど想いは変わらず 後編[水無月](2010/09/15 22:44)
[17] 日記 ①[水無月](2010/09/19 13:46)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[21011] 天高き国にて縁を紡ぐ 前編
Name: 水無月◆b60bbd75 ID:c4ad9fb0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/01 00:42
今回はご都合展開が過ぎるかもしれません。(汗
 
~~~~~~~~~~
 
レイとルイズがアンリエッタとの邂逅を果たして数ヶ月経ったある日、父ヴァリエール公爵より、アルビオンへ旅行に行く旨を伝えられた。
 
これはかねてより両親が計画していたレイとルイズに、剣意外のものに目を向けさせる方策の一つである。
 
計画立案時、何故旅行なのかと疑念を持った母カリーヌにより、公爵の『最近忙しくて、子供達と交流を取れなかった。なのでここらで旅行などして気兼ねせず子供達と遊びたい!!』と言う真意が発覚。
カリーヌによる『六時間耐久説教』の刑に処された--などと言う経緯があったり無かったりしたとか……
公爵の名誉の為にも、無かった事にしておこう。
 
尤もルイズは兎も角、レイの前世『不破 斗真』は月夜に月見に洒落込むなどと、風流を解する面もあったので、両親の心配は杞憂に過ぎないと言えるが--レイとしてそれを表に出した事は無いので強ち見当違いとは言えないのである。
閑話休題
 
旅行の旨を伝えられルイズは、予想以上と言う程の喜びを見せた。
 
レイ相手程では無いが、一般並に好いている家族との旅行なのだから、当然と言えるだろう。
 
意外だったのはレイである。
剣の鍛錬があるため忌避すると思われたレイであったが、ルイズ程では無いにしろ、控えめながら喜びを見せていた。
 
アンリエッタと出会ってから数ヶ月……
その間はレイにとって苦難の連続であった。
 
原作ではどうだったか見当がつかないが、この世界のアンリエッタは小悪魔であった。
 
どれぐらいかと言うと……将来的には知る人ぞ知る『さざなみ寮の小悪魔』の異名を持つ妖精に並ぶと思われるほど。
 
先に述べておくが--決して『大魔王』では無い。
 
もし『大魔王』であれば、すでにこの国に存在する『スカロン』なる自称妖精との『二大天災』の揃い踏みと言う悪夢が展開される事になる……
 
その悪夢の被害者最有力候補のレイとしては、その点に胸を撫で下ろしたのだが……
 
結局『小悪魔』だろうと、『大魔王』だろうと、レイに被害が及ばないわけも無いので、出来る限り被害を抑えるため、アンリエッタとスカロンを邂逅させない事を人知れず誓った 。
 
そんなアンリエッタと日々を--流石に毎日では無いが--過ごすのだから、レイの心労は計り知れない。
 
かと言って……家でもレイには心休まる時間などありはしなかった。
 
家にいればルイズが、レイの愛刀・無明を奪おうと狙っている為、片時も油断は出来ない。
 
であるからして--レイにとっても旅行の知らせは僥倖であり、どの様な思惑であってもこの旅行を立案した父に感謝を禁じ得なかった。
 
そう言った悲喜こもごもの状況の中始まったアルビオン旅行だが--ちなみヴァリエール公爵家一同六名、従者五名、侍女五名、総勢十六名でのアルビオン行きとなった--詳細は少々省かせて戴こう。
 
とは言っても、記せる事など限られていて……
 
--船から見えるアルビオン大陸の偉容に、レイでさえ感嘆の声上げたり
 
旅先の開放感から、宿では姉弟四人で同じ部屋で寝たり--レイはカトレアの、ルイズはエレオノールの抱き枕になっていた--
 
ルイズは旅行に気を取られ……アンリエッタはいる筈も無い……と言う事で一時的とは言え安寧を味わえたレイの
 
「そうか……これが平穏だったな」
 
と言う哀愁漂う呟きを聞いた従者が、涙を誘われたりと--
 
概ね、そのような感じであった。
 
そして今--ここシティオブサウスゴーダの街に、レイの姿があった。
 
旅行の行程も残す所あと数日となり、最後はシティオブサウスゴーダで過ごそうと相成ったのである。
 
そこでレイは、かねてより探している『ある物』をここでも探す事にし、従者を一人連れ--ルイズは流石に疲れたようで、お昼寝中である。--街に出たのである。
 
「しかし旅先でまで探すハメになるとは……レイ様も大変ですね」
 
「仕方ないさ……一つでも、心労の種を排除出来るんだ。苦労は惜しまんさ」
 
アンリエッタを訪問する際など、王都トリスタニアを訪れる度、レイはルイズ用の小太刀を探していた。
 
「しかし……わざわざアルビオンで探さなくとも、トリスタニアでもあるのでは?」
 
従者の疑問も尤もである。
 
小太刀は場違いな工芸品である物の、所詮ハルケギニアでは重要視されない剣でしかない。
 
故に、骨董屋や武器屋の片隅で見つける事が出来るのだが……
 
「……それでルイズが満足出来るのなら、苦労は無いさ……」
 
見つかる物の大多数が数打ちの量産品であるし、偶にそれなりの品も見つかるのだが……
 
レイの愛刀・無明に比べると数段落ちる為、ルイズに気に入られる事も無く--無明の魅力を再認識して更に狙う--と言う悪循環に陥っていた。
 
「はぁ……それはまた大変な事で」
 
「……人事のように言うな。お前も手伝ってくれさえすれば、多少なりとも苦労は減るんだぞ?」
 
「手伝うのは構わないんですが……私に剣の良し悪しの判別は無理ですよ?」
 
「何、なら俺が教え--「覚える頃には私はいませんよ?」--……」
 
このレイに付き添い、気さくに話す従者--名をエルヌス・ファヌージュと言い、父が公爵家の家臣である為従者に抜擢された。
 
年の頃は十四、五で茶色の髪に青い瞳、魔法の腕は土のライン--とは言っても、後少しもすればトライアングルになるだろう--さほどパッとしない少年であるが、トリステイン貴族とは思えぬ程気さくで、平民に対しても分け隔て無く接する。--尤もそれは例外を除き、ヴァリエール公爵家全体に言える事だが--珍しい貴族子息であった。
 
年も比較的近い為、レイは彼を連れる事が多く、こういった軽口を叩く事が出来る仲であった。
 
「お忘れですか?後数ヶ月もすれば、私は学院に入学するのですよ?」
 
「数ヶ月あれば充分だ。刀の判別法を叩き込んでやる」
 
なおも諦めの悪いレイに、エルヌスはにっこり笑い……
 
「嫌です。」
 
と宣った。
静寂の一時が場を支配した。
 
そしてレイは不敵に笑い言った……
 
「問答無用!」
 
「断固として、お断りします!」
 
逃げるエルヌスを追いかけ、レイはその場を後にした。
 
数刻後……
シティオブサウスゴーダの裏街に当たる通りの片隅の骨董屋に、レイとエルヌスの姿があった。
 
「お目が高いね若旦那、それは一押しの品だよ」
 
裏に属する店の店主の代名詞のような店主のニヤニヤ笑いと共に発せられた言葉に、エルヌスは顔を顰めたが、レイは見向きもせず眼前の木製の箱を注視していた。
 
「……レイ様。余りにも胡散臭過ぎます! 店も、店主も!!」
 
こういった店では胡散臭い事が決まりのようなものであるが、そんな事を知る由も無いエルヌスは、レイの為を思ってか、このように声をかけた。
 
「否定はしないが……こういうものだと理解してくれ」
 
苦笑混じりに発せられたレイの言葉に、エルヌスは渋々納得し、黙り込んだ。
 
レイはもう一度苦笑いを浮かべ、またも木製の箱を注視した。
 
木製の箱--使われている木は桐のようであり、前世で良く見受けられた、刀を納める桐箱と思われた。
 
それだけなら注視する程でも無い。
 
レイが特に注視している箇所は--桐箱の上部、そこに刻印されている家紋であった。
 
(この家紋……間違い無い。これは……神咲の家紋だ)
 
そう。
この桐箱には……神咲の家紋と、霊力での封印らしきものが為されているのである。
 
長さからも中に納められてる刀は小太刀と思われ、レイは自らの幸運を祝しそうになった。
 
だが一つ懸念事項があった。
それは……
 
(何故封印されているか……か)
 
そうである。
如何に退魔の大家たる神咲と言えども、ある刀ある刀全てに封印を施す訳もなく……
 
(霊刀か……はたまた妖刀か?)
 
と言う訳である。
 
かと言って、捨て置くにも勿体無い。
 
とある人物のように、分の悪い賭は嫌いじゃない……などと言えれば簡単なのだがそうもいかず、何とも足踏みしてしまうレイであった。
 
結果から言えば買ったのだが--店主の態度が癇に障り、エルヌスが激怒したりしたが--これは割愛しよう。
 
宿に戻る途上、レイが突然立ち止まった。
 
「……どうしたのですか?宿はまだ先では……?」
 
エルヌスが怪訝な表情で尋ねるが、レイは応えず……
どうしたものかと、エルヌスが首を傾げると、突然レイが踵を返し走り出した。
 
「へっ?レ、レイ様!?」
 
「逃げるぞ!!」
 
突然の主の言葉にエルヌスも走りだすが--頭の中は疑問符で一杯である。
 
「に、逃げるって……何から?」

 
当然の疑問だが……その解答は後ろから聞こえた。
 
「気付かれたぞ!逃がすな!」
 
男性のものと思われる声に、エルヌスは振り返る。
 
そこには破落戸(ごろつき)と思われる服装の男達が八人、こちらを睨み付け駆けていた。
 
「な、 何なんですかあいつらは!?」
 
「知らん。まぁ推測するに、俺か桐箱を狙ったチンピラだろう。」
 
走りながら答えるレイ。
四歳児とは思えぬ--体格は十歳児相当だが--落ち着きぶりに、以前から知っていたとは言え驚きを隠せないエルヌス。
 
「な、何でそんなに落ち着いてるんですか!?」
 
「そう言われてもな……自分でも良く分からんさ」
 
初めのダッシュが効いているのだろう。
 
話しながらでありながら--二人と八人の破落戸の距離は、徐々に離れて行った。
 
「なかなか早いじゃ無いかエルヌス。体もそれなりに鍛えているようだな」
 
関心関心と走りながら頷くレイ。
 
だがエルヌスに言わせれば--レイの方が異常とも言える。
 
(こ、これだけ走って、しかも喋ってもいるのに息切れもしないなんて……レイ様は化け物か!?)
 
さもありなん、元々の身体能力が高く、御神流の鍛錬を毎日しているレイである。
 
この程度出来て当然と言えよう。
 
暫く走り続けると、破落戸共を振り切ったらしく、背後に気配を感じなかった。
 
「……ひとまず逃げ切れたか」
 
「ゼー、ハー、ゼー、ハー……」
 
距離にして1リーグ程を全力疾走したにも関わらず、レイの息は乱れる事も無く……
 
息も絶え絶えなエルヌスを置き去りに、周囲を警戒しだした。
 
「……な、何者でしょう、あいつら?」
 
漸く息が整ったエルヌスが疑問を投げかける。
 
「先程も言ったが知らん。まぁ目的が箱か俺か……判断する方法は無くは無いが……」
 
「えっ?ど、どうやって!?」
 
とある店に視線を向けるレイの視線を追い、とある店に目を向けるエルヌス。
 
「……雑貨屋?」
何故と問う間も無く、レイは雑貨屋に向かう。
 
「ま、待ってください!」
 
エルヌスが後を追い店に入るが、レイはすでにある物を買い終えていた。
 
買った物それは……
 
「布が二枚に……木箱?」
 
そうである。
レイの手には桐箱の同程度の木箱と、それを包み込める大きさの布が、二枚あった。
 
どうするのか問おうとするがレイの行動は早く、あっと言う間に桐箱と木箱2つの箱を布で包み込み、木箱を包んだ包みの方をエルヌスに差し出した。
 
「……あ、あのこれは一体--「別れるぞ」……へっ?」
 
「目的が俺であるなら--追っ手は全て俺に向かうだろう。だが箱であれば--追っ手は分散し、どちらも追われる……そう言う事だ」
 
エルヌスは--なるほど理にはかなっている--と考えたがそれも一瞬で、次の瞬間には叫んでいた。
 
「そんな!危険です!!もし奴らの狙いがレイ様だったらどうするんですか!?」
 
「そうなれば、そうなればだ。お前が先に戻り、父上達に報せてくれれば良い。その間、俺は逃げ回るさ」 
 
「そんな簡単に--」
 
「そら、言い合っている暇は無いぞ。……来るぞ」
 
更にエルヌスが言い募ろうとするが、時間は待ってはくれない。
 
四つ辻の向こう側--北側に先程の男達の姿が見えた。
 
「いたぞ!!」
 
「お前は西、俺は南だ」
 
言うやいなや、レイは四つ辻の反対側--南に向かって走り出した。
 
「あーもう!直ぐに応援を連れて来ます!絶対に逃げ切って下さいよ!!」
 
そしてエルヌスも西側に向かい、足を早めた。
 
シティオブサウスゴーダ近くの森の中--レイはその森の樹の上で、息を整えていた。
 
分散策は上手くいき--男達は二組に別れ、レイとエルヌスを追い続けた。
 
街中を逃げるにも、地元民であるあちらが有利と考え、レイは街を離れ森に逃げ込んだ。
 
森は言わば、御神の剣士のフィールドである為、レイは問題無く逃げ切った。
 
どころか、わざわざ樹上から追っ手を観察する余裕まであった。
 
無駄とも思える行為だが、それでも収穫はあった。
 
(……破落戸にしては歩き方が洗練されている……貴族の変装か?)
 
追っ手の男達--彼等は格好通りの破落戸では無く、貴族の変装であるらしかった。
 
(……わざわざ貴族が変装する必要性--公に出来ぬ事情がある……と言う事か)
 
そう考えていると、男達の気配が森から遠ざかり始めた……
 
(……諦めたか?……兎に角判断は降りてからにしよう。)
 
樹から飛び降りるレイ。
地上4メイル程の高さから躊躇無く飛び降りるが……
 
「きゃっ!?」
 
(何!?)
 
突然聞こえる声。
 
気配はしなかった筈なのに、誰かがいたようだ。
 
警戒を忘れずに、声のした場所に目を向ける。
 
そこには金の髪に耳の尖った--可愛らしい少女がいた……



前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.021944046020508