「あ~~…ベンチで寝るもんじゃないな~、体中痛いわ」「マスター、おはようございます」『おはよう。早速行動を始めよう。昨日のうちにこの町の地形を把握しといたよ』「じゃあ行きますか」第9話「バーニングさん登場!?」「スカさんが行きたいアパートってここらへんだよな?」『ああ、あそこの角を右に曲がってくれ』朝早くおきて飯も食わずに行動しているのだがそろそろちらほらと、登校している子供が目立ってきた。幸い、肉体的に俺たちも子供だから、目立つってことはなかった。「このぐらいの時間だと子供が目立つな」『夜だと警察に見つかったら補導だからね。おや、見えてきたよ』角を曲がり奥を見てみるといかにもボロいアパートが建っていた。「…これ?」『これだよ、ここに今日から住もうと思う』目の前のアパートは、お世辞にも綺麗とはいえない、なんとも言えないものがあった。地震が来れば倒れるだろ、これ。「レトロで素敵です」「それ、かなり無理してない?」ナズナのフォローも少し厳しい。『ほら! 早く管理人に挨拶しに行きなさい』「…なんか嫌なんだが…」スカさんの方が頭もいいし、これもスカさんの考えがあっての行動なんだろう。…信じていいんだよね?「すいませーん」「はい」ドアをノックしてすぐに出てきたのは、リリカルワールドには登場できない普通のおばちゃんだった。いや、リンディが特殊なだけかもしれないが…「あのすみまs『ジェイルフラッシュ!!』へっ?」挨拶しようと頭を下げようとした瞬間に右手の中指にはめていた指輪が光りおばさんが光を見て、ばたりと倒れてしまった。「スカさーーーーーーーーーーん!!!!! なにいきなり殺ってんの! おばさん大丈夫ですか!?」倒れたおばさんに即座に近寄り介抱する。おばさんは倒れたときに少し頭を打ったのか頭を押さえながら起き上がってくれた。「大丈夫ですか? 頭いたくありませんか?」ナズナがハンカチを出して渡していた。「ああ…大丈夫、少し貧血でくらっとしただけだよ“ナズナちゃん”」…………は?「ようやく来たんだね、二人とも。さあ部屋に案内するから、ついておいで」おばさんは少しふらふらしながらナズナの手を引いていった。えーと、状況がよくつかめないんだが…スカさん…あんたまさか…『洗脳魔法さ』「とりあえず一言いっとくけどさ、やる前になんか言ってくれない?心臓に悪いんですけど」『………考えとこう』考えとこうということは、声かけることじゃないってことね。…泣いていい?「何か用があればよんどくれ」部屋の説明を終えておばさんは部屋を出て行く、なぜかおばさんは最後までニコニコして帰っていった。あのニコニコ顔が俺の罪悪感をひしひしと感じさせたんだが。『二人は少し散歩でもしてきたまえ。私は少しここでしたいことがあるからね』机の上においてあるのをを持っていくといい、とスカさんは言って再び光り虚ろな目をしたおばさんがまた部屋に入ってきて俺の指からスカさんを取り押入れの中に一緒に入ってしまった。「おばさん…何もできない俺を許してくれ…」「マスター、ドクターがこれを持って外に行けばいいといってました。行きましょう」ナズナが財布らしきものを持って外に俺をひっぱてくナズナの財布らしきものがさっきおばさんのポケットに入っていた財布とよく似ていた。そっくりだ。偶然ってあるもんだよな。「マスター、何処に行きますか?」「腹すいてきたし、ご飯でも食べに行こう」「はい、ついでに夕飯の買い物もしていきましょう」「そうだな。時間は…もうお昼前か」少し警察に補導されないか心配だが、何とかなるだろう。「じゃあ蕎麦食いに行こう。蕎麦」「蕎麦ですか?私はうどんのほうが…」ご飯を食べて買い物をし終わったときにはすっかり辺りは夕暮れだった。「遅くなる前に帰るか」「はい」「あっ荷物は俺が持つよ」「いえ、私が…」「戦闘はナズナに頼りっぱなしだし、こういうことぐらいは俺がやるよ」「…わかりました」ナズナから荷物を受け取り、帰ることにした。軽く買い物するだけだったのに、食料や服を選んでるうちに時間がたってしまったな。今のナズナは、頭に帽子を被っている。この町にはなのはを知る人が多くいるので一応のカモフラージュだ。その帽子を深く被っていたせいか、目の前が見にくかったらしく、人とぶつかってしまった。「すっすみません」「お前どこに目つけてんだよぉ」ぶつかってしまった相手は子供だが、見た目はジャイアンだった。…あっ!隣にスネオもどきもいる。そういえば、この世界にもドラえもんって放送してるのかな? してるとしたらどっちの声なんだろう…「そんなに深く帽子被ってるからだよぉ」「そうだぞぉーその帽子脱げば、ぶつかることもなかったんだぞぉー」…うぜぇそんなにぶつかったこときにしてんのか?ナズナの姉御。こんな奴らディバインバスターで吹き飛ばしちまいやしょう。「えと…すみません」「ごめんですんだらお巡りさんはいらないんたよぉ」「そうだぞぉー」ナズナは一般人に魔法を使うわけにはいかないのでかなり困っていた。第三者が見たら男子たちが女の子をいじめてるように見えるだろう。「こらぁーーーーー!! あんたたちーー!!!」「やべぇ! アリサだ!」「待ってよ! 一人で逃げないでよ!!」大きな怒声が聞こえるとともに、ジャイアンもどき達は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。…あれ? アリサ?「あいつら~!! あなた達大丈夫だった?!」「あ…ああ、ありがとう」「ありがっ!?」即座にナズナの口を塞ぎ、後ろに下がる。「ナズナ…今からお前は無口キャラで通すから、合わしてくれ」「? わかりました」「あなた達何してるの?」「いやいやいや!! 何でもない!!」「そう。あなたも大丈夫?」「……はい」「? …あなたの声…どこかで…」一言しか喋ってないのに気づくの早ええぇえぇ!! さすが親友だね! お兄さんびっくりだ!「ああ! いっけな~い! 卵買い忘れちゃった! 今すぐ買いに戻ろう!」「あっ! ちょっと!」ナズナの手を掴み、全力で逃げる。「助けていただいて、ありがとうさ~~ん!!!」結局、店まで一回戻り、卵を買って帰ることになった。「今度は気をつけてくれよ」「はい、マスター」まさかアリサに遭遇するとは…アリサ拉致イベントだったら絶対スルーしたのに声を聞かれたのは、少しまずかったか…いや、アリサは魔法関連には深く関与してこないし、そこまで考える必要はないか…しかし…「おっと」考え事をしてると風が強く吹いたらしく、少し体が前に押される。「あっ」ナズナの帽子も風に飛ばされていた様だ。荷物を置いて急いで帽子に駆け寄り、落ちてる帽子を拾った。「ほいよ」「ありがとうございます。マスター」にっこりと笑って、俺から帽子を受け取るナズナを見て今日のこともなんとかなるかなって気分になってしまう。まぁアリサには顔を見られてないし、大丈夫だろう。それよりアパートが要塞に変わってないかが心配だ。それにしてもさっきから風が強いな。「夕日が沈んでしまう前に今度こそ帰ろう」「はい」風は吹き続けていた。sideアリサ・バニングス…あの子の声…絶対どこかで聞いたことあるんだけど…あたしは今、車に乗りながら先ほどの女の子のことを考えていた。うちの学校の悪がきで有名な二人が誰かに絡んでいるのを見つけて、注意したのはいいんだけど…男のほうはどうでもいいけどあの女の子…顔は帽子を深く被ってるせいでよく見えなかったけれど、あの小さく聞こえた声…絶対どこかで聞いたことあるんだけどな~~!!「あ~~! 思い出せない!!」思い出せそうで思い出せない。この気持ちがあたしの苛立ちを大きくしていた。「…はあ。ちょっと風にでも当たろう」車の窓を開けて少し風に当たる。すこし冷たい風があたしの頭を冷やしてきた。そして車が信号で止まり、窓を閉めようとしたとき…「きゃっ!?」突然、風が強く吹いて髪の毛が乱れた。「うあ~…最悪…」せっかく収まってきた苛立ちがまた出てきたと思ったら、歩道に帽子が落ちていた。「あれ? あの帽子…」「よっと」気づいたときには、先ほど会った男が帽子を拾って後ろの少女に渡していた。「ほいよ」「あ…がとうござ…ます。……ター」風が強く吹き、少女の声はうまく聞きこれなかったが顔は確認できた。あの顔は…「なの…は…?」もう一度よく確認しようとしたが、車が出てしまい、それは叶わなかった。さっき、あたしが見たのは見間違いなの?でも、あの笑顔は確かになのはだった。ということは…「そっくりさん? ああ! そういえば声もなのはそっくりね!」聞いたことのある声はなのはの声だったんだ。な~んだ、すっきりした。おかげで今夜はぐっすり眠れそうね。おまけ「ヘックシュ!」「どした? 風邪か?」「いえ、風邪ではないと思うんですが…ヘッ…ヘックシュ!!」<あとがき>次回はアニメ第3話に入ると思います。早ければ今日更新できるかも…感想のナズナの、イメージについてですが確かにあんな感じですね。敵に冷たそうなとことか…そして次回、ついに主人公の名前が!感想の車の名前という意見をいただき車の名前関連にしました。では!!次回!!おまけ2キャラ紹介名前:本田 玉枝【ホンダ タマエ】通称:おばちゃん年齢:永遠の16才(48歳独身)血液型:B型出身:第97管理外世界「地球」極東地区日本・海鳴市所属:しあわせ荘階級:管理人役職:パート魔法術式:…スカ式?所持資格:漢検準1級/家庭料理技能検定2級