SIDE シグナム「オラァッ!!」裂帛の気合と共に振るわれた木刀が私に迫る。私はそれに応じる形で木刀を薙ぎ払う。木刀がぶつかり合う乾いた音。それは冷たく澄んだ冬の空気を振動させ、耳朶を叩いた。交差された木刀の向こうで、ソルの真紅の眼が私を捉えている。鍔迫り合いは一瞬、全く同時に弾かれるように間合いを離し、私とソルは間を置かずに相手に向かって踏み込む。「はあああああっ!!!」「オオオオオオッ!!!」道場の中に響き渡る雄叫び。剣戟の音。激しい踏み込み音。私の視界に映るのは剣を振るうソルのみ。同様にソルの視界にも私の姿しか映し出されていないだろう。他のものは眼に映らない。映したとしても意識が捉えない。此処だけが世界から切り離され、この世に二人しかいないような錯覚。その中で己の誇りと実力をぶつけ合う決闘が私は好きだった。楽しい。血沸き肉踊るそれはまるで魂が揺さぶられるようで、心も身体も熱くなる。ただひたすら相手を打倒する為だけに技を繰り出す。相手も私に応じるように攻めてくる。勝つ為に、剣を振るう。剣を振るえば振るう程、自分が今のこの瞬間強くなっているような気がする。体力の限界が近付けば近付く程、『自分はまだいける、こんなところでは終わらない』と叱咤し剣を持つ手に力と気合を込める。この素晴らしい時間が何時までも続けばいいのに。「ソルゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」真紅の眼から一瞬も視線を外さず、私は剣を振るいながら吼えた。背徳の炎と魔法少女 八神家の高町家入り浸り日記 大晦日編初めて会った時は、その外見が私の眼を惹いた。猛禽のような鋭い真紅の眼。黒いズボン以外は背負ったザックを含めた赤ずくめの服装。全く隙の無い立ち居振る舞い。数秒程互いを値踏みするように睨み合うだけで終わった初邂逅だったが、私の興味がソルに注がれたのはその時からだ。それから数時間後、魔力蒐集の対象として剣を交えることになる。初めはソルの多大な魔力保有量と騎士らしき姿に好敵手として期待していただけなのだが、戦ってみて味わったのは圧倒的な強さだった。常軌を逸したパワー、全く容赦の無い攻撃、型の無い戦闘スタイル、漲る殺気、地獄の業火という表現がしっくりする紅蓮の炎。私は一撃で沈められないようにするのがやっとだった。まあ、それでも奮闘虚しく敗北してしまうが。敗北した私が次に眼を覚ますと、今度は抱き締められていたことにとても驚いた。腰に回された腕と、騎士甲冑越しに密着した身体から伝わる感触。それがやけに心地良いと感じたのがソルのレアスキルの所為だと知らなかったので、当時は非常に戸惑った。管理局の介入によりその場を何とか逃げ出すことに成功する。やがて身体に宿った違和感に気付き、それがソルに与えられた”力”であるという考えに至った時、正直ソルが何を考えているのか読めなくて不審に思ったものだ。自分を襲ってきた者達を助けあまつさえ”力”を与える、何を意図しているのか理解出来なかった。しかし、ただでくれるというならありがたく貰っておこう、その時の私はそう結論付ける。かといってソルに対する不信感は拭えず、正体不明であるが故に油断は出来ず、次に相見える時は絶対に負けんと自分自身に誓いを立てた。そして三度目の邂逅。戦う意思を全く見せないソルから説明された衝撃的真実。それは信じたくない内容であったが私は不思議と疑う気になれなかった。信憑性がある話だったということもあるが、私達を見るソルの眼が嘘を吐いているようには見えなかったのが大きい。ソルと協力体制を結び、書の解析をしてもらおうと渡した時にそれは起こった。書がソルを侵食しようとしたのだ。慌てて引き剥がそうとしても無駄だと分かったソルは、その時とんでもないことを言い出した。『シグナムッ!! 俺の腕を斬り落とせ!!!』耳を疑った。一切の躊躇も無く腕を切断しろというその覚悟に。今でこそギアの再生能力を知っているから言い分も分かるが、それでも尋常ではない激痛がある筈だ。事実、痛覚の面では人と大差無いらしい。『早くしろ!!! 片腕くらい闇の書にくれてやる。蒐集を止めねぇとはやてが死ぬぞ!!!』驚愕する私を叱り付けるように怒鳴るソルを見て、私は心の中で評価が劇的に変化したのはこの時だろう。なんて器が大きい男なのだ、と。その後、言われた通り腕を斬り落とそうとした私と隣に居たザフィーラをグレアムの使い魔が放った魔法攻撃から庇ったことによってソルは眼球を潰されてしまう。下手人の姿を確認した私の中で、ソルの炎にも匹敵する程の怒りが湧き上がってきたのは当然だった。主を救おうとしてくれた者を傷付けた敵。必ず後悔させてやる。だが、私の意気込みはソル本人の手によって不完全燃焼させられてしまう。”力”を解放し大人の姿となったソルがほぼ一撃でグレアムの使い魔を沈めてしまったからだ。別にその一部の隙も無い肉体美に見惚れていた訳では無い………だ、断じてだ。拘束した下手人を引き摺ってソルの拠点に向かい、その後ソルの身体について一悶着あったがシャマルが上手くフォローしてくれた。それから高町とテスタロッサを相手にソルのレアスキルを確かめる為に決闘することになり、その際レヴァンティンを破損してしまったことでソルから叱られることになる。あの時の姿はまるで父親だった。やがてデバイスの修理をすると言ったソルから一時的に神器・封炎剣を託され、私は有頂天になった。剣とは騎士にとって己の魂と同じ無二の存在。それを渡された時、私が感動に打ち震えたのは無理もない。しかし、どうして我らに此処までしてくれるのか?結局はソルの過去を知るまで分からなかったが、当時は悪意や打算などを持って我らと接しているのではないというのがソルの眼を見れば分かった。包容力溢れた優しい父親のような顔。それで十分だった。いつの間にか私の中でソルに対する感情は大きく変わっていた。今まで戦士として畏怖していた感情が純粋な憧憬になり、不信感は信頼へと変わった。何よりソルは普段面倒臭そうにしていながら、その実非常に真面目で面倒見が良く、世話焼きで責任感が強い男である。私を含めた皆が心を開くまでそう時間は掛からなかった。そして、ふとした時に思い出すソルの大人の姿。私が自分の気持ちを自覚し、自覚した時には既にそれを誤魔化すことが出来なくなっていた。鈍痛と共に腹にめり込んだ拳が無理やり肺から空気を締め出す。声を上げられずに殴り飛ばされた私はなんとか受身を取るが、床に背中をしたたか打ち付けてしまう。「俺の勝ちだ」仰向けに倒れた私を見下ろしながらソルは木刀の切っ先を首に突き付け、そう宣言した。ソルが私だけを見ている至福の時間が終わってしまって残念と思うと同時に、また今日も負けてしまったことを理解する。情けない、悔しい、次は絶対に勝ってやるといった騎士としてプライドや反骨精神が吹き出した後に、心地良い疲労感が身体を包む。「ほら、掴まれ」差し伸べられた手を取り立ち上がり、肩を貸してもらう。汗の匂いに混じって、ソルの匂いがする。早鐘のようになっていた心臓が一層強く高鳴ったのは気の所為ではない。道場の隅まで運んでもらい壁にもたれるように腰掛けると、ペットボトルに入ったスポーツドリンクとタオルを美由希さんから投げ渡されたソルが私の隣に座った。それらを私に手渡すと、ソルはポツリと呟いた。「此処一ヶ月で随分賑やかになりやがったぜ」苦笑するその横顔は皮肉っぽい口調とは裏腹に、心から嬉しそうで。視線の先では訓練に励む皆の姿。それを見つめる眼はとても優しくて。私はその幸せそうな横顔をすぐ傍で見るのが日課になっていた。SIDE OUTSIDE ヴィータ「そういや、お前らは今日の大晦日どうすんだ?」昼飯時。ソルが台所で中華鍋を片手に聞いてくる。「除夜の鐘でもつきに行くのか?」「大晦日と除夜の鐘って何だ?」アタシはソルの手元で作られている麻婆春雨を覗きながら聞き返した。「ああ、お前らは知らねぇのか。大晦日ってのは一年の最終日で、除夜の鐘ってのは大晦日から元日にかけて寺で鐘をつくことだ。その回数は百八回。この回数は人間が持ち得る百八の煩悩を除去して新年を迎えるっていう意味がある。昨日高町家と八神家を大掃除しただろ。あれと同じで新年を迎える為の儀式みてぇなもんだ」大掃除と違ってやるやらないは個人の好き好きだがな、とソルは言う。肉と野菜が炒められて食欲をそそる良い香りが鼻腔をくすぐる。口の中で溢れてくる唾液を飲み下してアタシは疑問を口にした。「煩悩?」「細かい話を省くと、仏教用語で人間の身心を苦しめたり悩ませたり煩わさせたりする精神作用のことだ」「難しくてよく分かんねーよ」鍋の中に調味料と煮立った春雨が投入される。「安心しろ。俺もよく分かってねぇ」「なんだよ」「でだ。鐘をつきに行くとなると日付が変わる少し前になるから深夜なんだよ。どうすんだ?」その言葉にアタシは少し考え、自分で答えを出すよりも皆に聞いた方が良いことに気付き台所を出て居間に行く。「なーはやて。ソルが今日の夜は大晦日だからどうするだってさ」「うん? 地下室に泊めてもらえへんの?」「ちょっと待ってて」はやての言葉を受けて台所に戻る。「地下室に泊めてくれねーのかだって」「やっぱりそう来やがったか。ま、別に構わねぇがな。それより皿の用意しろ、そろそろ出来上がるぜ」アタシがソルを初めて見たのはシグナムとシャマルの二人がソルに抱えられてる姿。第一印象はアタシ達の仲間を誑かしたナンパ野郎ってことで最悪。なのは達は余裕綽々でアタシとザフィーラを往なすムカツク奴らだった。だけど、管理局の連中にアタシらの仲間だと勘違いされてたり、シグナムと戦って勝ったという話を聞いたり、シグナムとシャマルを負かしておいて助けた上”力”を与えて強くしたことを知ったことなどで、正直訳が分からなくなった。その”力”があれば闇の書はすぐ完成するんじゃねーか? アタシはそう思ったがソルに対するシャマルの怯えようを見て口を噤んだ。ザフィーラはソルの家族に手を出した以上シグナムに圧勝した相手に生き残れるか分からないし、正体不明かつ管理局と何らかの関係があるからあまり関わらない方が良いって判断だった。でも、その後にあいつがはやての命を本気で救おうとしているのが伝わってきて、アタシはソルを信じることにした。それにしてもあいつのアタシ達に対する肩入れは半端じゃなかった。アタシ達守護騎士が主であるはやての命を守るのは当然だけど、ソルは片眼と片腕に大怪我しても全く退こうとしなかった。すぐに治るっていうギアの特性もあったんだろうけど、普通なら赤の他人の為にそこまでしねーと思う。だって滅茶苦茶痛かっただろうし。ギアに関して皆に知られたくなかっただろうから尚更。内心不思議に思ってたのも、全部が終わってからソルの過去を聞いてやっと納得出来た。こいつ、自分じゃ気付いてないけど寂しがり屋なんだなって。どんなに酷い主の下でもアタシ達は何時も仲間と一緒だった。けど、ソルは百年以上ずっと独りだった。口に出したら怒るかもしれねーから言わねーけど、ソルは一蓮托生であるアタシ達ヴォルケンリッターを羨ましく思ってたんじゃねーかな?だってのにソルはアタシ達を昔の自分に重ねて見て、必死になって戦ってくれた。本人は半分以上俺が闇の書事件に関わった所為だから自分で蒔いた種を刈り取っただけだって言うけど、正直アタシ達はソルに頭が上がんねー。アインは消えずに済んだし、はやては罪に問われることもない。アタシ達四人も破格の処遇が言い渡された。全部ソルのおかげだ。確かに発端は過去の自分に重ね合わせたことから始まったんだろうけど、ソルが八神家の皆をスゲー大切に、それこそ仲間とか家族に思ってくれてるのは痛い程伝わってくる。だからアタシは決めたんだ。新しく出来た仲間にでっかい借りが出来ちまったから、恩返しするんだって。とりあえず皆で寂しがり屋のこいつに寂しい思いをさせないようにしようって。かなり押し付けがましい手段取ったけど、アインの話によるとこのくらいが丁度良いらしい。それに、ソルだって内心嬉しいんだろ?「美味ぇ………」はやてが作った料理とはまた少し違う美味さ。割と目分量で味付けされたってのにしっかりとした旨み。ソル特製麻婆春雨………侮れねー。皆も美味い美味いと言いながらどんどん箸を進める。つーか、これご飯とめっちゃ合うな。何杯でも食える気がする。「おかわり!!!」「自分でよそれ」茶碗と皿を差し出すと面倒臭そうな返事が返ってきた。アタシは席を立つと皿に麻婆春雨を、茶碗にご飯をてんこ盛りにして席に戻りがっついた。「お、美味しいです、ぐす」ダメ料理人がソルの手料理を泣きながら食ってる。確かに女として男のソルに料理で負けるのは悔しいだろうな。でもソルって人生経験だけで言えば、戦ってるだけが仕事だったアタシ達よりも全然先輩だから泣くことないと思うんだけど………SIDE OUTSIDE シャマル「お茶が入りましたよ~」私は湯飲みがたくさん載ったお盆を皆の前まで持ってくる。「ほらヴィータちゃんとソルくんもゲームはそのくらいにして―――」「なんでフィーバータイムでもねーのにそんなに連鎖繋がるんだよぉぉぉぉ!? アタシの画面上半分真っ黒じゃねーかぁぁぁぁぁぁっ!!!」「はっ、二十歳になる前に素粒子物理学で学位を得た俺に物理学と計算で勝とうなんざ千年早ぇ」「パズルゲーム以外ヘタレな癖に」「………ああン!?」睨み合うヴィータちゃんとソルくんが火花を散らす。その周りでははやてちゃん、なのはちゃん、フェイトちゃん、ユーノくん、アルフがわいわい騒いでる。「シャマル、この者達はしばらく放っておけ」横からひょいっと湯飲みを取ったシグナムがお茶を啜りながら言った。「そうね。それにしてもあの二人、結構仲良いわね」「まるで年が離れた兄妹、もしくは大人気無い父親と元気な娘だな」アインが苦笑しながらお茶を受け取る。「親子か………言い得て妙だな」シグナムが納得したように頷くとアインはそうだろうと笑みを深めた。「戦闘スタイルも酷似している。どちらも近距離でパワーにものを言わせた戦い方を得意とし、放つ攻撃は一撃必殺を身上としている。気が合うんだろう」「魔力光も同じ色だし、二人のバリアジャケットと騎士甲冑も赤が目立つものね」私は畳の上にお盆を置き、座ってお茶を飲み始める。「それにしてもソルくん。私達と出会った時と比べるとかなり物腰柔らかくなったと思わない?」二人に聞いてみると、シグナムは少し首を傾げる。アインは少し何かを考えているようだった。「言われてみれば」「シャマルが感じた通りソルは物腰が柔らかくなった。やはりギアであることを知られた上で皆に受け入れられたことが影響しているようだ」そう言ってアインはお茶を啜りながらソルくんの背中を見つめる。「そうだな。私もそう思う」苦笑するシグナム。私もアインに倣って子ども達のゲームに付き合うソルくんの後ろ姿を見つめることにした。それはクラールヴィントからの警告だった。あの少年に気を付けろという内容の。この時の私は特に警戒もせずに魔法をこっそり使って、はやてちゃんとすずかちゃんと談笑しているソルくんのことを調べようとした。その瞬間に飛んできた殺気。巨大な蛇に全身を締め付けられて今にも丸呑みにされそうになったような、被捕食者が捕食者に相対した時のような原初の恐怖を味わう。アレとは戦ってはいけない。アレは規格外だ。骨の髄まで染み付けられた恐怖により、私は図書館の隅で一人震えていた。シグナムにその話をしたら彼女は悪い癖を出して彼に興味津々になってしまう。何度も何度も諦めさせようと説得したけど、説得すればする程シグナムは戦いたいと武者震いをし始める始末。結局はシグナムに押し切られる形で彼を探し出し、一騎打ち出来る状況を提供してしまう。私の心配は見事に的中し、二人纏めて敗北してしまった。それから数日間は酷かった。毎晩夢に出てきてうなされたから。氷のように冷たい真紅の眼。全身に突き刺さる刃のような殺気。何もかも焼き尽くす紅蓮の炎。そして押し寄せる炎の大津波が私達を呑み込もうとした瞬間に眼が覚める。刷り込まれた恐怖を拭うことが出来ず、毎朝自分の悲鳴で起きるという最悪の眼覚めを繰り返した。悪夢は彼が私達に協力を要請してくれる日まで続いた。そして、その日が彼に対する恐怖が意外なことで拭われる切っ掛けでもあった。管理局の拠点から一人離れていく様子を確認して、一体何があったのか不審に思い彼の姿を探すことにする。発見したのは公園で寂しそうに項垂れている彼の姿。絶大な強さを以って私に恐怖を植え付けた人物とは思えない程儚いそれは、強さとは紙一重の脆さ。例えるなら刀剣。触れただけで全てを両断する抜群の斬れ味を誇るその刀身は、極めて薄く折れ易い。ソル=バッドガイの弱さを垣間見た瞬間だった。念話でザフィーラに詳しい話を聞くと、彼の身体に関して触れられたくないことに触れてしまったらしい。………この人もはやてちゃんと出会って『人間』になった私達と一緒。同じ『人間』なんだ。今まで私を占めていた恐怖が暖かい何かにすり替わる。敵に容赦しない姿はあくまで彼の一面でしかないということに気付くと、私はいつの間にか声を掛けていた。会話する内に彼は他人に対してとても不器用だけど心根の優しい人だと知る。彼が一人で居る様子は危うく見えてしまって、どうしても支えてあげたくなってしまう。母性本能をくすぐられるという表現はまさにこのことなのだろう。私は彼の暖かい手を握りながら、彼とこうしていることの心地良さを実感した。ギアとソルくんの秘密を知って、孤独に生きてきた彼を支えてあげたいという想いに拍車が掛かった。私達の為に頑張ってくれた彼を、今度は私達が支えてあげよう。もう、独りで寂しい思いはさせません。「やれやれだぜ」溜息と共にゲームに興じている子ども達から抜け出してきたソルくんにお茶を渡す。「お疲れ様」「ん。それにしてもどうして子どもってのはああも無駄に元気なんだ?」「子どもだからですよ」「ある意味真理だな」私達がこうして仲良く平和に過ごすことが出来るのは貴方のおかげなんですよ?少し微温くなってしまったお茶を飲み下すと、彼は苦い顔で文句を言った。「微温い」「呼んだ時に取らないからです」そう返すと二の句を継げなくなってしまう彼の仏頂面が可愛く思える。「………悪いが、もう一杯淹れ直してくれねぇか?」「はい、喜んで」手渡された湯飲みを受け取ると、私は意気揚々とお茶を淹れ直すのだった。SIDE OUTSIDE ザフィーラ「俺とユーノがザフィーラの散歩に行くのがすっかり習慣化してきたな」俺の首輪から伸びるリードを手に歩くソルがそう言ってきた。「仕方ないでしょ。ソル一人が何処か出掛けるとなるとあの空間に残るのは男で僕だけだよ? 耐えられないって」その隣を歩くユーノ。「その考え方だとザフィーラは男じゃなくて犬になるな」『気にするな。犬扱いは慣れている』念話を送ると哀れみの視線を向けられた。「それってペットだよな?」「そういえば僕も最初の頃はペット扱いだったな~」『主はやてが犬を飼いたかったらしくてな。俺の今の姿をとても気に入られている。ならば俺はこのままで構わん』「あまりの忠犬っぷりに泣けてくる」「まあ、子犬形態のザフィーラ可愛いしね」そんな他愛の無い話をしている間に夕暮れに染まった海鳴臨海公園へと辿り着く。「今振り返れば、全部此処で始まったんだよな」立ち止まり、ソルは懐かしそうに眼を細めた。「まだ一年も経ってねぇってのに随分昔のように感じるぜ。今日が大晦日の所為か、それとも俺がそれだけ年食った爺ってことか分からねぇが」「たぶん両方だよ」『右に同じだ』「………言い返せねぇな」ユーノの意見に賛同すると、ソルは肩を竦めた。「此処で初めてフェイトに出会って、妙な事件に首突っ込む切っ掛けになったんだよなぁ」『シグナムと戦ったのも此処だろう?』「ああ。初めて会ったのは図書館の駐車場なんだが、あれは眼が合っただけだしな。俺が法力使いとして、シグナムが騎士として会ったのは此処が初めてだ」遠くを見るように眼を細める。恐らくこれまでのことを思い出しているのだろう。「この公園って実は変なスポットなんじゃないの?」「俺もそれは思った。何かあるんじゃねぇかって」『解明してみるのも面白いかもしれんぞ』「面白いって意見には賛成するが、面倒臭ぇ」公園内をぐるっと一周すると、来た道とは別ルートで家に戻る。しばらくすると、不意に鼻が捉えた食欲をそそる匂い。「あ、見て。大晦日なのに焼き鳥屋さんがやってる」ユーノが指差す先には赤い提灯を下げた屋台。そこから美味そうな香りが漂ってくる。「大晦日だからじゃねぇか? 年末年始は誰でも財布の紐緩くなるし、此処はちょうど住宅街と神社の中間地点だ。この時間帯から深夜まで稼ぎ時なんだろ」い、いかん。香りに釣られて涎が。「少し寄ってくか」「え? いいの?」「あいつらには内緒だぜ?」そう言ってソルは焼き鳥屋に近付いた。「お前ら何食いたい? 俺はつくね」「じゃ、僕はレバー」『なんこつだ』「親父、つくねとレバーとなんこつ三本ずつ」「あいよ、七百八十円になります」会計を済ませ串が入った紙コップを受け取って焼き鳥屋から離れる。「一人それぞれ一本ずつな」少々行儀悪いが、道端に寄ってそのまま焼き鳥をいただく。「それにしても買い食いってどうしてこんなに美味しいんだろうね?」「知らねぇ」『俺にもよく分からん』ソルとユーノの三人で散歩に行くと何故か何時もついつい買い食いしてしまう。金を払うのはほとんどソルだ。何時も奢ってもらって申し訳無い気分になるが、本人は気にするなと言う。純粋に俺達とこうして食べ歩きしていると楽しいらしい。数年間旅の道連れとして知人の息子を預かっていたことがあり、その日々を思い出すとのこと。当時もよく食い歩きをしたとソルは語った。本人はきっと否定するがシャマルやヴィータが言うように、この男は寂しがり屋なのだ。無理もない。百年以上生きれば自分の親しかった友人知人は皆逝ってしまうだろうし、聖戦もあった。自分を知る人間が誰一人として存在しないという絶対的な孤独を人間は耐えることが出来ない。復讐と贖罪の為に生きている間は意識することはなくても、むしろそれのおかげで意識せずに生きてこれたのだろう。だが、それらを終えてしまえば否が応でも意識することになる。自分が独りであるということを。だからこそ、自分の過去に重ねた我らを必死になって救おうとしてくれたのだろう。その様があまりにも眩しいから、皆がソルを慕うのだ。我が友、ソルよ。お前は既に独りではない。お前には自分を慕ってくれる家族が、仲間が居る。我らは何があろうとお前の味方だ。それを忘れるな。SIDE OUTSIDE はやて夜更かしするんだったら今の内に風呂入れ、と夕飯を食べ終わった時にソルくんに言い渡されたので女性陣皆で早めにお風呂に入った。高町家のお風呂は広い。半年前に居候が三人増えた際に増改築を行ったとかで、湯船に三人から四人は入ることが可能。これなら全員が一気に入ることは出来なくても交代交代で入れば問題無い。ちなみに男性陣は道場に備え付けてあるシャワーで済ませるらしい。お風呂から上がったら皆とテレビを見てまったりして、年越しソバ食べて、十一時過ぎてから除夜の鐘をつきに出発した。「私、除夜の鐘つきに行くの初めてなんや」お寺に向かう道中アインに車椅子を押してもらいながら私がそう言うと、「あ、私も」「僕も」フェイトちゃんとユーノくんが片手を挙げて反応してくれた。「ミッド人が除夜の鐘ついたことあったら逆に驚くぜ」「にゃははは、確かに」ソルくんが呆れたように溜息を吐き、なのはちゃんがおかしそうに笑った。「なのはちゃんは何回もあるん?」「えっと、今年で二回目かな? 実は私去年初めて鐘ついたんだよ」「ソルくんは?」「なのはと同じで今年で二回目だ」意外や。長生きしてるからもっとたくさんあると思っとったのに。どうやら皆もそう思ったみたいで眼を丸くしてソルくんを見とる。「除夜の鐘を大晦日に寺でつくって風習は仏教徒の間にあるもんだ。アメリカ人で無神論者の俺にそんなんある訳無ぇだろ。だいたいギアになってからは俺に年末年始とか関係無かったからな」「えっと、その、ごめんな」「んな顔するな。気にしてねぇ」口元をニヤッと歪めるソルくん。「でもよー。除夜の鐘って百八回しかつかねーんだろ? もっと急いだ方が良かったんじゃねーの?」ヴィータが心配そうに訴えると、ソルくんは吹き出した。「確かにつく回数は百八って決まってるがな、今のご時勢、百八回ついたからもう他の人はつくことが出来ませんってことは無いんだぜ」「本当か?」「ああ。今じゃ寺に来た者全員にはちゃんと一回ずつつかせてくれる。そういう決まりごとに厳しい寺ならともかく、少なくともこれから行く寺はそういう寺だ」「じゃ、安心だな」「気合が入ってるのは分かったがとりあえずアイゼンを仕舞え。ちゃんと寺に鐘つくやつあるから」アイゼンで鐘つく気やったんやろかヴィータ? つく言うても突き砕くんちゃうよ。「煩悩を払う、という意味があるのだったな」不意にシグナムが呟く。「ああ。それが?」「いや、なんでもない、なんでも」急に顔を赤くして俯くシグナム。なんか怪しいなぁ。打ち払いたい煩悩でもあるんやろか?と思ったらシグナムの隣を歩くシャマルも微妙に顔が赤い。「なんやぁ? シグナムもシャマルも頭ん中煩悩だらけなんか?」「そそそそんなことはありませんああああ主!!」「は、はやてちゃん、きゅ、きゅ、急にな、何を言い出すの!?」何この狼狽の仕方? あからさまに『私煩悩があります』って言うてるようなもんやで。「アッハハハハハハッ!!! 二人の煩悩はこれだろう?」アルフさんが大笑いしながら二人に何やらデジカメのデータを見せている。「こ、これは!!」「どうして分かったんですか?」「というか、アルフはこんなもの何時撮ったんだ!?」「これは撮った訳じゃないよ。記録した戦闘データの一部を画像として切り取って一般のデータ媒介で見れるように加工しただけ。これの元のデータを消すってエイミィが言ってたからその前にもらったんだよ」シグナムとシャマルはデジカメに表示された画像に釘付けで、立ち止まってしまう。「三人で何見てるの?」「面白いもの?」「私も見せてや」「だいたい何のことか見当はつくが………」興味をそそられたなのはちゃんとフェイトちゃん、そして私はアインに車椅子押してもらって三人が頭を並べてるとこに集まる。「ほらコレ」差し出されたデジカメに写っていたのは―――「………お、お兄ちゃん」「しかも大人の姿で………」「じょ、上半身裸やないか」「上半身裸ですね」まさしく大人の姿のソルくんが上半身裸で天を仰ぐように雄叫びを上げている光景だった。「ちなみにコレ、ソルがジャスティスと戦う前に変身する瞬間を切り取ったやつね」「じゃあ、これの元のデータってあの時の?」「うん」シャマルが口元を少しニヤつかせながら聞くとアルフさんは親指を立ててニカッと笑った。ソルくんが竜の姿になる前に全身を炎で包みながらバリアジャケットがパージされたのを思い出す。あの時かい。腕から肩に掛けて鍛え抜かれて盛り上がった筋肉。ぶ厚い大胸筋。くっきりと浮かび上がった腹筋。それらが見事に調和して無駄な肉が一片も無い美しい逆三角形を作っておった。それを固唾を呑んでガン見する私達。………アカン。此処に居る全員頭ん中煩悩だらけや。打ち払わなければ。「なー皆。野郎共にすっかり置いてかれてんだけど」ヴィータに袖を引っ張られてはっとなる。進行方向を見ればソルくんとユーノくんとザフィーラが小さくなっていて、曲がり角を曲がって消えたところやった。「み、皆、除夜の鐘ついて煩悩を払うで!!」「「「はい!!」」」「「うん!!」」「アハハハハハッ!!」急ぐ私達の背後でアルフさんが腹抱えて笑っとった。「………煩悩が何か分かった気がする」何かを悟り切ったような口調のヴィータの言葉が耳に痛かった。眼の前に垂れ下がった綱を握り締め、それを思いっ切り振りかぶり、勢いをつけて前に出す。ゴーンッ、という大きな鐘の音が空間を振るわせた。生まれて初めてついた除夜の鐘。家族と友人に囲まれてこういうイベントに参加することを夢見てた私は感動でしばらく動きを止めていた。「何呆けてんだ。次のヴィータが滅茶苦茶やりたそうにしてるから退かすぜ。アイン、車椅子頼む」声が聞こえると同時に私はソルくんにお姫様抱っこされて五段しかない階段を降りとった。後ろでアインが車椅子を持ち上げたのが分かる。「次アタシッ!!!」待ち切れないといった様子のヴィータが鐘に突進するように飛び込んで、住職さんに少し落ち着くように注意されてるのが視界に入った。「ヴィータが鐘ぶっ壊さないか心配だ」ソルくんは半眼になって、綱を手にしたヴィータを見守る。ゴーンッ。年明けの音。これまでずっと一人で過ごした年明け。それが今では皆と一緒に過ごしている。その事実に、私はあまりの嬉しさに泣いてしまった。「………ヴィータが鐘つくの気に入ったみてぇだから、また来年皆で来ることになるな」優しい声でソルくんがそう言って、頭を撫でてくれる。暖かい手の平。すずかちゃん家で発作を起こした時、いの一番に助け起こしてくれた。苦しくなくなるまでずっと抱き締めてくれた。その後は私の身体を気遣ってずっと手を握ってくれた。私の病気を聞いて、生い立ちと生活環境を知って、グレアム小父さんに対して一番怒ってくれた人。私とは比べ物にならないくらい辛くて苦しくて寂しい思いしてきたのに、そんなこと少しも見せずに私と皆の為に一生懸命頑張ってくれた人。今こうして皆と一緒に居られるんは、間違い無くソルくんのおかげや。感謝してもし切れへん。魔力供給のおかげってのは分かってる。でも、この人を感じるととても暖かい気持ちになれる。「ったく、見っとも無ぇから来年は泣くんじゃねぇぞ。少しはヴィータ見習え………あそこまではしゃげとは言わねぇけど」「………うん。分かっとる………来年はあれよりもっと良い笑顔振り蒔いたるわ」せやから今だけは、もう少しだけ甘えさせて。SIDE OUTSIDE アイン子ども達は家に帰ってきた途端、電池が切れた人形のように深い眠りについてしまった。なのはとフェイトとユーノをそれぞれの部屋に運び、ベッドに横たえる。「お前らももう寝ろ。空調は切るなよ、気温下がるし空気が淀むからな。おやすみ」壁に設置されたいくつものスイッチを操作して電灯を蛍光灯から付随された豆電球に切り替え、ソルはさっさと地下室を後にした。地下室に残って起きているのは私とシグナムとシャマルとザフィーラ。ちなみに主はやてとヴィータは客間を使わせてもらい同衾してもらっている。「私達も寝ましょう」シャマルの言葉に誰もが頷き、毛布と座布団を使って寝る準備をする。ザフィーラだけは座布団の上で丸くなるだけ。高町家で泊まる時は決まってこうだ。「おやすみなさい」「「「おやすみ」」」毛布に包まり、ゆっくりとやってきた睡魔に身を任せ夢の世界へと旅立った。鉄錆びの臭い。何かが焦げる悪臭。もくもくと上がる黒い煙。断末魔の悲鳴。この世のものとは思えない何かの咆哮。爆発音。焼け落ちる家屋。蹂躙される街。火の海に消える都市。逃げ惑い、一方的に虐殺される人々。無辜の民を追って暴れ回る人外の群れ。一瞬で破壊尽くされる人々の生活。崩れ落ちる日常。豪雨のように降り注ぐ死。阿鼻叫喚の地獄絵図。そんな中、化け物の群れにたった一人で立ち向かう男。男は自分に群がる化け物達を圧倒的な力で蹴散らしていく。どれだけ多勢に無勢だろうと全く怯むことなく、ただひたすら戦い続け、視界に映る全ての化け物を駆逐した。化け物達全て処理し終えても男の顔は晴れない。戦えば戦う程、殺せば殺す程、海よりも深い後悔と悲しみが、マグマよりも煮え滾った怒りと憎しみが男の精神を苛んだ。そして男はまた獲物を求めて彷徨う。復讐と贖罪を求め続けて何時までも繰り返される終わりの見えない、孤独な戦いの日々。血で血を洗うような毎日。それでも男は文句も愚痴も垂れず、一筋の涙すら零すこと無く化け物達を狩り続けた。これは義務であり、責任であり、罰であると納得して選んだ道なのだから。他の誰でもない、俺が果たさなければならないことなのだから、と。自分が泣いていることに気が付いて眼が覚める。「また、あの夢か」上体を起こし、涙を拭う。ソルの記憶を転写した所為か、たまにソルが実際に経験したことを夢として見ることがあった。大抵は聖戦時代の光景。人と生体兵器の惨たらしい戦争。悲しく、辛いものばかり。私が泣いているのはきっと、長い間一度も涙を流さなかったソルの代わりだろう。初夢として見るのはあんまりだが。「ソルは………よく気が狂うことが無かったな」あんな酷い経験を百年近く続けられる精神の強さを褒め称えるべきなのか、それとも正気を保ったまま戦い続けたのを哀れむべきなのか。立ち上がって時刻を確認すると午前五時前。外の空気が吸いたくなり、私はまだ寝ている三人を起こさないようにこっそりと地下室を出た。深呼吸をして冷たい澄んだ空気を肺に満たし、吐く。それだけで随分気分が良くなり、頭がスッキリする。「ん?」屋根の上に誰か居ることに気付いた。「ソル?」彼は一人屋根の上に座り、まだ薄暗く明けない東の空をじっと見つめている。私は飛行魔法を発動させその隣に降り立ち、座った。「初日の出にはまだ早いぜ。どうした?」「悪夢を見てな」「初夢が悪夢とは災難だな」そこでソルは初めて私の顔を見て、眉を顰める。「泣いてたのか? 眼が腫れてるぞ」心配そうな表情になるソルの反応を嬉しく思うと同時に、悪戯心が生まれてきた。少し困らせてやろう。「とても怖い夢を見た。慰めて欲しい」「………おいおいガキじゃねぇんだから、って何してんだ?」ソルの声を無視して、私は服の背中の部分を捲り肌を晒し、ギアの”力”を解放する。「んぅ」途端にバサッと音を立てて黒い羽毛に覆われた翼が背中から、尻尾が腰のベルトより少し上に生えてきた。身体をソルに密着させ、そのままソルと自分を翼で包み込む。頭だけ外に出した状態でソルが口を開く。「何のつもりだ?」「暖かいだろう?」「否定はしねぇが………もう好きにしろよ」諦めたように溜息を吐くと、ソルは東の空へと向き直った。それっきり会話が途切れる。やがて少しずつ世界が明るくなってきた。もうしばらくすれば夜明けになるだろう。「ガキ共が初日の出見るつってたから、あいつら起こすまでだぞ」「ああ」「今こうしてること後であいつらにバラすなよ? 膝の上に誰か乗せてお節料理あ~んなんてやらねぇからな!!」「それは残念だ」疑いの眼差しを向けるソルの視線を心地良いと思いつつ、私は口元がニヤつくのを必死に堪えながら返すのが精一杯だった。SIDE OUTオマケ初詣のおみくじなのは 末吉フェイト 中吉ユーノ 小吉アルフ 大吉はやて 小吉シグナム 吉シャマル 小吉ヴィータ 大吉ザフィーラ 中吉「………なんで俺だけ凶なんだ?」新年早々幸先不安になるソルだった。更なるオマケ「ソルの艶姿が欲しい人挙手!! 今ならプリントアウトした上に画像を携帯に添付データとして送信してあげるよ!!!」「「「「「「はいっ!!!」」」」」」どうやら煩悩は払えなかったらしい。以下、現在までの人物考察。ソル=バッドガイギアとしての自分を受け入れてもらえたことにより、以前よりも物腰が柔らかくなる。けど性格は相変わらず。基本受け。抱きつかれても「何だ?」くらいにしか思わない。性欲とか枯れてるのかもしれない。最近は、幸せそうに笑みを浮かべるその顔から滲み出る父性がヤバイ。皆の保護者、お父さん的な立ち位置だと自負してる。本人曰くこの髪型ポニーテールじゃないと断言。じゃあ何だ?ヴィータと馬が合う。どっちも年食ってる癖に子どもっぽい面があるからだろうか? それとも色? 一撃必殺?頭使うゲームは無双するけど頭使わないゲームはマジでカス。シグナム、ザフィーラにも劣る。前者はぷよ○よとか、後者は踊るメイドイ○ワリオとか。考えるな感じろ系とか許してあげて。本人から一言。「面倒臭ぇ」高町なのは最近出番が少ない。ごめんなさい。お兄ちゃんが生体兵器? だから? お兄ちゃんはお兄ちゃんでしょ? くらいにしか思ってない。ソルさえ傍に居てくれれば後は野となれ山となれという考え方は変わっておらず、ソルが管理局に所属する気ゼロなので同様に入局する気ゼロ。恋敵は時に共犯者と読む、が持論。本人から一言。「………お兄ちゃん最近寝る時結界張ってるの」フェイト・テスタロッサ・高町なのは同様最近出番が少ない。申し訳無い。クローンである自分よりもソルの方がよっぽど酷い目に遭ってる事実を知り、「確かに私はアリシアのクローン。だから?」くらい平然と言える程精神的に強くなる。でもやっぱり甘えん坊。管理局アウトオブ眼中。本人から一言。「木陰の君って人の話聞くと、ギアって人間と結婚出来るんだね」ユーノ・スクライア準主人公。下手をすればソルを食ってしまいかねない程熱いキャラへと成長してしまった。男性キャラで一番のお気に入り。無限書庫で勤務する未来は完全に潰えた。というか、引き篭もり生活なんてあり得ないと思ってる。最近スルー能力を覚えた。もう生贄にはならない。実は殴る蹴るの打撃技よりも、投げ技締め技の方が得意。魔法無しの模擬戦だと結構強い。投げる→関節技のコンボで上位に食い込める。野郎三人組で出掛けるのがお気に入り。本人から一言。「あ、おでん屋さんだ」アルフ・高町キャメラウーマン。その趣味はソルの悩みの種であり、他の女性陣にとっては女神の祝福同然。でも割とソル以外の光景もかなり大量にキャメラに収めている。そこらへんはしっかりしてる。食い物に釣られるので買収はし易い。最近は八神家が高町家に加わって笑いが止まらない様子。本人から一言。「この写真をコンビニのチキン二つと交換しようじゃないか」八神はやて未来の狸? かつての薄倖少女。でも今は皆と一緒で幸せ。ソルにリハビリを手伝ってもらうことになり「計画通り」とほくそ笑むがすぐに後悔する。鬼教官はとても優しいスパルタだったから。リハビリと同時進行して魔法も勉強中。料理上手。既に高町家の台所で知らないことなど無い。グレアムに対する思いはちょっと複雑。本人から一言。「デバイス作らな」シグナムバトルジャンキー。趣味はソルとの模擬戦。魔法があろうと無かろうと関係無い。毎日のように申し込む。もう日課である。ていうか模擬戦しないと一日が始まらない。負ける度に次は絶対に勝ってやると意気込む。訓練のおかげか単にソルの戦い方に慣れたのか、今ではそこそこ打ち合える。ソルは子ども状態よりも大人状態の方が好き。やっぱりきn(ゴシャ)本人から一言。「勝負!!」シャマル主婦。なのに料理てんでダメ。ドジ萌え。おっとりマイペース。でもテンパるとかなりのアフォをやらかす。テンパってなくてもやらかす。ソルが料理出来ると知りショックを受ける。シグナム同様、子どもverよりも大人verが良い。やっぱk(ズブシャ)本人から一言。「………お料理………勉強しよう」ヴィータエターナル合法ロリ。ゲートボール好き。欠食童子みたいに食欲旺盛。好奇心も旺盛。ソルと馬が合う。シンがもし女だったらこんな感じなのかもしれない。でもアホの子じゃない。八神家の末っ子だがかなりしっかりしてる部分もある。普段は丸っきり子どもだが。外見相応の子どものようにゲームが好き。地下室を遊び場に変えた張本人。本人から一言。「次はチンジャオロースが食いたい」ザフィーラ犬。狼だけど扱いは完璧に犬。同じ狼のアルフにすら犬扱いされる始末。ちゃんと同じ人間として扱おうと気遣ってるのはソルとユーノのみ。異性の知り合いが増えてく一方なので同性を増やしたいらしい。三人で散歩に行くのが日課。その時にもらえるおこぼれが楽しみ。よく野郎三人で出掛けることがある。本人から一言。「この香りは………む、涎が」リインフォース・アイン仲間内で唯一ソルと同じギア。おまけにソルの記憶を持っている。現段階でアリアの存在を知ってるのは彼女だけ。たまにソルの過去を夢で見る。その度に自分が泣いていることに気付いて起きる。アルフ同様翠屋で働いてる。実は抜け駆けの筆頭。押し掛け女房という感じは全くなく、一歩退いて影のように付き従う良妻賢母タイプ。「命令されたい」とか思ってる。でも少し意地悪して困らせたいとかも思ってたりもする。本人から一言。「フッ、仕方の無い男だな」後書き今回は八神家編。あまり描写出来なかった部分を描写出来ていれば、と思っています。切っ掛けは『吊り橋効果』だったんですよ的な。推敲してて思ったんですけど、ちょっとくどいかもしれません。つーか、くどいですね………埴輪原人め!! 死ねぇぇぇ!!!ザフィーラ視点以降、前半と全く別の日に執筆したんで、読み比べるとかなり様変わりしてます。このお話の中で作者的に一番のお気に入りシーンは野郎三人が買い食いするところ。高町家の連中がアルフ以外影薄い気がする………今回は八神家中心って決めてたからしょうがないけど、ダメだこいつ(作者)早くなんとかしないと。そして無意識にアインを贔屓してますね。アリアの話をそろそろ出したいけど、どう考えても欝展開になってしまう。次は旅行の話かな。リクエストもらう前から皆で旅行行く話しは考えてたんです。で、その時にアリアの話が出てきてメンバー全員欝になるっていう………ま、いいか。では次回!!