買い物から帰ってきた日の夜、セランは学院の側にある草原で剣を振るっていた。
以前使い魔召喚の儀式がおこなわれていた場所で周りが開けており多少大きな音を出したりしても大丈夫な場所だ。
近くに置いた魔法の照明で浮かぶセランの動きは、速く、鋭く、正確だった。
敵をイメージしその急所に容赦のない一撃を立て続けに繰り出すその姿はまさに歴戦の戦士にして達人というべき姿だった。
ひとしきり剣を振るった後、その剣デルフリンガーが話しかけてきた。
「やるな、相棒。いい動きだ」
「それはどうも」
かなり長い時間剣を振るっていたのだろう、額から流れる一筋の汗を拭いながら、満足気に答えた。
「お前さんの剣は明らかに実戦で鍛えられたものだな」
「ええ、正式に剣を習ったことはありませんが実戦経験は豊富です。それに良いお手本がいました」
セランが少し懐かしむかのように言う。
「以前四人で旅をしていたのですが、その内の二人がおそらく世界で一、二を争う剣の使い手でしたのでね。私はその二人の戦い方をこの目で見続けてきましたから」
それも何年もの間だ。その動きは脳裏に焼きついている。
「ほう、じゃあもう一人は?」
「格闘で並ぶものはいませんでしたね……それにしてもこのルーンの力は本当に大したものですね。自惚れるわけではありませんがあの三人に近い戦いぶりができるようです」
薄く光っている左手の甲のルーンを見ながら関心したように言う。
「元々多少は剣を使えたんだろう?それに上乗せされたんじゃねえか?」
「ふむ……それでこのルーンの事、何か思い出しましたか?」
「いんや、さっぱり」
きっぱりとデルフが言った。
「私のことを使い手と言ったではないですか」
「何か思わず口をついてでたんだよな。自分でも不思議だ」
「どこに口があるんですか……でも何かひっかかるものはあるのでしょう?」
「う~ん……確かに何かこう喉元まで出かかってるんだがなぁ」
「だからどこに喉があるんですか……まったく、せっかく買ったというのに役にたちませんね」
「そんな事言ったって覚えてねえものは仕方ねえだろ。何てったって何千年も昔の話なんだぜ?」
「人でも剣でも長く生きると物忘れがひどくなるのは一緒ですか」
「まあ大事なことならそのうち思い出すさ」
「大事なことならはじめから忘れないでほしいものですが……」
ぼやきながらデルフリンガーを鞘に収める。
「やはり自分で調べるしかありませんか。とりあえずルーンの力は大分使いこなせるようにはなってはきましたから今はそれでよしとしましょう」
その時学院の方から人影がこちらに向かってくるのに気づく。
「さて、次は魔法の実験ですね」
「何でまたこの二人がいるのよ……」
ルイズが朝と同じように不満そうな声を出す。
夕食の後セランにここに来るように言われたのだが、自分だけではなくそこにはキュルケとタバサがいたのだ。
「昼も言いましたがこれからとある魔法の実験を行いたいのです。それにお二人に協力してほしいと思いまして」
「そう……」
ルイズはなおも不服そうだったが一応黙った。
「さて、今回の実験ですが私の使う魔法と系統魔法を比べたいのです。本や授業でそれなりに理解できましたし様々な推測もできましたが、やはり実際自分で直接使って比較するのが一番です」
「系統魔法を……自分で使う?」
矛盾したことを言うセランにルイズは首をかしげる。
系統魔法を知らないから比べたいのに自ら使うというのはどういう意味だろう。
「これから私が使う魔法はかなり特殊な魔法です。昼間もお話したと思いますが決して他言しないでください。いいですね?」
セランの言葉に三人は頷いた。
「それではまずタバサさんから……」
セランはタバサの前に立ち、呪文を唱える。
「モシャス」
するとセランの姿が煙につつまれる。その煙はすぐに消えたがそこに現れた姿を見て三人は驚きの声をあげる。
「え?タ、タバサ!?」
そこに立っていたのは紛れもないタバサだった。
だがそのタバサの前には別の、最初からいたタバサがやはり驚きの表情で新たに現れた自分を見ている。
つまりタバサが二人になったことになる。
「ふむ成功しましたね。能力の方も問題なしと」
新たに現れたタバサが確かめるように腕を動かしたり軽く跳ねながら言う。
「も、もしかして……セラン……なの?」
ルイズがおそろそるといった感じで言う。
「ええ、そうですよ。これはモシャスという変身魔法で姿形や能力を完全に真似することができるんですよ」
そういってタバサの姿をしたセランはにっこりといつものように笑った。
その笑顔にルイズとキュルケはひどく違和感を覚えると同時に
((タバサって笑うとこんなに可愛いんだ……))
などと多少場違いな感想を漏らす。
当のタバサは面白くなさそうに自分の姿のセランを見ている。
「本当にそっくりね、全然見分けがつかないわ……すごい魔法ね」
水系統の魔法にフェイスチェンジという顔を変える魔法はあるがこれはそんなものではない。顔から体格、声、服装や手にした杖まで完全に同じなのだ。
「さてと、それでは系統魔法を使ってみますか」
タバサの姿をしたセランが杖を構えゆっくりと呪文を唱え始める。
「なるほど……魔力はこういう感じで……私の魔法とはやはり違いますね」
身体をめぐる魔力の流れを感じながら風の魔法を使ってみた。
さらにいくつかの魔法を使い感触を確かめたあとセランはモシャスを解いた。
「大体感触は掴めました。これが系統魔法ですか……」
「それにしても凄い魔法ね。完全に他人になりきれるなんて」
キュルケが改めて感心したように言う。
「ええ、ですので他言しないようお願いします」
セランが念を押す。
「そうよね……使いようによってはいくらでも悪さできるわね。ロバ・アル・カリイエじゃやっぱり禁呪扱いだったりするの?」
「悪用されないよう色々と対抗策がありますし、見破る方法もあります。そもそも使える者が限られていますのでこの魔法による犯罪はほとんどありません。しかし、この魔法がまったく知られていないこの地となりますと……」
「確かに広まると面倒」
タバサも同意する。
ここまで完璧に他人になれる魔法があれば悪用する方法などいくらでもあるだろう。
セランにその気がなくとも存在が知られるだけで色々と厄介ごとに巻き込まれかねない。
「さて、実際に系統魔法を使ってみてはっきりとわかったのですが、私の魔法と系統魔法はやはりかなり違いますね」
自分の使う魔法は契約により使えるようになり、多少向き不向きがあるだけで素質等はあまり関係ない。
だが系統魔法は生まれながらの素質がかなりの部分を占める。
特定の者しか使えない魔法というのは前の世界にもあり、代表的なのは勇者しか使えなかった雷撃の魔法だ。
特にギガデインの魔法は凄まじい威力をもっており何とか使えないかと色々試してみたものだが結局徒労に終わったものだ。
この世界の系統魔法はそれをつきつめることによってより便利にしたもののようだった。
そして実際に使ってみてわかったことがある。
「非常に残念ですが私に系統魔法の素質はほとんど無いようですね。例え杖の契約をしてもおそらく使えないでしょう」
大きくため息をつく。半ば予想していたこととは言えやはりショックだった。
「まあ嘆いていても仕方ありませんね。さて、もう一つ実験したいのですが……」
気を取り直し、セランが取り出したのは何の変哲もない木の棒で、先ほど厨房の裏に積んである薪の山から持ってきたものだ。
それを地面の上に立てる。
「今からキュルケさんにある魔法をかけます。特に害はありませんし効果もすぐに切れるものですがよろしいですか?」
「ええ、いいわよ」
キュルケが即答した。
「それでは……マホトーン」
キュルケに魔封じの魔法をかける。そして
「マホカンタ」
ぼんやりと光る半透明の壁が目標の前に現れる。
「それではキュルケさん、あの木を的に炎の魔法をぶつけてはいただけませんか?」
キュルケは首を傾げたがとりあえず言われたとおり杖を取り出し呪文を唱え始める。
すると目の前に小さな火の玉が現れる。
キュルケは一瞬眉をしかめたがそのまま呪文を唱え続け火の玉を大きくし目標めがけ解き放った。
「ファイアーボール!」
火の玉は真っ直ぐ進み、光の壁にぶつかると一瞬だけ止まったかのように見えたが、すぐに何事もなかったかのようにすり抜け目標にぶつかる。
木の棒はあっという間に燃え尽きた。
「マホトーン、マホカンタは効果なし……いや、ほんのわずかだが反応したかな?」
その様子を注意深く観察していたセランが呟く。
「キュルケさん、今魔法を使ったとき何か感じませんでしたか」
「そうね……言葉で説明するのは難しいけど確かに何か違和感みたいなのは感じたわ。でも気のせいだと思ったし、実際魔法は使えたわ」
「そうですか……キュルケさんにかけたのは魔法封じで魔法を使えなくするものであの光の壁は魔法を反射するものでした。そして二つとも間違いなく発動しています。しかし魔法を使え反射はしませんでした。これは私の魔法と系統魔法が多少似通うところはあるものの、ほとんど別物と言っていいようです」
そこで言葉を一旦切り、自分の魔法の立ち位置がこのハルケギニアにおいてどのようなものかを推測を混ぜて言う。
「……おそらくですが私の魔法は系統魔法よりこちらで言うところの先住魔法に近いのでしょう」
先住魔法と言われてルイズ達が固まる。
先住魔法は系統魔法が広まる以前からあった魔法で、現在扱うのはエルフや翼人といった人間以外の種族になり人間のメイジにはほとんど伝わっていない。
ただ総じて言えるのはその威力の大きさだ。ハルケギニアの人々はエルフとの長い戦争で先住魔法の恐ろしさを身をもって知っていた。
「正確には系統魔法と先住魔法の良いとこ取りですね。系統魔法の使いやすさと先住魔法の威力の高さ。この二つを併せ持つと言えます」
「それって反則じゃない……」
キュルケがあきれたような声をだす。
「その分汎用性があまり無く戦闘に特化されています。日常で使える魔法は少ないですからね、何事も万能という訳にはいきませんよ」
例えば土の系統魔法には農業に役立てることができるものや建築にも使えるものがある。
セランにしてみればそういった魔法のほうがはるかに魅力的なのだ。系統魔法が使えないのが返す返すも残念でならなかった。
「それに先ほどのマホトーンやマホカンタみたいにあちらの魔法用に調整されていたりするものは、こちらでは効果が弱いかまったく意味をなさないでしょう」
どの魔法がどのように作用するのか色々と試す必要がありますね、と付け加える。
例えばマホカンタは効かなかったが熱や冷気そのものを防ぐフバーハは効果があるのか?魔力を吸い取るマホトラはこの世界のメイジに効果があるのか?ロックの魔法にアバカムは?等々……
調べるべきことはいくらでもある。
そしてその為にはキュルケやタバサのような優秀なメイジの協力が不可欠だ。
「とにかく他にも色々と調べたいことがあります。協力お願いしますね」
改めてタバサとキュルケにお願いをする。
「構わない……だけど変わりにこちらからもお願いがある」
「お願いですか?」
「あなたの魔法……私も覚えることが出来る?」
タバサは真剣な目で尋ねた。
セランの魔法は戦い専用といっていい。だからこそ今のタバサには必要だった。
「あ、私も覚えたい。何か凄い魔法が多そうだし」
キュルケも同じように言う。彼女の場合は完全に興味本位でだが。
「残念ですが無理です。」
しかしセランは迷いなく答えた。
タバサ達は知らないが、ルイズも以前セランの魔法を覚えられないかと訊いたのだが同じように断られていた。
「私の魔法を使うには契約の儀式を行わねばなりません。こちらで言うところの杖の契約、それが一つの魔法ごとに必要なのです。契約自体にそれ専門の特殊な知識や経験が必須にもなります」
これを行えるのはダーマ神殿の神官だけだ。ハルケギニアでは契約は不可能だろう。
「それにもし契約が可能でもお勧めできません。使いこなすまでになるのが非常に大変で、一苦労どころではないのですよ」
「そんなに大変なの?」
「ええ、身体と精神に負担がかかるのである程度心身を鍛えなければ使いこなすことが出来ないのですよ。そしてそれには戦闘用魔法が多いという事もあるでしょうがやはり実戦で鍛えながらというのがもっとも効率が良いのです」
「ふ~ん……それで、セランは今くらいに使いこなす為にどれくらいその経験をつんだの?」
「そうですね……命がかかった戦いを一日に十回以上、それを毎日繰り返して数年続ければとりあえずの経験としては充分かと」
何でもないことのように言うセランに三人は愕然とする。
「何で……生きてるの、あんた?」
ルイズが眉をしかめ当然の疑問を口にする。
「それは勿論日ごろの行いがいいからですよ」
これまた何でもないことのように平然とセランは言った。
この世界では無茶どころか思いつきもしないような鍛え方。
それを可能にするある特殊な魔法の存在をセランはまだ明かしていない
「まあとにかく私の魔法はお勧めできません。皆さんは系統魔法を学び、伸ばすことが一番ですよ」
「結局それがいいみたいね」
キュルケが残念そうに言う。
タバサもまだ何か言いたそうだったがとりあえず納得したようだ。
「ただ魔法の応用やコツぐらいならお教えすることができますよ。基本は違えど応用の仕方は大差ないようですから」
「……教えてほしい」
「私も教えて」
「はい、構いませんよ。その代わり魔法の実験のお手伝いの方もお願いしますね」
「ええ、よろしくお願いするわ、先生」
からかうようにキュルケが言った。
ルイズはそんな三人の会話を相変わらず不機嫌そうに聞いていた。
自分はあの会話の中に入れない。入ることができないのだ。
三人の会話に入れないという疎外感が、まともに魔法が使えないというコンプレックスが刺激される。
本来なら主人である自分が誰よりも力になるべきことなのに自分はセランの力になれない。
自分の使い魔なのにどんどんセランが遠くになっていくように感じられる。
そしてそれを引き止める資格が自分には無い事もわかっていた。
時折笑いながらキュルケ達と楽しそうに会話しているセランを見て、それが理不尽なものだと自覚しながらも、モヤモヤとした暗い、形容しがたいモノが心の奥底に沈んでいく気がした。
ルイズが一息ついたセランに話しかける。
「……残念だったわね、系統魔法の素質が無くて」
いい気味だわ、と心の中で付け足す。そんな事を思ってしまう自分に自己嫌悪を感じながら。
「残念ですが仕方ありません。とにかくこの世界の魔法を早く理解しなければいけませんからね」
「焦ること無いじゃない。ゆっくり解っていけば」
「そうもいきませんよ。ルイズだって魔法が上手く使えない理由を早く解明したいでしょう?」
「え……?」
ルイズは一瞬セランが何を言っているのか解らなかった。
失敗魔法しか使えない理由。当然ながらルイズも自分で調べたものだ。
だがどう調べてもまったく解らなかった。教師陣もただただ首をひねるばかりだ。
「え、えっと……じゃあ早く覚えたいのは、その……わ、わたしの為?」
「当然じゃないですか。勿論それだけという訳ではありませんが一番の理由ですね」
何を今更という感じでセランは言った。
「系統魔法とは違う魔法を使う私なら、何かに気づけるかもしれませんからね。それにモシャスを使ったり私の魔法と比べながら、みたいに別方面から調べれば思いもつかなかった事がわかるかもしれません。以前言いましたが魔法使いにとって大事なのは柔軟な思考ですよ」
「で、でもわたしだって散々調べたのよ?そう簡単にわかるわけが……」
「ええ、ですけど使い魔の私がルイズに為に出来る事が、今のところはこれぐらいでしょうからね」
その言葉を聞くとルイズは自分の勘違いに気づいた。
セランは今自分が最も求めていることを最優先してくれている。
勝手に遠くに感じてふてくされていたが、この使い魔はすぐ側で主人の為に自分のやれることをやっていたのだ。
先ほどまで感じていた心の中の暗いモヤモヤが急速に消えうせ、何やら色々な意味で恥ずかしいものがこみ上げてくるのがわかった。
「まあそれなりには期待していてください」
ぽんとセランがルイズの頭に手を置く。
「しゅ、主人の頭を気安く触るんじゃないわよ!」
怒りとそれ以上の恥ずかしさから顔を真っ赤にした。
そしてそんな主人を使い魔はいつもの笑顔で見ていた。
「え、えっと、その……」
わたしの魔法の事で頑張ってくれてありがとう。そして変な嫉妬してごめんなさい。
と言いたかったが当然面と向かって言えるはずもなかった。
ましてや近くにキュルケ達もいるのだから。
「わ、わたしには変身しないの?わたしの魔法の事を調べるなら必要でしょう?」
結局口にでた言葉はそれだった。
「ああ、それならすでにしています」
「へ?」
「ルイズを使った人体実験ならルイズが寝ている間にさんざんやっていますのでご心配なく」
「か、勝手に変身したの!?」
「モシャスだけじゃありませんよ。寝ている相手に更にラリホーの魔法をかければ大抵の事では起きませんからね。意識があるときではとても協力していただけないようなことも……おっと」
いけないいけない、とわざとらしく口を押さえる。
「何やったのよ!あんたわぁ!!」
「ああ、それとルイズ。変身してわかったのですが一週間ぐらい前と比べておなか周りが出て体重が増えてきてますよ。最近夜食も多いようですし……若いからといって暴飲暴食していてはいけませんよ?」
「よ、余計なお世話よ!あ、あんたには関係ないでしょう!?」
最近ストレスからか自棄食いすることが増えた気がしていただけに、かなり心にきたようだ。
「そんな、ただでさえ起伏に乏しい体型なのですからこのままでは筒のような身体になってしまうのではと純粋に心配して……おお!?」
セランが眼前で起こった爆発を見事にかわす。
「逃げるな!使い魔と主人以前に女性への礼儀ってのを覚えなさい!!」
続けざまに放たれる爆発魔法を避けながらセランが関心したように言う。
「お、いい感じですね。爆発魔法の使い方がだいぶ上達してきましたよ。やはり魔法は理論より実践、そして積み重ねですね」
「全然嬉しくないわよ!」
セランの言葉通り十日前に比べ確実にキレのよくなった爆発魔法を次々と繰り出すルイズ。
これもほぼ日課となったセランとの追いかけっこによるたまものだろう。
(やれやれ、うまく誤魔化せたかな?)
ルイズにはあのように言ったが本当は違う。
ルイズに変身したのは本当だが失敗したのだ。正確には姿形は真似できたが魔法は一切使えなかったのだ。
(普通の系統魔法は真似できた。しかしルイズの魔法はできない……これはモシャスの、私の能力を超えるということか?)
これは初めてのことで、ルイズの魔法に俄然興味がわいたものだ。
(まあ段々見当はついてきているのですけどね……)
そもそも使い魔召喚の儀式とは己の属性を決めるためだという。
例えばキュルケはサラマンダーを召喚したから火の属性。タバサは風竜を召喚したので風の属性。モグラを召喚したギーシュは土の属性という具合だ。
では人間である自分を召喚したルイズの属性は何か?
火、水、土、風のどれにあてはまるとも思えない。
だとすると残るは一つだけだ。
もっと詳しく調べたいところだがすでに図書館の本は、タバサの手助けで非常に効率よく探せたので生徒が見れる範囲では大体調べつくしていた。
(後は教師達しか見れないというフェニアのライブラリーに期待ですかね)
ルイズの爆発魔法を器用に避けながらセランはそんな事を考えていた。
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後書き
マホカンタとマホトーンの制限をしました。
これがあるとハルケギニアのメイジとの差が大きすぎますので。