「どうして…」『……』「どうして…こんな…」『フム…』「あんまりだ…何故…俺が…俺が何をした…」「ベルツリーさ~ん。飲んどるか~」「こっちに来て一緒に飲みましょうよ~」「……はーい…」第79話「初めても暗闇 再会も暗闇で」---あはっはっはっは!!---飲め飲め~!---誰かこれ追加してくれな~い!「…俺は…夢を見ているんだろうか?」≪残念だけど、現実だよ。だから頬を抓るのはやめなさい≫本当だ。頬を抓ったら痛い。そして真に残念なことに間の前の景色はなくならない。試しにもう一度抓ってみるけれどやっぱり目の前の景色はなくならない。…うん、現実逃避は止めよう。「どうしたんですか? ベルツリーさん?」「もしかして調子でも悪いんですか?」「いえ、ちょっと眩暈がしただけですよ」≪それは俗に調子が悪いと言うんだけどね≫俺が目の前の景色を見て呆然としているのを調子が悪いように見えたのかナガシマ姉妹が話しかけてきてくれた。お気遣いはうれしいんだけど眩暈の原因はお前らにあるんだけどね。朝にこんなことになると知っていたらこんなとこには絶対にこなかったのに…「そうですか? もし調子が悪くなったら言ってください! シャマル先生呼んできます!」「あ、どうも」シャマル先生の転移魔法でいますぐ俺の家に戻してくれたらすぐによくなるんだけどな。そんなナガシマ姉妹を眺めながら俺は朝の失態のことを思い出していた。あれは朝にいつも通りに訓練していたときだ。もうこの六課での生活に慣れてきたのか朝に誰の視線も気にすることなく朝練をするようになり今日も今日とてドクターソードの新形態とか最近のお楽しみ、デ・トのデバイス弄りをどうするか考えているときにいつも聞こえてくる賑やかな声と冷静な声ともう一つ別の声が聞こえてきた。「ベルツリ~さ~ん!!」この声はスバル。一緒に朝練をしていたときから俺のことを呼んでここに来るのが日課だった。そして後ろからティアナが申し訳なさそうに歩いてくる。これが基本だった。だけどこの日は少しだけ例外が混ざっていたのだ。「コラ! 駄目でしょスバル! こんな朝からそんなに大声出して」「ええ!! だってベルツリーさんと会うときはいつもこんな感じで…」「だからってもう少しボリューム抑えなさい」「(…? スバルとティアナ以外に誰かいるのか?)」正直このときはギンガのことなんて全く覚えてなかった。だってギンガってあんまり活躍しなかったし…改めてギンガを見たときにこんなキャラが途中で六課に来てたなと思い出したくらいだ。「ベルツリーさん! おはようございます!」「ベルツリーさん おはようございます」「ああ。…で、そちらの方は?」このときにギンガの存在を思い出したが、ここで知っているのもおかしいと判断した俺は見るからに初対面な反応をした。まあ実際に初対面だったからな。「初めまして。私はスバルの姉のギンガ・ナガシマです。いつも妹がお世話になっています」「い、いえいえ此方こそ、あ、俺はベルツリー・ストームと申します」「ストームさんですか」「あ、出来ればベルツリーと呼んでくれませんか」ストームさんって…「あ、はい。よろしくおねがいしますベルツリーさん!」この後、ギンガたちは軽く流した後に早朝訓練があるみたいでそのまま訓練に向かってしまった。そしてその訓練に向かう前にスバルが俺の前にやってきてこう言った。「ベルツリーさんって仕事終わってから何か予定ありますか?」「? 今日は特には…」「本当ですか!? じゃあ今日ちょっと夜に食事会みたいなことをするんです! よかったら来てください」「は、はあ。わかりました」このときだ。このときに断っておけば俺はあの惨劇に巻き込まれなくて済んだ。今からすれば後悔先に立たずってやつか。「はあ…こんなに盛り上がるなんて聞いてねえよ…」結局あの後に俺は仕事を終わらせて暇だったのでスバルの言う食事かいとやらに足を運んだ。料理が出るならもしかしたらはやての料理も出るかもしれないと思ったし、前々からはやての料理は食べてみたかったから。そして足を運んだときはまだよかった。簡単な料理が並べられたテーブルに食事が並べられていてその周りにはフォワードメンバーのキャロにエリオ。それと招待してくれたスバルにティアナ。最後にギンガが囲んで食事をしていた。どうやたこの食事はギンガの歓迎会らしく、それを企画したときにギンガがスバルが話していた俺に会ってみたいということになり、エリオとキャロがこの前のお世話になったお礼が言いたいと言い出し最終的にこの食事会にご招待しようということになった。「そこまではいい…」そう。別にそこまでは構わなかった。エリオとキャロのお礼も別に言われて嫌なわけじゃない。この食事だって美味しいし言うことなしだ。隊長陣が来るまでは。最初に来たのはなのはとフェイトだった。今日はデスクワークもさほど多くなかったらしく、一緒に飯を食いに来たときにバッタリだ。そこで青い犬が「なのはさんたちもご一緒しませんか!」と言い出した。冗談じゃない断れと念じた俺の願いも空しく「じゃあご一緒しようかな」と参戦。おまけでフェイトも。まあこれもギリギリ許せる。俺が我慢すれば言いだけの話しだ。ボロを出さないように気をつけて行動すればいい。問題は次だ。「なんや賑やかやな~」「本当です~」「お前ら何してんだ?」八神一家の登場だった。先ほどの展開でもうこの先の展開を読んだ俺は皿のエビフライをスバルの口に2・3個ほど突っ込み余計なことを言わせないようにしたのだが、敵は青い犬だけじゃなかった。白い悪魔もいた。「はやてちゃんも一緒にどうかな?」「(ホワイトデビルッ!?)」「今日は仕事もひと段落着いたし、参加させてもらおか~」その後、シャリオやヴァイスにグリフィスとアシストのメンバーまで加わり大宴会となってしまった。「全くよ…」こんなに大きな宴会になるんだったら早めに帰ったらよかったな…というか帰ろうかな…目の前で酒が入り盛り上がっている職員を冷めた目で見ながら麦茶を啜る。俺もちょっと酒を飲みたかったんだけど前にナズナに自分がいるときだけしか酒は飲んでは駄目といわれ自重している。「ベルツリーさん元気ありませんね」「高町隊長…大丈夫ですよ」ナガシマ姉妹に続いてお前までもか。けどなのははナズナに顔が似ているから近くにいるだけならまだ他の奴よりマシだ。「……」「どうかしましたか?」俺の心配をしたかと思うと次は俺の胸元をジーっと見てきている。…まさか胸元に欲情しているのか?「ベルツリーさん」「あ、はい」「その首飾りってどこで買ったんですか?」どうやらなのはは俺の体に欲情していたわけではなく俺の身に着けている首飾りが気になっていたようだ。「これですか? これは小さい頃に仲のよかった…友達と買ったんです」ナズナに買ってあげたなんて言ったらヤバイな。…あれ? これこのまま話し続けるとなんかヤバくない? 全部ゲロっちゃいそうじゃない?「へえ。赤い十字架なんて珍しいですね。病院のマークなんですか?」「なんとなくこのマークが好きなんですよ」「最近こんな感じの首飾りを見たことがあって気になったんです」「そうなんですか」何かヤバさを感じてきた俺は少し風に当たってくると言って外に逃げた。「ん?」「あれ?」外に逃げ込めたと思っていた俺を待っていたのは青い犬…スバルだった。待っていたというよりはスバルもあの食事会の熱を冷ますため外に出ていたみたいだ。「お前も外に出てたのか?」「あ、え、はい」スバルは俺の視線から逃れようと顔をわたわたしながら動かしている。そのわたわた動かしている顔の目の部分から一筋のミズが流れ落ちるのを俺は見逃さなかった。「…え~と…俺ってもしかして邪魔だったか?」「い、いえ。あたしもそろそろ戻ろうかなって思ってたので全然!」「……」「……」暗いウ夜の闇の中で月明かりだけが俺たちを照らしていた。気まずいことこの上ない。「…あの」「…はい?」何とかこの空気を脱出しようと明るい話題を話そうと思った矢先に話しかかけてきたのは忠犬スバル。もしかしてスバルがこの空気を打開する話題を思いついたんだろうか?「ちょっと…聞いていいですか?」「…え?」「え、えと、ティアとエリオたちはベルツリーさんにアドバイスもらって凄いためになったって言っていたからあたしもちょっと質問したくて…」スバルは指と指をもじもじさせながら俺に話しかける。その姿は捨てられた子犬みたいだ。垂れた耳と尻尾が見えそう。「いいぞ。けどそんなしっかりとしたアドバイスなんてしたことないぞ。ティアナやエリオには切欠を与えただけだ」「それでも構いません! お願いできませんか!」「そうか。じゃあ話してみてくれ」必死だな…「えと、質問なんですけど…ベルツリーさんはもし、もしですよ? 家族が敵にいるかもしれないってなったらどうしますか?」「家族が敵…か…」俺で言うならナズナやプレシアさんとかか……スバルが悩んでいるのはあの人形野郎に従えているクイントみたいな戦いをする魔導師のことか。確かにあの動きはスバルたちによく似ているよな…「そうだな。とりあえず悲しむ」「…へ?」ナズナが自らの意思で裏切りなんてした日には首でも吊りかねない。「思いっきり悲しんで泣いたあとに理由を問いただす」「……」「自分に気に入らないことがあるのかもしれない。もしかしたら事情があるのかもしれない。それを問いただす」恐らくあのクイントだと思われる魔導師は十中八九人形野郎が操っている。あれがクイントだとしても何も自分の意思であの人形に従えているのはありえないだろう。「家族だから家族の自分がけじめをつける」「けじめ…」「後は自分で考えてくれ」俺はスバルに背を向け食事会の方に戻っていった。すると途中でギンガに出くわした。「ありがとうございます」「…何に?」「私も家族…妹と話してきます」ぺこりと俺に頭を下げたギンガはスバルの元に走って言った。そろそろお開きの時間になってきたのかメンバーが後片付けを始めた。俺も見ているだけでは悪いので片付けに加わる。食器を片付けて寝ている連中を起こしていく。その中でいくら起こしても起きない人物がいた。「もっとしゃけ~」「…誰だよこの人にお酒なんて飲ましたの…」狸部隊長、八神はやて。幸せそうに涎を垂らしながら夢の中へINしているようだ。「高町隊長! 部隊長はどうするんですか?」「え? あ~…完璧にダウンしてるね…」頬を真っ赤にして眠る姿はなかなか可愛いかもしれないが酒の臭いで可愛さダウンだ。「他の人は?」「それが…」ヴィータ⇒食いすぎて眠たくなりスリープシグナム⇒寝てしまったヴィータを部屋に送るため離脱。シャマル⇒飲みすぎてダウンザッフィー⇒シャマルを背負い部屋に帰宅リインフォース⇒お子様には限界な時間でスリープ。寝言で「今度はカレー屋…」と呟く「どうするんですか…」「…そうだ! ベルツリーさん部屋まで送ってあげてくださいよ」「っ!!?? 何言ってるんですか!? 俺一応男なんですけど!?」いきなり何を言い出すんだこの白い悪魔は!? 言動まで悪魔化していってるのか!?「私たちは片づけしていますからその間に…」「いや、だから俺は男なんですよ!!」「大丈夫ですよ。私はベルツリーさんを信じてますから! それに…」「それに?」「もし悪戯なんてしたらヴィータちゃんやシグナムさんにボロボロにされますよ?」「…パパっと済まして俺も帰ります」…いや、はやてに手なんか出したらサラーブにいる妖精に殺されるだろうけどね…『(…その前にナズナに殺されると思うけどね)』「え、とフェイトに教えたもらった情報によると部屋はこの先に…」はやてを背中に背負いながらはやて一家の部屋を目指す。さっさと済まして俺も部屋に戻りたい。「このまま真っ直ぐ…」「リイン…フォース…」背負っている背中に冷たい雫が落ちるのを感じた。「なんで…なん、でや…」その冷たさを無視してはやての部屋を目指し続ける。涙の原因はあのときの夢を思い出しているのかそれとも今の状況を嘆いているのかは俺にはわからなかった。「うぅ…」「……」けれど今はやてが泣いているのは俺の家族であり仲間であるアインスが関わっているのは明確だった。「すぅ……」「よっと…」とりあえず部屋に運んでベットに寝かす。服の着替えは明日自分で何とかしてもらおう。朝に風呂に入ればいいし、制服の着替えも一着しかないなんてことはないだろう。…一着だけじゃないよな?「う…ん…」涙は止まっている。しかしないた後がほんのりと残っているのを見て、ちょっぴり見てはいけない場面を見てしまった気分だ。「スカさん」『お人好しだね』「うるさい。…助けたとは言え、ある意味弱みに付け込んで家族と引き離したもんなのかな…」アインスは本当にサラーブにいて楽しいだろうか? 本当は今すぐにでもはやての元に戻りたいんじゃ…そう考えると少し憂鬱な気分になった。黒く光る指輪を見ながらぼんやりとそんなことを考えていた。side八神はやて「ん、…ここは…」あたしが目を覚ましてみると周りのみんなは姿を消していた。いや、人だけじゃない風景すらも消えている。真っ暗な闇の世界。昔どこかで見たことがある世界。これは確か…「闇の書のときに…」あのとき飲み込まれたときに見た何だか寂しくて悲しい世界。そこによく似ている。けどあの世界とは明らかに違う。寂しい感じもしない。悲しい気配もない。ただの真っ暗な世界。「え、雪?」その真っ暗な世界にゆらゆらと下りてくる白い結晶。それはあたしの手のひらに落ちて儚く消えた。その儚く消えた雪を見て昔のことを思い出してちょっと涙が流れそうになるのをグッと抑える。「なんやろここ…それにみんなは…」真っ暗な世界に降り注ぐ白い雪は黒の風景によく映えた。その雪を眺めながら自分の現状を把握する。その時やった。懐かしい、本当に懐かしい声が聞こえてきたのは。「あ、主…はやて…」声のする方に振り向いて最初に見えたのは透き通るような銀。そしてルビーのような赤やった。「り、リイン…フォース」「な、何故…ここに?」昔と違って動く足を動かしてあたしはリインフォースに抱きついた。「リインフォース!! リインフォース!! 会いたかった!」「ある、じ…」リインフォースに抱きついたいるとしばらく放心していたリインフォースも少し躊躇いながらもあたしの背中に手を回してくれた。それからしばらく抱きあっとってけれどずっとこのままとってわけにもいかん。もう少しこのままでいたかったけれど。あたしはゆっくりとリインフォースから離れた。「これは…きっと夢やな…」いないはずのリインフォースが目の前にいるなんて神様は優しくて残酷な夢を見さしてくれるもんやな。だってこの夢から目を覚ましたらきっとリインフォースはいないから。「主はやて…そうですね。これは…きっと夢です」そっからはいろいろ話した。最近のテレビの話。美味しかった飲食店の話。楽しかった出来事。いっぱい、いっぱい、普通の友達みたいにいっぱい話した。リインフォースはその間は黙ってあたしの話を聞いてくれていた。リインフォースは今はアインスと名乗っているらしくあたしもそう呼ばしてもらうことにした。「なあアインス」「はい」「あたしな…ずっと聞きたいことがあってん」「何ですか」「アインスは…あたしのこと…嫌い…になった?」雪の降るあの日。みんな残れたのに自分だけ消えることを選んだアインス。そして次に姿を現したときはあたしたちの敵になって現れた。それを見て、もしかしたらアインスはあたしのことを恨んでる、嫌っているんじゃないかと考えた。「主はやて。あなたのことを嫌いになるはずがありません」「そやったら!!」あたしの家にと言いかけた口をアインスは手で制した。「すみません主はやて。あなたのことは今でも大好きです。だけど…」アインスは言いづらそうにあたしの顔を見た。あたしは何だか全て悟ったような気がした。「そっか。アインスにも大事な家族が出来てんね」少し悲しかったけれど、アインスにも守りたいと思える存在が出来たんだ。それを今奪うのは筋違いだ。「主はやて…」あたしの体が光りだす。どうやら夢の終わりの時間のようだ。雪のように体が崩れていく。あたしはそれが何だか悲しくてアインスに背中を向けた。「…アインス」「はい」「今…楽しい?」その質問にアインスは一瞬驚いた空気になったけれどすぐに返事をくれた。「はい」「そっか」きっとアインスは笑っているだろう。あたしも笑っている。あの時とは状況がまるで逆だ。雪が振る世界であたしが消えて、アインスが残る。けれどあの時と違うことが一つある。「またな」「はい。また…」お互いが笑顔なこと。涙は…ない。おまけ「今日の会議のテーマはデレについてです」【デレ】と書かれた大きな紙を自分の前に掲げるナズナ。その周りには何故か六課のメンバーの女性陣とサラーブの女性陣が椅子に座ってナズナを見ていた。そしてその会議を見守るの客は全員ナズナだった。端に嵐やザフィーラ、ヴァイスにグリフィス、そしてエリオなど男性用の席も用意されている。「マスターを落とすために必要なのはデレだと最近思ったんです」「ナズナは普段からデレてるよ!」「そうなの姉さん?」「うん。けど見ていないところでデレるから駄目なんだよ」「意気地がないのね。昔の私を思い出すわ」「「母さんの昔…」」「シャラップです。必要なのはこれです!」【デレ】と書かれた紙が破かれると後ろから【ツンデレ】と書かれた紙が現れる。「これこそマスターを落とす最高の神器! 最近の男性はこれが好きな方が多いと思いました」「姉御ー! ツンデレって具体的には何なんだ?」はい! と元気に手を掲げナズナに質問するシントラをヴィータは鼻で笑った。「オメーそんなことも知らねえのか?」「んだと!! オメーは知ってるのか!!」「そ、そりゃ知ってるに決まってんだろ! ツンデレってのは…あれだ! えと…夏によく出る…」「何だよ知らないじゃんか! あたしと一緒だな!」「一緒にすんな!!」座っている椅子を飛び出し掴み合いに発展するツンデレ二人。保護者の二人が止めに入る。「ほらほらヴィータちゃん。あんまり怒らないの」「だってシャマル! こいつが!!」「シントラの方も落ち着け。この程度で冷静を失うなど騎士の名が泣くぞ」「シグナム! けどこいつか!!」「いいですか? つまりこの恥ずかしさによって強がってしまう「…もういいかな?」…何がですか」熱演していたナズナは講義が途中で中断されて腹が立ったのか、中断させた相手なのはを睨んだ。なのはとナズナが睨み合った途端に部屋の温度が3度くらい下がったのではないかと思わせるほどの空気になった。「ようするにナズナちゃんに勇気がないだけでしょ?」「言ってくれますね。マスターの心の要塞を破壊するのにどれだけ私が苦労しているか教えてあげたいですね」「そこまで策を練って行かなきゃ崩せないなんてよっぽど堅固なんだね。その要塞は」パチパチと二人の間で見えない火花が散る。気温は下がっていく一方だ。「ふう。どうやらあなたには頭だけでなく体にも教えてあげなくてはいけないみたいですね」「いいよ。出来るならね」会場が爆発したのはその2秒後だった。爆発に巻き込まれてビリビリに破かれた紙の最後の項目に書いてある言葉が地面に悲しく佇んでいた。【ヤンデレ】「…違うでしょ…何故そこに敵が…それに嵐…お茶を飲んでいるだけじゃなくて助けてください…アリシア…フェイト…ボーっとしていると…危ないです…」とある部屋の猫耳が生えた使い魔の悪夢。<あとがき>さて、そろそろ襲撃編か…