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No.1002の一覧
[0] 召喚 カレイドルビー[SK](2006/04/01 22:20)
[1] 第一話 「召喚 カレイドルビー」[SK](2006/04/01 22:26)
[2] 第二話 「傍若無人、蟲殺し」[SK](2006/04/03 23:24)
[3] 第三話 「ルビーとアーチャー」[SK](2006/04/10 22:21)
[4] 第四話 「一般生徒 衛宮士郎」[SK](2006/04/10 22:20)
[5] 第五話 「VSバーサーカー」[SK](2006/04/22 23:20)
[6] 第六話 「マスター殺し」[SK](2006/04/22 23:06)
[7] 第七話 「戦うマスター」[SK](2006/04/27 00:05)
[8] 第八話 「VSバーサーカー (二戦目)」 前半[SK](2006/05/01 00:40)
[9] 第八話 「VSバーサーカー (二戦目)」 後半[SK](2006/05/14 00:26)
[10] カレイドルビー 第九話 「柳洞寺攻略戦」[SK](2006/05/14 00:02)
[11] カレイドルビー 第十話 「イレギュラー」[SK](2006/11/05 00:10)
[12] カレイドルビー 第十一話 「柳洞寺最終戦 ルビーの章」[SK](2006/11/05 00:19)
[13] カレイドルビー 第十二話 「柳洞寺最終戦 サクラの章」[SK](2006/11/05 00:28)
[14] カレイドルビー 第十三話 「柳洞寺最終戦 最終章」[SK](2006/11/05 00:36)
[15] カレイドルビー エピローグ 「魔術師 間桐桜」[SK](2006/11/05 00:45)
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[1002] 第二話 「傍若無人、蟲殺し」
Name: SK 前を表示する / 次を表示する
Date: 2006/04/03 23:24
「プリズムメイクの始まりよ」
 と彼女は叫び、
「……」
「……」
 私と兄さんは絶句した。


   カレイドルビー 第二話 「傍若無人、蟲殺し」

 彼女は、私の知る遠坂凛とはかなり違った格好をしてそこにいた。
 なるほど、その顔への驚きからさめれば、その人物は明らかに遠坂先輩とは別人だろう。
 長い黒髪をゆったりと後ろにたらし、服装は派手目の漆黒のドレス。それはまるでおとぎ話で語られるお姫様のようだった。

「くっ! 遠坂の小娘じゃとっ!?」
 あせりながらもお爺様は魔術の防壁と鎮圧の攻撃を一瞬でくみ上げる。それはまさに神業だ。
 シングルカウントでありながら視認できるほどの防壁をつむぐその魔力。

 しかし、魔術は魔術。
 それはさらに高位の魔術によって消し飛ばされるのが道理である。

「はっ、潔く消えるのね」

 遠坂先輩の顔をしたサーヴァントが呪をつむぐ。
 手には魔力。大気に力。
 あせるお爺様を尻目にその魔力は一瞬で形を成す。
 にやりと彼女が口を歪める。
 そして――

「――――Es laesst frei. Eilesalve! 」(開放 一斉射撃)

 叫んだ。呪式は宝石を媒介にした物理干渉魔術の一級品。
 シングルカウントによる最速の一撃は、Aランク近い力を持ってお爺様を打ち据える。

 削れる。
 お爺様の防壁は一撃で消し飛んだ。
 次はお爺様の頭が消し飛ぶ。
 そして、腕が、腹が、胴体が、足が、消えていく。
 それは、あまりに一方的で、あまりに唐突な虐殺だった。
 つごう七秒。
 たったそれだけの間で、そのサーヴァントは私と兄さんが長年囚われていたお爺様を消し去った。

「……」
「……」
「……」
「……」
 無言無言無言。
 私も兄さんも声がでない。

「ふんっ。楽勝ね」
 サーヴァントがつぶやいた。
「……な、なんだよ。あいつ」
 なんとか兄さんが声を振り絞る。
 その声は私ですら笑ってしまうほど狼狽していた。
 私自身も呆然としたまま動けない。
 驚きからか、兄さんともども思考がうまく働いてくれない。
 それはあまりに夢のような、ありえない光景だった。

「…………せ、先輩?」
「あいつ、遠坂か?」
 私たちがそう呟くと、サーヴァントたる彼女はこちらを向き、にこりと私たちに笑いかけた。
 それは、とろけるように甘い笑顔。
 女神か天使かと見間違うばかりの凛々しさで、
 自愛に満ちた、聖母のような微笑みで、
 それはまるで、

 学園で見る遠坂凛そのものだと思ったけれど。


「はっはー、それは、十分の一くらいの正解ねっ。それで、どう桜? 私の勇姿を見てくれたっ? カレイドルビーのプリズムメイクの爆誕よっ!」


 びしっ、とポーズ。左手を腰に、右手を前に。
 私の知っている遠坂先輩とは、中身がかなり異なっているようだった。

   ◆

 当然だが、彼女の存在は、私と兄さんの心の安定と、間桐の館をこれ以上ないほどにかき乱した。

「なっ、お前が桜に召喚されたサーヴァントだって言うのかよ」
「はい、桜。服よ。着なさいな」
「あ、ありがとうございます……」
「おい、僕を無視するな!」
「まったくこんなことさせるなんて、あのヒヒ爺は……」
「あっ……あの。兄さんが……」
「くっ、おい、答えろよ遠坂っ! お前はサーヴァントなのかっ?」
「はいはい答えてあげるわよ。見てわかんないの? ミラクルかっこいいこの姿を見て英霊だって想像できないなんて、想像力が欠落してるとしかいいようがないわね。まったく記憶に漏れず、ずいぶんとまあ魔術師然としてるじゃないの。慎二」
「くっ、おい桜。お前なにを間違ってこんなやつ召喚なんて――――――――――――ガフッ」
「きゃー、兄さんっ!」
「はっはー。この私に文句つけようなんて一生早い。来世でもう一回挑戦に来なさいっ!」
「なっ、なにいってるんですかっ。兄さん、大丈夫ですか!?」
「………………………………………………ダ、ダメかも」
「いやーっ!? 兄さんが私に弱音を? 絶対やばいですっ。お願いします遠坂先輩。兄さんを治してあげてください!」
「……まあ、いいけど」

「そもそもなんで遠坂が召喚されてるんだよ!?」
「あー、それ違うわよ。……たぶんこの世界にも遠坂凛は存在するでしょ? その子はその子、私は私って感じよ。桜ならわかるんじゃない? シュバインオーグの秘術に近いかも」
「それって魔法ですよっ!? それに第二魔法だって同一の時間軸に本人同士は存在できないって……」
「そうね。だから私は遠坂凛から派生したようなものだけど遠坂凛ではないわ。いったでしょ? 新本格魔法少女のカレイドルビーだって」
「……」
「……」
「ちょっとなに黙ってんのよ二人とも」
「……いや」
「……ええと」

「ふーん、じゃあ桜は聖杯戦争に参加したくないの?」
「はい、できれば」
「ふんっ、じゃあ僕がお前を使っ――――――――――――ガフッ」
「兄さんっ!?」

「記憶? うーん、まああんまりたいしたもんでもないわ。そもそも私のときはカレイドルビーなんていうウルトラかっこいいヒーローはいなかったし」
「……じゃあだれだったんだよ。こいつが呼び出したのは? くそっ、それなら僕が参加できたかもしれないのに……」
「……兄さん」
「あんた参加してたわよ、確か。メドゥーサだっけ? なんか私と比べるのが可哀相なくらいしょぼっちいサーヴァントも連れてた気がする」
「なっ!?」
「そっ、それは本当ですか遠坂先輩っ!?」
「ルビーだって言ってるでしょ。まあ慎二の参加は本当よ。だって聖杯戦争終わったあとであんた死んでたもの。葬式にもいったしね」
「なっ!? なに言ってるんだよ。僕が死ぬはずないだろっ」
「あんたこそなに言ってんのよ。あんたが聖杯戦争に参加して死なないはずがないでしょうが」
「くっ……ふざけるなっ! 僕は絶対認めないからな、そんなこと」
「に、兄さん……」
「あーあ、行っちゃった。ふて腐れて部屋にこもるなんてガキねー。あいつも」

「……じゃあ、遠坂先輩が勝者だったんですか?」
「あら、切り替えがなかなか早いわね。正解よ。半分くらい」
「半分?」
「まあその辺は知らないでおきなさい。駅までの道を聞くんじゃないんだからね、未来までの道ってのは不定なの。アトラスじゃああるまいし、無理に知ろうとすると逆に迷っちゃうわよ。それに私のは予定ですらないんだから」
「……あ、あの」
「でね、桜。ちょっとまじめな話」
「えっ……は、はい」
「あなた、たぶん参加することになるから」
「…………えっ?」

「衛宮先輩がですか……」
「そっ、まあ、参加するでしょうね。平行世界からの推測だから確証はないけど、出場の資格を持っているはずだってことに変わりはない。――で、経験者としてアドバイスよ。あなた自分が魔術師だってことを衛宮士郎に話しなさい」
「……」
「ちなみに私は知っている。その上で言ってるの」
「!?」
「……“マキリ臓硯はもういない”。私は、あなたはあなたの好きなように生きてほしいと思ってる」
「お爺様が?」
「ええ、みたでしょ? 私は強いんだから」

「……ルビーさん。でも、私はやっぱり怖いんです」
「安心なさい。そのために私がいるんだから」
「……でも、でもやっぱり怖いんです……先輩に嫌われたくないです。ずっと……このままでいたいんです。なんでですか? 何で先輩にしゃべらないといけないなんて……」
「……たぶん、あなたはそれじゃあ永遠に遠坂凛と衛宮士郎に嘘をつき続けることになるわよ」
「いまだってそうです。ずっとそうするつもりでした。……覚悟だってあります」
「はあ……この世界の私も人望がないわねえ。私が桜を裏切るなんてどんな世界だってありえないってのに。……じゃあね。私がここにいる目的を教えるわ」
「えっ……目的?」
「そう。なぜ英霊になって、なぜあなたに召喚されて、なぜここにいるのかを。……回りくどいのは嫌いなの。あんたは参加して、勝ちなさい。あのね、私の目的は――――」

   ◆

 次の日、私が目を覚ましても彼女は依然としてここにいた。
 一日過ごすと、ルビーさんはまるで長年の一緒に住んでいたかと錯覚するほどに間桐の屋敷に馴染んでしまった。

 兄さんはルビーさんと折が合わないとこぼしていたが、ルビーさんが兄さんをからかって、それに兄さんが律儀に反応しているところを見ると、特に問題はないように見えた。
 むしろ二人は非常に仲がよいのでは……と思って、これ以上考えると二人からお仕置きされそうなのでやめる。

 兄さんは本当はサーヴァントを使役して、聖杯戦争に参加したかったらしいが、私たちの、いや主にルビーさんだが、私たちの説得でルビーさんを使役することはあきらめてくれたようだった。
 なんといっても、ルビーさんは以前の兄さんのことを知っていると豪語しており、兄さんも私もそれは確かめようがないから、最後にはルビーさんに言い負かされてしまうのだ。

 また、ルビーさんは私の上位でもなく、同位でもなく、そのままの意味で間桐桜のサーヴァントになることを了承した。束縛を切るために令呪を使い切るように命じられても私は納得しただろうけど、ルビーさんは私の持つ令呪には特に何もいわなかった。
 ルビーさんは私のそばで、霊体化したまま時折姿を現しては兄さんや私をからかって遊んでいた。

   ◆

 そのまま数日がたったある日、一つの出来事が起こった。
 本物の遠坂先輩が我が家を訪ねてきたのだ。
 用件はただひとつ。
 開口一番、遠坂先輩は玄関を開けた私に向かって、令呪の有無を確認したいと申し出た。
 その言葉を聴いた瞬間に血の気が引くのがわかって、遠坂先輩は私の顔色を正確に読み取った。

 今考えればそれは当然のことだった。私が遠坂先輩が確実に参加することを知っていたように、遠坂先輩が私が参加する可能性を考えないはずがなかったのだ。
 だが、私はルビーさんとの生活に浸っていた。修練もなく、衛宮先輩の家に行き、学校に行き、帰ってくれば、間桐の屋敷でルビーさんと兄さんを交えて笑いあう。
 あまりに幸福なその生活に浸りきって、ありえざることに聖杯戦争を忘却した。
 本末転倒。
 私は自分のあまりの間抜けさを遠坂凛の質問で自覚した。

 そして、私が遠坂家当主からの当然の質問に対しあまりに露骨な反応をするのをみて、腕を確認するまでもなく遠坂先輩は真実に気づいてしまった。

「………………うっそ。マジ、桜?」
 手で顔を覆って、そう一言。
「……はい、私は間桐の魔術師として参加します」
 そういった。
「慎二とかは関係なく?」
 さすがに遠坂先輩は的確なところをついてくる。私だけだったらきっと参加しないであろうことを知っているのだろう。

 だが、いまの私は違うのだ。
「いえ、兄さんと協力しますが、最後に決めたのは自分の意思です」
 はっきりといっておく。
 うつむいていた顔を上げて遠坂先輩の顔を見る。

「……そう。んっ了解」
 遠坂先輩は私の目を覗き込んだあとそういった。
 その笑い顔はあまりに最近見慣れていたものだったので、私も意識せず顔が緩む。
「そっか、じゃあ教会への登録は済んだの? 始まったら敵同士ね。まっ容赦しないから、覚悟しときなさい」
 遠坂先輩は殺伐を装ってそういったが、やはりそれはどう聞いても私を心配しているように聞こえてしまった。
「……ありがとうございます。遠坂先輩」
 やめてよね。と先輩が手を振る。

 そうやって、私が夢にまで見たように、私と先輩は笑いあった。きっと数日後には破られてしまうことを、魔術師同士として向かい合うことを二人とも知っているのに、知っているからこそ笑いあった。
 気づくと、遠坂先輩は私を澄んだ眼で見つめていた。
「桜。あなたに何があったのか知らないけれど。たとえ敵になったとしても応援してるわ。気軽に頑張ってなんていえるようなものじゃあないけれど、最低限死なないようにしなさいね」
「……はい」
 ポロリと涙が流れる。

 私はやはりルビーさんの言ったことは正しかったのだと実感した。
 遠坂凛が私を見捨てないと。
 それは正しかったのだ。
 ああ、と私は息を吐く。
 それはなんて高貴な魂なのか。やはり、遠坂の名を継ぐのは彼女で正しかったのだと私は思う。
 そうして、遠坂先輩を見送ろうと、私は玄関から外へ出た。

   ◆

「まさか桜が参加するとはねえ。それで準備とかは終わっているの?」
 屋敷の門に向かいながらそういった遠坂先輩の言葉に、私は首をかしげた。
「えっ……と」
「んっ? どうしたの桜?」
「いえっ、私はもう呼び出しているんです」

 縮こまってそう答える。
 それを聞くと遠坂先輩はひどく驚いたように目を開き、
「……ああそうか。そりゃそうよね。そういう可能性もありえるのか……」
 すぐに冷静さを取り戻して呟いた。

「…………うーん、これは私にミスだったわ」
「? なにがですか?」
「いや、桜が本当の意味で殺る気だったら、私ここで殺されてたなあ、ってね」
 ひどく物騒なことを遠坂先輩は口にした。
 そして、その言葉に私がありえないと返事を返すよりも早く、

「ホントよねえ。こんなヌケサクが私だなんて泣けてくるわ」

 と、ひどく嫌味がかった声が遠坂先輩の言葉に答えていた。
 それに、ピクリと先輩が反応する。
「むっ、だれ? ってそりゃ、桜のサーヴァントに決まってるわよね……随分とまあ頭の軽そうなやつを呼んだみたいじゃない?」

 ……どうやら遠坂先輩はルビーさんの声が自分の声と寸分違わないということに気づかなかったらしい。

「いえっ……あの、」
「まあ、あんたよりはましよ。遠坂凛。――自分の召喚も満足に済ませてないのに、ほかのマスター候補に令呪の有無をバカ正直に聞きに来るなんてよくもまあそれで遠坂凛を名乗れるもんだわ」
 悪態をつきながら、ふわりとルビーさんが現界する。
 それをみて、遠坂先輩はやっぱり私や兄さんのときと同じように絶句した。

   ◆

 当然、ルビーさんの存在は遠坂先輩をこれ異常ないほど驚かせた。

「っっっっ!! あんたいったいなんなのよっ!?」
「見てわからない? 漆黒のドレスに身をまとい、宝石片手に悪を討つ。スペシャルデラックスな愛と正義と宝玉の魔法使い。カレイドルビーとは私のことよっ!」
「あ、あのルビーさん……もう少し穏やかに……」

「……まあ百歩譲ってこいつが私だっていうのは認めるけどね。広い平行世界には失敗作の遠坂凛だっているかもしれないわけだし」
「私はあなたを余裕でぶっちぎって強いけどねー」
「語尾を延ばすなっ! あんたその変なしゃべり方やめなさいよ! 桜に私まで誤解されるでしょうがっ!」
「平気よーん、だにゃん、でござるよニンニン。私はもう桜とラブラブだしねー」
「うひゃあっ!? ル、ルビーさんやめてください……」
「このっ。人をおちょくるのもいい加減に……」

「……まあ、あんたの言い分はわかったけどね。桜に呼ばれたっていうのも納得できるし」
「……遠坂先輩」
「やっと理解したの? まったくこれでほんとに私なのかしら」
「……っっ!」
「いやーっ、先輩やめてください」
「やる気っ? 私と殺りあって勝てるとでも思っているのかしら」
「ルビーさんも煽らないでくださいっ!」

「……でっ、あんたは何で召喚されたのよ? 望みでもあるの?」
「あんっ? 何であんたに言わなきゃいけないのかしら遠坂凛。ここで入院一ヶ月コースの宝石叩き込まれないだけでもありがたいと思いなさい。よわっちいくせに粋がっちゃって。やーねー、そういう身の程知らずな魔術師って」
「……」
「……」
「――Fixierung. Eilesalve!」(狙え 一斉射撃)
「――Es laesst frei. Werkzeug!」(開放 斬撃)
「イヤーっ! 家がー!!」

「ふざけんじゃないわよっ!」
「へえー、だったらどうするって?」
「…………あの、先輩にルビーさん、そろそろ……」
「おいっ桜! なんだよ今の大きな音、は」
「座に叩き返してあげるって言ってんのよっ!」
「はっ、やれるもんならやってごらん小娘!」
「………………………………」
「兄さん、無言で戻らないでくださいっ!」

「くっ……何で本家までいるんだよ桜」
「いえ……私の令呪を確かめにいらっしゃったそうですけど」
「はっ、そうよっ! いいこといったわ桜。そうねっ! つまり桜が敵かどうか確かめに来たってことじゃない。いくわよ桜、いえマスター。敵のマスターを打ち破るまたとないチャンスじゃないのっ」
「ええ、やってやろうじゃないのっ! 桜、悪いけどリタイヤしてもらうことになるからねっ!」
「……桜。遠坂のやつ宝石構えてるぞ」
「ルビーさんも構えてますね」
「……」
「……」
「あっ、撃った」

「――――!?」
「――――っ! ――!?」
「…………というかさ。遠坂のサーヴァントはどうしたんだよ。あいつが不参加ってことはないだろ」
「いえ、まだ呼び出してないそうですけど……」
「……あいつそれでのこのこと出回ってるのか? 信じられな――――ガフッ」
「に、兄さん!? 流れ弾……じゃないですね。なにやってるんですか遠坂先輩っ!」

 とまあこんなやり取りが数時間続くほどに、ルビーさんと遠坂先輩の相性は悪かったのだった。
 この日、遠坂先輩が帰ったあとのさんさんたる情景は、兄さんをして口を開く元気も残らないほどのものだった……
―――――――――――――――――――――――――――――――――

 ああ、なんか区切りが悪い・・・
 まあルビーが間桐家に馴染んでいく話でした。
 凛に対しての言葉はちょっとだけ原作への突っ込みもブレンドされてます。
 ちなみに、ルビーがホロウ設定でないのは仕様ですので気にせずにお願いします。あれはさすがに動かしにくいですしね。
 あと私はライダーが嫌いってわけじゃありません。このルビーだとこれくらい言わないとおかしいかな、と。ちなみにルビーのステータスはランクDにいくつかCって感じで相当弱かったり・・・という秘密設定。

 壊れ系かコメディかを予想された人が多いようだったのですが、たぶん最後までシリアスで行きますので、駄目そうな人はごめんなさい。
 ちなみに傾向は桜とルビーが主役で、凛がサブ。残りはかなりはぶられます。さすがにセイバー、アーチャーあたりは出張ると思いますけど、たぶん士郎は慎二より目立たないような・・・
 というか私は巷の傾向に逆らって慎二は割りとまともになれるキャラだと思っているので(さすがに原作の慎二がまともだとはいえませんが)、この話では慎二はルビーに矯正されて、かなりまともなやつになっています。慎二って姉さん女房とかにガンガンにたたかれたらまともになりそうじゃありません?
 


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