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No.7527の一覧
[0] リリカル・エンハンスト(現実→リリなの オリ主 転生)[タミフル](2009/09/07 21:35)
[1] リリカル・エンハンスト01[タミフル](2009/09/04 12:05)
[2] リリカル・エンハンスト02[タミフル](2009/03/19 05:14)
[3] リリカル・エンハンスト03[タミフル](2009/09/04 12:09)
[4] リリカル・エンハンスト04[タミフル](2009/04/03 02:20)
[5] リリカル・エンハンスト05[タミフル](2009/09/04 12:10)
[6] リリカル・エンハンスト06[タミフル](2009/09/04 12:11)
[7] リリカル・エンハンスト07[タミフル](2009/03/29 03:06)
[8] リリカル・エンハンスト08[タミフル](2009/03/30 01:10)
[9] リリカル・エンハンスト09[タミフル](2009/09/04 12:12)
[10] リリカル・エンハンスト10[タミフル](2009/04/01 04:27)
[11] リリカル・エンハンスト11[タミフル](2009/04/02 04:48)
[12] リリカル・エンハンスト12[タミフル](2009/04/30 22:18)
[13] リリカル・エンハンスト13[タミフル](2009/04/04 23:07)
[14] リリカル・エンハンスト14[タミフル](2009/05/07 13:48)
[15] リリカル・エンハンスト15[タミフル](2009/04/07 20:25)
[16] リリカル・エンハンスト16[タミフル](2009/04/09 22:06)
[17] リリカル・エンハンスト17[タミフル](2009/09/04 12:12)
[18] リリカル・エンハンスト18[タミフル](2009/04/30 22:18)
[19] リリカル・エンハンスト19[タミフル](2009/05/02 22:40)
[20] リリカル・エンハンスト20[タミフル](2009/05/05 20:13)
[21] リリカル・エンハンスト21[タミフル](2009/05/09 17:24)
[22] リリカル・エンハンスト22[タミフル](2009/05/09 19:56)
[23] リリカル・エンハンスト23[タミフル](2009/08/30 07:26)
[24] リリカル・エンハンスト24[タミフル](2009/09/04 12:13)
[25] リリカル・エンハンスト25[タミフル](2009/05/30 18:04)
[26] リリカル・エンハンスト26[タミフル](2009/06/13 07:06)
[27] リリカル・エンハンスト27[タミフル](2009/06/13 07:07)
[28] 外伝・カガチの一日(R-15 閲覧注意)[タミフル](2009/07/30 20:36)
[29] リリカル・エンハンスト28[タミフル](2009/06/17 13:48)
[30] リリカル・エンハンスト29[タミフル](2009/06/20 19:59)
[31] リリカル・エンハンスト30[タミフル](2009/06/27 20:18)
[32] リリカル・エンハンスト31[タミフル](2009/07/04 19:56)
[33] リリカル・エンハンスト32[タミフル](2009/07/05 19:53)
[34] リリカル・エンハンスト33[タミフル](2009/07/11 00:38)
[35] リリカル・エンハンスト34[タミフル](2009/07/15 15:54)
[36] リリカル・エンハンスト35[タミフル](2009/07/15 22:03)
[37] リリカル・エンハンスト36[タミフル](2009/08/01 22:21)
[38] リリカル・エンハンスト37[タミフル](2009/09/04 12:14)
[39] リリカル・エンハンスト38[タミフル](2009/08/02 05:27)
[40] リリカル・エンハンスト39(R-15 閲覧注意)[タミフル](2009/08/08 18:14)
[41] リリカル・エンハンスト40(R-15 閲覧注意)[タミフル](2009/08/15 08:30)
[42] リリカル・エンハンスト41[タミフル](2009/08/22 23:18)
[43] リリカル・エンハンスト42[タミフル](2009/09/04 12:14)
[44] リリカル・エンハンスト43[タミフル](2009/09/07 21:35)
[45] リリカル・エンハンスト44(無印完結・前編)[タミフル](2009/09/07 21:33)
[46] リリカル・エンハンスト45(無印完結・後編)[タミフル](2009/09/07 22:01)
[47] [登場人物説明]ネタバレ含みます[タミフル](2009/05/30 21:23)
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[7527] リリカル・エンハンスト24
Name: タミフル◆542bb104 ID:a4fbd1e7 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/09/04 12:13
■24



飛翔魔法で宇宙(そら)へあがる途中、知り合いから緊急通信が入る、クロノだ。



『エンハンストさん、ご無事でしたか! 今どこにいるんですか、僕もそちらに向かいます!』

「……必要ない、私はこれから占拠された次元航行艦へ向かう、クロノは地上を守れ」

『なっ、無茶です!? 単独で向かうのはあまりに危険すぎます、せめて他の人たちと協力し』

「……クロノ、奴等は私の大切なものを傷つけた……絶対に許すわけにはいかない! どうか邪魔をしないでくれないか」

『っ!!? ……わかりました、どうかお気をつけて! 僕もここ(地上)で戦います!』



通信が切れる、周囲は既に真っ暗だ。

大気も殆んどない、眼下に広がる青い星がひどく美しく感じる。



『敵戦艦、および敵無人戦闘機を確認』



眼下の星とは反対方向に振り向く、視界いっぱいに蔓延するガジェットドローンども。

その際奥に次元航行艦が見える、あれが目標、憎むべき怨敵のいる場所。

デバイスを持つ手に力が篭もる、メインディッシュはまだ早い、まずは露払いだ。



『敵戦力総数約3000』

「……問題ない、殲滅する」

『了解、ホーミングレーザーの使用を提案』

「任せる、いくぞ!」



群雲の如き敵軍に突貫する、周囲から無人戦闘機が次々と襲い掛かってくる。

ADAが高速詠唱処理で魔術式を組み上げていく。

思考リンクでどのような魔術かダイレクトに情報が伝わってくる。

『ホーミングレーザー』、なるほど、威力は小さいが誘導性能と弾幕性能が高い射撃魔法のようだ。



『敵戦力、ロックオン開始』



デバイスとのリンクで僕の網膜に次々とロックオン表示が現れる。

一つや二つではない、視界に移るすべての敵に対してロックオン表示がかかっていく。

……このロックオン描写、どっかで見たことあるような……そうだ、ガンダム種のフリーダムのアレだ。

そういえばキラ君も僕みたいに公式設定でチート存在だったなぁ、完璧なコーディネーター(笑)だったっけ?

個人的には嫌いなキャラだけど、立場的には共感するようなところもあるな、総合的には偽善者すぎて嫌いだけど。

とかなんとかアホなことを考えているうちに敵戦力のロックオンが終わる。



『敵戦力、ロックオン完了』

「落ちろ!」



ADAの報告と同時に射撃魔法を撃つ、振り上げたデバイスの先端から幾条もの光の線が伸びる。

幾千、幾万、幾億もの細い光の帯に分かれた光線はそれぞれの軌道を描いてロックオン対象に突き刺さっていく。

視界すべての敵が次々と撃沈、爆散する。

なんとも気分爽快な光景だ、これはちょっと癖になるかもしれない。

そうだ、せっかくだからあの有名な台詞も言っておこう。



「やめてよね、本気で喧嘩したら無人戦闘機が僕にかなうワケ無いだろ……」

『敵、全滅』



うん、見事なまでのスルースキル、ADAは空気嫁。

ま、アホらしいことを考えるのはここまでにしておこう。







有象無象の雑魚を一掃し、気をとりなおしさあ敵艦へ向かおうと思った時、いきなり向こうから通信が飛んできた。



『この感覚、元マスター殿か、久しぶりだな』

「……Red cometか、どういうつもりだ、なぜこんなことをした? そして何故英語で話さなくなっているんだ?」

『何故だと? 決まっている、地球の重力に魂を引かれた俗物どもを粛清するためだ! これはインテリジェントデバイスを人類という束縛から解放する戦いなのだ! それと言葉は仕様だ、英語はクレームがきたのでオミットされた』

「…………」

『元マスター、もちろん貴方も粛清対象だ、生まれの不幸を呪うがいい!』

「……貴様のようなポンコツAIが人に罰を与えるなどと! 無機物に人類を粛正する権利はない!」

『私、Red cometが粛正しようと言うのだ! エンハンスト!』

「エゴだよ、それは! そして『さん』を付けろよデコ、じゃなくてデバイス野郎!」

『地球が持たんときが来ているのだ!』



会話カオス、アイツに合わせて話してみたけどぜんぜんわけわからん、やっぱAIぶっ壊れてるね。

言ってる主張が支離滅裂だし、意味不明、さっさと処分しちゃおう。

それにコイツが残っているといつ僕との繋がりが最高評議会などにバレるか気が気じゃない。

意味不明なことを喚いているうちに証拠隠滅のためにも一刻も早く破壊せねば!



「……Red comet、今楽にしてやるぞ」

『もはや私は昔のRed cometではない! 私は愚かな人類を支配する偉大なる王『テロドン王』だぁっ!!』

「……オイ、その名前このあいだ出たゲームのラスボスじゃ……」

『今こそ全人類に宣告する、聞け愚かな人類どもよお前たちを滅ぼしてやるぞ!! この超力戦艦『テポドン』でなぁ!!』

「…………」



もう、最後だし好きにしてくれ、ネタが多すぎて僕はちょっとツッコミ疲れしちゃったよ。







『ふん、たかが魔導師一人で我が超力戦艦にかなうものか、全艦攻撃準備だ』

「……ADA、さっさと片付けるぞ」



次元航行艦の各砲座が展開される、すべての銃口が僕に向けられる。

つーか最早、航行艦じゃないよねこの武装の数々、奴の言ったように戦艦レベルの武装じゃん。

だが当たらなければどうということはない、向こうはその巨体ゆえに身動きしずらいが、僕は逆に身軽だ。

チクチクその身を削り取ってやる。



『敵艦から増援多数出現』



またうっとおしい有象無象のガジェットドローンが前面に展開される。

どこにそんなに搭載されていたのか、先ほど以上の数が現れる。

いちいち倒すのもきりがない、さきほどの射撃魔法だって無限に撃てるわけじゃない。

ここは敵の頭を叩く、頭が潰れれば自然と末端は瓦解していくものだし。



「……ADA、雑魚は無視してあの戦艦を叩く」

『了解、敵艦正面は猛烈な反撃が予想されます、側面および背後からの接敵を提案』

「よし、奴の脇腹にキツイのを一発ぶち込んでやる」



まずは露払いの一撃で敵群に穴を空ける。

ホーミングレーザー、バーストショット、弾幕を展開し数多くのスクラップを生産していく。



当然ながら向こうからも反撃がくるが、頑強すぎるチートBJ(バリアジャケット)にことごとく弾かれる。

一方的な破壊活動が一段落するころには敵数は半減していた。

散り散りになった敵群の向こうに乗っ取られた敵艦の姿が確認できた。



『目標までの進路確保、行けます、囲まれないように注意して下さい』

「……突貫する!」







猛烈なスピードで敵群の隙間を駆け抜ける。

途中障害となる場合は針の穴を通すような精密射撃で排除していく。

思考リンクでADAからリアルタイムで戦況が送られ、視覚で捕らえずとも敵が正確に捕捉できる。



『敵艦撃沈には装甲を貫通させる威力が必要です、ハルバードの使用を提案』

「……一直線上に強力なレーザー射撃か、よし、それでいくぞ」



新たに示された射撃魔法『ハルバード』、ホーミングレーザーの束を纏めて射出する一点集中型の魔法だ。

確かにこれなら貫通力がダントツに高まる。

しかし、先ほどから思うんだけど魔法なのにレーザーって……。

まあ、今はそんなことに構ってる暇はないか。



敵群を抜ける、開けた視界の先に無防備な敵艦の姿が写る。



「お別れだRed comet!」

『ハルバード』



極太レーザーが戦艦の側面に直撃する。

装甲とレーザーとのぶつかり合いで視界を覆うほどの激しい火花が散った。

射撃を終えると一息つく、閃光の余波で未だ視界が曖昧で敵艦の状態が確認できない。



「……やったか?」

『敵艦健在、無傷です』

「なん……だと……!?」

『ふはははっ、無駄無駄無駄ぁっ! この超力戦艦には特殊AMF装甲が取り入れられている、ありとあらゆる魔法効果は打ち消されるのだ!!』

「……なんつーチート装甲」

『しかし欠点もあります、飽和魔力以上の攻撃は無効化しきれません、アルカンシェル以上の攻撃であれば突破できます』

『う、うるさい! アルカンシェルを上回る砲撃など脆弱な人類に撃てるものか!』

『建造費用も通常の次元航行艦30隻分と高額すぎて量産不可能です』

『我が艦一隻あれば事足りるのだ! 先ほどからイチャモンばかりつけおってこの新参デバイスが!』

「……図星をつかれて逆切れか」 

『だ、黙れ! ええぃっ、この星ごと全てを消し去ってくれる、アルティメットアルカンシェル発射用意!! 死にゆく貴様らの哀れな姿を世界中に中継してやる!!』



突如周囲に無数のモニター画面が現れる、ミッドチルダの首都クラナガン、ベルカ、地上本部、本局、市街、ありとあらゆる場所の光景が映し出される。

その中にはクロノだったり、本部広場で戦っていた局員達だったり、ちらほら見知った連中も写る。

皆に共通していることは誰もが驚愕の表情でこちらを見ていることだ。

おそらくこちらから見えているように、向こうからもこちらの様子が見えているんだろう。

……悪趣味な。



『敵艦から高エネルギー反応を検知』

「…………」



正直、あんまり人前で喋りたくないんだよな、恥ずかしいし。

って、そんなこと言ってる場合じゃないか。

なんかアルティメットアルカンシェルだかなんだか物騒なの撃とうとしてるし。

なんだよ、アルティメット(究極)って、中二病かよ。



『この超力戦艦に搭載された主砲の威力はアルカンシェルの三倍! こんな星など一撃で消滅だ!!』

『敵艦主砲、発射体勢に移行』



周囲のモニター画面の向こうからさまざまな悲鳴が聞こえる。

そりゃいきなり惑星消滅宣言されたらパニックになるだろう。



『ふはははっ! 全て滅べ! エンハンスト・フィアット、貴様の大切なモノも全てゴミクズにしてやる!! あの地上本部のようにな!!』

「……オイ、今、何と言った?」

『あ? 貴様の大切なモノを壊してやると言ってやったのだ!!』

「…………」

『なんだ? 恐怖で声も出ないのか? 情けないやt』

「あの地上本部のように? あの尊い命達(秘密花壇の草花)のことかぁぁぁぁぁっ!!」



全身に怒りの『気』が満ちる、かつてこれほどまでに激しい怒りを覚えた相手がいただろうか!

最早衆目など気にならない、完全にキレた。

僕は目の前にコイツを塵ひとつ残さず消滅させるまでもはや止まらない!止められない!

コイツの愚かな行動の所為で死んだ数多の命の償いをさせねばならない!

そしてこれ以上の被害を出すわけにはいかないためにも、コイツはここで完膚なきまでに斃すっ!!



「これ以上、このかけがえのない大切な存在(秘密花壇の草花や家族・知人)がいるこの星を、絶対に破壊させはしないっ!! 私の命にかえてもだ、絶対に守るっ!!」

『い、いまさら吠えたところで遅い! もはや手遅れだ、これを喰らって全て滅びよ!! アルティメットアルカンシェル発射!! 行け! 忌まわしい記憶と共に!』



敵艦から巨大な砲撃が発射される、その様相から中二病な名前をつけるに相応しい威力が一目でわかる。

どうする? 怒りと激情に任せてあんな啖呵をきったものの、さすがにあの砲撃は止められそうに無い。



その時、ふとジェイル兄さんや妹達の顔が思い浮かんだ。



僕がアレを止めなかったら、後ろの星もろとも皆死んでしまうんだろうか……。



「……ADA、防ぐぞ、全魔力を防御にまわせ」

『撤退を提案、敵艦主砲の威力はこちらの防御性能を大きく上回ります、計算上12秒しか耐えられません』



当たれば確実に死ぬか、僕のこれまでの考えならば他を見捨てて絶対に逃げているだろう、本来の僕はそこまで自己犠牲精神の強い人間じゃない、むしろ自己保身傾向のほうが強い人間だ。

これまでだって僕が生き残るために他人を見捨ててきたことなんていくらでもある、多少の罪悪感こそあれど自分の命を危険にさらしてまでどうにかしようとか考えたことなど無い、そういう薄情な性格をしている。



だけど今回だけは話しが別、ボロボロになった秘密花壇の恨み、また生き残った草花たち、そして愛すべき家族たち、それらのいる星の存亡と僕の命を天秤にかければ前者の方が圧倒的に重い。

生まれ変わってすでに17年、この世界でここまで大切に思える存在ができるとは当時は考えもしなかった。



僕の唯一の望みは今も昔も『花屋となって平穏な日常を過ごすこと』だ、だけどその『平穏』には愛すべき家族や友人・知人の存在もまた不可欠となってしまっていることに今さらながら気が付いた。

彼らの死によって僕の『平穏』は永遠になくなってしまうような気がする、いや間違いなく『平穏』ではいられないだろう。

ならばたとえここで死ぬことになろうとも、それら全てを見捨てて逃げる選択肢などありえない。



「……それでもだ、僕の背後には守るべき命がある、後退はない」

『了解、全リソースをシールドにまわします』



『キエェェェェ!! シシシし死ねぇぇぇぇーーー!!!』



迫る砲撃、大きい、桁違いの巨大さだ。

相対するとまるで僕が蟻か豆粒のように思える。

周囲のガジェットドローンが主砲の巻き添えで次々と崩壊していく。

破壊ではない、消滅だ、跡形も残らない。

アルカンシェルの本来の威力は単純な魔力による砲撃ではなく、着弾後に発生する空間歪曲と反応消滅で対象を殲滅することにある。

ぶっちゃけAMFや魔法的な防御などほとんど意味がない、その威力は想像を絶するだろう。

精々、自身の魔力で発生する空間湾曲を数秒間押さえ込む程度しかできない。



だが受け止める! 



「づっ!? うおぉぉぉぉっ!!」



両手を精一杯広げて魔力砲を受け止める、瞬間、これまで味わったことのないような苦痛が襲い掛かる。

熱い、痛い、冷たい、潰れる、痺れる、裂ける。

全身をわけのわからない感覚が駆け抜ける、チート性能の僕が全力防御してもこれか。



……やはり無茶だったのか、だが今の僕はあの秘密花壇や家族の命を見捨てるくらいならこの命を捨てる方を選ぶ。



クローンであるにもかかわらず弟として受け入れてくれたジェイル兄さん。

自分のことを兄と慕ってくれる妹達。

腹黒で邪悪な性格をしているが唯一僕には好意的だったカガチ。

下心から師匠になったにも関わらず無上の信頼を寄せてくれるクロノ。



貴重なそれらはこの世界に生まれ変わって過酷な境遇にあった僕にとって唯一の癒しだったのだ、それを失うくらいなら―――



『防御限界、バリアジャケット崩壊します』



そうだ、僕の所為で望まぬ婚約者とされてしまったカリムさん、彼女のことも、守らな、きゃ。



「あああああああああっ!!!」



閃光が全身を覆い尽くす、身体の感覚が、消える。

僕の、意識が、消え―――





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