館の主に続いて、右手の奥に向かう。
確か風呂場だと言っていたが、くっ、早々にゼルマ達を陵辱する気なのか。
しかし、なんだこの館は?
ゼルマは不思議に思う。
壁一つ取っても、このような材質は見た事もない。
奇妙な文様の入ったタペストリーのようなものが掛けてある入り口を、主に続いて潜り抜ける。
中は更に奇妙だった。
「ここで、靴は脱いであがれよ」
く、靴を脱げと。
これは益々、そのつもりだな。
しかも、五人まとめて相手をするつもりなのか…
良かろう、受けてやろうじゃないか。
私も、十歳までは伯爵令嬢として育てられたこの身。
他の女達とは違う事を、その身に判らせてやる。
没落したとは言えこのゼルマ、ヴェスターテ家の元伯爵令嬢としての矜持、受け止めて見せよ。
壁一面に棚が並びそこに籐の籠か置いてある。
それにしてもこのような形は初めて見るものだなと、ゼルマは思った。
反対側の壁は、大きな鏡が張ってあり、錬金にて作成したにしても中々の出来栄えである。
しかし、その下の大理石のテーブルはなんだ?
いくつか小瓶が並べられているが、これは何なんだ。
ゼルマは訳も判らず、首を捻るだけだった。
「よし!全員、服を脱いで裸になるんだ」
「えっ!」、「なにっ!」、「ふえっ!」、「ハイ…」、「はあ?」
うん、それぞれ個性的な返事が返って来るのは、中々面白い。
それでもグロリアが、躊躇いながらも着ているものを脱ぎ始めると、
ゼルマが負けじと裸になって行く。
ヴィオラはしぶしぶ、アマンダは周りを見渡して慌てたように、アンジェリカは…
うーむ、脱ぎ始めたが、特に何も考えてなさそうにしかみえないんだが。
裸になるんだ~
やっぱり、恥ずかしい事されちゃうのかな?
でも、ご主人様が望んでるなら、逆らっちゃ駄目だよね。
あんまり、痛くなければ良いだけど~
隣に住んでたエリーザ姉さんは、『とっても痛いのよ、その後気持ち良くなっちゃうんだけどね』って言ってたし。
でも、気持ち良いなら、良いかなあ~
アンジェリカは、そんな事を考えながら服を脱いで行くのだった。
うわあ、グロリアさん、胸大きいなあ。
うん、これなら、アンジェリカも胸の事あんまり苛められないで済みそうで良いなあ。
うーむ、色気に欠ける姿だなあ…
胸を両手で隠し恥ずかしそうにしている娘もいるが、ゼルマのように、堂々と胸を反らしてこちらを睨みつけている娘もいる。
しかし五人の乙女達の、大胆な姿を台無しにしているのが、脱がずに身につけている下着だった。
これは無いよなあ…
全員が全員とも履いているのは、ダボタボのステテコのようなパンツだった。
この辺りは、あっちの世界とは違うらしい。
確かに恥ずかしい所を覆うし、脱衣が楽なのは判るが、あまりにも色気に欠ける気がするのは俺だけだろうか。
「あー、悪いが、それも脱ぐんだ」
全員がしぶしぶだが下着も脱ぎ捨て、ゼルマ以外は何とか手で隠そうとしている。
ゼルマは、下に生えている黒い茂みも惜しげもなくさらけ出し、こちらを睨み付けてくるので少し怖い。
しかしグロリアさん、それは反則じゃないでしょうか。
両手で胸を押さえるようにして隠そうとしているが、あまりにも大き過ぎて全く隠れていない。
何だか、アマンダが呆れたように、彼女の胸を凝視していた。
「それじゃ、服を持ってこっちだ」
もう少し鑑賞していたい気もするが、やはり早く綺麗になって貰おう。
言わなかったが、中々匂いはきつい。
「全員服はこの中に入れるんだ」
隣の洗濯場兼下着置き場に連れて行き、洗濯機の蓋を開け、それぞれの服を掘り込ませる。
五人とも怪訝そうな顔をしているが、説明はまた後で行うので、無視する。
洗剤を取り出し、投入してスイッチを入れる俺を不思議そうに見ているが、無視だ無視。
「「「キャっ!」」」
電子音が響き、洗濯機が動き出すと、何人かの怯えたような声が響く。
「魔法だ、気にするな」
本当に便利な言葉である。
全員が納得したような顔をして、黙り込んでしまった。
再び脱衣場に戻り、今度は俺が服を脱ぐ。
後ろで、緊張している気配が伝わってくる。
今はそんな気ないんだがなあ…
裸にさせた結果、全員の体から立ち上るすえた様な匂いにげんなりしており、とてもじゃないがエッチな気分にはなれない。
貴族ならまだしも、彼女達は平民である。
風呂なんか、本当に入った事すら無い可能性すらあるのだ。
匂いが凄い事になっているのも、本人らは自覚してないだろう。
「よっし!風呂はいるぞ」
風呂場へと続く扉を開けて、俺は大きく宣言した。
「うわぁ…」
「な、なんだこれは!」
「へえっ…」
風呂場を覗き込んで、様々な反応が返って来るのは中々面白い。
態々、日本の観光旅館にあるような大浴場にした甲斐がある。
しかし今の彼女達の状態のままで、風呂に浸からすなんてとんでもない。
先ずは、シャワーで徹底的に洗わねば。
良かった、シャワーブースを六つにして。
「グロリア、こっちにこい!」
全員でくっつくように固まっている五人に声を掛ける。
指名されたグロリアが少しびくつきながらも、俺の側までやってきた。
シャワーブースは一人用なので、使い方の説明を含めて、一度に二、三人までしか出来ない。
それよりも、あの狭い空間に、三人以上は匂い的に俺がきつい。
「残りはちょっとそこで待ってろ。動くなよ!」
間違って風呂に入られたら泣くぞ、ほんとに。
俺は、グロリアを誘うように、手前のシャワーブースに入る。
彼女の体が緊張で小刻みに震えているのが判るが、匂いのせいで俺はそれどころじゃない。
「いいか、ここからお湯と水が…」
シャワーの使い方を説明する。
蛇口をひねりお湯が出てきたのにびっくりするが、それを無視して調節の仕方、止め方を理解させる。
それが出来ると、次はシャンプー、リンスだ。
石鹸すらないのに、これを納得させるのは一苦労なので、実際にやって見せるしかない。
「これは、髪の毛を綺麗にする水の秘薬でシャンプーと言う。で、こっちが髪の毛をつややかにするリンスと言う秘薬だ。
これを使って、髪の毛は常にきれいにしておくんだ。判ったな」
「は、ハイ」
目を丸くしながらも、ウンウンと頷いている。
グロリアが一番理解が早そうだったので、彼女を選んだのは正解だろう。
「試してやるから、お前は残りの彼女らに使い方を説明するんだ。俺も手伝うから」
「は?ハイ、よろしくお願いします」
更にびっくりしたように、目を見開くが、とにかく手早くすましたい。
「じゃあ、自分でシャワーの湯温を好みに合わせてみろ」
コクリと頷き、彼女が蛇口を捻る。
頭から掛かるお湯に四苦八苦しているが、何とか使い方は理解したようなのでホッとする。
これだともう一人誰か呼んで、手伝わせるか。
「ヴィオラ!こっちこい!」
ビクッと身体を震わせるが、おずおずと彼女がこちらに向かってくる。
「一人だと、シャワーでやるのが楽なんだが、今は使い方を覚えて貰うので、こっちでするぞ」
グロリアを連れて、洗い場に向かう俺の後をヴィオラが付いてくる。
「これは蛇口と言って捻ると水やお湯が出る。使い方は後でグロリアに聞け。今は手伝ってもらうからな」
「は?ハイっ!」
怪訝そうな顔も、俺が睨むとビクッとしながらも返事を返してくる。
「シャワーはここにもついている。これを捻るとシャワーと下の蛇口が切り替わる」
びっくりしているヴィオラは無視して、グロリアに使い方を説明して行く。
先ほどのシャワーで理解したのか、グロリアの飲み込みは早い。
「ひゃあ…」
適温にしたシャワーをグロリアの頭に掛けると、びっくりして身体を震わす。
目の前で、その規格外の豊かな胸がプルンと揺れ動くのには流石に、息を呑んでしまう。
いやいやそれより早く使い方、使い方。
「良し、いいか、こうやって、上を押すとシャンプーが出てくる。これはリンスや石鹸も一緒。間違えるなよ」
「ハイ!」
どうやら、グロリアは俺が何をしようとしているのか納得したようで、期待したように返事を返してくる。
「あー、残りの三人。こっちに来い!」
三人とも予期した事と様子が違うのに気が付いたのか、好奇心丸出しで近寄って来る。
俺はまずヴィオラの手にシャワーでお湯を掛け、石鹸で手を洗わせた。
ヴィオラは、お湯が掛かるのにも驚いていたが、更に石鹸の液を付けこすらさせると、泡だらけになる自分の手を見て目を丸くする。
「それじゃ今度はこれを付けて、グロリアの頭を洗うんだ」
目を白黒させながらも理解したようで、ヴィオラは手を差し出す。
その手にシャンプーを付け、グロリアの頭を洗い始めた。
「うわぁ、凄い、凄い」
「力を入れすぎるなよ。グロリア、目を瞑っていないと、シャンプーが目にしみるからな」
「えっ、は、ハイ、判りました」
「よーく泡だったら、お湯で洗い流す事、泡は全部取り去るんだ。それが済んだら、今度はこっちのリンスを髪に満遍なく付け、また洗い流す。判ったか?」
「えっ?あ、は、ハイ」
ヴィオラは泡が立つのが面白いのか、必死にグロリアの頭を擦っており、慌てて返事をしてきた。
様子を見ながら、覚えさすしかないな。
「それじゃ、アンジェリカとゼルマ、ああ、アマンダもシャワーの使い方を教えるから、付いて来い」
もう三人ともそれ程緊張せず、俺の後を付いてくる。
シャワーコーナーで、三人に交互に試さして、使い方を教える。
アマンダが一番飲み込みが早く、湯温を思いっきり冷たくしたりして、ゼルマに睨まれていた。
「使い方は、判ったな。後は実際に使いながら覚えろ。じゃ、次は頭だ。グロリアを見てたから大体判るな」
「ええっと、ちょっと無理かも…」
アマンダに遠慮がなくなって来ている気がするが、そう言われれば仕方ない。
「それじゃ、アマンダ、グロリアの横に座れ、洗ってやるから。ゼルマとアンジェリカは二人で交互に試してみろ。
ああ、シャンプーとリンスを間違えるなよ、先にシャンプーで、後でリンスだ」
それから、暫くは交互に髪の毛を洗うのを色々指導してまわる。
ゼルマが、アンジェリカの頭を擦りすぎ、アンジェリカが目を回しかけている。
ヴィオラは案の定、三回目のシャンプーをグロリアにしていたりする。
アマンダは、リンスが出てくるのが不思議なのか、何度も何度も押して辺りをリンスだらけにする。
俺はそれらに一々注意をしながら、全員が髪を洗い終えるのを待つ。
ああ、その間に折角だから自分の頭も洗おうとすると、アマンダが洗ってくれたので、少しハーレム気分に浸れたのは秘密だ。
ただ頭が終わっても、まだ身体を洗う作業が残っている。
泡の国で、全身にソープを付けてこすり付けて洗う方法を教えたくなるが、今は汚れを落とさせなければと、我慢する。
用意してある身体洗い用の目の荒いタオルをそれぞれに持たせ、それを蛇口の下で軽く濯がせる。
それにソープを掛けて、擦り方を教えて行く。
五人とも、見よう見まねで俺のやり方をまねをしながら、身体を洗って行く。
全身が泡まみれになると言う経験は多分生まれて初めてだろう。
「うわー」とか「ひえー」とか言いながら、全身を擦り上げている。
それでも、まともに風呂に入る習慣すら無かった連中だ。
泡立ちは見るからに俺より少ない。
一回ぐらいでは落ちそうに無いくらい、汚れがこびりついているに違いない。
「グロリア、ここに座れ」
そう言って、グロリアを俺の前に座らせる。
「アンジェリカ、アマンダの前に、ヴィオラは、ゼルマの前に座って、俺がやるように、前の二人にやってやれ」
一度、身体洗い用のタオルを綺麗に濯ぎ、も一度ソープを付けて、泡立てる。
アンジェリカとヴィオラがそれを見ながら同じようにしてくる。
「二人だと、交互に洗う事で、簡単に綺麗になる。覚えとけ」
グロリアの手を持ち、泡立つタオルで擦り上げて行く。
それを見ながら、二人も同じように洗い始める。
「背中は一人より二人の方が楽だ」
そう言いながら、背中をごしごし擦り上げて行く。
流石に、肌はきめ細かく綺麗だ。
「首筋から、耳の後ろ、この辺りは汚れがたまりやすいから念入りに洗うんだ」
「ああ、顔は別の固形石鹸で洗うように、身体を洗う石鹸とはまた別だからな」
「足は、指の間、ここに汚れが溜まるから、丁寧に」
言葉に併せて、同じように洗う二人の顔は真剣そのものだった。
「最後は…、ああ、どうしたものか…」
そこまで来て、俺は手を止めてしまった。
流石に、女性の敏感な所やお尻を洗うのは気が引ける。
五人とも、ここまで来て手を止めた俺をどうしたのかと、怪訝そうに見つめている。
「アッ…」
グロリアが一番最初に気が付いたようで、口に手を当てていた。
キョロキョロ他の子達を見渡し、俺を見つめる。
逡巡するような仕草を見せたが、直ぐに意を決したように俺を真っ直ぐ見つめて直す。
「ご主人様、さ、最後の所も綺麗に洗って見せて下さい。そうしないと、私達が覚えません」
少し恥ずかしそうな口調はどうしようもない。
しかし、この判断に俺は感心してしまった。
「よし、恥ずかしいが我慢しろ。それと、ホンとはここまでは他人にして貰わないから、普段は自分でやれよ」
俺も恥ずかしい。
でも、ある種の男の憧れかも。
「いいか、ここは敏感な所だが、汚れも溜まりやすい。ちゃんと洗うように」
「アんッ…」
グロリアの両足を左右に大きく開くと、流石に恥ずかしそうに顔を背ける。
「タオルは、軽く擦る程度、後は指先に石鹸を軽く付けてひだの間を擦り、後はお湯で良く流すこと」
うーむ、流石に息子が元気になりだす。
何せ、俺の指は今、グロリアの秘所をなぞり上げているのだから。
「アッ…ああん」
しかもグロリアちゃん、悩ましい声を漏らしてくれるのだから、溜まらん。
残り、四人は真っ赤になって、顔を背けて…
いなかった。
ヴィオラとアンジェリカも、それぞれ同じようにゼルマとアマンダの股間を洗っていた。
洗われる二人は、声を漏らさないように必死に堪えている。
うーむ、いつの間にか俺は理想郷にたどり着いていたようだった。
「お尻は、タオルで擦り、指先に石鹸を少しつけて、穴の入り口付近を軽く揉み洗いだ」
「ヒャあ…」、「アッ…」、「ひうっ…」
いかんいかん、つい調子に乗って、余計な事まで教えた気がする。
まあ、綺麗になるし、楽しいから害は無いだろう。
「よし、後はシャワーで綺麗に石鹸を流して終わりだ」
「「「ヒッ」」」
そう言って立ち上がった俺を見て、一斉に嬌声が漏れる。
ああ、そう言えば、マイサンは元気に空を向いていた。
そんな声を無視したまま、グロリアにシャワーを掛け、全身を流してやる。
「それじゃ、今度は代わってやってみろ」
そう言うと、俺は再び、椅子に腰を下ろした。
何だか、どっと疲れてしまった。
まあ目の保養にはなったが、一体何をやっているのか自分でもこの展開は予想もしていなかった。
まさか、風呂の入り方を美少女達に教える羽目になるなんて…
「ご、ご主人様…」
軽く落ち込んでいる俺にグロリアが声を掛けてきた。
「うん?」
見ると、手には泡の立ったタオルを持ち、顔には満面の笑顔が浮かんでいた。
「お体をお洗いします」
「………」
勿論、隅から隅まで綺麗に洗って貰いました、ハイ。
「いいか、毎日洗えば、身体は常に綺麗なままだ。少なくともここにいる以上は、毎日風呂で髪と身体はきっちり洗うこと」
「「「「「ハイ」」」」」
五人の綺麗な返事が返ってくる。
今俺達は、仲良く湯船に浸かっている。
左から、アンジェリカ、ゼルマ、グロリア、俺、ヴィオラ、アマンダと並んで入っている。
まさに男の理想郷状態である。
手を伸ばせば、グロリアの豊かなオッパイが触れる位置であるのだが、ここに来てチキンな俺は手を出せずにいる。
と言うか今手を出せば、俺の身体を洗ってくれたグロリアは多分拒否はしないだろう。
しかしそれをしてしまえば、五人とも襲う羽目になりそうな予感がヒシヒシと感じられたのだ。
特に、最初に肉体奉仕があると言ってしまったのは俺であるだけに、そうなるだろう。
ただ、俺はそれが気に食わない。
拒否できない状況に持ち込み、頂いてしまう。
最初からそれを狙っていた筈なのだが、自分の中で誰かが「なんか違う」と叫んでいるのだ。
行きずりの金銭関係での肉体交渉ならば、あっちの世界でも何度か経験している。
好きな女とのセックスと言うのは、学生の頃に体験済みでもある。
だから別にこの五人に、そして後で増えるであろう総勢20人に、俺の事を好きになって欲しい等という馬鹿な事を考えている訳でもない。
ああ俺は、楽しんで欲しいのだ。
この五人に、死んだような目で俺とセックスをして欲しい訳ではない。
少なくもと俺と係わり合いになって、辛いと思われたく無いのだ。
うん、それはこの五人の娘達だけの話ではない。
多分、領民となった三百人の人々。
スポンサーとなった傭兵団の四十人。
そして、新たに雇い入れるまだ見ぬ美女達。
それらの人々が嫌々ではなく、「これもいいかも」と、思って欲しい訳だ。
なんと贅沢!
なんと我侭!
だけど、それが俺であり、アルバート・デュランダルから、力を受け継いだ、アルバート・コウ・バルクフォンの生き方である。
これくらい出来なくて、どこが稀代の魔術師か!
俺自身が所有する力からすれば、ほんの些細な事でしか過ぎない筈だ。
やってやろうじゃないか。
彼女達に、そう言わせてやろう。
そんな事位、たいしたこと無い。
そして楽しく暮らせれば、それで良いじゃないか。
ああ後、彼女達と楽しくエッチ出来れば、それが良いかも…
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15禁で大丈夫ですよね…