「おっ邪魔っしま~す!!」「………」シャマルが幼児達に挨拶する保育園の先生みたいなテンション高い声で元気良く仮司令部のマンションに入る。繋いだ手に引かれる形で、つーよりはむしろ引き摺られるように俺はシャマルの後に従う。いい加減手を離して欲しいのだが、「ダメです。皆にちゃんと謝るまで離してあげません」と慈愛溢れる笑顔で頑として離してくれない。道中、俺が仮司令部を逃げ出した時の態度とかを説明してしまったら「もう、仕方ないですね。私が一緒に謝ってあげます。ソルくんが誠心誠意込めて謝れば皆許してくれますよ」ということになってしまったからだ。正確には覚えてないがクリスマスパーティの話をした辺りからシャマルはご機嫌になり、さっきからずっとその機嫌に合わせて繋いだ手を振り子のように「ルンルン♪」と振っていた。「「「「「「「「………」」」」」」」」廊下を抜けリビングに出ると、ソファに座っていた面々や壁に背を預け立っているザフィーラとユーノ、床に転がされた猫姉妹(まだ気絶中)の傷の具合を確かめていたエイミィが俺とシャマルの二人がセットで現れたことに声も無く驚いている。「ホラ、ソルくん」視線が集まる中、促すように繋いだ手を振られたので、俺はどうしてこの状況下(シャマルと手を繋いだ状態)で皆に謝らにゃならんのだ、もう少しまともな状況で、つーかせめて手を離せ、と理不尽な現実に心の中で嘆きながら頭を下げた。「さっきは、その、すまなかった。俺のこと心配してくれてたってのに酷いこと言って。反省してる」ようやく手が離された、と思ったら下げた頭を撫でられる。「皆許してあげて。ソルくんの態度は悪かったと思うけど、誰にだって触れられたくないことってあると思うの。それを察してあげて」『何してんだお前は!? 母親みてぇな真似してんじゃねぇ!!』『お姉さんに任せなさい』『ちょっ、』念話を繋いで抗議すると返事が来た瞬間切られた。なでなで。「ソルくんも十分反省してるわ。私が見つけた時は自己嫌悪しててとっても落ち込んでいたんだから。公園で一人ボーッとしてるくらいに」「言わんでいい!!」我慢出来なくなった俺はバッと頭を上げる。それでも未だにシャマルの手を俺の頭の上。「事実じゃない」「状況を説明する意味が分からん」なでなで。「その方が貴方の心理状態が皆に伝わって理解が広まるでしょ?」「余計なお世話だ」なでなで。「もう、天邪鬼さんなんだから」「………っ!!!」なでなで。出来の悪い弟に接する姉のようなシャマルの態度に俺は頭を抱えた。………こいつ、桃子と同じタイプの人間なのか? 俺が最も苦手とする人種の女じゃねぇか。こういう女って自分が間違ってないって思ってるとどんな罵詈雑言吐かれたって聞く耳持たねぇんだ。「まあ、そういう訳だからソルくんのこと許してあげて欲しいのよ」「何様だお前は………」ニッコリと素晴らしい微笑をシャマルが浮かべると、呆気に取られていた皆が黙ってゆっくりと頷いた。背徳の炎と魔法少女A`s vol.15 今後の方針を………あれ?「はい、これで大事の前の小事が解決しましたね。では、次に今後について具体的な―――」「「ちょっと待ってくださいっっ!!!」」場を完璧に支配し、仕切ろうとしていたシャマルを遮る声。なのはとフェイトだ。二人はおもむろに立ち上がると、シャマルに挑みかかるように歩み寄る。「どうしました? お二人はソルくんのことをまだ許せないんですか?」「そんな訳無いじゃないですか。お兄ちゃんが私達に隠し事するなんて考えてみれば何時ものことだし、シャマルさんに言われなくても誰にだって秘密の一つや二つ持ってて当たり前です」「今回は私達の配慮が足りなくてソルを怒らせちゃっただけだから許すも何もありません。むしろ私達が謝るべきです」そう言って、なのはとフェイトは俺に向き直るとペコッと頭を下げた。「お兄ちゃん、ごめんなさい」「ごめんね、ソル」「いや、俺は気にしてねぇから謝られると困る」俺が肩を竦めると、二人は花のような笑みを浮かべて「ありがとう」と言った。それから再びシャマルに向き直り、俺に対する態度とは一変した冷たい態度になる。「私達が文句あるのはシャマルさんです」「私?」きょとんと不思議そうにするシャマル。「とぼけないで………何時までソルとそうしてるつもり?」早くも身体に黒いオーラを纏い始めたフェイトが指を差す。そこには何時の間にか、俺の頭を撫でていた手が元の形に、つまりは俺の手を繋いでいた状態に戻っていた。「………何時の間に」それに全く気が付かなかったことに、俺は戦闘者としてシャマルの早業に戦慄する。「あら本当。何時の間にか手を繋いでるわね」なんでかしらね~? と素で不思議がってるのか、すっとぼけてるのかイマイチ判断つかないシャマルの態度に二人は徐々に、しかし確実に不機嫌になっていく。「なんて白々しい。さっきから黙って見てれば、お兄ちゃんにベタベタと………」「ソルに変な匂いつけないで」忌々しそうにシャマルを睨む二人の態度に俺は何かヤバイものを感じて口を開こうとすると、それより早く壁際に居たユーノが先に笑い出した。「ぷはははははは。やっぱりソルは大人だけあって、くっ付かれるなら子どもよりも大人の女性の方が良いのかな。それが美人なら尚更ヌワーッッッ!!!」桜色と金色の魔弾がユーノを襲い、見事に命中し昏倒する。やめときゃいいのに、どうしてあいつは余計なことを言わないと気が済まないんだろう。「………ユーノ、無事か?」「あー、いいよ放っておいて。何時ものことだし」ユーノを気遣うザフィーラに声を掛けると、白目を剥いているユーノを携帯電話で写真を撮るアルフ。被写体である当の本人は意識があるのか無いのか「覚えてろ………次の模擬戦で二人共投げ飛ばしてやる」と何やら呪詛に近い独り言を吐いていた。「気に入らないとすぐに魔法で攻撃するなんて。初めて会った時もそうだったわね………ソルくん、この二人怖いわ」純粋にそう思ってるのか、それとも二人をおちょくってるのか、やはり判別つけようが無い演技なのか素なのか不明な表情で俺の腕にしがみつく。(………その、なんだ………すまん)とりあえず心の中で謝っておく。誰に対しての謝罪かは自分でもよく分からないが。そして、なのはとフェイトは爆発まで秒読みを開始してたりする。仮司令部がこんなアホなことで吹っ飛んだら、さすがにリンディ達に申し訳無いので封時結界の用意をしておこうと思う。その時、「つーかさ、今更なんだけど、シャマルとソルはどうしてそんなに仲良くなってんだ?」はいはーいっといった感じでヴィータが質問を投げ掛ける。「確かシャマルってソルのことビビッてたよな。シグナムと二人がかりで戦ってコテンパンにされて以来」ヴィータの隣でシグナムが苦い顔をする。質問に対して、シャマルはうーんと唸ってから答えた。「そうなんだけどね。なんて言うか、今まで凄く強くて怖いってイメージがあったソルくんの落ち込んでる姿を見たら、急に可愛く見えてきちゃって」「それだけ?」「あとはちょっと子どもっぽい部分とかかしら? そういうのを知った所為か、ソルくんが手の掛かる弟みたいで。これがきっと、前にはやてちゃんが言ってたギャップ萌えなんだと思うわ。それにソルくんって何だか暖かいから、こうしてると気持ち良いの」意識してるのかしてないのか首筋に甘い吐息が掛かり、女性的な柔らかさがぐいぐい服越しに押し付けられる。よし、はやてに対する色々な評価を下方修正しておこう。何がギャップ萌えだ。意味が分からん。「「………」」ついに黙ってデバイスを展開しようとしているなのはとフェイトは危険度マックスに達していた。視線でアルフに助けを求めると、しょうがないね帰ったらジャーキーを山程用意しておきな、といった風に呆れたように頷いてくれた。「シャマルが今感じてる”暖かい”って感覚はきっとソルのレアスキルの所為だね」アルフがさり気無く、丁度なのはとフェイトの前に割って入るように話を振る。「ほう、ソルはレアスキル持ちなのか?」「へー、凄ぇじゃん。どんなのだ?」とシグナム、ヴィータ。この話題にはヴォルケンリッターの全員が興味を引かれたのか、場の空気がそちらに流れた。なのはとフェイトは気が削がれたのか矛を収めるも、畜生後で覚えてろよ逃げんじゃねぇぞと言わんばかりにシャマルを一瞥した後、不貞腐れたようにソファに座り直し、恨みがましいジト眼で早く説明終われとアルフのことを見ている。しかしアルフはそれを華麗にスルー。「ソルのレアスキルはその名も『魔力供給』。触れているものに無意識に魔力を送り込んじまう体質のソルは、魔導師やそれに準ずるものの魔力を回復させたり、一時的に爆発的な力を与えることが可能なのさ」「………魔力の回復?」「………一時的に爆発的な力を与えるって………」「まさか」名称と効果を聞いて、何やら思い当たる節があるのか、一斉に俺を真剣な眼で見るシグナムとヴィータとザフィーラ。「それって、こうしてるだけでいいの?」「ソルに触ってればなんだっていいさ。触れた場所から魔力が流れ込んでくるだろ?」シャマルの質問にアルフがニヤニヤと笑いながら答えた。これは報酬が高くつきそうだ。「クラールヴィント!」己のデバイスに慌てたように確認を取るシャマル。<事実です>待機状態の指輪が無機質な声で答える。「何時から!?」<ソルとの初遭遇時は確信が持てず、特に問題も無かった為言いませんでしたが、今の話を聞いて納得しました>「じゃあ、クラールヴィントは初めから気付いてたの!?」<まあ>「どうして言ってくれないの!?」<先に言った通り確信が持てなかったこともあり、今日はお二人が何やら良い雰囲気なので空気を読みました>「そうは言っても………うう、これじゃあ補助を専門とするヴォルケンリッターの参謀シャマルの面目丸潰れです」俺の肩に顎を乗せてシャマルが「だから私ってウッカリって呼ばれるのかしら」とさめざめ泣いている。どうでもいいが顔が近い。なのはとフェイトの視線が分かってるのに故意でこんなことしているとしたら、こいつは相当神経が図太い。でもおかしいな。二人と初遭遇した時は結構怯えてたのに。俺の魔力供給は精神面にも作用するのだろうか?「まあ、気が付かないのはしょうがないさ。ソルに触ってると心地良いだろ? それは魔力が全身を駆け巡ってリンカーコアに吸収されてる証拠。だから心地良いんだけど、その心地良いって感覚が”魔力を供給されてる”って感覚を阻害してるみたいで、純粋なデバイスは気が付いても、魔導師やアタシみたいな使い魔とかアンタらみたいな魔導プログラム体は気が付かないのさ」アルフが気にするなとフォローした。そこに復活したユーノが立ち上がって加わる。「僕も初めて気が付いたのはソルに出会って二週間以上経った時にレイジングハート、なのはのデバイスに言われたのが切欠だしね。『魔力供給』を認知した上で感覚を研ぎ澄ませているか、ある程度慣れてるかしないと気が付かないんだ。たぶん、僕達はデバイスと違って五感を持ってるから逆に気付きにくいんじゃないかって思ってる」だから気にするな、とアルフとユーノがシャマルを慰める。「なるほど。だから闇の書がリンカーコアを摘出していないのにソルの魔力を蒐集しようとしたのか」「先の謎の現象も納得だな」合点がいったとばかりのシグナムとザフィーラ。「じゃあさ、はやての病気もこれで治んじゃねーのか!?」喜色満面の笑みを浮かべてヴィータが歩み寄ってくる。他の守護騎士達も同様に期待の眼差しを向けてきた。しかし、俺はそれを否定する。「確かに俺のレアスキルははやての病気に対して特効薬と同じ効果を望める。実際、進行を抑えることも可能だが、根本的な問題解決にはならねぇんだよ」「………そっか」眼に見えて沈んでしまうヴィータ。「けど、治らないと決まった訳じゃ無いわ。ソルくんが居る限り、はやてちゃんの病気は進行を抑えることが可能だし、私達がこうしているだけではやてちゃんの負担はぐっと減る筈」「ああ、時間稼ぎは出来る。その間に闇の書を、壊れた夜天の魔導書を何とかすれば」「主はやては治る」俺はシャマルの言葉に頷き、シグナムが引き継ぐ。「………はやてが、治る? 嘘じゃねぇよな?」ヴィータが眼に涙を溜めて問い掛けてくる。「ああ」「ホントか!? 嘘だったら承知しねぇぞ!?」「嘘じゃねぇ。はやてを治してみせる。必ずな」「ホントにホントだなっ!?」「しつけぇぞ。はやては俺が助けるっつってんだ」「………はやてが………治る………う、ううぅ」ついにヴィータは嗚咽を漏らし、ポロポロと涙を零し始めた。「ヴィータ」「ヴィータちゃん」「………」シグナムが後ろからヴィータの頭を撫で、ザフィーラが肩に手を置き、シャマルが俺から離れ正面からその小さな身体を抱き締める。俺はそんな守護騎士達の姿を眼にして、これは責任重大だと思うと同時に、改めて気合を入れ直すのであった。シャマルが俺から離れたことによって極僅かに機嫌が上向きになったなのはとフェイトを視界に収めつつ、ソファに座ると今後のことについて話し始めた。「まず、闇の書は完成させない。これは全員一致だな?」確認を取ると、全員が頷いた。「次に、はやてへの事情説明と協力要請。これは守護騎士達で上手く伝えておけ」「任せろー!!」ヴィータが元気良く応える。それに倣ってヴォルケンリッターそれぞれが首肯する。「それから、はやての負担を減らす為、麻痺の進行を抑える為に魔力供給を俺が行うってことになるが―――」「はいはいはいっ!!!」「そのことについて提案が!!!」必死の形相のなのはとフェイトが挙手した。「………言ってみろよ」半ば予想していたので発言を許す。「はやてちゃんの負担を減らすだけなら、別に”シャマルさん”達じゃなくてはやてちゃんに直接触れればいいと思うの」「なのはの言う通り。すずかの家でお鍋した時にはやての発作を抑えたことあるんだから、”シャマル”達に触る必要は無いよ」シャマル、という単語をやたらと強調する。どうやら、二人の頭の中ではシャマル=敵になってるらしい。「二人の言う通りだな」ザフィーラが腕を組んだままうんうんと二人に同意し、「お前だって嫌だろう?」と同意を求めてきた。「………まあ、確かに」シグナム、シャマル、ヴィータは女性だからまだ許せるが………さすがにマッチョの男は………「ならザフィーラの意思を汲んで―――」「じゃあ、ザフィーラは直接魔力供給されるのは除外ね。それからソルくんには今晩からウチに滞在してもらうことにしましょう」俺の言葉を遮るような形でシャマルが実に楽しそうに口を挟む。「「「シャマル(さん)ッ!?」」」なのはとフェイト、そして何故かシグナムが驚愕の表情になる。「おい、ちょっと待て、何勝手に―――」「はやてちゃんの為です、反論は受け付けません。ていうか、私ソルくんのこと気に入っちゃいました」今本音がポロって出てきたぞ。魔力で肉体を構成した魔導プログラム体だから、普通の魔導師よりも心地良いのか?いかん。このままではシャマルの抱き枕にされる。「冗談じゃねぇ。確かにはやての病気を抑える為にある程度そういうのは覚悟してたが、なんで俺がお前の言いなりになんなきゃいけねぇんだ!? そもそも、お前らが勝手に感じてる”癒し効果”は俺から言わせてもらえば科学的に立証出来てないマイナスイオンと同じで胡散臭ぇんだよ」「そういやアタシ、魔力供給ってシャマルみてーに直接受けたことねーや」抗議の声を上げる俺を無視してヴィータがペタペタと触ってきた。「聞いてんのか人の話!?」「おおう!? アイス食ってる時の満足感みてーのがアタシの脳を刺激する!! 凄ぇ!!」何だそれは!? 意味分かんねぇ。何かよく知らんが噛み付くなよっ!?「………どうやら、人それぞれ違ったものを感じるようだな」凄ぇ凄ぇと言い続けるヴィータの反応に興味を示したのか、シグナムがフラフラと近寄ってくる。しかしそれを阻むなのはとフェイト。「何のつもりだ? 高町、テスタロッサ」「お兄ちゃんに触らない方が身の為ですよ」「きっと火傷するから」「フッ、安心しろ。私はあの晩、既にソルの炎に炙られている。今更火傷など恐れん。そこをどけ!!!」急に場の空気が殺伐としてきた。三人は殺気を滲ませて眼前の相手を睨む。「もうこうなったらお兄ちゃんを賭けて勝負しようっ!!」またお前は何の脈絡も無くそういうことを言い始める。デジャヴ感じると思ったら以前フェイトにも同じこと言ってたな。「白黒はっきりさせてあげる」フェイトも殺る気満々だ。眼がマジだ。嗜虐的な笑みを浮かべ口元を歪めている。「いいだろう、望むところだ。一対二か?」「いいえ、二対二よ」妖しい笑みで参加表明を示すシャマル。なのはとフェイトの待ってましたと言わんばかりの鋭い眼光をものともしない自信溢れる顔。「面白そうじゃん。アタシも混ぜてよ」「そういや前にやられた時の借りを返してなかったっけ? アタシもやる」と、アルフにヴィータ。「ちゃんとした決着ってつけてなかったね。じゃあ僕も」「これも主の為」ユーノとザフィーラまで進み出て、俺を除いて結局全員参加。結局戦うのかこいつら。その後、誰と誰が戦うんだ、チーム戦なのか、サシ、4 on 4、時間制限はどのくらい、とか何とか言い争った結果、二対二が一回、一対一が二回ということになった。なのは&フェイト VS シグナム&シャマル アルフ VS ヴィータ ユーノ VS ザフィーラ「殺るなら外で殺れ」封時結界だけは張っておく。「止めなくていいの?」今の今まで空気に近かったエイミィが聞いてきたが、今更止めるのは難しい。「止めたかったらお前が止めろ」既に殺気立っている奴らを指差す。「あ! そういえばさっきリーゼ達について詳しい話を聞きたいからクロノくん達がこっち来るって」諦めるの早っ。「ま、それまで暇潰しにはなるか」とりあえず、はやてにメールで『高町家と八神家の戦争が終わったら皆でお前ん家に邪魔する』と送る。案の定『どういう意味や!?』と返信が来たので、『文字通りの意味だ』と送り返し、二対二の第一戦目を観戦することにした。後書きソルがトランプゲームでいう『ジョーカー』だとしたら、シャマルは条件が揃えば『ジョーカー』に打ち勝つことの出来る何の変哲も無いカード、という設定です。大貧民 OR 大富豪のローカルルールで、『ジョーカーを一枚で出した時のみ、ジョーカーよりもスペードの3の方が強い』というのが私の地元ではありました。今回の話はまだまだシリアスじゃないですけど、これからじわじわとシリアスな感じが出せていけばなと思ってます。次回予告グレアムが自分達の妨害をしているという信じ難い事実を知ったクロノ。誰よりも尊敬し、信頼していた人物達の思惑が理解出来ない。崩れる憧憬。揺らぐ己の”正義”。脳裏に過ぎる無慈悲な過去。ソルの冷たい言葉がクロノの心を抉った時、彼は決断を迫られる。そして、彼が葛藤の末に出した答えとは?