「…誰だこれ?」『だから、マセラティ一族の一人だよ』「いや、何でこいつが六課に関わって来るんだ?」『…私たちの暴走が原因だと思うよ』「これが若さか…」『君もまだ若いだろう』第64話「回帰組を正しく評価している人はいるんだろうか?」スカリエッティからのドキドキ!? 六課のデータ!! を貰ってからすぐにスカさんと一緒に研究室に移動して、データをモニターに映しながら見る。すると、そこには、全く原作とは変わっていない魔法少女(ギリギリもいるが)が揃っていた。「問題がこいつか…」「あたしにも見えるようにしろ!!」「はいはい」フェイトをクリックすると、フェイトをサポートする役として登録されてある緑髪のフェイトたちより一つ年上の女性、コーデリア・マセラティが表示される。『コーデリア・マセラティ…魔導師探偵をしていて、そして事務所まで構えているのか…中々やるね』「なんだその魔導師探偵って」ネ○ロか?『簡単に言うと、管理局が取り合ってくれない小さな事件を解決してくれる人さ』「便利屋みたいなものか…」それで何でその便利屋もどきが、この機動六課に関わってきてるかって話だ。あんまり、というか全然関係ない人だろこの人。『彼女は、外部協力者、いわゆる傭兵のような存在だからね。魔力リミッターにも引っかからないわけだ』「でも、こいつそんなに魔力量高くなくないか?」ティアナくらいの量だと思うんだが。『そうみたいだね。魔力量は、そこまで多くないみたいだね』「そこまで脅威じゃないってことか?」「おい。お前も魔力量の少ない内の一人だろ」「カーミラ…お前、痛いとこ突くな…」確かに俺は魔力量はかなり低い部類に入るけど、そこまでストレートに言わなくても…これでも結構傷つきやすいんだぜ?『しかし、フェイト・テスタロッサが雇うくらいだ。確かに相当の腕を持っていると考えられるけどね』素人同然の探偵を雇うほど、目利きが出来ないわけじゃないだろう。「こいつって、今も六課にいるのか? ならこいつごと拉致するのも手だな」『いや、今は機動六課にはいないみたいだね』えっ? みんなと一緒の時期に働き始めてないんだこいつ。『依頼を受ける前の仕事を片付けてから、それとなにか用事があるらしいから、正式に機動六課に来るのは、6月くらいになるみたいだね』「6月? 結構先だな」それだと、もうヴィヴィオが見つかる手前くらいじゃないか。「どうするかね」『どうとは?』「どうやってコメテスアメテュスを奪うかってこと」いくらこっちに情報があるからと言っても、あっちの情報が全部把握できるわけじゃない。出来れば、あっちの情報は常に把握しておきたいところだ。だけど、それにはあっちに何か盗聴器的な物を仕掛けないといけない。まあ、そんなことが出来るならとっくにやっている。出来ないから困ってるんだけどな。「ちょっと触る」『構わないよ』俺は、六課のデータを細かく調べ、どこか穴がないか探してみることにした。しかし深く調べてみればみるほど非常識な組織という認識が濃くなってくるな。やっぱり魔力的な意味で。「…食堂専用の職員や清掃職員の職員もちゃんといるんだな」『それは、そうだろう。いくら魔導師といっても、誰もが食事を作れるわけじゃないからね』アニメとかじゃ、描写されてなかったけど、ちゃんといるのはいるもんなんだな。「こういう奴らの情報って、あまり詳しく載ってないんだな」明らかに魔導師メンバーに比べると情報が少ない。『そういう仕事は、魔力を必要としないからね。魔法を使えない人だっているかもしれないよ』「なるほど」だから、情報があまりすくないわけか。…え? ちょっと待てよ…。情報が少ないわけだよな? この普通の職員たちは…!「スカさん! いいこと思いついた!!」『君がいいことと言うと、全然いいことじゃないことが多いよ』「今回は大丈夫! 完璧すぎて怖い!」『…話してくれ』side--機動六課の食堂。訓練や、仕事を休憩し、各々の職員たちが食事を楽しんでいる中賑やかな食堂の中、一際大きな声をあげている組があった。「なのは!!」「フェイトちゃん。どうかしたの?」のんびりと、一人で食事を食べていた、高町なのはに近づいていったのはフェイト・T・ハラオウン。様子を見る限り、少し怒り気味のようだった。「どうかしたのじゃないよ! 昨日ナズナと会ったって聞いてたのに、なのはは、すぐに寝ちゃうし、朝は、訓練に行っちゃって話が出来ないし…」「あ、ごめん。昨日は、いろいろあって疲れちゃったから、そのまま寝ちゃったんだっけ」いかにも怒っています! という表情をしているフェイトを苦笑いをしながら受け流すなのはだが今日のフェイトは、ナズナのことが関わっているせいなのか引かなかった。「ここでお話してくれるよね」「フェ、フェイトちゃん…、ご、ご飯とってきたらどうかな?」話はするつもりだったが、今のフェイトに話が出来るかどうかあやしい。とりあえず、何か取ってき手いる間に頭も冷えるんじゃないかと思い、提案してみた。「もう持ってきてるよ!」「あ、そうなの」以外に冷静だった。フェイトは、なのはと向かい側の席に座り、なのはをジッと睨む。ポテトサラダをパクパクしながら、どことなくムスっとしているようになのはには見える。それは最初からだが…「ど、どうしてフェイトちゃんは機嫌悪いのかな?」なのはの問いにフェイトは、一瞬考える素振りをしたあとに答えた。「なんか、最近なのはばかりナズナと会っている気がしたから」その言葉になのはは、フェイトの眼をジッと見るが、今度はフェイトが視線を逸らしてしまった。遠くから見ると、どっちもモジモジしているので、告白前に見えなくもない。現に…「これは、まさか修羅場って奴か!? なのはちゃんとフェイトちゃんの別れ話か!?」「落ち着いてください主」「しゅ、修羅場ですか!? 駄目です~! みんな仲良くするです~!!」「ていうか、なのはとフェイトは付き合ってねえよはやて」遠くからその様子を見て妄想を膨らましている狸部隊長がいた。「ナズナと会って、話したんだよね?」「うん。まあ、したと言えば…したのかな?」あれを会話というのかどうかは微妙だ。どちらかというと、ただ口喧嘩しただけかもしれない。実際にナズナは会話ではなく喧嘩(というか戦闘)をしたと考えている。「何を話したの?」「う~ん。元気? って感じのこと」にゃはは、と笑いながらなのはは答えたが、明らかに笑顔には、無理があった。残念なことになのはは、フェイトに嘘をつくときは顔に出やすいタイプだった。「嘘でしょ。絶対」「うう」ばっちり指摘されてしまったなのはは、何故ばれた!? という表情になるが、当たり前である。そこでようやく観念したのか、顔がシャキっと真面目になった。「…今回の目的をちょっと聞いてみたりもしたんだけど、全然答えてくれなかったよ」「やっぱりレリックが目的?」「いや、これ見て」空中にモニターが表示され、リニアで戦った二人の魔導師。ナズナと鈴木嵐が映し出された。「この白衣のバリアジャケットの魔導師の方がスバルたちと交戦したんだけど、最後には、レリックのケースを投げて逃走したらいんだ。逃げるためには仕方なくって感じじゃなくて、最初から興味ないって感じだったって、ティアナが報告してくれた」画面に映し出されえている魔導師は、シャマルが普段着ていそうなバリアジャケットを纏い腕を銃の形にして、こちらに向けているのがわかる。髪が目に被さっているせいか、顔が見えにくい。「それで、この人なんだけど、シャマルさんが言うには、私の怪我を治療してくれた人なんだ」「ええっ!?」このデータをシャマルが見た途端、大声を上げてなのはに掴みかかり。そして、「なのはちゃん! この人! 絶対この人よ!」と、血走った眼でなのはを見ながら言った。「シャマルさんが言うには、怪我した時に、私の出血を止めていてくれた魔法の術式と、あの赤い剣の術式が一緒だったんだって」あの時のシャマルさんの慌てっぷりは凄かったよ~と笑顔で言う親友にフェイトは軽く頭痛を覚えた。「まさか、なのはを助けた人がナズナと繋がってるとは思いもしなかったよ…」「私は、怪我したときにちょっとだけ覚えてはいたんだけどね」なのはは、本当は、もう一つ気になることがあった。この人物の話題になった時のナズナの焦ったあの態度だ。それは、まだ未確認のことが多いので、フェイトたちには黙っていることにした。もしかしたら、白衣の魔導師がナズナのボスなのかもしれないという可能性も頭に入れながら。しかし、実際は、確かにボスなんだが、ナズナが焦った理由は全く別の理由ということには気づかなかった。「しかも、報告では、この人、ユニゾンデバイスも所持していたらしいんだ。えと、…これ」「融合騎を!?」画面に映し出されたのは、リインフォースⅡと争っている、カーミラだった。どう見てもじゃれているようにしか見えないが。融合騎は、このミッドでは、本来はロストロギアに指定されるくらい危険な物だ。他人だけではなく、融合事故という、自分にまで危害を及ばす可能性のある、大変危険なデバイスとして扱われている。今、ユニゾンデバイスを使っている代表的な例を挙げるなら八神はやてたちくらいである。その貴重なユニゾンデバイスを無断で持っているだけで、かなりの違法になってしまう。しかも、持っているということは、ロードという可能性も出てくる。「かなり、厄介な感じだね」「うん。一筋縄ではいかないよ」二人で今回の敵について真剣に考えていると「あっ、なのはさん! 一緒にいいですか!」「馬鹿スバル! あんま大きな声出さないでよ!」「ご、ごめん」そんな二人の後ろから、新人たち4人、スバルにティアナ、エリオにキャロが近づいてきた。「この席はいっぱいだから、隣でいいかな」「はい! 全然構いません!」「すみません。お食事中に…」「「失礼します…」」スバル以外、全員が少々緊張した感じに席に座った。「あふぇ、にゃにょはしゃん、ほれってひほうのひゃつですか? (あれ、なのはさん、それって昨日のやつですか?)」「口の中に入ったまま話すな!」「あはは…、うん、昨日の襲撃してきた魔導師のデータだよ」口の中いっぱいにごはんを蓄えながら話すスバルの言葉は、まるっきり理解できなかった。理解できたのは、この中で一番付き合いが長いティアナぐらいだっただろう。スバルたち新人は、なのはが表示していた、データを見て、二人目を見た瞬間、全員がむせ返った。「げほっ!?」「げ、げっほ! げほっ!? な、なのはさん! その、それ」いち早く復活したスバルが、モニターに映っている、一人の魔導師を指差した。黒いバリアジャケットを纏い、透き通るような白い肌。そして、なのはのサイドポニーとは、少し違う普通のポニーテール。その姿は、多少違えど自分たちの上司。高町なのはにそっくりだ。「もしきゃ!?」「な、なのはさんにそっくりですね?」毎回毎回一言多い相棒の口を塞いで、ティアナが軽く尋ねた。「うん。多分、いや、絶対私の人造魔導師だよ」別に隠しているわけではなかったなのはは、正直に答えた。その言葉に少しだけエリオが反応したのをフェイトは見逃さなかった。「人造? 魔導師?」あまり聞き覚えがないのか、キャロは、つい口に出してしまった。「優秀な遺伝子を使って人工的に生み出した子供に投薬とか機械部品を埋め込んで、後天的に強力な能力や魔力を持たせる。それが人造魔導師だよ」「倫理的な問題はもちろん、今の技術じゃどうしたっていろんな部分で無理が生じる。コストもあわない。だからよっぽどどうかしてる連中でもない限り手を出したりしない技術のはずなんだけど…」「どうかしてる人たちが作ったのかはわからないけど、10年前からの付き合いになるのかな?」なのはの周りの人たちは、この機動六課では、繋がりがある人物が多い。10年前から知っている人物の中で、その例外がこのナズナだろう。「なのはさんの魔力を持った魔導師…、かなりの強敵じゃないですか」「うん。………いつか墜とすけど」「やっぱりなのはさんは、勝つ自信が…あれっ?」最後の一言が聞こえていたのは、フェイトとティアナだけだった。sideout「どうだ! この姿!」俺は、スカさんに思いついた作戦を披露していた。『…君が恐ろしく馬k…天才に近いのはわかった』「褒めるなよ。照れる」「多分褒められてないぞ」スカさんは、俺の指ではなく、カーミラが持っててくれている。「これで本格的に潜入が出来るだろ?」「ああ。その姿ならとりあえず六課までは行けるかもしれないな」「だろ? 泣き声とかも練習した方がいいかな?」『いいんじゃないかい』「キュクル~♪」「まあ、作戦自体は悪くないだろ? スカリエッティ」『作戦自体はね』外野が何か言っているが全く聞こえな~い。『その“竜”の姿は気に入ったのかい』「ああ!」そう。俺は、キャロの愛竜、フリードに化けて、じゃない、変化していた。色まで完璧に再現してあり、素人が見たら比べはつかない匠の仕上がりとなっている。「これでホテルの事件のときに、フリードと入れ替わるんだ! それで、その後、六課に移動して、フリードをスカさんに送ってもらって元に戻る」『召喚師は気づく可能性は高いよ?』「…短い間に、ばれない事を祈るだけだ」そこら辺は、神頼み。まあ、ほんの数十分だし、何とかなるだろ。「その後、この六課の清掃職員として働いている、デ・ト? 本名だか、なんだか知らないけど、この目立ってない人物と入れ替わる! 幸いこいつ黒髪で顔はいつも隠しているみたいだし、それに清掃員なんて誰も覚えてないだろ!」地味な痩せ型っぽい男だし、そいつは、とりあえず監禁でもしとくか?いや、むしろ金でもやってどこかに行ってもらったほうがいいか?「この六課の寮に俺が侵入するから、連絡はこのスカさんでする」アクセサリーでギリギリ誤魔化せるだろう。「ついでにフリードは、眠らしておいてもらうから、スカさん! 強力な竜でも眠る薬をよろしく!」『わかったよ』「竜の姿で指差してくるな。なんか腹立つ」…手が動かしにくいんです。おまけここは、嵐たちが会議している場所とは離れたリビング。そこでナズナは、汚れが気になり、掃除をしているところだった。そこにアリシアがやってきた。「ナズナ!」「アリシア? どうしました?」掃除を中断してアリシアの方を見たナズナは、ニコニコ笑っているアリシアを見て、少し嫌な予感がした。「ミーティアに聞いたよ。かなり本気でいったって」「はあ」「ずばり! その人に嵐のことを知られるのが嫌だったんでしょ!」「っ!?」ここで笑顔で「違います」と言えば誤魔化せるが、ナズナは嵐の事となると嘘が下手になる。そこら辺は、オリジナル譲りかもしれない。「ちち、違います! 少し違う場所を掃除してきます! 大体!何で私が高町なのはに嫉妬しなくちゃいけないんですか! 確かに昔からマスターは、高町なのはのことを気にしていますが!」何か一人でぶつぶつ言いながら、ナズナはアリシアから逃げていった。「……」~アリシアの想像~「マスターは、私のものです! パッと出てきてマスターを横から掻っ攫おうなんて、この泥棒猫!!」「恋に遠慮しているナズナちゃんが悪いんじゃないかな? 私は何だって全力全開だよ?」「いままで男がいるどころか、レズ疑惑まであった奴が何を言ってるんですか! いいから、マスターを返しなさい!」「っな!? そんなことナズナちゃんに言われたくないかな。それにナズナちゃんのことより、私のほうが好きかもしれないよ?」「ありえません! ていうか、マスターを離せ!!」「嫌だといったら?」「とりあえず、消し飛ばします」「全力全開?」「全力全壊で」「それじゃあ力尽くで来たらどうかな?」「少し、頭割りましょうか」「出来るならどうぞ」「…とりあえず、猫モードをやめていいか?」~終了~「それはないか」「何を想像しているんですかアリシア。プレシアが呼んでいますよ」「あ、リニス! わかった、すぐ行く」<あとがき>次回はホテルアグスタだ! そして、未確認勢力も動き出す! と思う!