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No.1053の一覧
[0] Eight[仮性悪魔](2006/03/21 21:55)
[1] はじまりのよる[仮性悪魔](2006/03/11 19:07)
[2] プロローグ・召喚[仮性悪魔](2006/03/07 23:58)
[3] キャスター【魔術師】[仮性悪魔](2006/03/10 00:56)
[4] 齟齬[仮性悪魔](2006/03/08 00:00)
[5] 幕間・漆黒と白銀[仮性悪魔](2006/03/08 00:02)
[6] デットブリッジ-序[仮性悪魔](2006/03/08 00:04)
[7] デットブリッジ-破[仮性悪魔](2006/03/08 00:06)
[8] デットブリッジ-急[仮性悪魔](2006/03/08 00:07)
[9] 幕間・ある弓兵の死?[仮性悪魔](2006/03/08 00:08)
[10] ソリッドなスネーク[仮性悪魔](2006/03/08 00:10)
[11] バーサーカー【狂戦士】[仮性悪魔](2006/03/08 00:11)
[12] [仮性悪魔](2006/03/08 01:29)
[13] ランサー【槍兵】[仮性悪魔](2006/03/12 22:53)
[14] キャスター2[仮性悪魔](2006/03/10 19:41)
[15] 幕間・冬の娘[仮性悪魔](2006/03/08 01:35)
[16] 姉と声と鋼[仮性悪魔](2006/03/08 01:36)
[17] ライダー【騎兵】[仮性悪魔](2006/03/10 00:58)
[18] アサシン【暗殺者】[仮性悪魔](2006/03/08 01:39)
[19] たのしいぶかつ・前[仮性悪魔](2006/03/10 00:43)
[20] 幕間・嫉妬[仮性悪魔](2006/03/10 00:44)
[21] たのしいぶかつ・後[仮性悪魔](2006/03/10 00:45)
[22] ソラノキョウカイ[仮性悪魔](2006/03/10 00:47)
[23] 嘘つきランサー[仮性悪魔](2006/03/10 00:48)
[24] アサシンVSバーサーカー[仮性悪魔](2006/03/10 00:51)
[25] その過去は既に[仮性悪魔](2006/03/12 22:51)
[26] 疵を開く[仮性悪魔](2006/11/27 00:06)
[27] その過去も既に[仮性悪魔](2006/11/27 00:22)
[28] セイバー【魔王】[仮性悪魔](2006/11/30 00:27)
[29] テンノサカズキ[仮性悪魔](2006/12/03 21:36)
[30] 影山の一夜[仮性悪魔](2006/12/03 21:44)
[31] 最モ強キ者[仮性悪魔](2006/12/03 21:50)
[32] 深夜の出来事[仮性悪魔](2007/06/21 23:25)
[33] いくつかのミライ[仮性悪魔](2007/06/21 23:28)
[34] いくつかのミライ―選べる道は唯一つ―[仮性悪魔](2007/06/21 23:29)
[35] 夢・第二幕[仮性悪魔](2007/06/21 23:32)
[36] 夢?[仮性悪魔](2007/06/21 23:43)
[37] カウントダウン・3[仮性悪魔](2007/06/21 23:44)
[38] カウントダウン・2[仮性悪魔](2007/06/24 07:00)
[39] カウントダウン・1[仮性悪魔](2007/06/24 07:02)
[40] カウントダウン・0[仮性悪魔](2007/06/24 07:17)
[41] 開戦![仮性悪魔](2007/06/26 01:35)
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[1053] カウントダウン・3
Name: 仮性悪魔◆982ec5ca ID:5893562f 前を表示する / 次を表示する
Date: 2007/06/21 23:44
「ランサー―――綺礼の見張りか?」

庭に面した廊下に腰を下ろしているランサーに、バーサーカーが声をかけた。
その手に一着の修道衣を持っている。

「おや、お帰りなさいバーサーカー。言峰の着替えを取りに行っていたのですか?」

窓の外に向けていた顔を、バーサーカーに向けなおして聞き返すランサー。
その表情はいつものように笑顔だが、普段のニッコリよりもニヤリに近い、悪戯をしている子供のような様子にも見える。
ハテナと、わずかに首を傾げつつ、バーサーカーはとりあえず問いかけに対して普通に答えを返した。

「ああ。あの身長では、誰かの服を借りるというワケにもいかんのでな」
「今着せてあるのは切嗣の浴衣ですからね。起きたらどんな顔をするか、少し見てみたい気もしますが」
「……意外と性格悪いな、お前」
「鍛えられてますからね、色々と」

いまいち噛み合わない……と、言うかランサーが意図的にはぐらかしているような会話が続く。
ランサーが背にしているふすまを開けば、言峰が寝かされている部屋なのだからさっさと行けば良さそうなものだったが、顔を合せるのに躊躇してしまい、つい無駄話を続けるバーサーカーであった。

「ところで、一つ聞きたいんだが……アレは何だ?」

指差す先には、庭の地面に刺さった二本の槍。
昨夜ランサーが使っていた、雨を呼ぶトライデントと、ドリルのような超巨大なランスが、雨にうたれるままに突き立っていた。
おかげでランスの柄に巻かれている真紅の聖骸布までビショ濡れという、なんともバチ当りな有様になっている。

「海神の三又槍と、ランサーである私の宝具・第八聖典です。片方は今後の保険。片方は本人の希望と言ったトコロですかね」
「保険? 本人? どうにも意味がわからんが……第八聖典か。俺の世界では聞いた事も無い聖遺物だな……随分ぞんざいな扱いだが」

あははーと、誤魔化すように笑うランサーに、どうやら追求されたくないらしいし、するのも無駄だろうと見て取って、バーサーカーはさらに話題を方向修正して、自分も少しは共通する知識をもっているであろう聖典の事に向けてみる。
意外と気遣いする気質と言うか、実は対人関係にマメなタイプな狂戦士である。。

「ええまぁ、元々憑いていた自然精霊が人間の制御を受け付けなくて、誰も使えなかったので何百年と倉庫の奥で死蔵されていたと言う一品ですから。私の世界では、その精霊―――まあ霊格は既に聖霊の位にまで上っていたソレを、無理矢理人類寄りに改造したので私が使うことも出来ているワケですが。ちなみに、外に出しているのは室内に置くことの出来るサイズでは無いからであって、決してぞんざいに扱っている訳ではありませんよ。普段は、それはもう丁寧に、恋人を扱うかのように大切にしていますから」

なんとなくヒワイな感じに両手をワキワキと動かしながら言うランサー。
説明を聞きながら、バーサーカーが庭に突き立っている槍を眺めていると、なにやら声が聞こえた気がした。
振り向けば下を向いてクツクツ笑っているランサーの姿。他に人影は無い。
とても小さくだが、知らない女の声でぽるかみぜーりあとか聞こえたような気がしたのだが。

用心しつつ――何に用心しているのかよく分からないが――ランサーの様子を覗き込もうとバーサーカーは近付く。
と、丁度そのタイミングで、士郎が廊下に現われる。

「見つけたぞランサー、昨日の事で話が……って、アンタ、バーサーカーか?」
「……衛宮士郎か。世話になっている」

ペコリと頭を下げるバーサーカー。
ランサーに文句を言おうと勢い込んで来ていた士郎だったが、予想外に普通な挨拶に気勢を削がれる格好になった。

「あ……いや、別に俺は何もしてないから。それにアンタも未来の俺なんだったら、自分の家だと思ってくれたら良い」
「いや、ああ……そうだな、感謝する」

差し出された士郎の手。
一度は自分を殺した相手に向かって屈託無く差し出されたその手に、一瞬の逡巡と様々な感情を飲み込んで、結局バーサーカーはその手を握る。
その頭上から、尾てい骨に響くような低音が降ってきた。

「ほう……自分相手には、随分と素直だな」
「綺礼……」

同学年の平均身長よりやや低い士郎と、未来の士郎の中で一番身長の低いバーサーカーを見下ろすのは、身長190センチオーバーのマッチョ神父・言峰綺礼だった。
片腕の無い痛々しい姿と、にもかかわらず威圧感のある雰囲気を身につけた男だったが、アンパンマン模様の浴衣を着て憮然としている様は、どうにもシリアスになりきれない。
愛と勇気を友とした、今は亡き切嗣が冗談で注文した逸品である。

「おや、お目覚めですか。おはようございます」
「げっ……もう復活しやがった、外道神父」

にこやかに挨拶をしながら立ち上がるランサー。
そこに丁度バゼットのためにと、洗面器に氷水と濡れタオルを入れて運んできたアサシンの嫌そうな声が被った。

「ああっ、綺礼!! 丁度良いわ、アンタには色々聞かなきゃなんない事が―――わわっ!?」
「こら、凛。病み上がりの起き抜けで急に走ったりしては―――」

そのアサシンに、ベストなバッドタイミングで廊下の向こうから言峰の姿を発見して駆け出した凛が衝突する。
ひっくり返る洗面器。ぶちまけられる氷水。
咄嗟に凛を支えたアサシンを含め、全員が冷水の直撃を回避している辺りは、伊達でも英霊や代行者だと褒めるべきトコロか。
いわんこっちゃないと呆れるキャスターの背後の廊下から、フラフラと現われたのはアサシンを探すバゼットの姿―――ただし虎縞模様の浴衣を寝間着の代わりに着せられている。

「士郎くーん、士郎くんは何処に……おや?」

ここに、今はこんこんと眠り続けている桜を除く、現在の衛宮邸の全人口が一同に会した。
4体のサーヴァントと4人のマスター達が、一つの家の廊下に集合する。
キャスターを除くサーヴァントが一堂に会したという、第四次聖杯戦争の初戦の情景にも迫るサーヴァントの密度は、ある意味壮観とも言えよう。
……まぁ密度はともかく、緊迫感は段違いに低いのが難点だったが。

「さて、丁度全員が揃ったところで、朝食にしましょうか」

全員の困惑の中、一人にこやかなランサーがマイペースに告げる。
ある意味壮観。
もーちょっと直接的に表現すれば、混沌の坩堝だろう。

 ◆◆◆

「うう……なんか全然食事した気がしない」

シトシトと雨の続く公園で、腹を押さえた士郎が弱々しく洩らした。
朝食は今日もランサーの作ったベジタリアンなメニューで、グリルした色鮮やかな野菜のサンドにチーズ&ポテトサラダのサンド、照り焼き豆腐ステーキサンドに加え、デザートにピーナツバター&バナナや、焼きリンゴの甘いサンドイッチと、手軽に食べられて種類も多く目にも愉しいと、良く出来た料理だったのだが……食卓を支配する空前絶後のギスギスエアーに、まるで紙を食ったような気しかしなかった士郎である。

所詮つい数時間前に命のやり取りをした間柄なのだから、当然と言えば当然ではあったろう。
片腕を奪われた言峰にとって、自分を裏切ったサーヴァントであるバーサーカーは許せる相手ではないだろうし、その言峰はバゼットからすれば自分を殺そうとした相手だ。
アサシンにとっての言峰も、その手で撃退した敵であり、またバーサーカーとも剣を交えていたはずだった。
凛に言わせれば言峰は自分を騙してマスターとして暗躍していた裏切り者であり、そもそも自分以外のマスターは顔を合わせれば殺しあう相手だと認識しているのが、士郎のようなイレギュラーなマスターを除く、一般的な聖杯戦争参加魔術師の考え方だろう。

にもかかわらず、誰も誰かを責めようとしなかった。
誰か一人が口を開けば、壮絶な責任追及合戦が始まりそうなその状況で、聖杯戦争とはまるで関係の無い、そこのバター取ってだの、体調はどうだだの、当たり障りの無い会話だけが続けられたのである。

また、食事の作法もヒドかった。
自分達の割り当てを、全て一口ずつで飲み干すように食べてしまった、バゼットとアサシンの主従。
胚芽パンが真っ赤に染まる程にタバスコをふりまくった、言峰とバーサーカー親子。
一人のん気に舌鼓を打っては料理を誉めていたキャスターに、呆れ顔で紅茶だけを飲んでいる凛。
そんな様子を、気を悪くしたようでも無く、ニコニコと笑って眺めていたランサーは本当に人間ができていると、士郎は感心すらした。
実はランサー、生前に瞬食鉄拳魔神・バゼットや味覚崩壊シスター・カレンの食事を、一時期だが用意していた事があって慣れていただけ、と言うのは士郎の知らない事実である。
ってゆーか、知ったら少年が未来に絶望しかねない事実である。

そんなこんなのギスギスブレックファーストを楽しく終えた士郎達が、今何処で何をしているかと言うと、雨降りしきる公園で大の大人が5人並んでたたずんでいる最中。
赤い雨傘を持った士郎の他には、バーサーカーとアサシン、そしてマスターであるバゼットと、隻腕の神父言峰。
士郎のサーヴァントであるランサーは、目的地に向かう前に準備するものがあると言って、買出しにいってしまったので、現在こうして5人が待たされている。

ちなみに、目的地とはアインツベルンの城。
ランサーが知っていた自動車の通れる抜け道――幾重もの防御と幻惑の結界に隠された、イリヤが冬木市への行き来に愛車であるメルセデスを走らせる道――を辿って、森の中の城へと向かう予定である。もちろん、アインツベルンには絶対に捕捉される事は承知の上だ。
危険を承知で、わざわざ敵地を目指す理由は一つ。
セイバー・間桐士郎の次の狙い、小聖杯であるイリヤの奪取を阻止するためである。
昨夜、間桐邸で確かにセイバーは小聖杯を手に入れると宣言していた。
それが真意にしろブラフにしろ、5体……いや、おそらく昨夜獲り込んだギルガメッシュを含めれば6体ものサーヴァントを支配して操るセイバーに対抗するためには、イリヤとライダーの協力を受けられるよう、同盟を結び、同時にセイバーから彼女を守るのは最善の策になるはずだ。
だが……

「なんでアンタまでついて来るんだ?」
「もちろん聖杯戦争を見届けるだめだ、衛宮士郎。マスターではなくなった、しかも片腕の私が随行した所で、最早脅威などになり得まい? そう警戒する必要はなかろう……既にバーサーカーの令呪は、お前に奪われているのだからな」
「別に……奪ったってわけじゃ無い」

左手で黒いコウモリ傘を持った綺礼に皮肉を言われて口ごもる士郎の腕には、4画目の令呪が浮かんでいる。
バーサーカーが断ち切った言峰の右腕に残っていた令呪を、ランサーが移し変えたモノだ。

サーヴァントの現界には礎となる契約者―――つまりマスターの存在が不可欠である。
一時的には切断された腕を依り代として繋ぎ止める事は可能だが、それとて長時間は持たない。
現在、推定6体のサーヴァントを操るセイバーに対抗するために、一人でも多くの戦力は欲しい。その意味で、バーサーカーを消えるに任せるという選択肢はありえなかった。だが、セイバーを倒した後にお互いが戦う可能性を考えないなどと云う事は、いかにお人好し揃いの未来シロウ達でもありえない。
後の敵を強化する事になる可能性を考えた上で、誰をバーサーカーの仮マスターにするべきか。
バーサーカー自身は誰をマスターにしてもかまわないと言ったため、ランサー、キャスター、アサシンの合議の結果、苦肉の策として一番魔力量の少ない、つまり二体のサーヴァントを保有する事で得られる戦力増強が一番少ないであろう士郎に、バーサーカーの令呪が移される事になった。と、先ほどランサーから説明された士郎であった。
本人が寝ている間に。勝手に。
マスターに薬を盛るわ、勝手に令呪をいじるわと、聖職者なのに外道なサーヴァントだとつくづく思う士郎だったが、憎んだり嫌悪したりする気にはならない。
叶う限り被害者無くこの聖杯戦争を終わらせる。
その根本の一点において、ランサーと士郎の意思は同じだと言うのが大きな理由だろう。
それゆえに、ランサーの行動理由は士郎にとって「判りやすい」。
明確な原因、明確な理由、明確な説明。
それを語る。相手の理解を得るために話す。決して投げ出さず、韜晦せず、ランサーは言葉を操る事を放棄しない。

だからこそ、令呪委譲をランサーが勝手にやった事だと言って、言峰の嫌味をかわす気にはならなかった。
責任を押し付けるような気がして……と言うかあきらかにランサーの責任なのだが、そういった行為が自分の逃げのような気がして、士郎自身のの正義感が許さない。
それでなくとも言峰綺礼という神父に、どうも初対面からウマが合わない気がしているから尚更だ。
あまり他人を嫌わない士郎にしては珍しい事だったが、出会った瞬間に天敵だと直感する相手というのはまれに居るものである。
結局、頑固な所もある、しかし弁が立つわけではない士郎は、不満気に長身の神父を上目遣いに睨むだけしか出来なくなってしまった。

「ふむ、奪ったわけでは無いか。確かにそうだな、失礼した衛宮士郎。だがその手に元々私のものであった令呪が在るというのもまた事実だ。それはつまり―――」
「やあやあやあ、どうもどうも、お待たせしてしまってすいません、皆さん。必要な物は無事に買えましたので、急いでアインツベルンの城へ向かうとしましょう!」

更なる追求を―――士郎の精神を切開しようとした言峰の言葉を遮って、必要以上に陽気に声をかけたのはランサーだ。
状況を見て取っての行動のようだが、満面の笑みを浮かべる青年の手にした雨傘がトラ柄――本来誰の所有物かは言うまでも無い――とあっては、ただの変な人に見えなくも無い。
しかも右手に持つのは、パステルカラーの可愛らしい箱。マウント深山商店街のケーキ屋ベコちゃんのテイクアウトである。

「ランサー、用事というのはそれを買う事だったのですか?」
「ええ、そうですよバゼット」
「……イリヤはそんなのが好きだったのか? なんだかイメージじゃ無いんだが」
「いえ、その、イリヤでは無くて……ある意味もっと難儀な人の御機嫌を伺うためと言いますか、衛宮士郎の天敵を懐柔するためと言いますか……」

バゼットとアサシン主従の問いに、イリヤのメイドの好物なのだと説明するランサー。
その女性は、こういった物を好きだという事実を隠しているつもりなので、自分達が敵では無い事を説得するための材料として安っぽいケーキが有効なのだと説明する。

「なるほど……同じ士郎くんなのに、アサシンと比べて如才ないというか、セコいのですね、ランサーは」

ポツリと呟いたバゼットの言葉に、アサシンだけではなく、士郎やバーサーカー、言峰までもが、同意を示すようにコックリ頷く。

「はい。計算高さと姑息さとハッタリが、私の身上ですから」

言われたランサーはにっこりと、笑顔でそんな評価を肯定してみせる。
こんな大人になっちゃダメなんじゃないだろうかと、未来の自分だというサーヴァントの姿に不安を感じる士郎。
むしろ冷静に考えると、どの可能性もダメなんじゃ無いだろうかと、むっつりと黙りこくったバーサーカーや、ジト目でランサーを見ているアサシンを見ながら悩みかけたその時、令呪がマスターとサーヴァントの存在を知らせて疼いた。

「うわぁ、ホントにシロウがいっぱいだー!」
「!?」

公園の前に、地域密着型の素朴な商店街に不似合いな銀色のクラシックカーを止めて、赤毛の青年の差す純白の傘の下にたたずむ純白の少女。
士郎達が向かおうとしていた城の主、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンが、目を見開き、喜色をあらわにしてそこに居た。


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