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No.6935の一覧
[0] 魔法少女リリカルなのは 現実回帰 (現実→リリカルなのは) チラ裏より移転[黒胃](2009/06/20 15:07)
[1] 第1話「それは衝撃的な出会い…なのか?」 [黒胃](2009/06/14 12:08)
[2] 第2話「妄想と夢は紙一重」[黒胃](2009/06/14 12:17)
[3] 第3話「デバスカ君と一緒!!」[黒胃](2009/06/14 18:58)
[4] 第4話「衰える体」[黒胃](2009/06/14 18:59)
[5] 第5話「コメテスアメテュス? 名前長くね?」[黒胃](2009/08/20 19:03)
[6] 第6話「2P白い悪魔」[黒胃](2009/06/14 12:46)
[7] 第7話「旅立ち」[黒胃](2009/06/14 12:55)
[8] 第8話「初戦は海の上で…なのか?」[黒胃](2009/06/14 13:22)
[9] 第9話「バーニングさん登場!?」[黒胃](2009/06/14 13:27)
[10] 第10話「街には樹がいっぱいだよ」[黒胃](2009/06/14 13:34)
[11] 第11話「桜+金=黒い魔法少女!?」[黒胃](2009/06/14 13:41)
[12] 第12話「思いの理由」[黒胃](2009/06/14 13:48)
[13] 第13話「未来のエースとの出会い」[黒胃](2009/06/14 13:55)
[14] 第14話「わかりあえないんじゃなくて話し聞いてないだけ」[黒胃](2009/06/14 14:01)
[15] 第15話「小さなことからコツコツと」[黒胃](2009/06/14 14:09)
[16] 第16話「勧誘? 大魔導師!」[黒胃](2009/06/14 14:17)
[17] 第17話「偽善者大作戦!?」[黒胃](2009/06/14 14:23)
[18] 第18話「魔砲幼女の意地」[黒胃](2009/06/14 14:30)
[19] 第19話「人形の意地と思い」[黒胃](2009/06/14 14:55)
[20] 第20話「マスコットキャラでは断じてない!! と思う」[黒胃](2009/06/14 15:04)
[21] 登場人物 無印編[黒胃](2009/06/20 13:50)
[22] 第21話「久々の休日?」[黒胃](2009/06/14 15:14)
[23] 第22話「アリシア大冒険! そして嵐の憂鬱」[黒胃](2009/06/14 15:20)
[24] 第23話「人間諦めが大事だよね、でも諦めたらそこで試合終了」[黒胃](2009/06/14 15:26)
[25] 第24話「恋に年の差って関係ない? いや あるだろ」[黒胃](2009/06/14 22:22)
[26] 第25話「戦いたくはない もう傷つけたくないから! ビビリ的な意味で」[黒胃](2009/06/14 22:21)
[27] 第26話「前夜祭だぜ! 回帰組集合!!」[黒胃](2009/06/14 16:40)
[28] 第27話「はじまりは突然に…なのか?」[黒胃](2009/06/14 17:13)
[29] 第28話「俺の拳が真っ赤に染まるゥ!?」[黒胃](2009/06/14 17:22)
[30] 第29話「ブラッティ仮面」[黒胃](2009/06/14 17:27)
[31] 第30話「当たらなければどうということはない(誰か助けて…)」[黒胃](2009/06/14 17:31)
[32] 第31話「それぞれの動き」[黒胃](2009/06/14 17:36)
[33] 第32話「仮面って結構息苦しい」[黒胃](2009/06/14 17:40)
[34] 第33話「おめでとう! 猫は空気から使い魔に進化した!」[黒胃](2009/06/14 17:47)
[35] 第34話「交渉人プレシア・テスタロッサ」[黒胃](2009/06/14 17:58)
[36] 第35話「完成! 夜天の栞」[黒胃](2009/06/14 18:04)
[37] 第36話「クリスマス・イヴは赤く染まる?」[黒胃](2009/06/14 18:10)
[38] 第37話「闇の書の戦闘力は正直、反則だろ」[黒胃](2009/06/14 18:15)
[39] 第38話「金色の姉妹」[黒胃](2009/06/14 19:10)
[40] 第39話「夜の終わり 作戦の崩壊?」[黒胃](2009/06/14 22:22)
[41] 第40話「スタンバイ…レディィィィ!! ゴオォォォォ!!!」[黒胃](2009/06/20 09:36)
[42] 登場人物 As編[黒胃](2009/06/20 13:51)
[43] 第41話「祝福の風、復活」[黒胃](2009/06/14 20:34)
[44] 第42話「風のいる生活」[黒胃](2009/06/14 20:43)
[45] 第43話「あなたと…合体したい…」[黒胃](2009/06/14 20:52)
[46] 第44話「一年が過ぎるのは本当に早い」[黒胃](2009/06/14 21:32)
[47] 第45話「悪の親玉? いえ、今日は従者です」[黒胃](2009/06/14 21:40)
[48] 第46話「笑顔を探れ」[黒胃](2009/06/14 21:47)
[49] 第47話「笑顔を求めて」[黒胃](2009/06/14 21:55)
[50] 第48話「笑顔のために」[黒胃](2009/06/14 22:01)
[51] 第49話「笑顔の答え」[黒胃](2009/06/14 22:07)
[52] 第50話「Puppet Prince」[黒胃](2009/06/14 22:13)
[53] 第51話「白と黒 表と裏 正義と悪?」[黒胃](2009/06/14 22:23)
[54] 第52話「ずれ始めた歯車」[黒胃](2009/06/14 22:29)
[55] 第53話「風邪を舐めると痛い目に遭う」[黒胃](2009/06/14 22:46)
[56] 第54話「柘榴色の世界」[黒胃](2009/06/14 22:51)
[57] 第55話「欠けたパーツ」[黒胃](2009/06/14 22:58)
[58] 第56話「血の遺跡の謎? 気分は考古学者」[黒胃](2009/06/14 23:05)
[59] 第57話「壊れていくパーツ」[黒胃](2009/06/14 23:12)
[60] 第58話「合体!? 自称 吸血鬼のデバイス?」[黒胃](2009/06/14 23:26)
[61] 第59話「吸血鬼の正体?」[黒胃](2009/06/14 23:52)
[62] 第60話「無限の欲望+無限の欲望=混沌」[黒胃](2009/06/14 23:58)
[63] 第61話「海だ! 水着だ! sts前だ!」[黒胃](2009/06/20 09:53)
[64] 第62話「歪んでいく物語」[黒胃](2009/06/20 10:10)
[65] 第63話「星と雷と…何故か血液」[黒胃](2009/06/20 10:28)
[66] 第64話「回帰組を正しく評価している人はいるんだろうか?」[黒胃](2009/06/20 11:02)
[67] 第65話「未確認勢力 薺の危機」[黒胃](2009/06/21 13:43)
[68] 第66話「人のよm 仲間に手を出してただで済むと思うな」[黒胃](2009/06/20 12:04)
[69] 第67話「潜入には 度胸が必要 ビビリには難しい」[黒胃](2009/06/20 12:22)
[70] 第68話「伝説の掃除人 その名は…」[黒胃](2009/06/20 12:39)
[71] 第69話「あれ? ティアナが凡人なら、俺って…」[黒胃](2009/06/20 12:56)
[72] 第70話「探すのをやめて夢の中に行く前に見つかった」[黒胃](2009/06/20 12:59)
[73] 第71話「猫って意外と凶暴?」[黒胃](2009/06/21 13:47)
[74] 第72話「ニャンニャン…ニャン!?」[黒胃](2009/06/20 13:11)
[75] 第73話「黒い薺と白い菜の花」[黒胃](2009/06/20 13:00)
[76] 第74話「小さな猫の大きな思い」[黒胃](2009/06/21 15:12)
[77] 第75話「人形王との交渉」[黒胃](2009/06/27 16:33)
[78] 第76話「決裂…の前に交渉なんかしていたか?」[黒胃](2009/06/28 17:05)
[79] 第77話「最近の女の子って何して遊んだら喜ぶんだ?」[黒胃](2009/08/03 15:45)
[80] 第78話「家族の形に決まりはない」[黒胃](2009/08/03 16:16)
[81] 第79話「初めても暗闇 再会も暗闇で」[黒胃](2009/08/20 19:04)
[82] 第80話「甘い蜜と欲望の蜜」[黒胃](2010/08/19 13:24)
[83] 第81話「綻び」[黒胃](2010/08/19 13:15)
[84] 外伝1話「悲しい痛み」[黒胃](2009/06/20 13:17)
[85] 外伝2話「遠い記憶」[黒胃](2009/05/30 13:13)
[86] マセラティ魔導師探偵の事件簿 FILE01.人を惑わす魅惑の音[黒胃](2009/06/20 13:33)
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[6935] 第67話「潜入には 度胸が必要 ビビリには難しい」
Name: 黒胃◆bfbb7c41 ID:fd9652be 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/06/20 12:22
「う~ん」

「キャロ、どうかしたの?」

「あ、エリオ君。ちょっとフリードの様子がおかしいような気がして…」

「おかしい?」

「説明しにくいんだけど…う~ん」

「……(もう気づくとか、早すぎだろ。マジやばいッス)」



第67話「潜入には 度胸が必要 ビビリには難しい」



変態野朗を撃退して、やっとキャロ探索を始めたところ、今度は以外に簡単に見つかった。
襲撃が終わった後の現場調査をしている最中だった。ガジェットの周りをウロウロしている。
ラッキーなことに周りには、フェイトやエリオはいない。一人で調査している。
そういえば、今頃、なのはと淫獣こと、ユーノが遭遇していることか? あの二人の関係は、よくわからんとアニメの頃から思ってたな。

「無駄なこと考えてる場合じゃないか。とっとと捕まえて、入れ替わりますか」

『さっさとしないと、またトラブルが起こるかもしれないから、早くしたほうが無難だね』

「了解だジェイル。任務を開始する」

気分は蛇! 確実に任務を成功させるぜ!!

『いいから、早く』

ノリの悪い奴だな。
とりあえず、草むらから、キャロの視界に入らないように慎重に移動し、ゆっくりキャロに近づいた。
幸いキャロは、ガジェットの残骸などの調査に真剣になっていて、少しくらい音を立てても気づかない。
あまり、音を立てずに行動は、得意ではないがこれなら大丈夫だろう。
あ、考えたら猫に変化して近づいていった方が安全だったんじゃないだろうか?

≪竜が、召喚師から離れた。今がチャンスだ≫

キャロの近くを飛び回っていたフリードは、鼻先に虫がくっついたのか、頭を振るうように飛び回り
キャロから距離が離れた。今が好機!!!

「クキュッ…―――」

一瞬で、フリードの口に、スカさんに頼んでおいた、竜でも眠る薬をつけたハンカチを当てる。
気分はまるでバーローの犯人役。もしかしたら俺は今、全身黒タイツかもしれない。周りから見たらだが。
そんなことを考えている間に、フリードは「キュル…」と声を上げて夢の中に行ってしまったようだ。
白銀の鱗を持った竜ってどれくらいで売れるんだろう? いや、売らないけどね。というか竜って食えるんだろうか? いや、食わないけどね。
…ジュルリ…

「スカさん。ナズナに連絡を」

『了解』

フリード捕獲が成功したので、回収役のナズナに連絡を入れる。

『マスター。終わったんですか?』

「ああ。この通りぐっすり。それじゃあ、こいつ一端送るから、後でまた送り返してくれ」

『わかりました。ではまた』

通信を切り、転移魔法でフリードとスカさんをナズナの元に転移させる準備を始める。

「それじゃあスカさん。詳しい話は、六課で安全に話が出来る状況を作ってからするから、一端ここでお別れだ」

『頼むから間抜けな真似をして捕まるなんてことはよしてくれよ』

スカさんがどういう眼で俺を見ているのかよくわかる発言だ。
そこまで信用ないかなぁ…俺って。そりゃナズナやシントラに比べられるとそうだけどさぁ…

「大丈夫。大船に乗ったつもりでいてくれ」

魔法を発動させ、体を人間から竜に変化させる。

『気分はタイタニック。それじゃあ、また後で』

「おい、どういうことだ」

伝説の沈む船じゃねえか。一昨日アリシアは見て感涙してた奴じゃねえか。

『喋ってるよ』

「キュ、キュクルルル」

『なんて言っているかわからないね。それじゃあ頑張ってくれ』

スカさんとフリードは、ナズナの元に転移していった。
というかスカさん酷くない?

「フリード! そろそろ行くよ~」

「キュクルー!! (イエッサー!)」

考えている暇はないか。俺は、バレないように行動するだけだぜ!!
キャロを欺くなんて簡単簡単!





とりあえず簡単なんて言っていた自分を殴り飛ばしてやりたい気分です。
なんだよこいつ。勘が鋭いとかいうレベルじゃないよ。さすが竜を使役する人だよ。凄いこっち見てきてる。
もしかして気づいてないよね? え? もしかして、気づいてるけど、気づいてない振りしてるだけじゃないよね?
頭の中で「こいつフリードじゃねえけど、ちょっと放っといて遊んでやるかww」とか思ってないよね? こんな無垢な顔して思ってないよね? ねえ?

「キュ、キュクルル」

「う~ん…」

今、「こいつ鳴いたよ! マジあり得ねぇww」とか考えてないよね! いい歳して、なにしてんだとか思ってないか!?

「キャロ、全員集合だって」

「あ、うん」

キャロは、俺をおいてエリオについていったので、今のうちにキャロから離れて、どこか人がいない物陰に入った。

「やばい。かなり緊張感がやっばい!」

変化を解除し、元の姿に戻って息を整える。緊張感で死んでしまいそうだった…
息を整えた後、スカさんたちに連絡を送る。連絡は、スカさんお手製の連絡装置。簡単に基地に連絡が出来る優れもの。
なんと無駄にアラーム機能までついてる代物だ。何故、こんなことに力を注ぐかが理解できないけどな。

『成功したのかい』

「ああ、一応、機動六課にたどり着いた」

『わかった。ナズナ』

スカさんの連絡が切れたかと思うと、目の前に魔法陣が現れた。
その魔法陣から出てきてのは、ぐっすり眠っているフリードとその上に乗せてあったスカさんだった。
というか、フリード…まだ寝ていたのか。どれだけ強力な、薬を使ったんだろう。

「よくここがわかったな」

『君の持っている連絡装置には、発信機もついてあるからね』

なるほど。この連絡装置は、朝に俺のことを起こしてくれるだけじゃなく、発信機もついてたのか。
出来ればそういう機能の説明を先にしてほしいんだけど…

「スカさんに言っても無駄か。さて、フリードをキャロの近くに…」

スカさんを装着して、起きる様子のないフリードを担ぎ、先ほどの場所にこっそりと戻る。
さっきと違い、猫型に変化してある。一応の擬態みたいなものだ。
ちなみに、フリードは、猫状態の俺の背中に乗せてあるが、やはり竜だけあって重たい。訓練をしているようだ。

「…キャロたちは、今、解散の号令をかけられてるとこかな?」

元の場所にたどり着いた俺は、フリードをゆっくりと地面に下ろし、その場を去った。
このままここにいると、六課の誰かに見つかる可能性が高いからな。
それじゃあ、六課の寮に向かいますかね。

「スカさん」

『案内するから、その通りに動いてくれ』




「フリード! こんなとこにいたの? …あれ? フリード…寝ちゃってる? …疲れてたのかな?」

「キャロ! フリードは、見つかったの?」

「あ、うん。探すの手伝ってくれてありがとう」





sideデ・ト


ふふふふ…、ついに、この時が、やってきた。
あいつのせいでせっかくの仕事を駄目にされたんだ。この報いはかならずしてやる。
何故、僕がこんな場所でしがない掃除職員をやらなきゃいけないんだ。サボってるから構わないけどね。
それもこれも全部あいつ、コーデリアのせいだ。
あいつが僕らの計画を邪魔したせいで、僕たちは管理局に捕まってしまった。
幸い牢に放り込まれることはなかったけど、あの事件のせいで全員前科持ちになってしまった。さらにメンバーも次々とバラバラになってしまった。
サリンは、家業を継ぐと実家に帰ってしまったし、モーガンは、知り合いの喫茶に雇われて抜けていってしまった。
全部あいつのせいだ!!

「絶対に復讐してやるぞ!! コーデリア・マセラティ!!!」

わざわざ管理局に勤めて、あいつが、ここで働くって聞いたからこそ、こんなとこで働いてやってるんだ!
そうじゃなきゃ誰がこんな場所にいるもんか。僕は、これでもエリートだったんだから!!
元バントの時に、みんなで金を出し合って買ったデバイス、このビューティーノイズで、あんな奴奏で殺してやる!!



――ピンポーーン



「ん?」

どうやら誰かが僕の部屋に尋ねてきたらしい。もしかしたら管理人か?
仕事をしていない僕を追い出そうと考えたんじゃ…。 そういえば、挨拶にも行ったことなかったな…

「…はい」

このまま、居留守を使うのも構わないが、強制的に中に入られては困る。

『どうも~。お荷物、お届けにあがりました~』

「荷物?」

誰だ? この場所で働いていることは、誰にも教えていないはずなんだけど…

『え~と、友達からじゃないでしょうか?』

友達!? もしかしてサリンとモーガン!? ここで頑張っている僕を元気付けようとして
わざわざ、僕のことを探して送ってくれたんじゃ…

「あ、い、今、開けます!!」

『え? あ、はいはい~』

こうしてはいられない。僕のためにわざわざ送ってくれたんだとしたら、それを戴かないわけにはいかない。
ありがとう! モーガン! サリン! 僕、二人のためにも頑張るよ!!
ルンルン気分になった僕は、スキップをしながら玄関に向かってその扉に手をつけた。

「はい!!」

「よっと…」

笑顔で扉を開けて見たのは、赤い槌を振りかぶった男だった。

「お寝んねしなさいなぁああぁぁあああ!!!!!」




―――ゴッ!!



ジャストミート。僕の頭。
そこで意識は途絶えた。










sideout


スカさんの案内でたどり着いた六課の寮。
ここからデ・トという人物の部屋に入り込まないといけない。
そこでスカさんに匹敵する(自称)頭脳を持つ俺が考えた作戦がこれだった。

『…馬鹿と天才は紙一重というけど、多分君はばk…天才の方だと思うよ』

「だろ?」

バリアジャケットを限定的に変更し、どこからどう見ても有名運送業のク○ネコっぽい服装だ。

「さてと…」

寮に侵入し、事前に調べておいた部屋番号の場所に到着する。
そしてインターホンを、押して相手が出るのを待った。しばらくすると相手の声が聞こえてきた。

『…はい』

「どうも~。お荷物、お届けにあがりました~」

怪しまれないように、出来るだけ明るい声を出す。

『荷物?』

微妙に怪しんでいる声だ。あれ? なんか変なこと言ったか俺?
このままだとせっかくここまできた計画が俺のミスで終わってしまう。ナズナに軽蔑の眼差しで見られてしまう!
それは、不味い!! 何か、何かいい誤魔化しを!?

「え~と、友達からじゃないでしょうか?」

ガッテム!! こんなんじゃ誤魔化せないだろ俺!! 今からでも遅くない! 訂正を…

『あ、い、今、開けます!!』

うぇ?

「え? あ、はいはい~」

駄目だと思っていた誤魔化しでOKだった。何故? まあ構わないけど
というか、友達って単語に食いついたな。友達たくさんいるんだろうか? それともいないからこそ食いついたんだろうか?
考えながらもドクターハンマーを作る。ソードと同じ容量で、槌型だ。戦闘では、あまり使ったことはない。
使えることは使えるんだがドクターソードの方が、敵の攻撃を防ぎやすいからな。
今回は、戦闘というわけじゃないので、省エネで小さめのドクターハンマーを作り出した。

「はい!!」

「よっと…」

それじゃあ…

「お寝んねしなさいなぁああぁぁあああ!!!!!」



―――ゴッ!!



ナイスヒット。彼の頭。
ドクターハンマーは、見事に頭の米神らへんに命中し、そのまま倒れた。俺は、駆け寄ってデ・トの様子を確認する。もちろん俺に医学知識はない。
デ・トは、頭に強く攻撃を当たったので気を失っていると思うが、手がピクピク動いている。

「よし! 叩いたら動いた。大丈夫だな」

『……もしかしなくても腱反射かい? 頭部腱反射なんて、聞いたことないよ』

ですよねー。










「へえ、結構豪華なんだな」

さすが新部隊、機動六課。いい場所だ。まあ、しあわせ荘と比べているからかもしれないが…
デ・トは、バインドではなく、市販のロープで拘束した後で適当に玄関に寝かせておいた。
一回起きそうになったから、フリードに使ったハンカチを当てると、また眠ってしまった。凄い威力だ…
起きてうるさいと困るので口にタオルを巻いておいたので、後のことは、目が覚めてからでいいだろう。

「それじゃあ、スカさん」

『わかっている』

「なら話が早い。今日の変態のこと知ってたのか?」

ナズナを襲おうをした、超・超・超変態なジムキオ。
思い出すだけでムカムカしてくるあのイケメンっぷり。ナズナが嫌がっていたからいいが
これで頬を染めていたら、ショック死したかもしれない。よかった。

『彼の名前は、ジムキオ・ヘムローディ。今日言ったが昔の私と同じ、次元犯罪者だ』

「次元犯罪者ってことは、何かしたのか?」

スカさんみたいに、管理局を潰そうとしたとか?

『そうだね。ただ、私とは違う方向で犯罪者だったね』

「違う方向? スカさんと?」

まあ、今のスカリエッティも変態だしな。

『何と言うか…、私は、中で物を作って犯罪を犯すだろう? 彼は、外で物や人を盗んで犯罪を犯すんだ』

「具体的には、どういう感じなんだ?」

まずは事件を聞かなければ判断しにくい。

『そうだな…12年前くらいになるけど、ある一国のお姫様がいたんだが、その姫は、父親…王様に、大事に育てられていたんだ。ずっと城に閉じ込めるほどね。まさに籠の中の鳥だ。そんなお姫様に目をつけたのがジムキオだ。その城に乗り込み、お姫様の部屋まで乗り込んだらしいよ』

「えらく積極的だな。警備とかは?」

一国のお姫様となれば、警備も厳重で中々近づけないと思うんだが。

『進入方法は、わかってないけどそこにいた警備兵たちは、同じ人間が何人もいたと証言している。今回、彼と接触して能力を知れたからわかったことだけど、おそらく人形だったんだろうね』

あのパペッターとかいうふざけた能力か。ふざけた能力だけど、強力なのには違いない。

「それでお姫様は?」

『結局、おいしくいただかれただけで盗まれなかった。彼が求めていた物と違ったんだろう』

「いただかれたって…、羨ま、げふんげふん! な、なんて破廉恥な…。あいつってリリカル原作じゃどうなってるんだ?」

『彼は、私の起こす事件の8年前くらいに自殺していたはずだ。体の一片も残らず、爆破したらしい。遺書のようなものには、「つまらない世界には、厭きた」と、書かれていたらしい。その彼が何故…』

「8年前…」

そう言えば、あいつって、あの人形劇の男ってナズナが言っていたよな…


―――君たちみたいなのを見ているとまだまだ生きる活力が湧いてくるよ。


「…あ~、スカさん、まあ、それは置いといて、あいつの話を」

まさか、あれが原因じゃないよな? あんな些細なことで爆死を止めたのか?

『昔の情報はないからわからないけど、彼は、ストーク・ジープ、発掘家であり資産家でもある。突然、その人物の養子となっていた。ストークは、温厚で人当たりもよかった。しかし、そのジムキオを養子にしてから、3年。すっかり様子が変わってしまったらしい。返事には答えない。同じ方向を見ていたり、痴呆かと言わていたけど…』

「…人形にされていたわけか」

えげつない…

『ストークの死後、独り身だったストークの遺産を全てジムキオに譲られ、ジムキオは、ストークの私物を全て売り払い、家を捨ててどこかに行ってしまった。その後、彼が表舞台に出てきたのは、犯罪者としてだった。年月を重ねていたはずなのに全く見た目に変化はなかった。年をとっていないみたいだったね。一応、彼の情報は、これで終わりだ』

「その変態武勇伝を持つ、変態がナズナを求めてたってことか」

あんな奴にナズナは、やれん。今度来てもボッコボコにしてやる。

「じゃあ、作戦も完了したし、今日は、シャワーでも浴びて寝るか」

『明日からいろいろと動かなければいけない。あまり夜更かししては駄目だよ』

お前は、俺のおかんか。ナズナに後で連絡しておこう。










――夜のデ・ト部屋


sideD-スカリエッティ


「む、無理…ナズナ、それ…無理だって…リンゴに乗って空は…」

『どんな夢を見てるんだ…』

嵐が寝てからも私には作業がある。寝る前に転送してもらっておいた人形を操作し
この部屋に、魔力を遮断する結界を構築しなければいけない。

『それにしても…』

今日の事件。あまりにも都合が良すぎる。何故、ホテルアグスタに私たちがいるのがわかっていた?
明らかに彼等には、協力者がいる。

『一番可能性が高いのは、…私か』

この時代の私なら考えられる。今度、問い詰めなければ。
……こんなことを考えるなんて、私も緩くなったのかもしれない。いや、緩くなった。家族というぬるま湯に浸かりすぎたか…。だが…悪くはない。

「梨? それだったら飛べそうだ…」

『…風邪引くよ』

布団をかけなおし、結界の構築を再開した。










<あとがき>
六課潜入成功!! 次回からは、六課での嵐の暴走をお楽しみください。


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