「ううぅ、ぐす」瞳に溜まった涙を零さないように必死に堪えるが、結局失敗して泣いているなのは。フェイト、はやての二人も同様だ。「……ったく、お前らは」俺はやれやれと溜息を吐きつつ、三人娘の涙をティッシュで拭ってやる。しかし、三人は一向に泣き止まない。そろそろ手持ちのティッシュが尽きるので、いい加減泣き止んで欲しいってのに。「だって、だって、お兄ちゃんは悲しくないの?」嗚咽交じりに紡がれたなのはの言葉に対して俺は非常にどうでもいい心境でこう答えた。「いや、全く」「お兄ちゃんの馬鹿!!」罵倒しながら俺の胸に飛び込んできて顔を埋めると、拳を振り回しポカポカ殴りつけてくる。仕方が無いので落ち着くまで頭を撫でてやると、やがて大人しくなった。「……チーン」「何鼻かんでんだテメェは!?」慌ててなのはを引き剥がし、涙と鼻水で汚れてしまった制服の上着を周りに気付かれないようにこっそり法力を使って綺麗にする。「お前らな、たかだか小学校の卒業式で泣き過ぎなんだよ!! 別に今生の別れって訳でも無ぇし、女子なら皆同じ学校だから今までと大して変わらねぇだろが!!」今日は小学校の卒業式。三人娘が泣いている理由はこれだ。だが、今俺が言ったように我らが学び舎私立聖祥大学付属小学校はエスカレーター式なので、他の中学に進学する奴はあまり居ない。高い金さえ払っていれば楽して大学まで通えるんだ。金に余裕がある親ならわざわざ他の学校へ子どもを行かせる理由が無い。つまり、通う学校の場所が変わるだけの話。だというのに、三人娘はさっきからウジウジと鬱陶しいくらいに泣き顔だ。「何がそんなに気に入らないんだよ?」イマイチ理解出来ないので問う。すると、フェイトがキッと睨んできた。「……ソルは何も分かってない……バカ」「この朴念仁が……」恨みがましい視線を寄越すはやて。「お兄ちゃんの鈍感」痛くも痒くもないなのはの脛蹴りが入る。全く理解が出来ない上、どうして此処まで言われなければならんのかも分からん。ま、どうせ下らねぇことだろ。気にするだけ無駄だ。放って置こうかな、そう思い始めた頃になってユーノに聞けばいいじゃねぇかと思いつき、視線で問い掛ける。これまで黙っていたユーノは一つ頷くと口を開いた。「中学校が男子校と女子校で別れるからでしょ。位置も結構離れてるし、家からだと男子と女子じゃ方角全く逆だし、今までみたいに一緒に居られなくなるからじゃないの?」その言葉に揃って頷く三人。確かに俺とユーノは男子校へ、三人娘にプラスしてすずかやアリサも女子校へ通うことになっていたが……俺は頭痛に似た何かを耐えるように額に手を当てる。視界の端に、何時ものことだという風に平然としているユーノ、苦笑いしているすずか、呆れたように腕を組んで俺達を見ているアリサが映った。「……それだけか?」またもや頷かれる。ようやく三人が泣いている訳を理解すると、俺は深々と溜息を吐き、その後思いっきり息を吸って大声を張り上げる。「ティッシュ無駄使いしたじゃねぇか!!!」「「「酷い!!!」」」桜が舞い散る青い空の下、俺達の小学生としての時間に終わりが告げられた。背徳の炎と魔法少女 空白期2 School Days中学生の制服、ブレザーを着込んだ俺は慣れないネクタイの感触を鬱陶しいと思いつつ、自室を出て居間へ入る。「おっはよう。なかなか似合ってるじゃないかい」エプロン姿のアルフがニヤニヤ笑いながら茶化してくるので、「うるせぇ」と返す。朝の日課として新聞を食事前に読む為に捜すが、見当たらない。何処やった新聞? と思いながら視線を巡らせると、ソファで脚を組んで座っているシグナムが読んでいた。シグナムの隣に腰掛けて横から新聞を奪い取る。「何をする!? 私が先に読んでいたのだぞ」「仕事行くまで時間あんだろお前は。だったら俺を優先しろ」抗議の声を無視して第一紙面を読もうとすると、奪い返された。「テメェ……!!」「フン……あ」直後、シグナムは何かに気付いたように俺を注視する。「んだよ?」「その制服、中学のものか?」「ああ。今日から中学だからな」「……」「……どうした?」「……」「何なんだよ?」ポカーンとしているシグナムの様子に俺が訝しんでいると、「キャー、ソルくんが中学生の制服着てます。ちょっと立って見せてください!!」何時の間にかすぐ傍まで近寄っていた少々興奮気味のシャマルに腕を取られ、無理やり立たされることになった。「似合う、似合いますよ!! 色が茶系っていうのがソルくんのイメージに合わなくてちょっとマイナスですけど、高い身長とブレザーがマッチしてます!! シグナムもそう思うでしょ!?」「……え? あ、ああ!! そうだな、その、あれだ、なかなかに男前だ、ソル」まるで自分のことのように喜ぶシャマルと、慌てたように褒めてくるシグナム。「そうか?」一方俺はそんな感想に懐疑的だ。「そうですよ。ソルくんは質が良いんだからもっと普段から着飾った方が絶対良いんです」「シャマルの言葉は一理ある。折角人生二度目の学生生活を謳歌している最中なのだ。もっと楽しんだらどうだ?」力説してくるシャマル、それに同意するシグナムにどう返答したらいいのか分からず、とりあえず俺は二人を見下ろしながら苦笑した。そう。俺が二人を見下ろしているのだ。闇の書事件で初めて出会った時は、俺の方が二人よりも身長が低かったので常に見下ろされていたのだが、今現在では俺が追い抜いたことによって、視点の高さが逆転。現在の俺の身長は百七十半ば。元の背丈まであと十センチを切っていた。この急成長がギアの”力”の影響なのか単なる成長期なのか分からない。害は無いようなので放置している。まあ、そのおかげでこの制服も、最近着る服にも手に入れるのに苦労させられている訳だが。「あー!! 父様格好良いですぅ!!」「普段のラフな格好も似合っているが、存外正装も似合うのではないか?」生まれた頃よりもぐっと大きくなった――と言っても三歳児が五歳児くらいなった程度――ツヴァイが駆け寄り俺の足元でちょこまか動き回り、アインが微笑みながら隣に立って俺を上から下まで観察した。「でも、全然中学生って感じがしません。なんか、やり手の若頭ってイメージ」「確かに。中学生よりも、歌舞伎町でホストクラブをフロント企業にしている暴力団組員の幹部と言われた方が違和感無い」「ソルくんを指名出来るんだったら毎日通いたいわ、そのホストクラブ」「……ソルが、ホスト……ひ、日々の疲れをソルが癒してくれるのか? ……(チラ)」シャマルとシグナムは言い分が色々と酷い癖に、期待するような眼差しを送ってくる。「となると、さしずめ私達は極道の妻たちというところか。面白そうだから今度桃子さんに黒い和服でも用意してもらおう」「それなら父様は”堂○の龍”ならぬ”海鳴の竜”ですぅ!! 仁義を知らないゴミクズ共を炎の拳でグシャグシャにしてやるのです!!」そしてアインとツヴァイの言ってることが無茶苦茶だ。最早何処からどう突っ込めばいいのか分からない。ただの言葉遊びなのか、本気でそう思っているのか判別出来ないから尚のこと。それにしても黒い和服か。シグナムがその格好で日本刀を構えるとこれ以上無い程似合う気がする。シャマルとアインがドス片手に同じ格好をしていても十分似合うと思うが。言いたい放題言われていると、俺と同じように中学の制服に身を包んだユーノと三人娘がやって来て、皆で服装についてわいわい騒ぐのであった。特にこれといって問題らしい問題も発生せず、無事に入学式を終え、俺達は毎日を川の流れに任せるように過ごしていく。男子校は文字通り男しか居らず、非常にむさ苦しい空気を校舎全体が纏っていて教室そのものもなんかムサイ感じがしないでもないが、俺としては何時もの異性だらけの空間から抜け出したというのがあって新鮮だった。同時に、聖騎士団も団員構成の大半が男で占められていた為、少し懐かしくもある。ま、単騎で遊撃ばっかしてたから他の団員達とつるんだことなど皆無だったが。常に傍に誰かが居る状態が当たり前だったので、ユーノと一緒ではない時、つまり一人で居る時に若干の違和感のようなものを感じる時もたまにあるが、直に慣れるだろう。決して寂しい訳では無い。断じて。此処重要。もしそうだとしたらこれまでの孤独な百五十年以上の年月は一体何だったんだと自身に問い詰めたいものだ。新入生のほとんどが小学校からそのまま上がってきたので、誰もが通う場所が変わって女子が居なくなった程度にしか認識していないのか、あまり今までと変わらない。こんなもんだよな。たとえ環境が変化しても、当の本人達の認識に変化があろうが無かろうがすぐに順応するのが人間だ。女子校もこっちと大して変わらないのではないか?……そう思っていた日が俺にもあった。入学式を終えて二週間が経過。ホームルームが終了し俺は溜息を吐きながら鞄に荷物を仕舞う。中身は大学教授の論文やそれに準ずる書籍の類、専門書など。たまにミッドで買った本とかもある。中学生になっても相変わらず俺は先公の話や授業内容など全く耳に入れずに、知識を取り入れることに余念が無い。放課後、たまにユーノを引き連れて図書室に寄り、何か面白い本は無いか漁るのが習慣化してきた。今日も今日とて図書館で面白うそうな専門書が無いか探していると、唐突に頭の中に声が響く。『お兄ちゃん』なのは?『どうした? 急に念話なんて』『えっとね、今ちょっと困ってるんだ。携帯出せない状況だから』『はあ?』意味が分からない。何故そんな嘘を吐く理由があるのだろうか? つーか何の話だ? そもそも何故いきなり念話で携帯の話になるのか理解に苦しむ。『とにかく助けて、校門の所に居るから』『校門って、ウチか?』『そう、なるべく早く』横で読書に耽っているユーノにどういうことかと視線を送ってみる。「早く行ってあげなよ」見向きもせず、有無を言わせぬような返事をされてしまったので、俺は「先に上がるぜ」とだけ言って鞄を肩に掛け図書室を後にした。なんとなく嫌な予感を首筋辺りに感じつつ、小走りで廊下を駆け抜け下駄箱で靴を履き替え校門へと急ぐ。「……面倒臭ぇ」思わず口から漏れてしまった言葉と共に速度が緩む。視線の先にはなのはに加えてフェイトとはやてが居る。それは問題無いのだが、いや、男子校に女子が制服を着たまま来ている時点で問題ありか? とにかく三人自体には問題無い。問題は、三人に必死に声を掛けている上級生達だ。中学生という年齢は二次性徴の真っ只中であり、男子校という制度もあってか、女子に興味津々な男子というものは少なからず存在する。で、ナンパな野郎ってのは何処に行っても沸いてくる迷惑極まりないもんであり、現に眼の前に居る訳だ。中学校の校舎で見掛けるとは思いもよらなかったが。身内贔屓を抜きにしても三人は可愛いし、小学生の時よりも身長は伸びてずっと大人っぽくなっているのでついつい声を掛けたくなるのかもしれない。しかし――(……気に入らねぇ)娘の彼氏を認めたくない父親の心境とでも言うのか、何だか自分でもよく分からんがとにかくコナかけている連中に対して無性に腹が立つ。三人は表面上は笑顔を取り繕ってやんわりと上級生達を遠ざけようとしているが、空気が読めないのか女心が分かってないのか上級生達は諦めようとしない。念話で助けてってこういうことかよ。携帯電話も使えないのも納得だ。こんな状況で携帯を取り出したらアドレス交換がどうたらとか言われるからだろう。俺はやれやれと溜息を吐き、言われた通りにさっさと助けることにした。「待たせたな」別に意識した訳でも無いのに、口調が何故か機嫌が悪い時に出てしまうドスの利いたものになっている。「お兄ちゃん!!」「ソル」「やっと来たで」あからさまに助かったという顔になる三人に歩み寄ると、モーセの十戒のように上級生達が割れた。「行くぞ」何故こんな所に来たのか、問い詰めたいことはあったが今はこの場を去るのが先決だと判断し、短く促す。たった一言で俺の言いたいことが伝わったのか、三人は無言で追従してきた。「おい、ちょっと待て! お前急に出てきて何だよ!?」「ああン?」「ヒィッ!!」馬鹿な上級生が俺達を引き止めようとしたので、やり過ぎだと思いつつもかなりマジで殺気を乗せて睨んで黙らせると、俺達は中学を後にした。「で? なんだってウチの中学で俺を迎えに来るような真似をしたんだ?」「えっと、もしかしなくてもお兄ちゃん、怒ってる?」「怒ってねぇ」「嘘だよ。ソルが怒ってる時って声のトーンが低くなるの、知ってるよ」「ちっ」「言い返さないってことはやっぱり怒っとるんやないか」「俺は何しに来たんだっつってんだよ」一つ胸中で舌打ちして、数歩離れてついてくる三人にイライラした声を出す。背後に居るので顔は見えないが、はっとしたような空気が伝わってくるとなのはが代表して答えた。「今日の夕方から聖王教会で私とお兄ちゃんとフェイトちゃんの三人で一緒にお仕事でしょ。だから――」「だからウチの中学まで出張ってきたと? 俺の記憶が正しければ放課後になってからすぐに出発しなきゃいけない程時間的余裕が無かったとは思えねぇな。はやては?」なのはの言葉を途中でぶった切ってはやてに振る。「私は今日何にも無いから二人の付き添いや」「そうかよ」一応納得すると、俺は黙った。俺の不機嫌が空気を緊張させ、誰も話さなくなり、沈んだ空気のまま家路を歩く。路面のコンクリートを睨みながら思考する。そもそも何故俺はこんなに不機嫌なんだ?こいつらが俺と常に一緒に居たがるのは何時ものこと。それこそ何年もずっとこんな感じだった。中学になってもそれはあまり変わっていない。なので、今日のことも予想出来ない訳では無かった。むしろ三人なら入学式以降は毎日のように放課後に迎えに来てもおかしくない筈。では、改めて俺の不機嫌の原因を探ってみよう。何があった? 何がこんなにも気に入らない? 何を認めたくない?原因は三人であって、三人ではない。これははっきりと分かっている。念話を受けてから一連の出来事を思い出してみると、答えはあっさり見つかった。(ああ、なんだ)答えは簡単。上級生達に声を掛けられているなのは達を見て「俺の愛娘達に手を出すんじゃねぇ」って心境になった所為だ。手塩に掛けて大切に、丁寧に育ててきた娘達に近寄ろうとする害虫共。何処の馬の骨かも知れない連中がコナを掛けてきたという事実に、俺は怒っていた。そして、俺はそんな風に怒る自分に嫌気が差したから。これから先、あのような事態が無い訳では無い。むしろ増える一方だろう。あの局面では俺が助けるべきではなく、三人が自力で抜け出すべきだったのだ。何時も俺がこいつらの傍に居るとは限らない。だからこそ、あらゆることに対して自分の力で何とか出来るようになって欲しい。常日頃から兄離れして自立しろと促しているのに、言っている俺自身が何時まで経っても三人を甘やかしている。こいつらが兄離れ出来ないんじゃない。ただ単に俺が先に妹離れ出来ていない所為で、こいつらが現状に甘えてしまっているだけのこと。人より先にまず自分のことをする。そんな当たり前のことが俺には出来ていない。(子育て向いてねぇってクイントに言われる訳だ)改めてその事実に気付いた頃、家に着いたのであった。自室のベッドに寝転がってボーッと天井を見るだけ、という不毛な行為を仕事の時間まで費やしてしまった。<マスター、時間です>クイーンに促されて気だるい身体を引き摺りながら地下室に向かう途中、母屋を出たところでバッタリとなのはとフェイトとはやての三人に出くわしてしまう。先のことがあったのでどうにも顔を合わせ辛かったが、なのはとフェイトは今日は一緒に教導することになっているのでそんなことを言っている場合ではない。準備は出来たか、そう言おうとした時、突然三人が頭を下げてきた。「「「ごめんなさい」」」「は?」俺は理解出来ない事態に間抜けな声を出す。「何のつもりか知らねぇがとりあえず顔上げろ」三人に近寄り、それぞれの肩に手を置いて顔を上げるように促すと、ゆっくりと顔を上げた。「……!?」自分でもとても驚いているのが分かる。何せ、三人は眼に涙を溜めて今にも泣きそうになっているのだから。「ご、ごめんね……何時も何時もお兄ちゃんに迷惑掛けて」掠れた声のなのはが鼻を啜りながら言った。「出会った時からずっとソルに付き纏って……鬱陶しいよね、私達」手で口を覆い尽くしながらフェイトが涙を零す。「ソルくんは目立つの嫌いなのに……ホンマ、今まで気が利かなくてごめんなぁ」泣きながらしゃっくりし始めるはやて。なんでこいつら泣いてて、俺に謝ってくるんだ?訳が分からず頭が混乱してくる。さっきのことか? 俺のさっきの不機嫌の所為か? 俺の機嫌が悪かったのは自分達の所為だと思ってんのか?当たらずとも遠からずではあるが、こいつらが直接的に悪いんじゃない。全ては妹離れ出来ていない甘い俺自身が悪いのだ。「違う、違うんだよ。さっきは別にお前らが学校に迎えに来たことに対して怒ってた訳じゃ無ぇ」後頭部をガリガリかきながら事情を説明しようと試みる。「お前らはあれだろ? 自分達が俺を迎えに来たことによって騒ぎになったかもしれなかったから俺が機嫌損ねたと思ったんだろ?」俯き加減で頷くのを確認すると、此処までは予想が当たっていたので安堵した。「そうじゃねぇ。俺の機嫌が悪かった直接の原因は、お前らに声を掛けてた上級生だ」へ? と誰かの声が漏れる。「えっと、つまりお兄ちゃんは……」「嫉妬してただけ?」「……嘘や」俺は三人から眼を逸らしてどう話せばいいのか悩んでいると、「いや、別にそういう訳じゃ、ぬおおお!?」急に、前から後ろから抱きつかれた。「何だ!?」先程までの泣き顔は何処へやら、三人はこれ以上無い程美しい華のような笑みを浮かべている。「安心して、私はお兄ちゃん以外の男性に興味なんて無いから……お兄ちゃん以外の男の人なんて、あり得ない」「私は何処にも行かない。何時だってソルの傍に居るよ……私は自分に誓ったんだから」「ソルくんも嫉妬するんやなぁ……今までそんなそぶり見せたこと無いから、なんや、凄く嬉しい」とても幸せそうな三人の表情を見て、俺はあることに思い至る。――久々に墓穴掘ったか? つーか、墓穴掘ったどころか墓石まで建ってるんじゃないかこれ?「ち、ちが、違う、話を――」「分かってる、分かってるから」抱きつかれる力が更に強まる。「話を聞けって――」「ソル、大好き」より密着することになった。「俺の話を聞けっつって――」「皆まで言わんでも分かっとるよ」「っ!?」はやてが俺の耳に自身の口を押し当てながら囁いた言葉。その行為によって刺激された触覚の所為で身体が勝手に反応して震えてしまう。怒鳴ろうとして強張っていた上半身の筋肉が一瞬で弛緩する。身体に力が入らない。「えへへ、やっぱりソルくんって敏感肌や。しかも耳が極端に弱い」「あ!! はやてちゃんズルイ!!」「……ソル、はぁ」「やめ、息を、吹きかける、な」「私も、私もだよ!!」どうしてこうなった!? どうしてこうなった!!!もうこの際なんでもいいから誰か助けてくれ!!!こ、このままでは……アッー!!結局、ギリギリのタイミングで偶然帰宅してきた美由希によって俺はなんとか救助され、一命を取り留める。信じられるか? こいつら、まだ中一なんだぜ……後書き前回は野郎しか居なかったので、今回はその反動でこんな感じにwwwべ、別に感想版を読んで思いついた訳じゃ無いんだからね!!!現段階でのソルの身長は、劇中にもありましたが175cmくらいです。元の身長に戻るまであと10cmを切ってます。中学は女子と男子で分けました。原作がそうみたいなので、そこは原作準拠に。ソルの魔力に影響されているのか、他のキャラクター達も若干普通よりも成長が早くなっている傾向あり。基本的にソルは受け。それは作者のジャスティス!! SYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!か~な~し~み~の♪本編に全然関係無いけど、ソルはヴェロッサから色々な意味を含めて『先輩』と呼ばれて慕われている。ソル本人はアクセルの『旦那』を思い出すのでとても嫌がっているが。数年前のソルの”背徳の炎”活動によりバタフライ効果が発生し、まだゼスト隊は全滅していません。当時のスカさんは戦力が不十分だったことにより”背徳の炎”を警戒して早々にアジトを転々と変えていたことに加えて、ソルが暴れ回った所為で一部の研究に遅延が見られるから。次回はシリアスオンリー。ゼスト隊全滅のお話。そして、”背徳の炎”が次元世界に再来するきっかけになる場面でもあります。さてはて、どうなることやら?ちょっとした質問。以前みたいに感想返しした方が良いんでしょうか?感想返しをしなくなったのは、当時「なんか感想返しすると荒れちゃうかも」と急に悟ったからなんです。でも、感想返しがあった方が良い、っていう意見ももらえたので……