――――ON「この世界を支配するのは、この俺なんだーーー!!!!」「先輩、何か叫んでますけど」「放っとけ、一週間に一回はあれやるんだ」「けど…」「そして、世界中の女性を我が手に収めるーーーー!!!!」「そっすね。放っときましょう」外伝1話「悲しい痛み」世界中の女性のみんな!! こんにちは!もちろん俺の名前を知っているよな? え? 知らない!?おいおい、お前ら俺の名前も知らないのか? 全くもって駄目な奴らだな。まあ、お前らは地底の存在だし、知らないのも無理はないか! 俺の名前はセドリック・フューチャー。人は俺のことを、次元世界一の天才と呼ぶ。まあ、お前ら地底人には、分からない話だろうと思うがな。ハッハッハッハーーーッ! ハッハッハーー!!!「先輩。セドリックがまた何かしてますよ」「放っとけ。あいつ突然地底人と会話するとか言って地底ラジオとか言う発明品を作って、今試しているらしい」「へ~。で、それ可能なんですか?」「馬鹿。地底人がいること自体ありえないからな」「じゃあ、あれは何してるんすか?」「わけの分からないとこに電波いってるんじゃねえの?」凡人共が俺の才能に嫉妬して、デタラメを言っている声が聞こえるな。ハハハ! 愉快だな!それはそうと俺がお前ら地底人にコンタクトを取ったのはこんな話をするためではない。まあ、お前らが俺の存在を確認していないのも可愛そうだと思ったのもあるが今日は、女の恐ろしさについて教えといてやろうと思ってな。あれは、俺がまだ若い…と言っても一ヶ月前の出来事の話だ…――一ヶ月前「今日も太陽が眩しいな」太陽がサンサンと輝く中、俺は木の陰で休んでいた。研究に嫌気がさしたわけじゃない。ただ、外に出て新鮮な空気を吸いたくなっただけの話だ。「やっぱ、外で吸うタバコはうまい」この矛盾が最高に俺は好きだった。綺麗な空気の下で、汚いタバコを吸う。至福の瞬間と言ってもいいだろう。「お前、またサボってるのか」「あ゛?」木陰で寝ているときに突然話しかけられた方を見るとそこには、優等生の…誰だっけ?まあ、後輩から慕われている俺の同級生がいた。俺ほどじゃないけど、こいつもまあまあ顔がいいほうだと思う。蒼い髪に、オシャレな水色のピアス。服は黒系を好んで着るらしいがこの研究室で白衣以外を着る奴なんてほとんどいない。だから、俺は人伝にしか、こいつの服のセンスを聞いたことがない。「何だ? お前もサボりに来たのか」「俺は違う」「いいっていいって、隠すなよ」「俺は、自分の研究は済ましている。お前、これ以上サボると研究室にいられなくなるぞ」「それは困ったな」俺たちの研究室は、センスがある奴しか集まれないつまり俗に言うエリートを集めている研究室だ。だが、そこで評価がもらえる魔法を3ヶ月に一個作らないとその部屋から追い出される。そんなシステムだ。「俺と共同してくれよ」「却下。お前は前もそれで乗り切った」「そうだったけか?」研究と言っても一人でしなくてはいけないわけではない。二人でする奴もいれば、十人でする奴らもいる。人数は問題じゃないのだ。評価をもらえるかもらえないか、それだけ。「友達だろ? 頼む」「前も同じこと言ってきたよな」「過去のことを気にしてると、前へ進めないぜ?」「お前に言われたくねえよ」「頼むって」奴は、悩んだ顔をしている。もう一押しだな。そう思ったのが顔に出ていたのか奴は、俺の眼を見てニヤリと笑った。「いいだろう」「マジか! やっぱ持つべきものは友達だな」「ただし!」「なんだ?」「俺の出す問題に答えれたらいいぞ」なるほど。答えられなかったら協力しなしってことか。シンプルでいいじゃないか。結構好きだぜ、こういうの。「ああ、構わない」こう見えたって、エリートなんだ。甘く見られたら困るぜ。「俺の名前は?」「……」俺は一人で研究することになった。「名前…忘れてたな…」問題が終わった後、答えを求めたんだがあいつは正解も教えてくれなかった。多分、今度も同じ方法を使うんだろう。っくそ!!「研究のテーマ…どうするかね」当てもなく、フラフラと歩いていると俺の隣を美しい女性が通り抜けて言ったのが見えた。「…ふっ」俺は見た目の通り頭脳明晰だ。綺麗な女性に会ったら、告白までのシュチュエーションまで完璧に考える。あの女性は守って欲しいタイプと見た。「ついてるな…」俺は、ゆっくりと女性の後を追いばれないように家の場所を突き止めた。「ビンゴ!」あの足取りから見てそんなに遠い場所ではないと言うことはわかっていたが予想以上に、早くついた。明日から観察開始だな。一日目話しかけるタイミングを計るため、不良などが近くにいないか探す。残念ながら、不良などはいないみたいだ。彼女は、今日はコンビニに行って、適当にご飯を買っていた。「家事能力は低いっと」成績表(女性のステータス)に×をつける。二日目仕事は、俺とは違うが魔法関連の仕事と言うことが判明。魔法ではなく、デバイスのメカニックだったが腕はそこそこらしい。これは高得点だと思った。「技術者としては高いっと」○一つ三日目ついに名前が判明。アンジェリカ・アテンザ。彼女が外でうろついている時に颯爽と助ける計画を練っていたところ彼女の友達らしき人物が呼んでいた。「アンジェリカ…美しい」顔も名前も…四日目どうやら俺の予想は外れていたかもしれない。彼女は、守って欲しいタイプじゃなく、守ってあげる! というタイプかもしれない。なら今から計画を変えるべきか…だが、四日間研究を放置してここまでしたんだ。最後までこれでいこう。「俺は…自分のモテを信じる!」人生でモテ期が来るのは3回らしい。五日目さすがにそろそろ研究室にも顔を出しておかないとまずい。しかたなく今日は、観察を諦め研究室に向かい、研究のテーマを考えるが、どうも気分が乗らない。もしかしたら、俺がこうしている間に、彼女は守ってもらいたいという状況になっているかもしれない。そう考えると、研究に手がつかない。「恋は盲目だな…」「何気持ち悪いこと言ってんだ? 手伝ってやってんだからちゃんとやれ」「へ~いへい」俺の頭にタンコブ一つ。六日目もう、我慢の限界だ。俺の計算が外れたのは真に悔しいがこのまま見ていても、時間の無駄だ。下手すると、俺が研究室を追い出されてからでも動きはなさそうだ。明日、特攻を掛けるしかない。「俺としたことが柄にもなく緊張しているみたいだな…」「何ポーズ決めてんだ?キメェ」俺が食堂で飯を食いながら、悩んでいると、名前は…忘れた。前に、俺に問題を出した男がやってきて、俺の隣に座った。「おまえには関係ないだろう」「そうか、ならいい。けどそのポーズはキモイから止めといた方がいいぞ」「この格好良さがわからないか…センスないな」俺の頭にタンコブ一つ、トータル二つ。「で、何考えてたんだ?」「俺の思いを愛おしい人に伝えようと思ってな」「キモ過ぎ」俺の拳が奴の顔面を強襲するがうまくかわされ、カウンターで二発頭を殴られる。タンコブ三つ、トータル四つ。「お前、前も女に告白してなかったか?」「ああ、美しい人には声をかけるのが俺の主義だ」いや、義務と言ってもいいだろう。使命でもいいかもしれないな。響きがかっこよく感じるし「懲りないなお前。前も散々だったのに」「男は振られるほど強くなっていく」「お前何回振られたっけ?」「さあな。三桁超えた辺りから数えてないな」「お前の理論でいくと、お前最強なんだけど」手に持ってた箸を投げつけるが指の間に受け止められてしまった。ならばと、カツ丼を頭からぶっ掛けようと思ったら、弾き返され俺の頭にカツ丼が襲い掛かる。その後、頭に掛かったカツ丼を一人でむなしく食べて、風呂に向かった。「さあ! 今度こそ! 今度こそ成功させる!!」風呂に入った後、体にいい匂いがする香水をしてアンジェリカがいつも通る道で待っていることにした。「…あれは」10分ほど待っていると、アンジェリカが奥から歩いてくる。俺は、身形を整え、深く深呼吸をし、アンジェリカに向かって歩いていく。だが…「ぐはっ!?」歩いている最中に何者かに地面に組み伏せられた。体の触り心地から、思うに女だろう。「暴れんなストーカー!アンジェリカ!こいつだよ!あんたにずっと付き纏ってたの」「う、うん…」女は、俺のことを睨んできている。というか、ストーカー? 俺は断じてストーカーなんてしていない。そのことを組み伏せられながら話すと、更に女の機嫌は悪くなった。「嘘付け! お前、アンジェリカにずっと付き纏ってただろ!」「誤解だ! 愛故に何だ!!」どうやら俺の愛が誤解され、ストーカーだと思われたらしい。ならば、この誤解を解けばこの二人と接点は出来る。うまくいけばハーレムかもしれない。頑張るんだ! セドリック!!「ごちゃごちゃうるせえよ!!」「ほでゅ!!??」ここからハーレムルートが始まろうとした瞬間強気な女が俺に向かって足を振り上げ、大事な部分を強打してきた。金○マの痛みで意識が朦朧とする。「ほら! アンジェリカ! 行くよ!」「あ、うん」「お前も二度とアンジェリカに近づくなよ!」女たちは倒れてる俺を放って、どこかへ行った。後に残ったのは俺の下半身に悲しい痛みだけ。俺はあの日から取り憑かれたように研究室に閉じこもりついに完成した魔法を試そうとしていた。サッド・ペイン。あの時の気持ちをそのまま魔法にしたものだ。効果が俺の思うとおりなら、食事中に俺にタンコブを三つも作った奴の苦しむ姿が見れるはずだ。決して八つ当たりではない。魔法はいつもの木陰にセットしている。「用ってなんだ?」何も知らない奴が来た。「いや、ちょっとな…」さあ! 苦しめ!!「なんだ?」「…あれ?」魔法が発動すると思ったんだが、発動しない。「用がないなら帰るぞ」「……あ、ああ。わざわざすまないな」奴は帰ってしまった。どうやらこの魔法は失敗作だったみたいだ。しかたない。また今度頑張るか…俺は木にもたれて、しばらく眠った。――一ヵ月後どうだったか? 恐ろしかったろ? いかに女が恐ろしいかわかってもらえたか?女は美しいが、同時に怖い生き物だからな。お前ら地底人も気をつけるんだぜ?ん? 結局あの魔法は失敗作だったのかって? さあな、あんな駄作のことなんて忘れちまったよ。そんなことより、もっと面白い話が…おっと、すまないな。今日はこれからH×H53巻を買いに行かなきゃいけないんだ。それじゃあまた今度な。…あ? あいつ、つけっぱなしで行ったのか? 相変わらず馬鹿だな。地底人もいるなら聞いてくれよ。あいつ、俺に仕掛けていたらしい魔法があるんだけどそれを失敗したんだと考えてたらしくてないつも通り木陰で寝ていたんだろうな。一週間後にあいつの叫び声が木陰から聞こえてきたんだぜ? 本当に馬鹿だろ?それじゃあ今日はこれで終わりだ。じゃあな。――――OFF<あとがき>全く本編に関係のない外伝一号でした。Sad Pain誕生秘話でした。原作より千年未来の話ですけどね。外伝は書いてて楽しかったですね。また書くと思います。修行編は次回からスタート!2年くらい時間が進みます。では!また次回!!