「プレシアさんの秘策…不安だ…」『そうかい? 私は楽しみだけどね』「何するかは内緒だって言って話してくれないし、ほんとに何するんだよ…」『まあ、黙って指示されたことをこなせばいいさ』第34話「交渉人プレシア・テスタロッサ」sideフェイト・テスタロッサナズナが仮面の魔導師に捕らわれてから数日。クロノたちは、仮面の魔導師やナズナの居場所を一生懸命探したけど見つからなかった。私は、その間ずっとバルディッシュを振るって鍛錬をしていた。シグナムに勝つために新しい戦法を考えたり、リンディさんから養子にならないかと、相談されたことを悩んでいたりあの仮面の魔導師にはまだまだ敵わないのはわかっていたけどそれでも目の前でナズナを助けれなかったのは悔しい思いとかがぐちゃぐちゃになってて体を動かして発散しないと頭と心がいっぱいいっぱいだった。そのことを考えながら必死に鍛錬を続けた。そんな時だった。守護騎士たちがまた現れたのは。「結界を張れる局員の集合まで…最速で45分…うぅ…まずいなぁ」画面に映っているには、私と戦った魔導師、シグナムだった。シグナムは一人で砂漠に佇んでいる。≪フェイト≫≪アルフ? どうしたの?≫突然のアルフからの念話。アルフは真剣な顔をして、私に伝えてくる。≪フェイトはあいつと一対一で勝負がしたいんだろ?≫≪うん≫≪だったら、そうすればいい。それにあいつと戦っているとあの赤い仮面野郎も出てくるかもしれないよ≫あの仮面の魔導師はいつも守護騎士の傍に現れていた。アルフの言うとおり今回もシグナムの傍にやってくるかもしれない。そこを捕まえれば、ナズナの居場所がわかるかもしれない≪アルフ、お願いできる?≫≪了解だよ!≫私が戦っているときに仮面の魔導師が出てきたらアルフに捕まえてもらえばいい。それなら私はシグナムとの戦いに集中できる。「エイミィ、私たちが行く」sideプレシア・テスタロッサ「母さん、機嫌良さそうだね」「そう見える? アリシア」嵐たちが私の指示で行動している時間。この後の予定を考えていると、表情に出ていたのか私の膝に乗って絵本を読んでいるアリシアに指摘されてしまった。そんなにわかりやすく出ていただろうか?「うん! なんかニヤニヤって感じで笑ってたよ」我が娘ながらニヤニヤはないんじゃないだろうか?ちょっぴり母さんショックよ。「機嫌は悪くないわ」「てことは良いってことだよね」「機嫌が良いというより楽しみなだけよ」「??」アリシアは私の言ったことが理解できなかったのかキョトンとした表情になった。ああ、そんな顔もかわいいわアリシア!「つまり、ケーキを食べるのを楽しみにしてるアリシアと同じ気分ってことよ」「ケーキあるの!?」「ふふ、物の例えよアリシア」アリシアにわかりやすく伝えようと好きなもので例えてみたがアリシアの興味が別に移ってしまった見たいだ。「ん~、母さんは何かを楽しみにしてるってこと?」「ええそうよ」食べ物?服?行事?とアリシアが思いつく限りの自分の楽しみなことを聞いてくるけど、どれも外れ。幼いアリシアには、絶対にわからないこと「むぅ…もういいや!」いくら聞いても答えがわからないことに拗ねたのか、アリシアはまた絵本を読み出してしまう。少し意地悪しすぎたかもしれない。謝ろうかとアリシアの頭を撫でてやると、アリシアは急に私の顔を見た。「ど、どうしたのアリシア」「スカリーに聞いてたの思い出した!」スカリエッティがアリシアに? 何か変なことを吹き込んでないといいが…「何かしら?」「母さん、フェイトを苛めたらしいね」…一瞬アリシアが行ったことが理解できなかった。「えっ?」「スカリーから聞いたよ! 母さんがフェイト苛めたって!」あの変態デバイス…余計なことを…「それは誤解よアリシア、あの時は」「言い訳は駄目! スカリー言ってたよ! 容赦なく投げ飛ばしたって!」嘘は言っていが、重要なことを言ってない。フェイトが攻撃してきたことと自分たちがピンチだったことを「聞いてアリシア、母さんね」「とりあえず正座!」「あの…」「話はそれから!!」今このとき、AI破壊プログラムの研究をすることを心に誓った。sideout「うわああああああああああ!」転移してきた瞬間、この叫び声。展開どおりフェイトが猫姉妹片割れに魔力を奪われていた。「フェイトを離せえぇえっぐえ!」アルフのこえが聞こえてくるなと思った瞬間後頭部に激痛。転移してきた俺は猫姉妹とアルフの間に転移してきたようで急速にダッシュしていたアルフはブレーキが出来ず、俺と激突したみたいだ。頭を押さえて蹲っている俺とアルフ。猫姉妹とシグナムの冷たい視線が心に痛い。「あん、った! 別の仮面が出てきたと思ったら今頃か、っよ!」アルフが痛むとこを押さえて喋っているとき青いバインドがアルフを縛った。「しまった!!」後ろを振り返ると猫姉妹がカードみたいなものを持っていた。そうやら邪魔に鳴ると思って縛っといてらしい。≪俺たちは縛らなかったんだな≫≪私たちには正体がばれているからね。ここで管理局に捕まっていろいろ喋られたら迷惑だからだろう≫≪なるほど…≫…とりあえず≪計画通り!≫≪しかし、この後下手すれば拉致られて、誰も見ていない場所で殺されるだろうね≫ですよね…≪今回は戦いに来たわけじゃないだろう? 早くおつかいを済ませよう≫≪そうだな≫シグナムたちを見てみると蒐集は終わったみたいで早々に立ち去り、仮面をつけた奴だけが残されていた。「……」猫姉妹は無言で構えをとり、俺に殺気を飛ばしてくる。その殺気にビビリながら俺は懐から一枚のカードを取り出した。相手は俺が攻撃してくるのと勘違いしてのか、殺気が濃くなった気がする。「受け取れ」カードを投げ渡すと、警戒しながらも猫姉妹はそれを拾った。そこには、ある次元座標が書かれている。「さらばだ…」捨て台詞を吐き、転移。猫姉妹は、そのカードをずっと見つめていた。「そういうことなら母さんは悪くないか…許してあげる!」「だから言ったでしょ? あんまりあのデバイスの言うことを鵜呑みにしちゃ駄目って」「もういいですか?」サラーブに帰って早々、溜息をついてるプレシアさんと、いつも通り元気なアリシアそしてどこか疲れている表情のナズナが出迎えてくれた。「プレシアさん、準備整いました」「あら、なら今日の夜に来るだろうから、準備しとかないと」プレシアさんは、そう言うと急いで研究室に入っていった。「本当に大丈夫なのか?」激しく不安だ…sideギル・グレアム「これが、か…」リーゼから渡された一枚のカードそこには、遥か昔に滅んでしまった次元の座標が記されていた。「父様! あたしが行ってあいつらのことを調べてくる」「そうです、私たちが調べてきます。父様」闇の書の永久封印計画。クライドが亡くなったから、積み重ねてきた計画。順調だった、だが、不穏分子が混ざったのをロッテたちから聞いていた。私たちの正体を知っている者がいると。「すまない…頼めるか」「当たり前です父様。奴らの狙いを突き止めてきます」場所を指定してきたということは、準備は出来ているということ。ここに行くのは敵の懐に突っ込んでいくのと同じだ。だが、私たちの正体を知っている彼らを野放しには出来ない。だが、今回の敵には何故か得体の知れないものを感じ、不安を覚える。「心配しないでよ父様、あたしたちなら大丈夫!」全て順調なはずだった。しかし、壮大な計画ほど罅が入れば脆いものだと私は感じた。sideoutカードを猫姉妹に渡してから、数時間、地球の時間では夜。俺は暗闇に居た。全く周りが見えない真っ暗な空間。俺の下に設置してあるライトが唯一俺を照らしてくれている。俺はどこかの魔王が座りそうな禍々しいデザイン(プレシア作)の椅子に座っていた。「来たか…」その暗い空間に一人の人の気配が俺に近づいてきた。予想通り、俺とは色違いの仮面、猫姉妹だった。「話を聞かせてもらおうか」猫姉妹の片割れが、静かな、しかし怒りを感じる声質で俺に尋ねてくる。それは、何故自分たちの正体を知っているかということだろう。「何を?」「知っていることを全て」「嫌だと言ったら?」「力尽くでも!!」そう言うと、指を弾き何かを合図した。その合図とともにもう一人仮面が現れる。恐らく、猫姉妹の予定では俺をボコボコにして情報を吐き出させるつもりだったんだろう。確かに俺一人だったら可能だったはずだ。しかし、もう一人現れた仮面の魔導師は…「アリア…ごめん」首元に魔力刃を突きつけられた状態で現れた。「ロッテ!?」「話し合いの途中に襲撃なんて、躾のなってない雌猫ね」俺と同じカラーの仮面、プレシアさんが簡易のストレージデバイスを使い猫姉妹の一人ロッテを捕らえていた。「では、本題に移ろう」「くっ! 何が目的だ!」もはや仮面のキャラを続けても無駄と判断したのか、変化を解き元の姿に戻る二人。猫耳か…、やっぱプレシアさんの猫耳のほうがインパクト強いよなぁ…「大丈夫よ。あなたたちは殺さないわ」首元に首輪をつけるプレシアさん。ここからの計画は俺もスカさんも知らされてない。後はプレシアさん次第だ。「あなた達のご主人様と会話したいの、連絡つないで」「何をふざけたこっぐああぁああぁ!!」「ふざけているのはあなたでしょ? これはお願いじゃないの、命令」プレシアさんは男が見たら、惚れてしまうような綺麗な笑みを浮かべてロッテを撫でる。「ロッテ!!」「つないで」「い、やがあぁああぁああ!」プレシアさんは、尋ねるたびに電流が流す。返事がどっちでも構わないかのように。見ていて鳥肌が立ってきた。スカさんもSだけど、プレシアさんはまさにSの王女様だ。鞭が似合うしね。「つないで」「っあぁあああぁああぁあ!!!!」…本当に俺らはいつの間に悪の組織になったんだっけ?いや、管理局とは敵対してるけど、これ悪の組織ってより人体実験的な組織じゃない? 似たようなものか?一応、ロッテが拒否するたびにプレシアさんがボタン? のようなものを押し、首輪から、放電されるようになってるんだけど…なんという鬼畜アイテム…『やめてくれ!』「父様!? 何故!?」突然空中に画面が浮き上がり、そこに映っているのはグレアムさんだった。『アリア、話をするだけだ。それにこれ以上されればロッテが死んでしまう』「父、様」「だからって、きゃあぁああぁああ!」「あなたはもう黙っていいわ、御機嫌ようグレアム提督」最後の最後でアリアにまで電流を流すプレシアさん。そこに文字通り痺れるけど憧れない。『やはり知っていたか…話はする。だからそれ以上はやめてくれないか』「ええ、構いません」プレシアさんは、ボタン? を地面に捨てた。『君の用件とは何だね』「率直に言うわ。あなたが調べた闇の書の情報をよこしなさい。そしてこの事件の間は、私たちに手を出さないで」『それをすることで私たちにメリットは?』「ないわ。この事件の間は私たちは闇の書のことに関わってくるでしょう。それを無視し続けなさい」「そんなの私たちがすると思ってるの! 父様! こいつらの言うことを聞く必要はない! 私たちのことは気にしないでください!」グレアムさんは、悩んだ顔をしている。ここでアリアたちを見捨てるようと考えているのか。それとも、この状況を打開する方法を考えているのか。「八神はやて…だったかしら?」『っ!?』プレシアさんがその名を出した瞬間空気が変わった。「お前…」「あの子、確か車椅子に乗ってたわね」「そ、れが、どし、た…」ロッテ、まだ気絶してなかったのかよ「この子の車椅子に爆発物を仕掛けたわ」『「「なっ!?」」』…なんだってーーーー!?そんなの俺も聞いてないぞプレシアさん!? ていうか爆発物って!?「規模は小さいだろうけど…そうね、あの子の家ぐらいは吹き飛ぶでしょうね」プレシアさんはポケットから、財布を出すかのようにスイッチを出す。「そんなの嘘に決まっている!」「あら、じゃあちょっと押してみようかしら」プレシアさんは気軽にスイッチを押そうとした瞬間『…わかった』グレアムさんが折れた。ここではやてに死なれてしまうと、計画の軸から全てがパーになるからだろう。「今すぐここにデータを送りなさい」『わかった。……これでいいだろう』「ええ、十分よ」≪すごい情報量が流れ込んできている。これで研究も終わったようなものだね≫どうやらすごい情報量が流れ込んできているらしい。スカさんも絶賛している。『それじゃあ、爆弾を解除してくれるかい』「ええ」プレシアさんは、持っているスイッチとは、別のスイッチを押した。ここでドカンとかなったら、グレアムさん発狂するだろな。「これで大丈夫よ。じゃあこれ、いらないからあげるわ。さすがに一方的じゃあなたたちも納得しないでしょ」突如現れた魔法陣からザフィーラが出現し、猫姉妹とグレアムは驚いていた。その内に転移魔法で俺とプレシアさんはサラーブに戻った。<あとがき>猫姉妹、プレシアに敗れる。プレシアさん大活躍のAsですね。これで猫姉妹と不干渉条約を結びましたね。一方的に…そしてザッフィーさよなら、君は元の場所に戻りなさい。次回ははやて家にみんなのザッフィーが戻ってくるよ! 多分!プレシアさんが楽しみにしてたこと? ヒントはプレシアさんはSってことだ。では!また次回!!