「御託はっ、要らねぇ!!」少年の眼の前で、人が火達磨になって吹き飛びゴミのように壁に叩き付けられて沈黙した。ピクリとも動かなくなったその人物――男――は、少年を毎日実験動物のような扱いをしていた違法研究者の内の一人。周囲にはそれと同じ末路を辿った白衣姿の男達が死屍累々と転がっている。死んでいるのかそうでないのか、少年には判別出来なかった。しかし、そんなことは最早どうでもよかった。「……クソが」今しがた部屋に入ってくるなり違法研究者達を片っ端から火達磨にした張本人である長身の男は、手にした剣を床に投げつけるように突き立て忌々しそうに吐き捨てる。男は呆然としている少年に近付くと、やや乱暴な手つきで少年の身体を拘束する革ベルトや拘束器具を外し、それらを一つに纏めると手の平の上で焼き払う。今まで自分の自由を奪い、苦しめていたものが眼の前で焼かれていく。そんな光景に少年は眼を大きく見開き視線を釘付けにする。紅蓮の炎。それは何もかもを焼き尽くし灰に変える”力”を持っていながら、少年にとっては冷え切った自身の心と身体を暖めてくれる優しい光だった。僅かな時間ではあったが、紅蓮の炎は少年の記憶に、心に、魂にその存在を刻み、文字通りしっかりと焼き付けていた。やがて炎が消え、男の手の中には何も残らなくなる。拘束具が蒸発してくれたことに安堵すると同時に、温もりを与えてくれた炎が消えたことに残念だと少年は思った。「フン」つまらなそうに男は鼻を鳴らすと、少年に背を向けて歩き出そうとする。その時、少年は自分でもよく分からず咄嗟に手を伸ばし男の服の端を掴んでいた。「ああ?」立ち止まり、訝しげに振り向く男。視線が絡み合う。男の射抜くような鋭い視線にたじろいでしまうが、それでも手は離さなかった。不思議と恐怖は無かった。確かに眼つきはこれ以上無い程怖かったが、男が自分を助けてくれたのは分かっていたし、ほんの十数秒とはいえ与えてくれた暖かさは優しかったから。故に離さなかった。離したくなかった。男に自分の傍に居て欲しかった。これも理由はよく分からない。「……ガキ、名は?」やれやれと溜息を吐きながら男が問う。「エリオ、エリオ・モンディアル」それに対して掠れた声で返す少年。これがエリオにとって運命の出会いだった。背徳の炎と魔法少女 空白期7 雷との縁SIDE シャマル苛立たしげに足と腕を組んで椅子に座っているソルくんは誰の眼から見ても不機嫌だ。相変わらず鋭い眼つきを更に鋭くさせ、醸し出す雰囲気はストレスを溜め込んだ肉食獣のようで非常に近寄り辛い。迂闊に触れれば牙を剥きそう。どんなに肝っ玉が据わった凶悪犯罪者であろうと、今のソルくんに一睨みされれば泣いて命乞いをするくらいに。場所はアースラの小会議室。ソルくん、私、ザフィーラの三人で先の違法施設に突入した。それからアースラに連絡して到着を待ち、引継ぎを終え、ソルくんが保護した時点で気を失ってしまった子どもを医務室に担ぎ込んで今に至る。ちなみにザフィーラは保護した子ども、エリオくんの傍に居る。こんな状態のソルくんを人目に晒せば他の方達の迷惑になるだろうから、私がリンディさんにお願いして二人っきりにさせてもらった。慣れない人が不機嫌なソルくんと同じ空間に居れば、それだけで仕事にならないだろう。彼が不機嫌なのは無理もない。先程踏み込んだ違法研究所が原因だ。小さい子どもに対して人体実験を行っていたという、許し難い行為に平気な顔をして手に染めていた違法研究者達。保護した子どもがフェイトちゃんと同じ『プロジェクトF』から生まれた特殊クローンであること。病死した”本物のエリオ・モンディアルくん”の代替物として、彼の両親は違法研究のプロジェクトFに手を出し生み出したにも関わらず、いざそのことがバレると彼をあっさり見離したこと。不機嫌の最大の理由がこれ。特に最後のが致命的なまでに酷い。自分の都合で生み出しておきながら責任放棄したことがソルくんの逆鱗に触れている。その両親にとってエリオくんは”本物のエリオくんの代わり”でしかなかったから。無理もない。誰だってこんな話を聞けば気分が悪くなる筈。何よりソルくんは生命操作技術に対して激しい嫌悪感を持っている。昔の自分と重なってしまうだけに尚更。ソルくんの過去と気持ちを知っている私としては、少しでも彼の荒んだ心を癒してあげたくて。こちらに背を向けて虚空を睨んで座っているソルくんを出来るだけ優しく、ゆっくりと後ろから覆いかぶさるように抱き締めた。「……」「……」嫌がる素振りもされなければ抵抗もされない。それなりに同じ時間を共に過ごしてきたし、何度もこういう風にスキンシップを重ねてきた。ある程度の域まで踏み込めるくらいには親密な関係だという自負がある。それに、もし本当に嫌ならとっくに振り払われている。ソルくんは心の底から嫌なことに対して我慢する程我慢強くない。だからきっと大丈夫。「……」「……」二人だけの空間で、お互いの体温を感じながらしばらく時間が経つと、ソルくんが疲れたように溜息を吐いた。同時に、空間を支配していた彼の不機嫌が霧散することに私は少し安心する。「悪ぃ」「謝らないでください」「……自分でも分かってんだよ。起きちまったことは仕方無ぇ、今俺が此処で当り散らしても意味は無ぇ、現実は変わらねぇってことくらい」「はい」「だからって俺は割り切れる程人間出来てねぇ。今までもずっとそうだった。気に入らないもんは全て叩き潰して生きてきた」「分かってます、分かってますから」抱き締める腕の力を少しだけ強くした。すると、強張っていた彼の身体がリラックスするように力が抜けていくのを実感する。「”こっち”に来てから何度も思い知らされたぜ……独りの時と比べたら、誰かが傍に居てくれるだけで随分違うんだな」「私達はその為に居ます」「そうだったな」纏う雰囲気が一気に柔らかくなり、フッと何時ものように苦笑するのを感じると、私は心の奥底から言い表せない程大きな歓喜の渦が湧き上がってくるのに気付く。私でも支えることが出来るのなら、これからもずっとこんな風にこの人を支えていきたい。優しさで包み込んであげたい。想いを込めるようにもう少しだけ腕の力を強くすると、私達はクロノくん達が入室してくるまでそのままで居た。「あのガキは保護施設行きか」「ソルは納得出来ないか?」「いや、妥当だと思うぜ」先を並んで歩くソルくんとクロノくんの会話。話している内容は今回の件で保護したエリオくんのこと。今更両親に返す訳にはいかないし、ていうかそんなこと絶対にソルくんが許さないだろうから、天涯孤独の身となってしまったエリオくんは可哀想だけど管理局の保護施設に預けられることになった。私達は最後にエリオくんの姿を一目見ようと足を医務室に向けた。「まあ別に悪い場所じゃない。先の違法施設と比べたら遥かに人間らしい生活が送れるさ」「だと良いがな」「ん? 納得してる割には随分懐疑的なこと言うじゃないか。エリオがプロジェクトFから生まれたことを気にしているのか?」「……かもしれん」「かもしれんって、気にしてるじゃないか」「うるせぇ」「……全くお前は」ソルくんの態度にクロノくんは肩を竦めると口を閉じ、会話が途切れる。誰も無駄口叩かず歩き、廊下を四人分の足音が響く中、不意に魔力反応を感じた。それも二つ。私達の進行方向からだ。一つは慣れ親しんだザフィーラのもの。もう一つは――「っ!!」「あ、ソル!!」四人の中で誰よりも反応したのはソルくん。彼は魔力の源に向かって踏み込むと弾かれたように駆け出した。一体何事? アースラ艦内の訓練ルーム以外で誰かが魔法を使っている? 波動からして攻撃魔法、場所は医務室だ。え? 何がどうなっているの?出遅れた私とクロノくんとエイミィは何が起こっているのか確認する為に、小さくなりつつあるソルくんの後姿を慌てて追いかけた。SIDE OUT「うああああああっ、僕に、僕に触るなああああああああ!!!」自動ドアが開くと、絶叫と共に飛んできたのは雷撃。カイやシン、そして最近のフェイトが操るものと比べれば静電気と言っても過言ではないそれを、俺は片手で受け止めると振り払い、室内に踏み込む。雷撃を飛ばしてきた張本人は錯乱しているのか知らんが、全身を帯電させると所構わず雷撃を飛ばす、という行為を繰り返していた。「ザフィーラ!!」「此処だ」声に応じたザフィーラは倒れ伏した医務官二人を庇うようにして防御魔法を展開し、部屋の隅で仁王立ちしている。「何があった?」「俺にもよく分からん。眼を覚ましたエリオが突然暴れ出し、魔法を使って医務官を攻撃した。医務官は幸い気絶しているだけ怪我は無い」「それだけか?」「そう睨むな。混乱しているのは俺も同じだ」「ちっ、とにかく俺はこの雷小僧を止める」俺は今も尚泣きながら魔法を行使するエリオに近付く。雷撃が飛んでくるが気にも留めない。片手でうるさい虫けらを払うように叩き落とし間合いを詰める。手を伸ばせば届く距離になり、俺はエリオの両手首を掴んだ。「その辺にしとけ」「っ!!」両手首を掴まれたことによって我に返ったのか、エリオは呆けたように急に大人しくなり、視線を俺から外さず、口を金魚みたいにパクパクさせながら動かなくなる。「……?」それに対して俺は訝しむ。いきなり暴れ出したくらいなんだからもっと抵抗すると思ってたんだが、こうもあっさり落ち着くとは予想外だ。「……」「……」お互いに無言。態勢はそのままに二人で固まっていると、背後からシャマル達が近寄ってくるのが分かった。「何が起こった?」さっきの俺と全く同じリアクションをするクロノにザフィーラが説明しているのが聞こえてくる。「あの、とりあえず手を離したらどうですか? もう収まったんでしょ?」「……あ? ああ」横から顔を覗かせるシャマルに促されて俺は手を離し、片膝をついてエリオと視線を合わせる。隣でシャマルも正座するように両膝を床につき俺に倣った。「で、どうしていきなり暴れ出したんだ?」「……」エリオは答えない。身体を震わせ、俯き、表情が見えなくなる。「怖かったんですよね? また自分が酷いことされるんじゃないかって思って」シャマルの問い掛けにも答えなかったが、それでも彼女は気にせず語り掛ける。「もう大丈夫です。エリオくんをイジメたり、苦しめたりする悪い人達は居ません。ソルくんが一人残らず消し炭にしましたから」「人聞き悪ぃこと言ってんじゃねぇ、殺してねぇぞ」「ちょっと黙っててください」「……」「安心してください。此処にはエリオくんに酷いことをする人は居ません。私達は貴方の味方です。信じてください」優しい声で柔らかく微笑むシャマルを見て、顔を上げたエリオは戸惑ったように俺に視線を向ける。「……ま、そういうことだ」なんとなく手を伸ばしてエリオの頭を撫でると、エリオは驚いたようにその瞳を大きく見開き、やがてポロポロと涙を零し始めた。声を押し殺して泣きじゃくるエリオをシャマルがあやすように抱き締める。「やれやれだぜ」俺はその様子を微笑ましく思いながら溜息を吐いた。「で? この子、エリオだっけ? 連れて帰ってきちゃったのか? フェイトとアルフとユーノの時を思い出すなー」「あの時は驚いたわね~」「……成り行きでこうなった」呆れているのか感心しているのかイマイチ判別出来ない口調の士郎と、相変わらずの微笑をたたえる桃子を眼の前にして、俺は額に手を当て頭痛を堪えていた。場所は高町家の玄関前。士郎と桃子だけを家から呼び出してエリオについて説明し終えたところ。どうやら俺はつくづく雷属性と縁があるらしい。カイに始まってシン、フェイト、そして今回がエリオだ。「そうなんです。クロノくんも『なんかソルとシャマルに懐いてるみたいだし、保護施設に入れるよりもキミ達に預けた方がよっぽどエリオの為になるさ』とか言っちゃって」あの時のクロノの投げやり感は忘れない。顔に、面倒なのはこっちで全部やっておくから後は任せた、って書いてあったから。リンディとエイミィも『ソルくん達なら安心安心』とかなんとか口を揃えて言ってやがった。俺とシャマルの間には話の中心人物であるエリオが不安そうに俺達を見上げている。その手は俺とシャマルの手をしっかりと繋いでいて離そうとしない。変に懐かれてしまった。シャマルは分からんでもないが何故俺まで? 大したことしてない筈なんだが。「まあウチとしても八神家としても問題無いからいいんじゃないのか? お前が人を拾ってくるなんて今に始まったことじゃないし」「そうねぇ、これで三回目かしら」「どういう意味だ……?」「先の三人に始まって、八神家もお前が拾ってきたようなもんじゃないか。今更お前が子どもの一人や二人連れてきても驚かないさ」犬猫みたいに簡単に言ってくれる士郎と能天気な顔の桃子。つーか、俺に対してそんな認識持ってやがったのか、こいつら。「昔だって友人の子どもを預かってたんだろ?」「シンとエリオじゃ事情が違う」「ならエリオをクロノくんに任せるか? そんなつもり無いんだろ? お前自身、とっくに答えは出ているから此処まで連れてきたんだろ。だったら細かいことは気にする必要は無いさ」士郎は俺の肩を叩きながら笑うと、今度は中腰になってエリオに向き直った。桃子も同様だ。ビクッと反応して俺の後ろに隠れようとするエリオを無理やり士郎の前に突き出す。すると、不承不承といった感じでエリオはビクビクしながら士郎と真正面から向き合った。「やあエリオ、初めまして、俺は高町士郎。一応ソルの後見人ってことになってる、って言っても後見人って分かるかな? まあそんなことは横に置いといて、我が家へようこそ、これからよろしくな」「今日から此処がエリオのお家よ。遠慮しないでいいからね」困惑顔で俺とシャマルに縋るような視線を向き直るので、俺は「ちゃんと挨拶しろ」と、シャマルは「頑張って」とそれぞれ声を掛ける。「……初めまして、エ、エリオ・モンディアルです……あの、よ、よろしく、おねがいします」「やれば出来んじゃねぇかよ」「はい、よく出来ました。挨拶は基本ですよ」シャマルがエリオの両肩を後ろから掴んで笑顔になる横で、俺は頭をわしわし撫でてやった。エリオは少し戸惑いながらも躊躇いがちに、されるがままの状態でぎこちなく笑みを浮かべてくれる。それは少し年相応とは言えないが、エリオが俺達に心を許してくれた瞬間でもあった。「あっ!! ソルくん、この子笑いましたよ!! 可愛い!!」「見りゃ分かる」「さ、立ち話もなんだし、家の中に入ろう。皆ソル達の帰りを首を長くして待ってるし、新しい家族を歓迎しないといけないからな」「エリオ、美味しいご飯たくさん用意してあるからいっぱい食べてね」ニコニコ顔で言わなくても分かっていることをイチイチ報告してくるシャマルに苦笑しながら士郎が促し、桃子と共に微笑みを残して先に家の中へと入っていった。「入るか」「はい」「は、はい」俺とシャマルはエリオを挟む形でそれぞれ手を握り、家の中へと入る。「……お前達、傍から見たら夫婦、いや、エリオを加えると親子にしか見えんぞ」背後でザフィーラが何やら感心したように独り言を垂れ流していたが聞かなかったことにした。オマケ「ギ、ギアの成長が人間と比べて遥かに常軌を逸しているとはいえ、これはいくらなんでも異常だぞ!!!」「シャマル、この二日間で何時の間にソルの子を……」「違う!!」エリオを見た瞬間、アインとシグナムが盛大な勘違いをしているので俺は必死になって否定した。「えへへ、出来ちゃいました」「テメェも面白がって調子に乗ってんじゃねぇ!!」「げふ」ガソリンスタンドにプラスチック爆弾を投げ込むテロ行為のようなことを言うシャマルには、とりあえずバンディットリヴォルバーを叩き込む。「……相変わらず貴方の愛は、痛い」フローリングの上に大の字になって意味不明なことをのたまうシャマルは、何故か一仕事終えたような、充実した表情をする。しぶとい。意識を飛ばせなかったか。此処最近、皆の耐久力が無駄に上がったような気がする。一回のバンディットリヴォルバーだけじゃ黙らせることが出来なくなってきた。特に女性陣。皆しょっちゅう食らってるから慣れてきたんだろうか?「今度はシャマルさんに先越されたぁぁぁー!!」「いいなぁ」「く、中学生なこの身が恨めしい、早う卒業したいわ」三者三様のリアクションをするなのはとフェイトとはやて。「なんだい、アタシらん時と一緒かい?」「ま、何時ものことじゃない?」両手に料理が満載した皿を台所から運びながらアルフとユーノが呟く。「く、くく、くくく」ヴィータは必死に笑いを堪えつつ、自分の茶碗にご飯をよそっていた。「わーい、新しい家族ですぅ!!」無邪気に喜び、エリオの手を取って半ば無理やり一緒に躍り始めるツヴァイ。「おいソル、また増築することになるのか?」「え? そうなの? だったらついでにカラオケルーム作ってよ」恭也が明日の天気でも聞くような口調で、美由希が買い物ついでにお菓子でも買ってきてと頼みごとをするような軽い感じで言ってくる。「え? あの、皆さんの言ってることがよく分からないんですけど、とにかく、こ、これからお世話になります」そんな中、自分を取り囲む連中を混乱気味に見回しつつツヴァイとくるくる回りながら、エリオは器用に頭を下げたのであった。更なるオマケ……いや、実は本編?結局、エリオは八神家で寝起きすることになった。シャマルがエリオの面倒は自分が見ると言い張り、エリオもそれに反対しなかったのでそうなったのだ。寝食を共にし、暇な時は常にエリオの傍に居て世話を焼いている。アインが言うには、「まるで私とツヴァイを見ているようだ」とのこと。傍から見たら仲の良い親子にしか見えないのだろう。俺もなるべく時間がある時はエリオに構ってやった。何故か懐かれていたしな。ツヴァイとも非常に仲良く遊んでいるとのことなので、普段の生活面で特に心配無かった。プロジェクトFに関しても身内の連中にとっては『で?』というレベルの話なので、本人も自分の出生を気にすることは無くなった。生まれ方が同じフェイトの存在もあったし、そもそもヴォルケンリッターとリインフォース親子はハナッから人間じゃないし、俺なんて無理やり改造実験をされて生体兵器になった過去がある。これだけの面子を眼の前にして自分の出生を思い悩むことに対して馬鹿馬鹿しいと子どもなりに悟ったらしい。エリオは少しずつ俺達との生活に慣れていき、年相応の顔をするようになった。そんなある日。「エリオくん、いえ、エリオ。今日から私のことは母さん、ソルくんのことは父さんと呼びなさい」「はい」「おい待てシャマル、何吹き込んでんだ」「だって、エリオがツヴァイのこと羨ましいって言うから」「呼び名でか?」シャマルが頷く横で、エリオが縋るような眼をして俺を見る。詳しく話を聞くと、ツヴァイが俺のことを父様、アインのことを母様と呼ぶのが羨ましいらしい。そういやこいつ、両親に捨てられたも同然なんだよな。「……ったく、父親呼ばわりされるなんて今に始まったことじゃねぇ、好きに呼べ」「っ! ありがとうございます!! 母さん、父さん!!!」少し考えた後俺が溜息を吐いてそう言うと、エリオは満面の笑みを浮かべ、本当に嬉しそうに俺達のことをそう呼んだ。後書きエリオの話を書いてる筈なのに何時の間にかシャマルの話に……な、何を言ってるか分からないと思うが俺も(以下略)タイトルの『雷との縁』の”縁”は「えにし」と読んでください。あああああ、仕事忙しくて碌に感想返し出来なくて申し訳ありませんぅぅぅぅぅぅ!!次回こそは、次回こそはと思いつつ執筆して上げるだけ上げて寝るか仕事行くので、なかなか時間が……畜生、言い訳がしたい訳じゃないのに。頑張れ、俺超頑張れ!!PSP版のなのはのゲームを少しだけやりました。キャラゲーだと思って買ったら普通にバトルアクションゲームだったwwwな、何を言ってるのか(以下略)バインド→砲撃 のコンボはセオリーだけど凶悪だなと思ったwwwではまた次回!!