「…今誰か俺のこと読んだか?」「? …誰も呼んでいませんよ?」『呼んでいないよ』「……気のせいか?」第39話「夜の終わり 作戦の崩壊?」プレシアさんの闇の書攻撃まで残り40分くらいになったとき不意に誰かに呼ばれた気配がして振り返るが、そこにはナズナしかいない。「確かに誰か読んだんだけどな…」「私には聞こえませんでした」『空耳じゃないかい?』「うーーん」確かに耳に響いたというよりは、念話みたいに頭に響いたって感じだ。声は女性っぽかったような気がする…「疲れか? いや、そこまで働いては…」『心配事が多くありすぎて、疲れてるんだよ。もう少し休みなさい』「…まあ、そうするわ」特にしんどくないけど、幻聴が聞こえてくるぐらいならすぐに休んだ方がいいのかもしれない。そう思い部屋に向かおうとしたら「マ、マスター!?」「はい?」ナズナに腕を引っ張られた。少し慌てているようだ。「か…」「か?」「体が透けています!?」「…は?」何を言っているんだ…ってあれーーーーーーーーーー!?俺の体が確かに透けている!? 昔流行った指人形のクリアタイプのように!?す、ステルスか!? 何時の間にこんな技を習得したんだ俺は!? 身に覚えがないぞ!!「な、何故!? 食生活の偏り!? 野菜をもっと食べるべきだったのか!?」『…野菜は食べるべきだが、少し落ち着きなさい。これは、一種の召喚魔法のようなものだ。誰かが君を召還しようとしているらしいね』鮮血の戦士とか、そういう名前だったらいいな。ていうか俺を召喚ってMP消費かなり少なそうだよな。いや、そんなこと考えている場合じゃないだろう!?「困ったときのスカさん!?」『無理だ。一回召喚されてから戻ってこよう』「誰だ!? 俺を召喚しようなんて馬鹿げたことを考えたのは」…まさかルイズ!?『普通は知らない人物なんて召喚できるはずはない。だからこれは君のことを詳しく知っているも人物だね』「…ですよね」スカさんとの会話中に俺の体はよりスケルトンになっている。というか、俺の腕を掴んでいたナズナまでスケルトン。「ナズナ、危ないから離れてたほうが」「いやです」「…あの」「いやです」「……」残念! この装備は外せない!残念じゃないけどさ…まあいざってときにはナズナがいる方が助かるし、構わないか『召喚先に何があるかわからないからね、デバイスは起動しといたほうがいいね』「…蛇が出るか鬼が出るか」出来ればピンクの髪のアリサが出ればいいな。あっ、それだと余計に現実帰れねえ。sideクロノ・ハラオウン現場に到着して途端目に入ったのは、大きな闇だった。闇の書の暴走は、まだ始まっていないというのに、凄まじい魔力を感じる。グレアム提督から、受け取ったデュランダル。これが果たして闇の書に効くだろうか…「あれは…なのはに…フェイト…もう一人はユーノが言っていた…」現場には三人の魔導師がそろっていた。一人は何者かはわからないが、ナズナと関係のある魔導師らしい。あいつらは気に入らない。今回も何か裏でコソコソと何かしているのだろう。「むっ」闇の書の黒い光とは似つかない白い光が輝き周りに守護騎士たちが集合している。しかしいつもより一人多い?守護騎士たちの守られるように中心にいた、光の玉が砕けると共に一人の少女が現れた。「そろそろ僕も合流しよう」そう思い下降を始めようと思った時…「失礼しまーーーーーーーーーーーーす!!!!」後頭部に衝撃、そのままなのはたちの場所まで叩きつけられた。side高町なのは「は、やて! はや、て! はやてーー!!」はやてちゃんに泣きついているヴィータちゃん。まだ全部終わったわけじゃないけれど、これを見ていると、心が温かくなる。「なのはちゃんもフェイトちゃんもごめんなぁ…うちの子達がいろいろ迷惑かけてもうて」「ううん」「平気」「うわあああぁあああああぁああぁああ!!??」はやてちゃんに返事をすると同時にクロノ君の叫び声が聞こえた。ちょっと、場違いだと思った。「落ちる落ちる!」「早くどけ! 僕を乗り物にするな!!」振り向いてみると、そこにはクロノ君に乗っている男の子と「ナズナ!?」「姉御!?」ナズナちゃんがいた「いや~ごめんね? 俺さ、急に飛行魔法とかすんの苦手なんだ」「笑ってないで早くどけ! 割と重いんだ!!」ナズナちゃんと一緒に落ちてきたこの子は「…あれ? え? ここって…え? …ええぇえぇえええ!!!!」さっきのクロノ君を越えるボリュームで壮大に叫んだ。sideout気づいたらそこは空中でした。とか冗談言う前に急降下。急いで飛行魔法を発動しようとするけど焦りで全然発動しないのよ、これが。憑依人生一年経たずに死亡かと思ったね実際だけど運がいいことに、誰か知らないけど魔導師っぽい人がいたから乗せてもらったのよ、背中にそこで気づいて止めとけばよかったと只今絶賛後悔中。「また君たちか!!」「ナズナ! 一体どうやってここに!?」「ナズナちゃん! 何しにここへ!?」「あんた、どっかで会ったことあるかい?」「アルフもそう思う? 僕もなんだよ」「なんや、えらいたくさん集まったな~」「本当にいっぱいですね」「ザフィーラ、ヴィータ、どうかしたのか?」「いや、何か頭が痛くてよ」「同じく…」「あねふぉ! いふぁいいふぁい!! ごふぇんなふぁい!」≪いいえ、許しません。帰ったらたっぷり拷…模擬戦です。≫何このカオス空間…ナズナはナズナでここに来た途端、シントラとお話始めるしスカさんは俺が呼びかけても反応なしだし、お前ら揃いも揃ってこんなことしている場合じゃないだろう。『クロノ君! 時間あまり残ってないよ!!』エイミィ、ナイス。「っく、今は君たちに構っている場合じゃない…。みんな、話を聞いてくれ。僕は時空管理局…」どうやら、俺たちに構っている場合じゃない状況だと思い出したみたいだな。全員で集まって作戦会議を始めた。なら、こっちも…≪シントラ。状況はどうだね?≫≪お前に言われたとおり派手に暴れたけど、本当にあれなんとかなんのかよ?≫確かにあれに直で戦ったら、どうにかなるなんて考えるなんて無理だろう。あれを滅ぼせるアルカンシェルってどれだけすごいんだよ…≪そこは、主人公補正ってやつでなんとかなるんだよ≫≪主人公補…なんだ?≫≪わからないなら別にいい≫≪しかしマスター、どうしますか?≫ここから今すぐ離脱するのは無理だな…なんか結界張ってるみたいだし。≪流れに身を任すしかないな≫≪そうですか≫予定では、シントラに暴れさせて闇の書の破壊が終わった後にシントラの場所を特定して、ナズナと一緒に襲撃する予定だってんだけど…≪かなり狂ったな…、ここに呼ばれたのが予想外だ≫一体誰がこんなことをしたんだ?まるでアリシアのようじゃないか――とある寝室「アリシア…戻ってきたのね!!」「むにゅ…」「体調も元に戻っているわね…」「にゃ…」「それにしてもどこに行ってたのかしら?」「んにゃ…」「やっぱり闇の書に?そう言えばあの二人は…」「ねこじゃらしはこっちだよ嵐…」「…闇の書の暴走体付近に反応アリ…はぁ…なにしてるのかしら」「うにゅ…そこ違う…」「私も準備しないとね」「ひゃん! …どこ舐めてるの…」「全員の紹介は済んだな…っておい! 聞いていたのか!」「聞いてたって。あれをどうにかしないと俺たちもやばいから、協力しろって言ってるんだろ?」確かにここでじっとしているよりいいけど俺、ヌメヌメした感じの物って苦手なんだよね…フェイトとなのはの治療も終わり、闇の書の暴走も始まろうとしていた。「あたしたちはサポート班だ。あのうざいバリケードをうまく止めるよ」「うん」「ああ」「あんまり自信ないんだけど…」サポート万歳! だけどやっぱりサポートでも怖いものは怖い「あんた、大丈夫なのかい? 言語能力をサポートするのが役目なんだろう?」アルフ。誤解とは言え敵で心配してくれるのはお前くらいだよ…「…最低限は、戦える」「始まるぞ!」クロノの掛け声が聞こえると、闇の書も答えるかのように暴走を開始した。―――ア゛ーア゛ア゛ーー「チェーンバインド!」「ストラグルバインド!」「ブラッティ・ストリング!」緑の鎖とオレンジの鎖が触手を断ち切り。俺の赤い紐が触手に絡みつく。「縛れ! 鋼の軛! でりゃあぁああぁああああ!!」「触手の一本釣りぃいいいぃい!!」ザフィーラの攻撃が敵をなぎ倒し、俺が吊り上げた触手のもがきで残っている周りの触手を巻き込んでいく。―――ア゛ア゛ア゛!!「ちゃんと合わせろよ! 高町なのは!」「ヴィータちゃんもね!」「鉄槌の騎士ヴィータと、鉄の伯爵グラーフアイゼン!」カートリッジがリロードされ、アイゼンの形態が変化していく。『Gigantform.』前から思っていたけどヴィータのデバイスのアイゼンって心惹かれるものがあるよね。「轟・天・爆・砕!! ギガント!! シュラアァァァクゥゥゥ!!!」使い手の何倍も大きくなりそのまま振り下ろした。当然、その攻撃に耐えれるはずがなく、バリアは砕け散った。「高町なのは! レイジングハート・エクセリオン! いきます!」『Load cartridge.』カートリッジを多く消費し、その分なのはの魔力が高まっていく。「エクセリオン・バスタァァ!!」『Barrel shot.』撃たせまいと、闇の書は止めにくるが、あっけなく撃破され補足されてしまう。知らなかったのか…? 白い悪魔からは逃げられない!!「ブレイク!」4つの砲撃が闇の書のバリアを破ろうとするが決定打が足りない。「シュート!!」その4つの砲撃に更に強力な砲撃を足され、第二のバリアは砕け散る。―――ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛「次! シグナムとテスタロッサちゃん!」「剣の騎士、シグナムが魂…炎の魔剣レヴァンティン!刃と連結刃に続くもう一つの姿…」鞘と刀が合わさり、剣が弓となった。『Bogenform.』「翔けよ! 隼!」『Sturmfalken.』放った矢は、バリアに突き刺さるや否や爆発を起こし、第3のバリアを破壊した。ブロー○ン・ファンダズ○かよ…「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュ・ザンバー! いきます!」バルディッシュの残りのカートリッジをリロードし、刃を振るう。その衝撃で、フェイトを攻撃しようとしていた触手が切り裂かれる。「撃ち抜け、雷神!」『Jet Zamber.』雷を帯びた刃が伸び、闇の書に切りかかる。切り裂けぬものなどないかと言う様に簡単に切り裂かれる最後のバリア。バリアを切り裂くだけに留まらず、闇の書まで切り裂いた。―――ア゛ア゛! ア゛ア゛ア゛ア゛!!闇の書は危機を感じたのか、撃墜の攻撃を加えようとした。「…ミーティア・ナイトメア…」「姉御が帰りたがってる…」『Buster Rain』『Zwei Schwert』ナズナがカートリッジを消費し、空から黒い雨を降らし、撃墜しようとしていた触手たちを半数撃ち破りシントラが、双大剣の片方を持ったまま鎖を振り回し、もう片方の大剣が残り半数を切り裂いた。「はやてちゃん!」「彼方より来たれ、宿り木の枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け!石化の槍ミストルティン!」―――ア゛ア゛ア゛、ア゛ア……はやての魔法が炸裂し、闇の書は石となったが、それも長く続かないようだウネウネが増して、更に凶悪な見た目へと変わっていく。「うげぇ…トカゲみたい」「な、なんだかすごいこと…」人間の女性みたいなのは砕け散り、今はでかいトカゲみたいになっている。見た目と大きさ的には恐竜かもしれない。「いくぞ、デュランダル」『OK, Boss.』クロノが新デバイス、デュランダルを構える。この後、S2U使わなくなるんだっけ?結構あの電子音声好きなんだけど「悠久なる凍土、凍てつく棺のうちにて、永遠の眠りを与えよ」魔法陣が浮かび上がると、海が言葉のとおり凍てつきちらちらと雪まで降ってきた。これって魔法の効果なんだろうか?「凍てつけ!!」『Eternal Coffin.』今度こそ完璧に凍りついたが、やはり簡単に復活する。だが、そろそろ潮時だ。「いくよ! フェイトちゃん! ナズナちゃん! はやてちゃん!」クロノが動きを封じている間に4人はそれぞれ別の場所にいた。そして、四方向から魔法を発動させる。『Starlight Breaker.』周りの魔力が集束していく。「全力全開! スターライト…」「雷光一閃! プラズマザンバー…」フェイトの周りに稲妻が走る『Darkness Breaker』「ダークネス…」ナズナもなのは同様周りの魔力を集束する。「ごめんな…お休みな…」はやての杖の先に魔力が集まる「響け終焉の笛! ラグナロク…」「「「「ブレイカァァァァァァァァ!!!!」」」」桃・金・黒・白の圧倒的な攻撃を食らい、爆散する闇の書「本体コア…露出…捕まえった!」「長距離転送!」「目標軌道上!」≪誤差修正≫参加しているけど、これ俺の力じゃなくて、スカさんの力なんだよね「「「転送!!」」」虹色の光を放ちながら宙に飛んでく闇の書、後はアースラ頼みだな。『現場のみんな! お疲れ様でした!!』どうやら原作どおり無事に闇の書の破壊は成功したようだ。皆が手を取り合って喜んでいる。今のうちに俺たちも退散しますか…「そうはいかない」「…あのさ、今おめでたい空気じゃない? そこでこれはちょっと…」「残念だけど、僕は執務官だ。職務を全うさせてもらう」空気読めねえな相変わらず…いや、ここで俺たち見逃す執務官もどうかと思うけどさ…「じゃあ、今度こそアースラにきてもらおうか」「マジでか」この人数でこられるとさすがに分が悪すぎるので大人しく従ったとき「はやて!!」はやてが気を失い倒れていた。はやてもだが俺たちもどうなってしまうんだろう…<あとがき>次回! As編最終回!?では!また次回!!おまけ魔法紹介バスター・レイン(Buster Rain)使用者:ナズナナズナが持つ広域攻撃魔法の一つディバイン・バスターを空に展開して、複数の敵を撃ち抜く魔法準備に時間がかかるのと、魔力を多く消費するのが弱点。敵が複数のときは使えるが、単体のときには使いにくい。ブラスタービットは、ミーティアに未設置なので、ナズナ自身が制御しなくてはいけない高度な技