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No.6935の一覧
[0] 魔法少女リリカルなのは 現実回帰 (現実→リリカルなのは) チラ裏より移転[黒胃](2009/06/20 15:07)
[1] 第1話「それは衝撃的な出会い…なのか?」 [黒胃](2009/06/14 12:08)
[2] 第2話「妄想と夢は紙一重」[黒胃](2009/06/14 12:17)
[3] 第3話「デバスカ君と一緒!!」[黒胃](2009/06/14 18:58)
[4] 第4話「衰える体」[黒胃](2009/06/14 18:59)
[5] 第5話「コメテスアメテュス? 名前長くね?」[黒胃](2009/08/20 19:03)
[6] 第6話「2P白い悪魔」[黒胃](2009/06/14 12:46)
[7] 第7話「旅立ち」[黒胃](2009/06/14 12:55)
[8] 第8話「初戦は海の上で…なのか?」[黒胃](2009/06/14 13:22)
[9] 第9話「バーニングさん登場!?」[黒胃](2009/06/14 13:27)
[10] 第10話「街には樹がいっぱいだよ」[黒胃](2009/06/14 13:34)
[11] 第11話「桜+金=黒い魔法少女!?」[黒胃](2009/06/14 13:41)
[12] 第12話「思いの理由」[黒胃](2009/06/14 13:48)
[13] 第13話「未来のエースとの出会い」[黒胃](2009/06/14 13:55)
[14] 第14話「わかりあえないんじゃなくて話し聞いてないだけ」[黒胃](2009/06/14 14:01)
[15] 第15話「小さなことからコツコツと」[黒胃](2009/06/14 14:09)
[16] 第16話「勧誘? 大魔導師!」[黒胃](2009/06/14 14:17)
[17] 第17話「偽善者大作戦!?」[黒胃](2009/06/14 14:23)
[18] 第18話「魔砲幼女の意地」[黒胃](2009/06/14 14:30)
[19] 第19話「人形の意地と思い」[黒胃](2009/06/14 14:55)
[20] 第20話「マスコットキャラでは断じてない!! と思う」[黒胃](2009/06/14 15:04)
[21] 登場人物 無印編[黒胃](2009/06/20 13:50)
[22] 第21話「久々の休日?」[黒胃](2009/06/14 15:14)
[23] 第22話「アリシア大冒険! そして嵐の憂鬱」[黒胃](2009/06/14 15:20)
[24] 第23話「人間諦めが大事だよね、でも諦めたらそこで試合終了」[黒胃](2009/06/14 15:26)
[25] 第24話「恋に年の差って関係ない? いや あるだろ」[黒胃](2009/06/14 22:22)
[26] 第25話「戦いたくはない もう傷つけたくないから! ビビリ的な意味で」[黒胃](2009/06/14 22:21)
[27] 第26話「前夜祭だぜ! 回帰組集合!!」[黒胃](2009/06/14 16:40)
[28] 第27話「はじまりは突然に…なのか?」[黒胃](2009/06/14 17:13)
[29] 第28話「俺の拳が真っ赤に染まるゥ!?」[黒胃](2009/06/14 17:22)
[30] 第29話「ブラッティ仮面」[黒胃](2009/06/14 17:27)
[31] 第30話「当たらなければどうということはない(誰か助けて…)」[黒胃](2009/06/14 17:31)
[32] 第31話「それぞれの動き」[黒胃](2009/06/14 17:36)
[33] 第32話「仮面って結構息苦しい」[黒胃](2009/06/14 17:40)
[34] 第33話「おめでとう! 猫は空気から使い魔に進化した!」[黒胃](2009/06/14 17:47)
[35] 第34話「交渉人プレシア・テスタロッサ」[黒胃](2009/06/14 17:58)
[36] 第35話「完成! 夜天の栞」[黒胃](2009/06/14 18:04)
[37] 第36話「クリスマス・イヴは赤く染まる?」[黒胃](2009/06/14 18:10)
[38] 第37話「闇の書の戦闘力は正直、反則だろ」[黒胃](2009/06/14 18:15)
[39] 第38話「金色の姉妹」[黒胃](2009/06/14 19:10)
[40] 第39話「夜の終わり 作戦の崩壊?」[黒胃](2009/06/14 22:22)
[41] 第40話「スタンバイ…レディィィィ!! ゴオォォォォ!!!」[黒胃](2009/06/20 09:36)
[42] 登場人物 As編[黒胃](2009/06/20 13:51)
[43] 第41話「祝福の風、復活」[黒胃](2009/06/14 20:34)
[44] 第42話「風のいる生活」[黒胃](2009/06/14 20:43)
[45] 第43話「あなたと…合体したい…」[黒胃](2009/06/14 20:52)
[46] 第44話「一年が過ぎるのは本当に早い」[黒胃](2009/06/14 21:32)
[47] 第45話「悪の親玉? いえ、今日は従者です」[黒胃](2009/06/14 21:40)
[48] 第46話「笑顔を探れ」[黒胃](2009/06/14 21:47)
[49] 第47話「笑顔を求めて」[黒胃](2009/06/14 21:55)
[50] 第48話「笑顔のために」[黒胃](2009/06/14 22:01)
[51] 第49話「笑顔の答え」[黒胃](2009/06/14 22:07)
[52] 第50話「Puppet Prince」[黒胃](2009/06/14 22:13)
[53] 第51話「白と黒 表と裏 正義と悪?」[黒胃](2009/06/14 22:23)
[54] 第52話「ずれ始めた歯車」[黒胃](2009/06/14 22:29)
[55] 第53話「風邪を舐めると痛い目に遭う」[黒胃](2009/06/14 22:46)
[56] 第54話「柘榴色の世界」[黒胃](2009/06/14 22:51)
[57] 第55話「欠けたパーツ」[黒胃](2009/06/14 22:58)
[58] 第56話「血の遺跡の謎? 気分は考古学者」[黒胃](2009/06/14 23:05)
[59] 第57話「壊れていくパーツ」[黒胃](2009/06/14 23:12)
[60] 第58話「合体!? 自称 吸血鬼のデバイス?」[黒胃](2009/06/14 23:26)
[61] 第59話「吸血鬼の正体?」[黒胃](2009/06/14 23:52)
[62] 第60話「無限の欲望+無限の欲望=混沌」[黒胃](2009/06/14 23:58)
[63] 第61話「海だ! 水着だ! sts前だ!」[黒胃](2009/06/20 09:53)
[64] 第62話「歪んでいく物語」[黒胃](2009/06/20 10:10)
[65] 第63話「星と雷と…何故か血液」[黒胃](2009/06/20 10:28)
[66] 第64話「回帰組を正しく評価している人はいるんだろうか?」[黒胃](2009/06/20 11:02)
[67] 第65話「未確認勢力 薺の危機」[黒胃](2009/06/21 13:43)
[68] 第66話「人のよm 仲間に手を出してただで済むと思うな」[黒胃](2009/06/20 12:04)
[69] 第67話「潜入には 度胸が必要 ビビリには難しい」[黒胃](2009/06/20 12:22)
[70] 第68話「伝説の掃除人 その名は…」[黒胃](2009/06/20 12:39)
[71] 第69話「あれ? ティアナが凡人なら、俺って…」[黒胃](2009/06/20 12:56)
[72] 第70話「探すのをやめて夢の中に行く前に見つかった」[黒胃](2009/06/20 12:59)
[73] 第71話「猫って意外と凶暴?」[黒胃](2009/06/21 13:47)
[74] 第72話「ニャンニャン…ニャン!?」[黒胃](2009/06/20 13:11)
[75] 第73話「黒い薺と白い菜の花」[黒胃](2009/06/20 13:00)
[76] 第74話「小さな猫の大きな思い」[黒胃](2009/06/21 15:12)
[77] 第75話「人形王との交渉」[黒胃](2009/06/27 16:33)
[78] 第76話「決裂…の前に交渉なんかしていたか?」[黒胃](2009/06/28 17:05)
[79] 第77話「最近の女の子って何して遊んだら喜ぶんだ?」[黒胃](2009/08/03 15:45)
[80] 第78話「家族の形に決まりはない」[黒胃](2009/08/03 16:16)
[81] 第79話「初めても暗闇 再会も暗闇で」[黒胃](2009/08/20 19:04)
[82] 第80話「甘い蜜と欲望の蜜」[黒胃](2010/08/19 13:24)
[83] 第81話「綻び」[黒胃](2010/08/19 13:15)
[84] 外伝1話「悲しい痛み」[黒胃](2009/06/20 13:17)
[85] 外伝2話「遠い記憶」[黒胃](2009/05/30 13:13)
[86] マセラティ魔導師探偵の事件簿 FILE01.人を惑わす魅惑の音[黒胃](2009/06/20 13:33)
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[6935] 第64話「回帰組を正しく評価している人はいるんだろうか?」
Name: 黒胃◆bfbb7c41 ID:7c42c911 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/06/20 11:02
「…誰だこれ?」

『だから、マセラティ一族の一人だよ』

「いや、何でこいつが六課に関わって来るんだ?」

『…私たちの暴走が原因だと思うよ』

「これが若さか…」

『君もまだ若いだろう』



第64話「回帰組を正しく評価している人はいるんだろうか?」



スカリエッティからのドキドキ!? 六課のデータ!! を
貰ってからすぐにスカさんと一緒に研究室に移動して、データをモニターに映しながら見る。
すると、そこには、全く原作とは変わっていない魔法少女(ギリギリもいるが)が揃っていた。

「問題がこいつか…」

「あたしにも見えるようにしろ!!」

「はいはい」

フェイトをクリックすると、フェイトをサポートする役として登録されてある
緑髪のフェイトたちより一つ年上の女性、コーデリア・マセラティが表示される。

『コーデリア・マセラティ…魔導師探偵をしていて、そして事務所まで構えているのか…中々やるね』

「なんだその魔導師探偵って」

ネ○ロか?

『簡単に言うと、管理局が取り合ってくれない小さな事件を解決してくれる人さ』

「便利屋みたいなものか…」

それで何でその便利屋もどきが、この機動六課に関わってきてるかって話だ。
あんまり、というか全然関係ない人だろこの人。

『彼女は、外部協力者、いわゆる傭兵のような存在だからね。魔力リミッターにも引っかからないわけだ』

「でも、こいつそんなに魔力量高くなくないか?」

ティアナくらいの量だと思うんだが。

『そうみたいだね。魔力量は、そこまで多くないみたいだね』

「そこまで脅威じゃないってことか?」

「おい。お前も魔力量の少ない内の一人だろ」

「カーミラ…お前、痛いとこ突くな…」

確かに俺は魔力量はかなり低い部類に入るけど、そこまでストレートに言わなくても…
これでも結構傷つきやすいんだぜ?

『しかし、フェイト・テスタロッサが雇うくらいだ。確かに相当の腕を持っていると考えられるけどね』

素人同然の探偵を雇うほど、目利きが出来ないわけじゃないだろう。

「こいつって、今も六課にいるのか? ならこいつごと拉致するのも手だな」

『いや、今は機動六課にはいないみたいだね』

えっ? みんなと一緒の時期に働き始めてないんだこいつ。

『依頼を受ける前の仕事を片付けてから、それとなにか用事があるらしいから、正式に機動六課に来るのは、6月くらいになるみたいだね』

「6月? 結構先だな」

それだと、もうヴィヴィオが見つかる手前くらいじゃないか。

「どうするかね」

『どうとは?』

「どうやってコメテスアメテュスを奪うかってこと」

いくらこっちに情報があるからと言っても、あっちの情報が全部把握できるわけじゃない。
出来れば、あっちの情報は常に把握しておきたいところだ。
だけど、それにはあっちに何か盗聴器的な物を仕掛けないといけない。
まあ、そんなことが出来るならとっくにやっている。出来ないから困ってるんだけどな。

「ちょっと触る」

『構わないよ』

俺は、六課のデータを細かく調べ、どこか穴がないか探してみることにした。
しかし深く調べてみればみるほど非常識な組織という認識が濃くなってくるな。やっぱり魔力的な意味で。

「…食堂専用の職員や清掃職員の職員もちゃんといるんだな」

『それは、そうだろう。いくら魔導師といっても、誰もが食事を作れるわけじゃないからね』

アニメとかじゃ、描写されてなかったけど、ちゃんといるのはいるもんなんだな。

「こういう奴らの情報って、あまり詳しく載ってないんだな」

明らかに魔導師メンバーに比べると情報が少ない。

『そういう仕事は、魔力を必要としないからね。魔法を使えない人だっているかもしれないよ』

「なるほど」

だから、情報があまりすくないわけか。
…え? ちょっと待てよ…。情報が少ないわけだよな? この普通の職員たちは…!

「スカさん! いいこと思いついた!!」

『君がいいことと言うと、全然いいことじゃないことが多いよ』

「今回は大丈夫! 完璧すぎて怖い!」

『…話してくれ』









side--


機動六課の食堂。訓練や、仕事を休憩し、各々の職員たちが食事を楽しんでいる中
賑やかな食堂の中、一際大きな声をあげている組があった。

「なのは!!」

「フェイトちゃん。どうかしたの?」

のんびりと、一人で食事を食べていた、高町なのはに近づいていったのはフェイト・T・ハラオウン。
様子を見る限り、少し怒り気味のようだった。

「どうかしたのじゃないよ! 昨日ナズナと会ったって聞いてたのに、なのはは、すぐに寝ちゃうし、朝は、訓練に行っちゃって話が出来ないし…」

「あ、ごめん。昨日は、いろいろあって疲れちゃったから、そのまま寝ちゃったんだっけ」

いかにも怒っています! という表情をしているフェイトを苦笑いをしながら受け流すなのはだが
今日のフェイトは、ナズナのことが関わっているせいなのか引かなかった。

「ここでお話してくれるよね」

「フェ、フェイトちゃん…、ご、ご飯とってきたらどうかな?」

話はするつもりだったが、今のフェイトに話が出来るかどうかあやしい。
とりあえず、何か取ってき手いる間に頭も冷えるんじゃないかと思い、提案してみた。

「もう持ってきてるよ!」

「あ、そうなの」

以外に冷静だった。

フェイトは、なのはと向かい側の席に座り、なのはをジッと睨む。
ポテトサラダをパクパクしながら、どことなくムスっとしているようになのはには見える。それは最初からだが…

「ど、どうしてフェイトちゃんは機嫌悪いのかな?」

なのはの問いにフェイトは、一瞬考える素振りをしたあとに答えた。

「なんか、最近なのはばかりナズナと会っている気がしたから」

その言葉になのはは、フェイトの眼をジッと見るが、今度はフェイトが視線を逸らしてしまった。
遠くから見ると、どっちもモジモジしているので、告白前に見えなくもない。現に…



「これは、まさか修羅場って奴か!? なのはちゃんとフェイトちゃんの別れ話か!?」

「落ち着いてください主」

「しゅ、修羅場ですか!? 駄目です~! みんな仲良くするです~!!」

「ていうか、なのはとフェイトは付き合ってねえよはやて」

遠くからその様子を見て妄想を膨らましている狸部隊長がいた。



「ナズナと会って、話したんだよね?」

「うん。まあ、したと言えば…したのかな?」

あれを会話というのかどうかは微妙だ。どちらかというと、ただ口喧嘩しただけかもしれない。
実際にナズナは会話ではなく喧嘩(というか戦闘)をしたと考えている。

「何を話したの?」

「う~ん。元気? って感じのこと」

にゃはは、と笑いながらなのはは答えたが、明らかに笑顔には、無理があった。
残念なことになのはは、フェイトに嘘をつくときは顔に出やすいタイプだった。

「嘘でしょ。絶対」

「うう」

ばっちり指摘されてしまったなのはは、何故ばれた!? という表情になるが、当たり前である。
そこでようやく観念したのか、顔がシャキっと真面目になった。

「…今回の目的をちょっと聞いてみたりもしたんだけど、全然答えてくれなかったよ」

「やっぱりレリックが目的?」

「いや、これ見て」

空中にモニターが表示され、リニアで戦った二人の魔導師。ナズナと鈴木嵐が映し出された。

「この白衣のバリアジャケットの魔導師の方がスバルたちと交戦したんだけど、最後には、レリックのケースを投げて逃走したらいんだ。逃げるためには仕方なくって感じじゃなくて、最初から興味ないって感じだったって、ティアナが報告してくれた」

画面に映し出されえている魔導師は、シャマルが普段着ていそうなバリアジャケットを纏い
腕を銃の形にして、こちらに向けているのがわかる。髪が目に被さっているせいか、顔が見えにくい。

「それで、この人なんだけど、シャマルさんが言うには、私の怪我を治療してくれた人なんだ」

「ええっ!?」

このデータをシャマルが見た途端、大声を上げてなのはに掴みかかり。
そして、「なのはちゃん! この人! 絶対この人よ!」と、血走った眼でなのはを見ながら言った。

「シャマルさんが言うには、怪我した時に、私の出血を止めていてくれた魔法の術式と、あの赤い剣の術式が一緒だったんだって」

あの時のシャマルさんの慌てっぷりは凄かったよ~と笑顔で言う親友に
フェイトは軽く頭痛を覚えた。

「まさか、なのはを助けた人がナズナと繋がってるとは思いもしなかったよ…」

「私は、怪我したときにちょっとだけ覚えてはいたんだけどね」

なのはは、本当は、もう一つ気になることがあった。この人物の話題になった時の
ナズナの焦ったあの態度だ。それは、まだ未確認のことが多いので、フェイトたちには黙っていることにした。
もしかしたら、白衣の魔導師がナズナのボスなのかもしれないという可能性も頭に入れながら。
しかし、実際は、確かにボスなんだが、ナズナが焦った理由は全く別の理由ということには気づかなかった。

「しかも、報告では、この人、ユニゾンデバイスも所持していたらしいんだ。えと、…これ」

「融合騎を!?」

画面に映し出されたのは、リインフォースⅡと争っている、カーミラだった。どう見てもじゃれているようにしか見えないが。
融合騎は、このミッドでは、本来はロストロギアに指定されるくらい危険な物だ。
他人だけではなく、融合事故という、自分にまで危害を及ばす可能性のある、大変危険なデバイスとして扱われている。
今、ユニゾンデバイスを使っている代表的な例を挙げるなら八神はやてたちくらいである。
その貴重なユニゾンデバイスを無断で持っているだけで、かなりの違法になってしまう。
しかも、持っているということは、ロードという可能性も出てくる。

「かなり、厄介な感じだね」

「うん。一筋縄ではいかないよ」

二人で今回の敵について真剣に考えていると

「あっ、なのはさん! 一緒にいいですか!」

「馬鹿スバル! あんま大きな声出さないでよ!」

「ご、ごめん」

そんな二人の後ろから、新人たち4人、スバルにティアナ、エリオにキャロが近づいてきた。

「この席はいっぱいだから、隣でいいかな」

「はい! 全然構いません!」

「すみません。お食事中に…」

「「失礼します…」」

スバル以外、全員が少々緊張した感じに席に座った。

「あふぇ、にゃにょはしゃん、ほれってひほうのひゃつですか? (あれ、なのはさん、それって昨日のやつですか?)」

「口の中に入ったまま話すな!」

「あはは…、うん、昨日の襲撃してきた魔導師のデータだよ」

口の中いっぱいにごはんを蓄えながら話すスバルの言葉は、まるっきり理解できなかった。
理解できたのは、この中で一番付き合いが長いティアナぐらいだっただろう。

スバルたち新人は、なのはが表示していた、データを見て、二人目を見た瞬間、全員がむせ返った。

「げほっ!?」

「げ、げっほ! げほっ!? な、なのはさん! その、それ」

いち早く復活したスバルが、モニターに映っている、一人の魔導師を指差した。
黒いバリアジャケットを纏い、透き通るような白い肌。そして、なのはのサイドポニーとは、少し違う普通のポニーテール。
その姿は、多少違えど自分たちの上司。高町なのはにそっくりだ。

「もしきゃ!?」

「な、なのはさんにそっくりですね?」

毎回毎回一言多い相棒の口を塞いで、ティアナが軽く尋ねた。

「うん。多分、いや、絶対私の人造魔導師だよ」

別に隠しているわけではなかったなのはは、正直に答えた。
その言葉に少しだけエリオが反応したのをフェイトは見逃さなかった。

「人造? 魔導師?」

あまり聞き覚えがないのか、キャロは、つい口に出してしまった。

「優秀な遺伝子を使って人工的に生み出した子供に投薬とか機械部品を埋め込んで、後天的に強力な能力や魔力を持たせる。それが人造魔導師だよ」

「倫理的な問題はもちろん、今の技術じゃどうしたっていろんな部分で無理が生じる。コストもあわない。だからよっぽどどうかしてる連中でもない限り手を出したりしない技術のはずなんだけど…」

「どうかしてる人たちが作ったのかはわからないけど、10年前からの付き合いになるのかな?」

なのはの周りの人たちは、この機動六課では、繋がりがある人物が多い。
10年前から知っている人物の中で、その例外がこのナズナだろう。

「なのはさんの魔力を持った魔導師…、かなりの強敵じゃないですか」

「うん。………いつか墜とすけど」

「やっぱりなのはさんは、勝つ自信が…あれっ?」

最後の一言が聞こえていたのは、フェイトとティアナだけだった。










sideout


「どうだ! この姿!」

俺は、スカさんに思いついた作戦を披露していた。

『…君が恐ろしく馬k…天才に近いのはわかった』

「褒めるなよ。照れる」

「多分褒められてないぞ」

スカさんは、俺の指ではなく、カーミラが持っててくれている。

「これで本格的に潜入が出来るだろ?」

「ああ。その姿ならとりあえず六課までは行けるかもしれないな」

「だろ? 泣き声とかも練習した方がいいかな?」

『いいんじゃないかい』

「キュクル~♪」

「まあ、作戦自体は悪くないだろ? スカリエッティ」

『作戦自体はね』

外野が何か言っているが全く聞こえな~い。

『その“竜”の姿は気に入ったのかい』

「ああ!」

そう。俺は、キャロの愛竜、フリードに化けて、じゃない、変化していた。
色まで完璧に再現してあり、素人が見たら比べはつかない匠の仕上がりとなっている。

「これでホテルの事件のときに、フリードと入れ替わるんだ! それで、その後、六課に移動して、フリードをスカさんに送ってもらって元に戻る」

『召喚師は気づく可能性は高いよ?』

「…短い間に、ばれない事を祈るだけだ」

そこら辺は、神頼み。まあ、ほんの数十分だし、何とかなるだろ。

「その後、この六課の清掃職員として働いている、デ・ト? 本名だか、なんだか知らないけど、この目立ってない人物と入れ替わる! 幸いこいつ黒髪で顔はいつも隠しているみたいだし、それに清掃員なんて誰も覚えてないだろ!」

地味な痩せ型っぽい男だし、そいつは、とりあえず監禁でもしとくか?
いや、むしろ金でもやってどこかに行ってもらったほうがいいか?

「この六課の寮に俺が侵入するから、連絡はこのスカさんでする」

アクセサリーでギリギリ誤魔化せるだろう。

「ついでにフリードは、眠らしておいてもらうから、スカさん! 強力な竜でも眠る薬をよろしく!」

『わかったよ』

「竜の姿で指差してくるな。なんか腹立つ」

…手が動かしにくいんです。











おまけ


ここは、嵐たちが会議している場所とは離れたリビング。
そこでナズナは、汚れが気になり、掃除をしているところだった。そこにアリシアがやってきた。

「ナズナ!」

「アリシア? どうしました?」

掃除を中断してアリシアの方を見たナズナは、ニコニコ笑っているアリシアを見て、少し嫌な予感がした。

「ミーティアに聞いたよ。かなり本気でいったって」

「はあ」

「ずばり! その人に嵐のことを知られるのが嫌だったんでしょ!」

「っ!?」

ここで笑顔で「違います」と言えば誤魔化せるが、ナズナは嵐の事となると嘘が下手になる。
そこら辺は、オリジナル譲りかもしれない。

「ちち、違います! 少し違う場所を掃除してきます! 大体!何で私が高町なのはに嫉妬しなくちゃいけないんですか! 確かに昔からマスターは、高町なのはのことを気にしていますが!」

何か一人でぶつぶつ言いながら、ナズナはアリシアから逃げていった。

「……」




~アリシアの想像~


「マスターは、私のものです! パッと出てきてマスターを横から掻っ攫おうなんて、この泥棒猫!!」

「恋に遠慮しているナズナちゃんが悪いんじゃないかな? 私は何だって全力全開だよ?」

「いままで男がいるどころか、レズ疑惑まであった奴が何を言ってるんですか! いいから、マスターを返しなさい!」

「っな!? そんなことナズナちゃんに言われたくないかな。それにナズナちゃんのことより、私のほうが好きかもしれないよ?」

「ありえません! ていうか、マスターを離せ!!」

「嫌だといったら?」

「とりあえず、消し飛ばします」

「全力全開?」

「全力全壊で」

「それじゃあ力尽くで来たらどうかな?」

「少し、頭割りましょうか」

「出来るならどうぞ」

「…とりあえず、猫モードをやめていいか?」


~終了~




「それはないか」

「何を想像しているんですかアリシア。プレシアが呼んでいますよ」

「あ、リニス! わかった、すぐ行く」










<あとがき>
次回はホテルアグスタだ! そして、未確認勢力も動き出す! と思う!


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