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No.6058の一覧
[0] 悪役エミヤ ― ダンボールの魔術師【士郎崩壊モノ】[ネイチャー](2009/12/14 01:00)
[1] プロローグ二話 『覚醒する初代・変態エミヤ』[ネイチャー](2009/01/28 03:28)
[2] プロローグ三話『キャラとして軸がぶれている』[ネイチャー](2009/01/28 15:37)
[3] ゆめのはなし 『悪役の生まれた日』[ネイチャー](2009/03/12 01:21)
[4] 第1話 『我を知りえぬ』[ネイチャー](2009/08/19 06:13)
[5] 第2話 『弓道部は極めすぎでつまらなくなって引退しました』[ネイチャー](2009/08/16 20:26)
[6] 第3話 『紅き彗星』[ネイチャー](2009/08/18 16:00)
[7] 第4話 『隠なる蛇尾』[ネイチャー](2009/08/19 21:01)
[8] 第5話 『聞かぬは一生の』[ネイチャー](2009/12/15 05:34)
[9] 第6話 『話せばわかる』[ネイチャー](2009/09/05 06:14)
[10] 第7話 『二日目の朝』[ネイチャー](2009/12/14 01:05)
[11] 第8話 『ルラギッタンディスカー?』[ネイチャー](2009/12/13 23:53)
[12] 第9話 『The gray cherry blossom』[ネイチャー](2009/12/14 23:06)
[13] 第10話 『灼熱の解逅』[ネイチャー](2009/12/15 19:39)
[14] 第11話 『巨漢と城塞』[ネイチャー](2010/08/11 01:42)
[15] 第12話 『――斯くして、聖杯戦争は始まる』[ネイチャー](2013/04/06 06:53)
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[6058] 第7話 『二日目の朝』
Name: ネイチャー◆4594b8fb ID:fe7cf97b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/12/14 01:05

「……ふむ」


暗闇の中、言峰綺礼は思考する。


―――未だ英霊は七騎揃わず。

が、その内五騎の威力偵察は終了した。……ランサーを用いての、だ。


だが視覚を共有し、目撃者を消しにかかったときの内容は、二重の意味で言峰を驚かせた。


即ち――あの小童が、かの殺人機械衛宮切嗣の息子であったということ。そしてその衛宮士郎が、世界の抑止すら騙し切る高度な隠遁の使い手であったということ。


「ふむ、此度の聖杯戦争……」


荒れそうだ、と呟く言峰綺礼の顔は、紛れもなく笑みの形に歪んでいたのだった……。









   第7話 『二日目の朝』










「ふっはっはっはっは、よくぞここまで辿り着いたな間桐桜よ! ……おはよう!」

今日も朝からいつも通りに衛宮士郎の高笑いが響くのは日本家屋、フォートレス衛宮邸だ。


「おはようございます、先輩。今日はどこか上機嫌……いえ、何だか投げやりな感じ? ですね」

その高笑いは、これもまた日課として毎日ここに顔を出す間桐桜のための朝の挨拶だ。

「そんなことはないぞ桜! あとお前の仕事はない、家事なら全てこの俺が終わらせた!」

台所で和風の朝食を作り上げ、エプロン姿で高笑いする衛宮士郎……、異質であると見せかけて、この家ではいつものことだ。

「……全部終わらせたんですか?」

「ああ、全部だ。そう、全部だとも」

「……来る途中見たら、離れの廊下他、外にむき出しになっていた部分が、まるで黄砂が降り注いだかのように一夜にして土ぼこり塗れになっていたんですが。本当に、家事することないんですか?」

「もういいんだ。あんな離れ、解体してダンボールハウスを建てる」

「わぁい、流石は先輩です! 由緒ありそうな古き良き日本家屋の離れを破壊して、みすぼらしいとご近所様にドン引きされてるのに未だ堂々と改築を続けているもはや狂気としか言いようがないダンボールハウスをさらに増やそうだなんて、流石は先輩! イカしてるの"し"を"レ"に変えて言った感じとしか言いようがないですね!」

「はっはっは、そう褒めるなよ。当然過ぎて欠伸が出る」

相変わらずの幸せな男、衛宮士郎だった。




















「よぅ、美綴。今日はワカメはどうした?」

「お前が仕掛けた全校放送のせいで呼び出されて今も放送室だよ、この馬鹿! ウチの副部長を拘束してくれるな、不良元部員。」

あいつの有無で女子のやる気が違うんだ、とぶつぶつ文句を言う少女……というよりは女傑といった存在は、美綴綾子という、この弓道部の部長である。

本来静謐であるはずの弓道場には、大音量で『嗚呼素晴らしきダンボール♪ 崇め奉れダンボール♪ 蹂躙せしめよダンボール♪』と、ボイスチェンジャーを通してフルコーラスを作り出された狂気の合唱曲がやかましく鳴り響いている。


「はん、知らねえなぁ……、俺が何をしたと……ん?」

とぼけて見せている途中で、不意に何かに気づいたように首を傾げる士郎に、綾子はどうしたのかと疑問を発したが、

「……おお、そういえば昨日そんなことをしたよーな気もしないでもないな」

「って弓ゴルゴ、お前、とぼけていたんじゃなくて本気で忘れてたのかこのデューク衛宮!」


突っ込む綾子であったが、その士郎を呼ぶ愛称はどう考えても異様であった。


―――弓ゴルゴ


衛宮士郎の在部中、一度たりとも的の中心から外さなかった伝説から付けられた、某殺し屋にちなんだ衛宮士郎の二つ名である。

あんまり罵倒になっていない罵倒を繰り出しつつも、その顔は疲労の色が濃い。
この馬鹿が次々とさまざまなことを引き起こしてくれたお陰であろう。


「とにかくもう、頼むから副部長に迷惑をかけないでくれよ……。女子が何か全員ダルそうだし、桜までいないせいか男子まで元気がないし、私自身心労がマッハなのか身体がダルい……」

はぁ…と、似合わぬ溜め息まで吐いてみせる。


が、衛宮士郎は何か引っかかりを覚えた。

「いや、その割には何か、運動部全般に気力が足りてないと思うんだが
……」


桜の所在については全力で無視していた。


だが、登校途中のグラウンド、テニスコート、果ては体育館の屋根の上から飛び降りることを至上とするバンジージャンプ部……、今朝はすべての部の活動者がダルそうにしていた記憶があったのだから仕方ないともいえる。
それに士郎自身も何処となく、登校してから身体がダルい。


「どうも、俺のせいであるとはイマイチ思えないんだがな……」

「いや、お前のせいだからどう考えても。こんなわけのわからん歌を朝っぱらから大音量で聞かされ続ければ、生気を吸われてもおかしくないから」

「む、失礼だな美綴。誰が作詞作曲演奏ボーカルしたのかはこれっっっぽっちも知らないが、これほど素晴らしい団歌は世にふたつと無いのではないかと、俺は思うぞ」

「いや、そこまで言った上に団歌とか、自分がやりましたって宣言してるようなもんだろそれ」

綾子は額に手を当ててこめかみを揉みつつうめいた。
と言うか、ここまで自賛されると逆に気分がよくなってすらくる。


「もういい、どうでもいいから、頼むからこれ以上私らの精神を汚染しないでくれ………。というか最近の深山朝形跡なしガス漏れ事件すら、実はお前の団歌が原因だったりしないか……?」

「俺のじゃないぞ。あれは崇高なるダークダンボール団総帥を崇めるための歌で、俺は全く知らない。カケラも関与してない。そう見えたとしたらそれは他人のそら似だぞ」

「いや、もういいよ……」

会話しているうちにどんどんぐったりしてきた綾子の言葉に流石に悪いと思ったのか、衛宮士郎は無言で後手に手を振って立ち去った。



「とりあえず大河姐が来る前に、もう一陣用意しておくか」


―――否、こいつの辞書に遠慮の二文字は無かった。












一方、遠坂凛は屋上で渋面を作っていた。

「やっぱり回復してるわね……」

昨日ある程度弱めたはずの結界の基点―――それも、発動すれば内部の人間をどろどろに消化して吸収する、悪質極まりないものだ―――が、一夜にしてある程度復活していた。

「……やっぱり、校舎内に隠されたサブの基点を探して無力化しないとダメみたいね」

見つけるにはきっと、多大な労力を使うだろう。しかし、この地のセカンドオーナーとしてこのような暴虐を見過ごすことなどできはしない。

だがまあ、もう時間がない。『優等生である遠坂凛』としては、この上での探索での遅刻は許容できない。
魔術師から優等生へと意識を切り替えると、しずしずと優等生らしく屋上を立ち去ることにする。



―――と、扉を開けて校舎の中に踏み込むと……


「あら、間桐さんじゃありませんか」

「あらあら、遠坂先輩ですか。おはようございます」


壁に刻まれた―――少なくとも、ここに来る前までは隠蔽されていた幾何学模様に手を翳している、桜の姿を見た。











   あとがき
ブラッドフォートアンドロメダかと思ったら別にそんなことはなかったぜ!
マーボーとフラグ立ててみました。ヒロイン:マーボー(Mr.ブシドー的意味で)とかちょっとステキだと思いませんか? 僕は思いません。だが惹かれる。

このSSのワカメはちょっと姑息だけどいい人な上、桜至上主義でそこまで女子に粉かけてないので、美綴からの評価もうなぎのぼりです。まさにスパシン!





   返答です

>こういうスタンスで書いたものをチラ裏から出そうという無謀とか蛮勇を如何にして持ちえたのか、卑屈な私としては知りたいと純粋に思いました。
読み返すと最初はチラ裏で暴れ回るだけのつもりだったんですけど……
あれ? いつの間にか設定固めたら出てくる気になってました。いつから狂った!? いつからぁ!! ……投稿に時間を空けたときからっぽいですけど。
まあ、やっちゃったものを翻すのも何ですし、本当に続けられなくなったら引っ込むかもしれません。

>秘訣を教われたのなら「おいおい、ギルガメッシュさんよお。悪いことはいわねえ、ダチのエルキドゥも呼んで来な。でねえと県下じゃなくて虐めになっちますぜ」なSHUJINKOU-SSを投稿する勇気がもてるかもしれません
テンションを上げましょう。あなたのスーパーやりたい放題SSを待ち望みます。むしろ「サーヴァント七騎? ハッ、生ぬるいぜ! 俺とケンカしたきゃ最低でもこの4444倍は用意しな!」くらい言わせればいいのではないかと。

>段ボールには世の中のホームレスの『願い』が込もってるんですね。
>以上のことをまとめて考えるに、概念武装化したダンボールに勝てるものなしwwww
>ダンボールを相手にしているはずなのに、粘っこい海草とでも戦っているかのようなしぶとさ!そこにしびれる憧れる!
>概念武装化した段ボール、マジでtueeeee!
結局型月の魔術は、人々の信仰があれば力を増すわけですから、信じれば信じるほど、メタギアが普及すればするほど能力は上昇しますからね。

> 作者さんてっきりノリノリで書いてるのかと思いきや、なかなか無理してんのね。
>徹夜明けにしか書けないみたいですが、体は御大事にwwww
正確に言えば、ウワッホーィ!とテンションが変に上がってさえいれば書けます。何か発売日を心待ちにしていたものが発売されて一気に読み進めた後とかなら書けそうな気がします。成年すれば飲酒によって安定して書ける気がします。

>あと桜の再登場を熱望w
出現してはそこそこに黒い桜、断続的に黒いお陰で、黒桜よりも黒くないでいられます。

>っていうか間桐の2人が救われすぎだろww
性格変更にするに当たって、身近な人間関係はどうしても微妙に崩れますからね。漫画版のきれいなワカメとか大好きです。

>ダーク段ボール団が略してDDDになるのはわざとなんですか?型月的な意味で
気づきませんでした……。将来トマトさんとかに入ってほしくなってきました。悪役には丁度いい気がするんですよね、トマトさん。人の下につかなそうなのが困りモノですけど。

>これに加えて文章が読みやすいだけに、ネタの酷さ(きっとホメ言葉)が際立つぜ!w
読みやすいと言っていただけて嬉しいです。酷いと言っていただけて更に狂喜乱舞です(ホメ言葉として)

>ちなみに前回ベネットを推した理由・・・先に謝っておきます、ベネットごめん。
彼女の場合はそれがアイデンティティなので謝らなくていいのではないかと。
>ベネットのクラスはアーチャーかアサシン、またはイレギュラーかと
弓→埋まる アサシン……。士郎じゃなくてメディアの下に既についてそうな気がしてならないのですが。

>ネウロのダンボールハウスは見たほうがいいですよw
ブコフで探してみることにします。



あー、何やらチラ裏に帰れ的な発言があったようですが、擁護してくださった方、どうもありがとうございました。
ですがぶっちゃけこんな状態ではもっともでもあるといわざる負えない気がしますので、仕方ないものと割り切ってもいきます。
ですが勢いが完全に止まらない限りはたぶん退きません、と断りを入れておきます。

修正しました。もうnさん、¥ffさん、ありがとうございます。

オールハイルダンボォール!


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