<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

TYPE-MOONSS投稿掲示板


[広告]


No.31354の一覧
[0] 【ギャグ】逞しい桜さん (15禁) [みさりつ](2012/02/01 23:27)
[1] 2話上 姉と妹の関係 蛇足追加[みさりつ](2012/01/28 18:28)
[2] 2話下 兄と妹の関係[みさりつ](2012/01/28 18:30)
[3] 閑話 桜さんの趣味ていうかSAKURA[みさりつ](2012/01/29 20:38)
[4] 3話 幸も不幸も人それぞれなお話 しんじくんの日記[みさりつ](2012/01/29 20:57)
[5] 4話 ある聖夜の奇跡 上編[みさりつ](2012/01/30 00:10)
[6] 5話 ある聖夜の奇跡 下編[みさりつ](2012/01/31 00:13)
[7] 閑話2 運命がちょっと動きだす日 上[みさりつ](2012/02/01 00:09)
[9] 閑話2 運命がちょっと動きだす日 下[みさりつ](2012/02/01 00:28)
[10] 6話 ハイパーSAKURAさんタイム 上[みさりつ](2012/02/01 23:21)
[11] 6話番外 逆レイパーしんじくんジュゲム[みさりつ](2012/02/02 19:05)
[12] 6話 ハイパーSAKURAさんタイム 中[みさりつ](2012/02/03 21:31)
[13] 6話 ハイパーSAKURAさんタイム 下 [みさりつ](2012/02/03 21:36)
[14] 閑話3 あとかたづけ 桜さんの日記[みさりつ](2012/02/04 11:20)
[15] 7話 レーシック姉妹喧嘩 【第一部終了】[みさりつ](2012/02/05 20:14)
[16] 閑話 ダイジェスト旅行記 2月から4月の間[みさりつ](2012/02/05 20:10)
[17] 閑話 ダイジェスト旅行記 5月から帰国まで[みさりつ](2012/02/08 00:36)
[18] 聖杯戦争編 予告[みさりつ](2012/03/05 23:46)
[19] 第二部 プロローグ ピンクい魔女、帰郷[みさりつ](2012/03/05 23:42)
[20] 第二部 一話 彼女が出来ました。[みさりつ](2012/03/09 14:12)
[21] IF外伝 マセておしゃまで孕んだ幼女 上 悟[みさりつ](2012/03/09 21:23)
[22] IF外伝 マセておしゃまで孕んだ幼女 下 り[みさりつ](2012/03/09 22:17)
[23] IF外伝 天より他知るものなく[みさりつ](2012/03/13 22:25)
[24] IF外伝 桜さん家[みさりつ](2012/03/11 00:33)
[25] 二部 2話 上 桜さん準備中 SINJI覚醒(仮) IF 追加[みさりつ](2012/08/22 01:47)
[26] 二部 2話 下 なぁなぁな感じの桜さん準備中 [みさりつ](2012/09/22 00:50)
[27] しょうもない外伝3 ネタ注意 最低系桜さん[みさりつ](2012/09/23 02:09)
[28] 超短編 逞しいKARIYAさん 蛇足追加 若干diesクロス[みさりつ](2012/12/03 16:52)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[31354] 第二部 一話 彼女が出来ました。
Name: みさりつ◆24f58f99 ID:48559b97 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/03/09 14:12
火にかけられた小鍋から湯気が立ち上り、調理特有の匂いがする。
食欲がそそられる、とまでは行かないが、美味しそうだ、ぐらいは期待できる匂いがする。

マキリサクラはその小鍋の前に立ち、鍋の中の具が焦げ付かないように適度に木べらをかき回していた。
たまにかき混ぜるのを止め、淡々と調味料を放り込んでいく。

マキリサクラは全て使い切るために遠慮なく瓶ごと、封を開けたばかりの粉チーズを全て放り込む。

「超高カロリーですけど、これはこれで」

そして再び、鍋をかき混ぜる。

客観的に見るなら適当かつ単調なことを繰り返している。
突き詰めていけば料理とは全てそうなると謂わんばかりに微笑みながら。

マキリサクラは一旦かき混ぜるのをとめグツグツと煮たった小なべから木べらを出し
木べらについたミルクと粉チーズで煮たライスを指で掬い、口に運び咀嚼する。

当たり前に味見だ。

そして調味料を再び手に取る、今度は黒胡椒とパセリの粉。
また適当に鍋の中に放り込み、木べらでかき混ぜ再び味見をする。

「ん、ワイルドな味です」

野性的という意味なのか、雑という意味なのかは食べた者にしかわからない。
口に広がる濃厚なチーズの風味と塩味にピリッとした黒胡椒の味。
それが組み合わさりシンプルでどんどん食べたくなるこの味は

「この時期にキャンプでもした時、寒空の下で食べたら美味しいですね」

という様な味のようだ。

マキリサクラ自身料理は得意とは豪語はしていないし、気が向いたら作るぐらいだ。
此処一年の衛宮邸での兄の料理修行を盗み見したが、兄と勝負したら今なら和食ならば負けるだろう。

普通、一人暮らし高校生は魚を切り身ではなく、一匹まるごと買いはしない。
今では鮭の切り身を量産できる兄には負ける。


「キャラ弁勝負なら負けないですけど」

一年前、兄にお弁当を作っていたことを思い出す。
嫌がらせで作っていた日曜日の朝に放映する女の子の為のアニメのキャラを模した数々の弁当を。
プリティでキュアキュアなキャラ弁を。
もしくはお邪魔な魔女のキャラ弁を。

「でもああいうのって極端な話、見た目に拘りすぎてあんまり美味しくならないんですよね」

カラフルさのために遠慮なく無視される美味さ。
兄がこっそり弁当箱を人に見られないようにしていた事を思い出す。
監視の魔術まで使い、弁当箱シェイクは許さなかったので兄がいつも生徒会室で仲良く友達と三人で食べていたのを思い出す。

小鍋の火を止め、二つの木の器にミルクリゾットを注ぐ。

「そろそろ目も覚ますようですし、一緒に食べましょうか」

食べる前に色々聞かれて、面倒なことになって、この料理が冷める未来を思い浮かべる。

「ですけど、それは許さない」

温かい肉まんはコンビニで買って直ぐにそのままハフハフしながら食べるのが一番美味い。
天麩羅は揚げたてが一番美味い。
このミルク粥はその類の料理。
出来立てが一番美味しい。

マキリサクラの万物に対する拘りが一つある。

それは美味い物は一番美味しい時に食べること。

この世に生まれてから、幼い自分が味わった屈辱の日々で許せなかったあらゆる行為の中の一つの事象。
蟲倉の修行の後で食べた、いつも作られてから何時間も経ち、冷めてちっとも美味しくなかった料理。

様々な苦痛の中で際立ったあの冷めた料理。

あれを食べるたびに憎悪が沸いた。

私を助けるとかいいながら、温め直さずあれらを優しく私に食べさせたあの叔父さん。
いい人だったが、アレだけは許せなかった。
しかも真冬に冷めた料理だ。
だから女にモテないのだと言ってやりたいほど許せなかった。
自分が飯も碌に食べられない状態でもせめて………せめて温めなおして欲しかった。
こっちもご飯だけが唯一の生きる楽しみだったのだ。
睡眠も蟲達のせいで気持ち悪かったし。

自分勝手な逆恨みに近いが、人とは時には下らない事に怒りを覚えるものだ。
こっそり温め直そうとしたら、危ないから火は使っちゃ駄目だよ、とか言われたし。
あの頃に間桐家には電子レンジが無かったための不幸。



前世で冬には態々、達磨ストーブを購入し、スルメを炙りながら熱燗を一杯やホシイモをストーブで柔らかくしてアツアツで食べるとか
コタツの中で冷凍蜜柑とか風情を味わってきたこの私には許せなかった。


最後に残る唯一人間らしい幸せを不幸のどん底に突き落とされたのだ。


間桐に養子に行く前は遠坂家らしい優雅な食事で過ごしてきたのだ。
お母さんの豚汁が特に美味しかった。
優雅に豚汁を飲む父親が面白かった。

で、あの叔父さんが死んだと聞いた時も

「本当にいい人だったけど、あれだけは……あれだけは」

もし、私が本当に人生イージーモードで間桐家に養子に入った瞬間下克上余裕だったら
あの叔父さんと結婚して温かい食事を振舞っていたものを。
お母さんにしたり顔で「やっぱり若い方がいいよね、お母さん」
とか即行子供作って、姉さんを叔母さん呼ばわりさせたり
喧嘩して遊ぶ日々だっただろうに。


「流石にそれは性格が悪すぎますね、面白そうですけど」


と言いつつ、料理の皿をお盆に載せ、片腕を失ったばかりで血が足りないバゼットさんの処に向かう

「ふーふーとかあーん、とかやるべきですかね」


第二部 一話 彼女が出来ました。



少し肌寒さを覚えバゼット・フラガ・マクレミッツは目を覚ました。
自分は今、裸でベットの中で毛布を被っていたようだ。

ベットの近くの窓から日が差し込み、中天に昇るのを見た。

ああ、朝かな。

なんて、益体もないことを想う。

そして胸の鼓動をなくした筈の腕を使い手を当てて感じる。

そして恐る恐る亡くしたはずの片腕を見ると。

「………ある」

「いいえ、それは贋物ですよ」

横から声が掛かる。

「おはようございます」

なんて当たり前のように朝の挨拶をする少女がお盆を片手に立っていた。
自分が普段着ているスーツに似ているが自分とは違い、スカートタイプでピンク色でその上に黄色いエプロンを着ていた。
彼女が持つお盆から、湯気が出ており、食事だと分かる。

「セレッソ…」

「寝る前に言いましたけど、マキリサクラ」

ぶっきらぼうに彼女は自分の名を言う。

「……サクラ」

様々なことが頭に浮かび今すぐ問い詰めそうになる。



「まずはご飯です、あといつもみたいに瞬間チャージはやめてくださいね、眠ってから三日間、なにも食べてないんですから」

胃がびっくりして吐いちゃいますよ?と少女は言う。

三日?

「サ「だから食べなさい」

「怪我をしているって自覚を持てないのは私の所為ですけど、今貴方は片腕を失ったばかりなんですよ?」

今混乱して暴れたら顔面にコレブチマケマスヨ、と睨む少女。

その迫力に負け大人しく体を起こし、彼女の方を向く。

「まぁ偽腕テストもかねて私が付けたばっかりの腕で食べて貰いましょうか」

木のスプーンを渡された。

手には温かいミルクの香りがする料理。
食欲は無かったが、空腹を覚え始めた。

私は目の前で美味しそうに料理を食べる彼女に習い、料理を食べることにする。

珍しくゆっくりと食べている間
何故か故郷の事を思い出した。

少女が作ったリゾットはとてもワイルドな味だったと、私にしては珍しく料理をゆっくり味わった。



食後、少女は客観的な今の状況を話し始める。

眠っていた自分がどうなったのか
そして最後に間桐桜は間桐の正統な跡継ぎで聖杯戦争の御三家の一人という話を聞く。

それは多分、貴女が聖杯戦争に参加した時には名前から分かったでしょうが、と少女は締めくくる。

上半身を起こしたまま話を聞いていたが

まだ自分の体について聞いていなかった。

少女に問うとこう言われる。

「立ってみれば分かりますよ」

言われベッドから出て立ち上がろうとする。

3日も眠り、軋んでいた体を無理矢理おこそうとすると、失っていない腕の方向に体の重心が傾き倒れそうになる。
そのまま床に足を付け、立ち上がろうとすると全身に力が入らず、前のめりに倒れそうになると、少女に手で押されベッドに倒れる。

そして体が言うことを聞かず上手く動けない。

「体が…」

「それはそうですよ、ほぼ3日前は死にかけだったんですから、あと魔術の行使は禁止ですよ」

「…………すいませんがサクラ――――何か着るものをください」

私は裸だった。

少し羞恥心が湧く。


「いいですよ」

貴女が眠ってる間に買ってきましたよ、と渡されるのは

編みタイツとキラキラした水着のようなものと兎の耳が付いたカチューシャ。

「これは?」

「バニースーツです」

この少女は全力で私を辱める気らしい。

冗談ですよ、冗談ですよ、と微笑みながらパジャマを渡す少女に戦慄を抱き、そして

「サクラ」

「やっぱり自分じゃ着れませんか」

では私がと、ゆっくりと着替えさせられた。

あまりの自分の情けなさに気が落ちる。



パジャマを着させてもらった後、失った左腕について聞いた。

仕様書を渡されると目を剥く。
作者の名前をみると。


「こ、これは封印指定された人形師の………」

「うちのお爺様と交換したやつです」

と訳のわからないことを言われた。

「ですが異常に軽いのは何故……」

重心がぶれるほどあまりにも軽い腕について聞く。

「今は必要ないでしょうけど、戦闘用なんですよね、これ」

少女によって改造されているらしい。
この腕に備えられた機能を聞く、と思わず本当の腕を失ってしまったのにも関らず喜んでしまう。
その機能はあまりにも

「ええ、貴女の弱点を補える物ですよ、それにしても貴女って本当に戦士ですよね」

「これならば」

「でも、駄目ですよ、すぐ戦いに行くのは」

ああ、知っている、暫くはリハビリの日々が待っている。
この腕を最大限に使いこなすためにはまず回復しなければならない。

「いっぱい寝て、いっぱい食べて、あと私とセックスしたりする自堕落な日々ですよ」

「は?」

可憐な少女から出る爆弾発言。
思わずスルーしそうになったが聞き逃せなかった。

「だから、セックス。私の得意な魔術的にこれが一番貴女の回復にいいですよ」

「…………」

わきわきと少女が両手を蠢かせる、一本一本のしなやかな指がまるで難解な曲で鍵盤を叩くピアニストのように動く。
こめかみ辺りに冷や汗が流れる。

混乱していると、横にイスを置いて座っていた少女が既に私の隣で横になっていた。

「正気ですか」

満足に動かせない私の胸元に指が這う。

「さぁ気持ち良くなりましょう」

少女は妖しく美しく哂う。

くすくすくすくすくすくすくすくす

少女は笑う。

私は思う。

戦争中の女兵士の捕虜ってこんな感じだろう、と。

逃げようとするがとりあえず、本当に動けない。
瀕死で目醒めたばかりでもあまりにも動けない。

まさか。

「そろそろ効いてきましたね、勿論ご飯にお薬盛っちゃいました。
この薬の薬効は体の機能を低下させ、全てを体力回復に向かわせるものですから安心してください」


安心できる訳がない。


「我が触診をとくと御覧あれ」







確かに気持ち良かった。
失ったランサーの事を忘れるぐらいに。






事後。

「サクラ、私商売変えようと思います」

「え、バゼットさん……貴女他に何か出来ることあるんですか?」

「ルーン石占いなら……」

所在なさげに落ち込むバゼットさんを見て私は笑う。
いつも通りのバゼットさんだ。
本質的にネガティブな彼女が落ち込むところを見ていると、こう難しい数式が解けたようなサッパリ感が得られて
大変愉快である。

私が暇つぶし用に買ってきたルーン文字が彫られている、市販の本の付録の石をじゃらじゃら弄っている。
自分を占って、悪い結果が出たのかさらに落ち込んでいる。


ああ、楽しい。

「とりあえず、バゼットさんは死んでいることにしときましたよ」

「………ありがとうございます」

なくした腕に使った以外のパーツは巧妙に細工し、あの屋敷内にぶちまけといたので暫く時間稼ぎにはなるだろう。
瀕死状態のバゼットさんの止めを刺しにくる追っ手は来ていない様なので、どうやらバゼットさんを裏切ったバゼットさんがいいなぁと思っていた、中年の神父は
細かいことをあんまり気にしないタイプみたいだ。

それとも片腕を失ったバゼットさんが再起し、復讐しに来ても大したことがない、とでも思っているのか。

教会側の神父の癖に中々面白そうな人物らしい。
聖堂教会の代行者と言ったらどいつもこいつも漫画に出てくるヘルシングの13課のような奴等だと思っていたが
実際バゼットさんの助手をやっていたとき出会った奴等もそんな戦闘マッスィーンだと常々思っていたが。
中々どうして変わり者だ。

バゼットさんから聞いた人物像の感想だが


世の中を舐めているというかなんというか。

話に聞くと妻子持ちらしい。
絶対碌な子育て出来ないタイプだ。


ジジイの記憶を見ていると、どうやら前回も参加していたらしいし。
碌な子育てが出来なかった我が遺伝子上の父親と一緒に。


本当に図々しい。

よく姉が愚痴を言う、姉の後見人らしいが、私会った事ないし。

実際、どうだかは分からないが。


ま、碌な人間じゃないだろう。



まぁ、私としては協会と教会の共同イベントなんていうドドメ色な聖杯戦争。
第一回目で聖杯が手に入らない時点で60年ごとにやるなんて阿呆の所業だと感じていた。
奇蹟は一度しか起こらないものだ、5回戦も続いてる時点で既に破綻している。

まぁ、既に本当に破綻してるが。


それでも

「まぁ、汚れていようがなんだろうが私が使うんですけどね」

もう私は大金を賭けた。
あの人形はお爺様のオリジナルの遺骨を支払って手に入れたもの。
糞ジジイの貧相なカルシウムの固まりだが、一応時価なんて付けられない程の価値を持つ。

しかもあれは元々は私のスペア用。
自分が死にそうになったら使おうとか考えていたわけだ。
態々、必死に前世のあるかわからない小説の知識を思い出しながら、頑張って買い取った品だ。



魔女とは等価交換を原則として動く物である。

いくら散財しようがどうでもよろしいが、散財した分が帰ってこないのは面白くないもの。
別に表立って参加するつもりはない、元々最後の最後に掠め取れればいいなぁ、ぐらいの面持ちでいたぐらいだ。


「長生きはしたいですしね」

「どうしたんですかサクラ、突然」

「これからの私達の身の振り方を考えていたんですよ」

口元がニヤリと動く。
なんてことだろう、なんて勿体無い事を仕掛けたのであろうか私は。
これから起こるだろうドタバタを近くで眺めずに過ごすなんて勿体無い。

「何を」

「アチラさんは最大のルール違反を行ないました。では?私達は?」

「……」

「私と最高のマナー違反をしませんか?バゼットさん?」

これからはバゼットさんのターンだ、私が最大限に助力しよう。
あれだ、私の可愛い子を裏切った中年男を最後の最後で横合いから殴りつけてやろうじゃないか。









勿論、殴るのはバゼットさんだが。



























蛇足




「色々よからぬことを考えてるところ、すみませんが……ところでサクラ、なんで私も含まれているんですか?」

「命救ったじゃないですか」

「う………」

「貴女はもう私に拾われちゃったんですよ?もう貴女は私の物です」

「物……って!?治療費ぐらい払えます!」

「死んどくことにしたって言いましたよね?貴女の口座やらなんやらとっくに凍結してますよ、どう払うんですか?」

「え………」

バゼットさんが混乱している。
可愛いなぁ。
伊達に助手をしていた訳ではありません。
助手になってから協会からの依頼料の管理等はバゼットさんが私に丸投げしていた。

実はというと春に契約更新ということなので、バゼットさんは私に丸投げしたままなのだ。

故に手続きはもうやってあげた。

やっぱり執行者って嫌われてるんですね、すぐに凍結してくれました。

「故に貴女は無一文で、殴ってナンボの仕事しか出来ない貴女は今、動けない……では?」

「あ、ああああ」

ぶるぶるとバゼットさんが壊れたファービー人形の様に口を半開きにして震える。

「あれですよ、よく言いますよ―――【金は命よりも重い】しかも貴女に使った金額は紙幣に換算しても貴女の体重よりも重い、じゃあ」

「貴女は……悪魔だ……」

「何いってるんですか、私は由緒正しき魔女ですよ?」

くたり、とバゼットさんがベッドに倒れこむ様子をみて、微笑む。



ああ、まだ処女で男性とキスもしたことがない姉さん。

私には可愛い彼女が出来ました。


心はまだですけど、身は買いました。

とか、いつか姉に言ってみたい。


そうだ、日本からイギリスを経由して国際電話をかけて言って見よう。
あの姉なら動揺して隙が出来そうだ。

心の奥底に出来た隙が此度のイベントで、遠坂家の血族縁のうっかりを発動させるかもしれないです。


ああ、私?


私は間桐ですから、うっかりなんてしませんよ?















あとがき

桜さんがついに始動。

立場逆転により
ジュネを助手にしたジャックのような桜さんになりました。

あとランサーNTR!



どうでもいいんですけど、ひさしぶりにジャイアント・ロボを見ていたんですが
熱くて最高に良いですね。

次回も熱くもないお話が続きます。



前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.028253078460693