時空管理局のこと、ロストロギアのこと、それらを説明し終えた後。三人の代表者であるソルくんから今日までの経緯を、時系列順に分かり易く説明してくれた。なのはさんとユーノくんが偶然接触したことによって、成り行きのような形でジュエルシードを回収することになった。途中までは主に、なのはさんとユーノくんの二人でジュエルシードを回収していた。その後、自分達とは別の探索者、フェイトさん達が現れた。なのはさんとフェイトさんの二人が勝負をして、勝った方がジュエルシード手にするようになった。どうやらフェイトさんは、誰かに命令されてジュエルシードを集めている。昨日の勝負の最中にジュエルシードが暴走して次元震が発生した。フェイトさんに命令している人物は、どうやら彼女の母親だという。フェイトさんはその母親から虐待を受けているらしい。「で、今に至る」そう言って締めくくると、ソルくんは疲れたように溜息を吐いた。私はまず情報提供の礼を述べそれからジュエルシード回収の件を労ったが、ソルくんは何か難しい顔して私の言葉を聞き流していた。―――フェイトさんのことが気に掛かっているようね?若いって良いわ~、と思いながら私は言葉を紡いだ。「これより、ロストロギア『ジュエルシード』の回収については時空管理局が全権を持ちます」 「キミ達は今回のことは忘れて、それぞれの世界に戻って元通りの生活に戻ると良い」続いてクロノが重ねる。「でも、それは!!」「次元干渉に関わる事件なんだ。民間人が出る話じゃない」なのはさんが反論しようとするが、クロノに切り捨てられる。「まあ、急に言われても気持ちの整理も出来ないでしょう? 一度家に帰って、今晩ゆっくり三人で話し合うといいわ。その上で、改めてお話ししましょう」これで事情聴取はおしまい、そうしようとした時だった。「………気に入らねぇな」不機嫌な声と共に吐き捨てられた言葉。言った人物に視線を向けると、そこには先程の難しそうな表情を浮かべていた少年は居なかった。そこには、明らかな不信感と猜疑心が込められ、爛々と輝く一対の真紅の瞳が私を睨み付けていた。背徳の炎と魔法少女 11話 Get down to business「何故、”今晩ゆっくり三人で話し合う”必要があるんだ?」眼を細め、険しい眼つきが更に険しくなる。まるで海底に居るような威圧感が圧し掛かる。敵意でも殺意でもない。ただ、そこにソルくんが居るだけで身体の自由を奪われる錯覚に陥る。それは見事に”私だけ”に向けられたものだった。「クロノが言ったな。『民間人が出る話じゃない』と」「あ、ああ」戸惑いながらも肯定するクロノを一瞥し、視線を私に戻す。「じゃあ何故、”今晩ゆっくり三人で話し合った上で、改めて話す”必要があるんだ?」「お兄ちゃん?」「ソル?」空気が変わったことに気付いたなのはさんとユーノくんも狼狽し始める。「質問に答えてもらおうか。時空管理局所属リンディ・ハラオウン提督? そもそもクロノの言う通り、『民間人が出る話じゃない』のなら俺達の気持ちの整理なんぞ知ったことじゃねぇだろ」「ソルくん、私はね―――」「御託はいい」何とか声を出そうとするがバッサリと切り捨てられ、彼から放たれる威圧感が徐々に増す。圧倒的な存在感の所為で、子どもの筈のソルくんの身体が成人男性並みに大きく見える。老獪な年上と向かい合うような、歴戦の猛者と話しているような錯覚。さっきの言葉に込めた私の真意。それがバレている。あの見透かすような眼に安い嘘は通用していない。「答えられないなら言ってやる。俺達を使い潰したいんだろ?」「なっ!? 突然キミは何を言い出すんだ!?」隣でクロノが立ち上がり食って掛かろうとするが、それを制止する余裕が無い。「まず初めに違和感を感じたのは、クロノだ」「僕が何だって言うんだ?」「執務官がどんな職種か知らんが、戦場に一人で出てくるんだ。それなりの実力があるってのは分かるし、周りも認めてるんだろうが、いくらなんでもマジで一人で突入するのは普通あり得ねぇ。その後に伏兵のような形での増援も無かった。任務の成功率を上げるなら十人以上の人数で取り囲むように展開すればいいだけの話だ。だが実際は終始クロノ一人だった」「………あれは緊急だったから僕一人で出撃したんだ」「増援が来なかった理由は?」「それは………あの時他の局員には時間が無かったんだ」「言い訳にもならねぇな。時間が無いから待ってくれと? そんなこと言ってる間に棺桶に片足突っ込んでるぜ」クロノが反論するが一蹴される。「しかも、クロノはまだガキだ」「僕はもう十四歳だ!!」子ども扱いされたことに憤るクロノ。しかし、ソルくんは気にも留めない。「そのナリで本当に十四か? ま、どっちにしろガキだろうが」「く………キミこそどうなんだ!?」「一応九歳ってことになってるらしいな」「なん………だと?」それを聞いてクロノが絶望的な表情で跪く。ソルくんの身長はどう見ても九歳の平均より高く(クロノよりも高い)、落ち着いた雰囲気はもっと年上―――クロノには悪いがそれこそ十四歳くらい―――と感じさせる。「次にこの艦に転位してきた時。それは、クルーの層が若過ぎることだ。全員の顔を見て年齢を確認した訳じゃ無ぇが、この部屋に来るまでに見た限りクルーの平均年齢はざっと十七から二十前半までか? 何故若手ばかりで、ベテランと呼ばれる三十代四十代以上の奴が異常に少ない?」私は答えることが出来ない。ただ黙って聞くことしか許されない。隣で、何故私が言い返さないのかエイミィが不思議そうに見てくるが、言い返せる訳が無い。下手な言い訳は絶対に通用しないだろうし、本当のことはきっと気付かれている。「最後に、艦内に戦闘出来そうな魔力がクロノとリンディ以外に感じねぇ。二十程度はまともな魔力を持ってる奴らが居るらしいが、お前ら二人と比べたらどいつもこいつも大したことねぇ。数に入れるだけ無駄だ」「それは武装局員のことか? いくらなんでもその言い方は彼らに失礼だぞ」「ならお前はどう思ってんだ? 個々の力はお前に匹敵するのか? それぞれが高い魔力と優れた戦闘能力を備えているのか? 何故フェイト達が逃げようとした時に出てこなかった? 足手纏いになるからだろ?」「………それは」「世辞を言っても死人が出るだけだぜ」武装局員を半ば無能呼ばわりまでされても、私は何も反論出来ない。彼が言っていることは非常に厳しいが事実だからだ。優れた高ランク魔導師が数人居れば、数十人の低ランク魔導師が束になっても勝ち目は薄い。それだけ魔導師ランクというのは絶対的に近い力の差を表している。勿論、魔力値とランクが必ずしも実戦でそのまま通用する訳では無い。その時の状況や戦略と戦術、指揮官の能力や執った作戦などによって戦況は大きく変わり、得られる戦果も一つではない。確かに低魔力、低ランクでも優秀な魔導師は存在するが、それは本当にごく一部だけ。ミッドが魔法主義である以上、才能さえあれば年齢は問わない。実力さえあれば使う。だが、実際に高い魔力と才能を持ち合わせた者は非常に少ない。AAAを越える魔力を持つ者は、管理局全体で5%すら満たない。そして、高い魔力と才能を持ち合わせた魔導師はたった一人で戦況を塗り替える実力を持っている。長年管理局に勤めて居るが、戦術で戦略をひっくり返す魔導師を今まで何人も見てきた。「以上の点から見て、お前達時空管理局、もしくはこの艦は戦闘をこなせる魔導師が不足している」ズバリ言い当てられた。管理局は慢性的な人手不足。それにしても、どうしてこんなに的確に核心を突けるのだろうか? カマをかけるのとは少し違う断定するような言い方。まるで、かつて自分も人手不足に悩む似たような組織に所属していたかのような口ぶりだ。「で、危機感を煽るような事実を聞かせた上で時間をこちらを与える。そうすりゃ自ずと考えることは今回の件になる。当然だな、この世界が滅ぶとか言われたんだ」ソルくんは肩を竦める。「そんなことを言われて、はいそうですかと大人しく元の生活に戻れるか? 答えは否だ。そもそも俺達は認識が足りてなかったとはいえ、ジュエルシードを放置するのは危険だと判断して今までやってきたんだ、今更引っ込みつかねぇぜ。自分にも何か出来るんじゃないのか? まともな奴だったらそう考えるようになる筈だ」此処に来てようやくソルくんが何を言いたいのか、私とソルくんを除く皆が理解し、はっとなる。「例えばなのはだったらこう思うだろうな。今までの日常が脅かされそうな状況で、自分にはそれをなんとかする力がある、魔法の力がある、と」皆が一斉になのはさんを見る。彼女はそれに少し驚きながらも「………そうだね。私だったらお兄ちゃんが言った通りのこと考えると思うよ」と笑った。「その後は簡単だな。もう一度話す機会が与えられてんだ。その時に協力させてくれと自ら申し込めばいい………それが狙いだろ?」実に巧妙な意識誘導だな、と冷笑される。「ただ同然で手に入れた協力者。しかも、ユーノの話じゃなのは並に魔力を持っている人間ってのは随分と稀有な存在らしいな? さぞかし、良い捨て駒扱い出来るだろうな」「………捨て駒? 私を?」なのはさんが不安そうな眼で私の方を見る。その眼は不信と疑惑と恐怖が込められており、自らを安心させるようにソルくんの腕にしがみつくその姿は、明らかに怯えていた。そんななのはさんの様子に、危機感を覚えたクロノが焦ったように喚いた。「か、母さん!! 何か言い返してください!! このままでは我々管理局が誤解されてしまいます!!」「そうですよ艦長。私達は別にそんなつもりは無いってソルくんにガツンと言ってやってください」エイミィもクロノと同様に声を出す。しかし、私は言い返すことが出来なかった。「………そんな」「嘘でしょ?」二人は信じられない、裏切られた、といった絶望的な声が聞こえる。―――異質だ。彼の視線、洞察力、威圧感、とても子どもとは思えない。明らかに”戦い”と”組織”いうものが何たるかを熟知している人間だ。一体どんな生活をすればこんな風に育つというの。「違うというなら俺を納得させられるだけの理由を寄越せ。もし、答えられないなら俺はお前達を信用しねぇ。今まで通り勝手にやらせてもらう」言って立ち上がり、なのはさんとユーノくんを促し部屋を出て行こうとする。「待って!!」私は思わず叫んでいた。ソルくんの冷たい眼が、なのはさんとユーノくんの疑心暗鬼に囚われたような眼が私を射抜く。そんな彼らに誠心誠意を込めて私は頭を下げた。「………白状します。ソルくんが言ったように、そうなるように誘導したことは事実です。少なくとも私の立場からは貴方達に協力要請をする訳にはいかないから。こんな卑怯な手段を取ってごめんなさい」「艦長、どうしてですか?」「理由を………聞かせてください」クロノとエイミィが震えた声で聞いてくる。「ソルくんの推測通りよ。二人も知ってるでしょうけど管理局は慢性的な人手不足。この艦に今乗り込んでいる者達ですら、武装局員を抜くと数名程度しか戦闘出来る者が居ません。正直言って、今の戦力では不安なのよ」内心の吐露と同時に、今の管理局の現状を説明する。「そんな時に観測された高い魔力値。しかも管理局で5%も存在しないAAAランクが二つ。なのはさんとフェイトさんのことです」ソルくんに向き直る。「さらに、地球に来るまでに一度、クロノを現場に行かせる数分前に一度、そしてさっきの戦闘で一瞬だけソルくんからオーバーSが観測されました」「で?」「はっきり言って私は喉から手が出る程貴方達が欲しい。でも、貴方達が拒絶を示すようなら無理強いはしません。もし協力してくれていたとしても、危険があれば必ず守るつもりでした。どうかそれだけは信じてください」改めて深々と頭を下げる。「お願いします。私達に、力を貸してください」しばらくの間、ソルくん以外が沈痛な面持ちで沈黙が続いた。「………ハナっから、そういう態度を取ってりゃいいんだ」やがて、ソルくんがやれやれと鬱陶しそうに溜息を吐いた。こいつの思惑通りになるのは癪だったので、思ったことを筋道立てて喋ってやったらあっさり認めやがった。どうやら引き際ってもんは分かってるらしい。此処でとぼけたことを抜かすような連中だったら、問答無用で黒焦げになってもらうつもりだったんだが。まあいい。初めは厄介な第三勢力が出てきたと思ったが、こいつらはこいつらで使えそうだ。せいぜいフェイトを救う為に利用してやる。子どもを戦場に送り込むようないけ好かないことを『人手不足』という理由に平気で行うような組織だが、そんなことを言えば聖騎士団も似たようなもんだったからな、あまり口汚く罵れん。ま、聖騎士団はどちらかと言うと常に人手不足ではあるが、入団希望者は後を絶たなかった。聖戦時代は何処も彼処もギアの襲撃の所為で村や町が潰されるのは何時ものこと。勿論、その度に一定数の死人が出る、世界規模で。親、子ども、兄弟姉妹、その他の血縁関係、友人知人、恋人、伴侶。そういった自分にとって大切な者達がギアによって殺される。ギアに向けられる感情は畏怖と嫌悪。それにプラスして憎悪が盛り込まれる。そうなると、誰も彼もが敵討ちを求めて先を争うように聖騎士団に入団したいと集まった。だが、人類の守護者にして最後の希望とまで言われた聖騎士団は、対ギア戦闘のエリート組織。そう簡単に入団出来る訳じゃねぇ。入団する以上、最低限の戦闘能力もしくは特殊技能が求められたのは当然の話だ。その中には少年兵って奴も居た。クロノくらいの年齢、下手すりゃもっと年下の団員達。入団出来たことは運が良いのか悪いのか知らんが、そいつらガキ共は人類の天敵であるギアを殺すことを正義とし、血塗れになるまで戦い、ある者はそのまま死に、ある者は仲間の屍を乗り越えて戦い続けた。それが百年近く続いた聖戦では当たり前だった。物心ついた頃から戦場に出て、ギアと戦うことを日常として育った奴が大勢居た。その中で力と才能が無い者達から死んでいき、逆に力と才能がある奴は戦場で強くなり、強くなった分だけギアを屠っていった。だから、時空管理局やリンディのことをそこまで否定的に考える気にはならない。確かに掲げる理念や思想、組織の存在理由と目的は全く違うものだ。片や世界の滅亡を未然に防ぐ警察兼司法機関の時空管理局。片や人類の天敵と戦う戦闘集団の聖騎士団。全く違う組織だが、何処か似ているような気がする。もっとも、なのは達を関わらせたくない組織であることはどちらも変わりないがな。リンディから正式な協力要請を受け、俺はそれを承諾した。「協力はしてやる。だが、それは俺だけだ」「なっ、お兄ちゃんっ!?」「ソル!? それは一体どういうことだ!?」やっぱりなのはとユーノが文句言ってきやがったか。「さっき聞いた通り、世界の命運が懸かってるかもしれねぇんだ。そんな危険なことにお前ら二人を首突っ込ませる訳にはいかねぇんだよ」「危険なのはお兄ちゃんも一緒じゃない!!」「俺はいいんだ」「どうして!?」「理由なんざどうだっていい」「そんなの答えになってないぞ、ソル!!」「そうだよ!! どうしてお兄ちゃんはよくて、私とユーノくんはダメなの!? 答えてくれなきゃ納得出来ないよ!!!」「今まではほとんど僕となのはを見てるだけだった癖して、いざ世界が滅ぶと聞いたら今度は除け者か!? 危険だなんて、そんなことソルだって承知の上だったじゃないか!!!」なのはとユーノが立ち上がり、それぞれの中にあるものをぶつけてくる。「僕はソルがジュエルシードに関わるって言うなら絶対に降りないぞ。絶対にだ!!」「私だって、お兄ちゃん一人だけに危ないことさせられないよ。私も一緒に戦う!!」「………調子に乗るなよガキ共」「「っ!!」」怒気を孕ませた声で二人を黙らせる。「もう、事態はお前らの手から離れたんだ。そこんところ理解しろ」「でも、リンディさんだって私達が居れば」「俺一人で十分だ。そもそも、俺の認識が甘かった所為でお前らにジュエルシードの回収を任せてたんだ。あの石が予想を遥かに超えた危険物だと分かった以上、もうお前らに任せる気は無ぇ」「………」なのはの頭に手を乗せ、諭すように優しく言う。「ガキが首突っ込んでいいのはもう終いだ。お前は大人しくユーノと一緒に俺の帰りを待ってろ。いいな?」俯いてしまって表情は見えないが、俺がなのはとユーノを同行させる気は無いと理解した筈だ。俺がこういう風に言い聞かせている時は、大抵なのはの身を案じている場合が多いからだ。「ユーノも分かってくれるな?」ジュエルシードを発掘した張本人であるユーノは責任を感じている。ある意味心情的にはなのはより反対するだろうが、その分頭と物分りが良く、融通が利く。反対する訳が無い。しかし、「………嫌だよ」「な、何?」予想とは百八十度違うユーノの返事に俺は固まってしまった。「ソルは、僕に言ったじゃないか!! 僕は万能じゃない、でも、無能でもないって!! 僕には僕にしか出来ない、僕がしなければならないことがある筈だ、それを成し遂げろって!!!」ユーノは眼に涙を溜めていた。そんな状態で己の魂を震わせるように力強い口調で吼えた。「僕は、嬉しかった。とんでもないことをしでかしたと後悔していたあの時、ソルの言葉にどれだけ救われたか」「………ユーノ」「だから、僕は諦めない。たとえキミが反対しようと、僕は自分の成すべきことをやり遂げる!!!」精一杯の力を込めてそんなことを言う姿は、今まで見てきた中で一番”強い”ユーノだった。「ジュエルシードを発掘してしまった責任とか、そんなんじゃない!! 僕は必ずキミを認めさせて、キミと同じ土俵に立ってみせる!!!」今のユーノの姿は、記憶の中に居るあいつに似ていた。『私は必ず、お前に勝ってみせる!!!』懐かしい。生意気で、諦めの悪いあいつにそっくりだ。だが、実際どうする? 此処まで覚悟を決めてるとなると、放置すれば勝手にジュエルシードを一人で集めそうだ。しばし黙考していると、なのはが俯かせていた顔上げ、極上の笑みを浮かべる。「まさかお前もか?」「うん、当然だよ!! お兄ちゃんは私を誰の妹だと思ってるの? 私はソル=バッドガイの妹なんだよ!! 誰がなんと言おうと、自分が進むと決めた道は邪魔なものを全て薙ぎ倒して突き進むんだよ!! お兄ちゃんみたいに!!!」ちっ、と俺は舌打ちした。どいつもこいつも、どうして誰かの誰にも似なくていい所ばっかり似るんだ?このまま頭ごなしに抑えつけても、俺の眼から離れたら絶対に二人で何か始めそうだ。もしそんなことになるぐらいなら、眼の届く範囲内に居てくれた方がまだマシだ。「………覚悟はできてんだろうな?」「そんなこと、百も承知だ!!!」「全力全開!!!」―――威勢の良い返事寄越しやがって!!!「俺の言うことを必ず守ると約束出来るか?」「もっちろん!!」「当たり前じゃないか!!」全くこいつらは………俺にみたいに面倒臭ぇとか思ったりしないんだろうか?「ったく………好きにしろ。今回だけだからな!!!」「「うん!!!」」こうして俺達は時空管理局と協力体制を取ることになった。