「長かった物語の終焉も近い…か」≪予定とはかなり変わったけど、一応順調なのかな≫「かなりと言うか、ほとんどな。Asは終わるけど、多分ここからが本当の始まりだと思う」≪ここから牢獄に行かなければね≫「そうなったら脱獄少年 リアル鈴木とかでいいんじゃない?」第40話「スタンバイ…レディィィィ!! ゴオォォォォ!!!」「執務官、こんなとこに居てていいのか? 八神はやてのお見舞いにでも行ってきてもいいよ? 俺たちのことは気にしないでさ」俺たちのことなんて放っておいて、愛しい妹の友達の所に行けばいいのに。「ふざけた事を言ってないでさっさとバリアジャケットを解除したらどうだ」「……」あの後、アースラに連行された俺とナズナは、取調室のような部屋に3人で連れてかれた。フェイトたちは途中で別れたがクロノはやっぱりついてきた。「おいおい、女の子にいきなり脱げって…おませさん!」「なっ!? …ち、違う! そうじゃなくてデバイスを解除しろと言ったんだ!」それは、わかってるけどねぇ…「このまま話し合いってわけにはいかない?」「駄目だ」≪これは、もう無理だね≫どうにもならんね。マジで「ナズナ」「はい」「…?」ナズナの体が光、バリアジャケットが解除された瞬間。クロノは零れるかと思うほど目を見開いた。「どういうことだ…」「なにが? どれが?」クロノは拳を握って手を震わせている。まるで信じられないものを目にしたかのように「何故彼女はなのはと同じ顔なんだ!!」クロノの怒声が部屋に響く。「そっくりさんなんじゃない?」「そっくりで済ませれる問題じゃない!! 双子と言っても信じれるぞ」そりゃクローンですから。ある意味双子よりも血の繋がりは濃いかもね。まあ、混ざってるけど。「心外です」クロノのテンションはますますヒートアップ。もう何かいっぱいいっぱいだ。「っく! とりあえず艦長に報告してくる。君たちはここでじっとしててくれ」そう言うとクロノは部屋から出て行った。俺とナズナに手錠をかけて「ふ! ふん! …デバイスが発動しないか…」「こっちもです」「あたしもだ」どうやら、この手錠をつけているとデバイスが発動しない仕組みになっているようだ。全くスカさんやミーティアが発動しない。「魔力も発動しにくいし、監視カメラがついてる可能性あるから、下手に動けないな…」「力技で外れそうにもねえな…」「今は現状待機しかないですね…」見られている可能性を考えるとあまり会話するのはよくないだろう。もしかしたら、この今もこの部屋を見ているのかもしれないしだけど、このまま待機していると捕まるのは必須だよな…「神頼みならぬ、母頼みってか」助けるのはプレシアさんを信じるとして今はこっちの行動を考えとかないとマズイな。sideクロノ・ハラオウン取調室から出たあと、僕は夢中で走っていた。道中に何度か声を掛けられた気もするが、構っている余裕はなかった。「かあ…艦長! これを」「どうしたのクロノ? ようやく一段落着いたのに、そんなに慌てて」「どしたのさクロノ君」エイミィと母さんがいる場所についた僕は急いで画面を展開した。「ナズナさんね……っ!?」「これがどうか…っ!?」二人ともこの映像を見て気づいたようだナズナという魔導師がなのはに似ている、いや瓜二つだということに「これは…」「そっくりさん…じゃないよね」「クロノ、あなたはどう思っているの?」「それは…」普通に考えたならプロジェクトFだと思う。だけど、それだと辻褄が合わないことになってしまう。なのはが魔導師として活躍しだしたのはP・T事件からのはずだ。ならばその戦績が狙われてクローンを作ろうと考える者も出てくるかもしれない。だけどナズナはP・T事件のとき、確かに僕たちの敵として現れた。「おかしい…」「ええ、そのとおりね」ナズナがプロジェクトFで生み出されたなら、生み出した者はジュエルシードがばら撒かれた時に、ナズナを誕生さしたはずだだけどそれもおかしい。まだ魔導師のなりたてだったなのはのクローンを生み出しても何の価値もない。寧ろ邪魔になる確立のほうが高い。「ナズナさんの話は聞けた?」「いえ…全然…」「そう…、このことなのはさんたちには」「まだ話していません」「なら、このことは全てがわかったときに話しましょう。本当になのはさんそっくりなだけかもしれないわ」「そうだといいんですが…」なのはとナズナ全く関係がなければそれでいいんだが、そうとは思えなかった。sideoutナズナの素顔が見られてから一日。昨日はナズナの体を検査するだけで終わったが残念ながらナズナの体を検査するだけではすぐには気づけないだろう。二人のリンカーコアが混ざっているなんて、かなり時間をかけて調べないとわからない。そして今日もクロノに質問攻めにされると思いきやクロノは部屋に入ってくるなり大きな溜息をついた。「執務官、えらく真剣な顔だな?どうした」「…闇の書の破壊が決まってな。それを今日実行するんだ」「へぇ…」まあ知ってたけどね「それが終わった後、今日は君の検査だ」「昨日ナズナもしたのに俺もやるのか?」注射とか苦手なんだけど…ていうか病院の匂いが苦手だからそういう検査とか嫌いなんだよね「当たり前だ」「なら執務官。今日の闇の書が破壊、見学させてくれないか?」「…逃げる気か?」「逃げれないだろ、ナズナがここに残ってるんだし」これで無理とか言われたら、もう闇の書は諦めます。クロノもまさかご主人様を放って逃げようとする使い魔もそういないと思うだろう。「闇の書とは一応共闘した仲だし、最後の別れぐらいしたいと思って」「…いいだろう。ただし僕も同行する。逃げようなんて考えるなよ」「もちろん」もちろん嘘だけど。「あれ? クロノ君」「クロノ、どうかしたの?」「こいつがどうしても闇の書に挨拶しときたいと言って聞かないんだ」たどり着くと、もうそこは消える準備を整えたリインフォースとなのはたちがいた。俺の姿を見つけるとちょっと警戒した感じに守護騎士たちは構えた。「いや、何もしなっどわ!?」にこやかに笑顔を作りながら、わざと顔から転倒。周りからビックリした声が聞こえるが無視。切っておいた口から血が垂れ、魔法陣に一滴かかる。「何をしているんだ」「手錠のせいで動きにくいんだよ。ちょっと手を貸してくれ」本当にズッコケタように体を捻らせクロノに助けを求めるとクロノは呆れたように手を貸してくれた。「どうも」それを当然のように受け入れ、起き上がる俺を見て空気が和んだのか、幾分俺に向けられていた警戒の視線は解けた。≪本当に嘘が上手になったね≫≪誰かさんが最高の詐欺師だからな≫≪聞こえないね。それじゃあ作業に移るよ≫闇の書の魔法陣に変化は全くと言っていいほど見られない。しかし、実際は白い水にインクを垂らしたかのようにゆっくりと染まっていている。俺の血から、徐々にスカリエッティという毒が入り込んでいく。手錠を解くのは簡単だった。口を切り手錠の内部に俺の血を侵入させて暴走させるだけ魔法が使いにくいけど、暴走させるだけなら初心者の俺にはちょろい。後は捕まっているフリをしてついて行けばいいだけ。普通の魔導師専用の拘束具には俺の能力は割りと便利だった。≪間に合うか?≫≪余裕だね。きっと管制プログラム自身も自分は消滅したと思うだろうね≫≪どうなるんだ?≫≪夜天の魔道書は破壊され、新たな宿木の栞に管制プログラムを宿らせる。それが済めば目を覚ます。それまでは意識は絶たれるだろう≫≪一回はここで壊れるわけか…≫sideリインフォース「私の意志はあなたの魔導と騎士達の魂に残ります。私はいつもあなたの側にいます」本当は、主が眠っているうちに消えてしまいたかった。だけど主は私の元へ来てしまった。私は来て欲しくなかった。「そんなんちゃう! そんなんちゃうやろ! リィンフォース!」あなたの悲しむ顔が見たくなかったから。主は心優しい御方だ。私のようなものまで、気にかけてくれる。だからこそ、私はそんなあなたの顔が見たくなかった。「駄々っ子はご友人に嫌われます。聞き訳を、我が主」「リインフォース! きゃっ!?」主はやてが私に駆け寄ろうとしたとき、雪に隠れた段差に躓き、地面に投げ出されてしまった。一瞬、駆け寄ってしまいそうになったけれど、ここで駆け寄ってはいけない。別れられなくなる。「何でや…。これから私は…これからずっと幸せにしてやらなあかんのに」その言葉だけで、その気持ちだけで、私は幸せです。ゆっくりと主に近づいて、冷たくなってしまった主の頬を優しく、精一杯の気持ちを込めて撫でる。「大丈夫です。私はもう世界で一番幸福な魔導書ですから」そう。ただ終焉を知らせるだけしか出来なかった魔道書が、こんなにも優しい主に看取ってもらえる。こんな幸せはないだろう。「リインフォース」「主はやて、一つお願いが」「えっ」「私は消えて、小さく無力な欠片へと変わります。もしよければ、私の名はその欠片ではなく、あなたがいずれ手にするであろう新たな魔導の器に贈ってあげていただけますか? 祝福の風、リィンフォース。私の魂はきっとその子に宿ります」本当は、私があなたを支えてあげたかった。けれどそれは…祝福の風、リインフォースに託そう。「リイ、ンフォース…」「はい。我が主」思いは伝えた。もう主に関わる必要はない。これ以上話していると別れが辛くなるばかりだ。私はゆっくりと立ち上がり、主はやてから離れ、魔法陣に戻った。「主はやて、守護騎士達、それから小さな勇者達、ありがとう。そしてさようなら」体が消滅していく感覚が大きくなっていく。きっとこのまま私は消えていくんだろう。主に伝えたいことは伝えた。しかし我侭を、一つだけ我侭を言わしてもらえるなら、私も主はやての家族と言う輪の中に入ってみたかった。魔道書としてではなく、一人の人として…sideout「うぅ…うっ…」「はやてちゃん…」「はやて…」…見事に消え去りましたね。本当に大丈夫なのか? 全く原作と差がない消え方だったぞ?というか、リアルであの二人の別れ見て少し涙が…「君も満足しただろう。さあアースラに帰ろう」「ああ、満足した。だから…」壊しておいた手錠をクロノの目の前で破壊する。「そろそろ帰るわ」「なっ!? どうやって手錠を…」「企業秘密」俺たちの空気が変わったのを感じたのかなのはとフェイトがクロノの傍に来た。ヴィータたちははやてを慰めている。「クロノ君、これは…」「問題ない。今すぐ捕らえる」『ク、クロノ君!?』「どうしたエイミィ!?」『ナズナちゃんたちが脱走した!』「何だっ…!?」クロノが言葉を言い終える前に二つの刃がクロスするようにクロノに突きつけられた。「…くそっ」ナズナとシントラだった。「俺が外したのと同じことを二人の手錠にもしておいたんだ」「じゃあ、どうやってアースラからここに…」『それが、アースラに突然別次元から魔力攻撃がきて、それどころじゃなかったんだ。ごめん…』「別次元から…魔力攻撃」…およ?それは、聞いてなかったな。自力で脱出したのかと思った。今、リンディいないみたいだし。「迎えにきたわよ」魔法陣から聞こえてくる女性の声俺たちはよく聞く声だが、フェイトはその声を聴いた瞬間顔色を変えた。「か、あ…さん」プレシアさんも合流した。≪これはこれは、まさに全員集合だね≫「退散、退散」シントラがなのはをナズナがクロノをバインド、放心しているフェイトはスルーで今のうちにプレシアさんが用意してくれた転移魔法で退避している最中に「甘く見るな!!」クロノがバインドを無理矢理、解除した。そしてそのまま俺たちに魔力弾を放ってくるが「なっ…」「えっ!? 私何で…」フェイトが弾き落としていた。その内に全員転移魔法の範囲に逃げ切れたのだがフェイト自身、何故クロノの攻撃を弾いたのか理解できてない様子だった。≪転移開始まで残り10秒≫「くっ…」クロノはバインドを無理矢理解除した反動で動けなくなっている。なのはもバインドを解除しようとしているが、間に合わないだろう。「フェイト」「は、はい」プレシアさんがフェイトに話しかけるが、顔はなにやら真っ赤だ。「…そ、その…前は…ごめんなさいね」「………えっ?」かなり無茶のある笑顔を浮かべながらフェイトに謝罪しているプレシアさんはかなり不気味だったが、フェイトはまさかそんな言葉を言われるとは思っていなかったのかまたもや放心している。「ま、て…」クロノの悔しさが滲みまくった声を最後に俺たちはその場から逃げることに成功した。<あとがき>一応、As編終了。全部バレてしまいました。さてどうなるか…次回はリインⅠの行方とか、クロノ側から見たナズナ、この時のフェイトの心中とかを少し質問のシントラの騎士甲冑はザフィーラの騎士甲冑に似た感じですが、薄い青色でタンクトップではなく袖はついています。篭手も。下はヴィータ系のスカートですね。では!また次回!!