【注意!】この回は本編とはあまり関係ない与太話です。ネタだらけです。メタだらけです。この話には「平賀才人」が出てきますが、本編ではありませんし、本編とは違う世界の話ですので多分問題はありません。平賀才人は今日も真心喫茶109にやって来た。彼は少々不満げな顔をしていた。いつもならば今日のおやつはタルトでも頼んでみるかとか思うのだが、今日はそんな気分じゃない。眉を顰めた顔で彼は喫茶店の扉を開いた。「店長!店長はいるかい!?」才人がこの喫茶店の店長である因幡達也を呼ぶと、厨房からは彼の妻である杏里が顔を覗かせた彼女は少し驚いた表情で才人を見た。「あら、才人君じゃない。どうしたの?」「どうしたじゃありませんよ!?念願かなって本編に出たのに何ですかあの扱いは!?確かに『平賀才人』は一応原作の主人公ですが、俺はあんな性格じゃありませんよ!これは陰謀に違いありません!責任者出て来い!」「何を言ってるの才人君。この世界の才人君と本編に出てきた『平賀才人』と名乗る男は別人よ。そもそもこの世界の私たちと本編の私たちは違うって注意書きでも書いてあるじゃないの」「どんだけメタな発言ですかそれ!?」「まあ、いきなり登場して向こうの旦那をこき下ろして更に主人公宣言しちゃあ、流石に不評を買うのは当たり前よ。第一あれが本当に才人君なら、ルイズさんを頼むと達也に言うと思うわよ?あくまで121話から122話に出てきたのは『平賀才人』と名乗る男なんだから」杏里はニコニコしながら才人に語りかける。その間に杏里はサービスとか言って彼女特製のカプチーノを才人の前に差し出したのだが・・・カプチーノが何故紫色になってるんでしょうか?さあ、皆で考えよう。①何だかんだ言いつつ杏里による嫌がらせ。②元々こういうものだよ?知らないの?③私が作るからには色々工夫しなきゃ!と考えた結果。④何かの沈殿物の色。「さあ、どーれだ?」「どーれだ?じゃないですよ!?明らかに飲めそうにないですよね!?何か奇妙な泡でてるし!?」才人が謎の液体Xに怯んでいると、厨房奥から109店長の達也が現れた。「おい杏里、また客に試作品を飲ませようとしてるのか」「今日は葡萄色のカプチーノを作ってみたのよ」「何をどうしたらそんなのが作れるんだお前は」「偶然て怖いわね。自分の才能が恐ろしいわ。これから喫茶界の発明女王と呼ばれてもいいくらいよ」「「偶然作った謎の液体を飲ませようとするな!?」」才人と達也は困った初代看板娘に突っ込んだ。達也は頭を押さえながら才人に話しかけた。「まあ、今回も色々説明しなきゃいけないな。久々のX話だしな」「向こうの私たちもついに新たな第一歩を踏み出したしね!」「まあ、お前の出番は以降、あんまりない訳だがな」「メインヒロインの筈なのにこの扱いは何かしら?最近の出番はアンタの誕生日を祝ったぐらいじゃない」「お前は俺の心のメインヒロインであって109のメインヒロインと明記した覚えはないのだが」「何だと貴様ーー!!それはアレか!?浮気フラグか!?浮気フラグなのね!?まだ現地妻を諦めていなかったのか!?そうだわ!きっとあのフィオって女がそうなのね!?異種間恋愛なんてベタベタすぎるわ!5000年思い続けていたとか一途にも程があるからね!」「お前は挫け掛けてたもんな」「杏里さん、店長はそうは言っても杏里さん一筋じゃないですか。考えすぎだと思います」「別世界の話なのに罪悪感で身が引き裂かれそうな思いです。本当にすみませんでした・・・うう」「ちょ!?泣く事ないでしょう!?」「平賀、女の涙に簡単に騙されてはいけない。女の涙はいつでも使える武器だ。ただし男の涙はいざという時にしか使えない切り札。そんな切り札の涙を流せる人生を俺たちは送りたいな」「何いい話に纏めようとしてるのよあんたは!?それにその発言は偏見がてんこ盛りなのよ!?」「さて、平賀、本編122話に現れた極端にウザイ『平賀才人』と名乗る男のことだがな、あれはある種の怨念みたいなものだ。あの男も言ったとおり109の大元のゼロの使い魔の主人公は他ならぬ平賀才人だが、その才人は他人の夢に出てきて説教するような男か?違うよな?本物の平賀才人は『そうしてお前は家族や待っている人々を傷つけていくのか?それは自分勝手だろうが』なんて言って他人を責めるような真似はしないものな。だって当の才人も親の憔悴した姿をみているんだからな。妙なテンションな時もあるもんな結構。だから、あの男は平賀才人そのものじゃない。そんなわけがない。そもそも原作才人が来た所で最強になるほど109世界は甘くないしな。ミミズとかいるし。あれがもし本物の才人だとすれば、まず109ルイズからは嫌われると思うぞ。原作才人は案外上手くやるかもしれないが」「?つまりあれは俺じゃないのか?」「安心しろ平賀。109の主人公はお前じゃないと前書きに書いてある。つまりその時点で『真の主人公』を名乗る『平賀才人』は彼の言うように『贋作』の一つでしかないのさ。そもそも平賀才人には自分が『主人公』という概念がそもそもないからな。そして向こうの俺も言ったろう?夢の世界の住人の癖になんて言い草だと。あくまであの男は主人公の夢に出てきた存在。主人公に対する『敵意』の塊がたまたま平賀才人を装い現れただけなのさ。本人が言うには矛盾に満ちた発言が数多くあるからな、あの男には。要は主人公の自問自答が『過剰演出』によって夢に出てきたと考えてくれればいい。幼女は出ないがルーンの効果は続いてるからな」「・・・という事は、結局俺本人は出てないってことかよ!?何だよそれ!釣りのつもりか!?」「いや、今回のこれは釣りでもなんでもない。そもそも主人公がこれは夢じゃんとか言ってるしな。平賀才人に他人の夢に出る能力などない。あれは主人公に対する悪意、迷いが具現化した存在だ。主人公はまだまだ中二病なところがあるというわけだな」「あれ結局一人芝居なの!?」「まあ、ただしウェールズが出てきたのは一人芝居じゃないとだけは書いておこう。奴は明らかに主人公に憑いてるからな」「王子何やってんの!?」「才人ファンの方には混乱させたかもしれない。申し訳ない。だが109主人公は因幡達也で、109のハルケギニアには才人君は出てこない。109では召喚されてないし、彼は穏やかな日常を送っている設定だからな。今回の才人を名乗る男は達也の迷いの結晶と考えてくれて構わないし、無論何か勘違いした主人公(笑)と考えてくれても構わない。達也の物語はまだ続く予定だから見守っていてくれ」「・・・結局俺は何時出れるんだ・・・」「予定は未定だ」「ふざけんな!?あ、それと聞きたかったんだけど」才人はホットドッグを食べながら達也に聞いた。「何だ?」「その、主人公の妹の真琴ちゃんが、喋る杖を手に入れたんだけど?」「ああ、原作にインテリジェンスワンドが出ていたのかどうかも知らず、喋る剣があるなら杖もあってもいいじゃんという軽い気持ちで作った捏造アイテムだな。皆様何だかリリカルの主人公みたいな事を不安に思っているのかもしれないが、あくまで真琴ちゃんはこの作品の良心だし、魔王化はしない・・・と思うよ?」「何故疑問系なんだ?」「人生は何が起こるか分からないものなのよ・・・」杏里が遠い目をしながら呟く。・・・一体何があったのだろうか?「で、結局ルンさん・・・あの擬人化幼女は一体何なのさ」「それについてはフィオがすでにヒントを言っている。そんなに複雑じゃないぞ、あのルーンの正体は。ちゃんとその辺は回収しますのでご安心を」「え、ヒント言ってんの?」「うん。別に世界を揺るがすようなもんじゃないからな。残念ながら」達也は肩を竦めてそう言うが、才人はそんなに軽くて良いのかと思った。「・・・・・・最後に心配な事があるんだけど」才人は神妙な面持ちで聞いた。「122話でのレイナールとの会話は何かのフラグじゃないよね?」「・・・戦争だからな。味方ばかりに都合のいいことは起きないよ。戦争だからな」達也は真面目な顔になってそう言った。才人はその表情に何処か果てしない不安を覚えた。「ところで俺びっくりしたんだけどさ、ハルケギニアにも『ギアス』が存在するんだってな!」「何でそんなにテンションが高いのよ・・・確かにそれは魔法として存在するけど・・・」「まさかとは思うけどゼロの使い魔ってコー●ギアスの遥か昔の世界とかじゃないよな」「いや、それはないでしょう・・・」遥か昔の世界だったらなんだと言うのだ。才人はコーヒーを飲みながらそんなことを思う。そして、今度こそ本当に109世界の自分が出ることを切に願うのであった。(X-4話 終了)