『プレシア、盾の守護獣の様子はどうだい』「特に問題はないわ」『目覚める様子はないんだね』「ええ。絶対に目は覚まさないわ」『それじゃあ続きを始めよう。フフフ…』「そうね。ふふふ…」第29話「ブラッティ仮面!」ザフィーラを捕らえてから一日。昨日からスカさんとプレシアさんはご飯のとき以外、研究室に篭りっぱなしだった。スカさんの話では、早速闇の書の守護騎士から闇の書の解明を始めたらしい。一応ザフィーラは殺さないらしいが、それも事実かどうかはあやしい。何故なら昨日のプレシアさんたちの機嫌は最高潮によかったから。あのプレシアさんが俺に笑顔で「ご飯のおかわりはどうかしら」って聞いて来るんだよ!! こう、ニヤって感じじゃなくてニコって感じでやはり科学者たちにとっては、未知なる研究材料というのはうれしいものなんだろうか?そして、今日の朝ごはんに二人は姿を現さなかった。アリシアに聞いてみると、昨日は部屋にも戻ってこなかったらしく、ナズナの部屋で寝かせてもらったらしい。さすがに一日篭りっぱなしじゃ心配なので俺は様子を見に行くことにした。「ナズナ、プレシアさんたちの様子を見に行こうと思うんだけど、一緒に来てくれるか?」「はい」昨日は、スカさんたちに立ち入り禁止と厳重に注意されていたの様子を見にいけなかったが今日はザフィーラの作業がだいぶ落ち着いたらしく、立ち入り禁止を解除されたので別に構わないだろう。「確かスカさんとプレシアさんの共同研究室だったよな」「はい、ジュエルシードの保管している部屋の隣です」ナズナの案内なしでもさすがに地形は把握したので問題なく行けるのだがスカさんたちの研究室に一人で行くのに、微妙に恐怖を感じるのでナズナにはついてきてもらうことにした。あそこに一人で行ったら、なんの薬をお試しとか言って飲まされるかわかったもんじゃない。「マスター、こっちです」「あれ?ここ右じゃなかった?」「プレシアさーん、入りますよー」共同研究室と名前が書かれた部屋の扉をノックしナズナと入る。ここはプレシアさんとスカさんが協力して研究する場合使う部屋なんだが普段は二人とも自分の研究室に篭り、自分のしたい研究を自由にしているのでここが使われることはめったに無い。その証拠に部屋には微妙に埃が残っている。昨日プレシアさんが掃除用具を持っていくのが見えたが、あまり掃除は上手じゃないようだ。「あらナズナ、嵐、何のようかしら」プレシアさんがいつもの眼鏡をかけ、何故か額にハチマキを巻き、目にクマを作って出てきた。プレシアさんは美人だと思うが、この姿を見ると自分の美的感覚に疑いを持つ。いや冷静に考えている場合じゃない「プ、プレシアさん!? 何ですかその姿! よろよろじゃないですか!」足はしっかり地面に立っているが、上半身は振り子のように揺れている。正直、かなり不気味だ。夢に出てきそう。「気にしないで…。昨日スカリエッティと守護騎士についていろいろ調べていたらなんだか止まらなくなっちゃって、気づいたらこんな時間だったの…」気づいたらって、いくら研究好きでもそれはヤバイだろ!スカさんも一緒に居たんならプレシアさん寝かせてやれよ!『いやいや、昨日はなかなか盛り上がったね。特に使い魔の強化理論との関係した話は面白かった』「そう言ってもらえるとうれしいわ」「なに和んでんだよ! スカさん! 一緒に居たなら止めてあげて!お願い!」『いや、一人で研究していくのってさびしいものだよ』「わかるわ、その気持ち」「わかんなくていいから! とりあえずプレシアさんはベットで寝てください!」プレシアさんの背中を押し、この部屋から出そうとするが悲しいかな体の体型で大人と子供の差は大きく、あっさりと押し戻されてしまった。「この部屋に仮眠用のベットがあるから、あなたたちを案内したあと寝るわ」「あんまり無茶しないでくださいよ。アリシアが心配します」「後でご飯を持ってきます」「ありがとうナズナ、嵐」無理やり押し込められたような気もするが、俺たちの案内が終われば休憩してくれるという言葉を信じよう。もし嘘なら強制的に休ませよう。力では勝てないから、アリシアを使って。「こっちよ、ついてきて」プレシアさんに案内され、少し歩いたとこにアリシアが入っていたような生体ポッド? のような物が淡く緑色っぽく光っているのが目に入った。「これは…」近づいてよく見てみると、それはザフィーラだった。緑色の液体に浸りまるで死んでいるかのように目を閉じ眠っている。『この液体に浸っている間は、この守護騎士は、目を覚まさない。延々と眠り続ける』「この状態で研究を続けているんだけど、以外にこの狼、情報を体に残しているの。本人が覚えていないだけで、かなり情報が体に蓄積されているわ」確かザフィーラは原作で出番かなり少なかったけれど、寡黙な素敵キャラだったけ?いや、出番がないし、みんなから犬扱いしかされていない可哀想なキャラだったか?あれ?どっちも正解だっけ? …まあいいか「それでスカさん、こいつだけでいけそう?」『フム、それはこれから更に細かく調べてから考えるが、一つ君に頼みたいことがある』「頼みたいこと?」『別にこれはナズナでも構わないんだ。けれど私としては君のほうに頼みたい』「私でもですか?」ナズナでも構わないってことは、戦闘関連なのか?もしそうだとしても何でそれを弱い俺に頼むんだ?『難しいことでは…いや、難しいことかもしれないが…』「とりあえず、何を頼みたいのか言ってくれ。話はそれからで」話を聞いてみないことには、俺がその頼みをこなせるかどうかわからない。『守護騎士、ヴォルケンリッターは確か他に二人いたはずだ』「ああ、確か烈火の将と湖の騎士だっけ?」おっぱい魔人のシグナム姐さんに、殺人クッキングのシャマルさんだったな。俺的にはシグナムの方が好みだ。『その二人のどちらでもいいんだ、戦闘しているとこを記録してきてほしい』「えっ? 何でわざわざ危険を犯してそんなことを…」あの戦闘狂の戦いなんてわざわざ見に行きたくないんですけど…近くにいたら、叩き切られそうじゃん。問答無用!とか言って『これもこの守護獣が関係してくるんだ』「こいつが?」「ええ、この狼、確かに色んな情報を体に持っていたわ。けど持っているだけ、あたりまえだけど私たち科学者はリアルの情報が欲しいの」「えーと、簡単に言うと」『この守護獣だけでなく、他の情報も確認したいんだ。出来れば前と同じことをしたいんだが』前と同じことってあのヴィータにした拷問のことか?あれをシグナムにやるのは時期的に考えても無理だ。もう原作が開始している。『だから君には、戦闘に出て欲しい。戦闘をしなくても構わない、君が戦っている間、私が少しでも他の守護騎士のデータを解析する』「そんなこと出来るのか? じゃあヴィータの時もそれをすればよかったんじゃないか」あんな拷問まがいのことを俺にやらせなくてもいい方法があったなら俺はそっちのほうがよかった。結構あれは精神的にキツイ。『可能だ。しかし、とても時間がかかるんだよ、あの時やった方法だと早かっただろう?』「確かに一分かかったかどうかだったな」『だから私的にはあの方法でいきたいんだが、君が戦闘中に割り込んであれ出来るとは到底思えない』「悪かったな」どうせナズナと比べればウジムシ・ノミ的な存在だよ。「じゃあ戦闘中じゃなくて、相手の場所はわかってるんだから、そこでじっくり観察すればいい」『いや、戦闘中のデータが欲しいんだ。肉体的にも一番活性しているときのデータがね。だから前のときもナズナに戦闘してもらったんじゃないか』穏やかに過ごしている日常的なデータじゃ駄目ってことかそれでいいなら、はやての家に監視カメラでも仕掛けようかと思ったんだが…「それじゃあナズナに頼べばいいんじゃないのか?」『この作戦は私をセットアップしておいて欲しいんだ』「じゃあナズナがスカさんを」『ナズナと私はかなり相性が悪くてね。下手すると君より弱くなるかもしれない』「すみません…」「俺より弱いっ! そりゃまずい!」『君はプライドはないのかね…』プライド? 何それおいしいの?そんなことよりスカさんとナズナって相性悪かったのか…意外でもないか『戦闘中に私をずっと持ってもらっとかなきゃいかなくなるし、それに…』「それに?」『ナズナが外に出ると目立つからね』「管理局に知られてるもんなぁ…」ナズナは無印の時にフェイトとかなのはにかなり触れ合ったからなぁ外に出て戦闘するだけでクロノとか出てきそうだな。「なら、今回も俺がやるしかないか…」『しかし君が守護騎士に勝つなんて天変地異が起きない限り厳しい』「…そうですね」「マスター、元気を出してください」『真正面からぶつかっていくのは、得策じゃないだろう』確かにシグナムに真正面から勝負を挑むなんて自殺行為に等しい。だからといって、意表をつこうにもそんなに簡単にいくとは思えない。だったらいっそシャマルさんに狙いを絞るか?あの人接近戦弱そうな感じだし。「サポート系の守護騎士、シャマルを狙うか…」『しかし、いくらサポートと言っても守護騎士。簡単にいくはずはないよ』「そうだよなー、何かいい方法はないものか…」あの空間切り裂いてリンカーコア奪う攻撃なんて食らったら一発KOじゃないかな?視線を逸らし、眠っているザフィーラに目が行く。「ザフィーラ…」ザフィーラと言えばアルフだよな!Asの最後でなんかいい感じだったし、低燃費モードのアルフは好きだったよ。けど残念ながら俺は猫派だ…アルフ?「アルフ…」『…? どうかしたのかい』「……」「マスター?」「……っ! そうだっ!」ザフィーラとアルフとネコを思い出したとき俺の頭にまるで神が舞い降りたかのように名案が浮んだ。「今回もあの作戦で行こう!」『なるほど考えたね』「完璧だろ」「見た目は全く別人です」あの名案を思いついたあと、俺はすぐにスカさんにその作戦を説明した。スカさんは話を聞くと二つ返事で返してくれ、早速作業に取り掛かってくれた。その時、プレシアさんも一緒に作業に向かおうとしたのでナズナと一緒に別途に強制送還しといた。そして、しばらく時間が経ち、プレシアさんの仮眠が終わり仮眠室から出てくるのと同時に、スカさんの作業も終了した。『それはいったい何がモデルなんだい?』「謎の仮面」俺がスカさんに頼んで新たに作ってもらった変身魔法、謎の仮面戦士。身長もかなり高いし、仮面はスカさんの特別製でカメラ機能もついてるしちょっとくらいの衝撃じゃ傷一つつかない優れもの。「姿は“ネコ”さんたちのパクリだけどね」見た目はネコ姉妹が演じる謎の仮面の姿をしている。違いはカラーだけ。頭髪は赤色、服も白と赤。なんとなく全体的に赤めにしてみた。これだけそっくりな奴が戦闘に出ていたら、ネコ姉妹も俺に接触してくるだろう。有無を言わさず拉致される可能性もあるが、ナズナは近くで警備さしてある。この仮面には発信機もついてる。一応の備えも万全なはずだ。「あなたがこの狼の代役を務めるわけね」『確かに守護騎士たちを観察できるいい手段だ。だけど戦いの間、私はあんまりサポートできないよ』「逃げ切ってみせる…多分」今回の作戦はシンプル。俺がザフィーラの役目をするだけ。つまり、アルフのお相手をする。そこで多分ネコ姉妹が俺たちに干渉してきてくれれば御の字「大丈夫ですマスター。まだ時間は少し残っています。私が特訓の手伝いをします」「えっ、特訓するの」「もちろんです。さあ一緒に」「…お手柔らかに」おまけ出番がないアリシアちゃんのザフィーラ会合編「うわ~」共同研究室のザフィーラ保管室にのんきなこの部屋に似合わない声が響いた。「アリシア、近づいちゃ危ないのもあるから気をつけて」「わかってるよ! 母さん」やってきたのはさっきまでおばちゃんとお手玉で遊んでいたアリシアだった。アリシアは、あんまりここには近づかない、というよりプレシアさんが近づかせない。危ない薬品や、危険な物を扱うのでお転婆なアリシアには危険だからだ。「ならいいけど…本当に気をつけて」「うん! でも本当にこのワンちゃん大きいね~」『ああ。多分犬じゃないと思うけどね』アリシアはプレシアさんの忠告を聞き流し、ザフィーラに目を向けている。今思い出したけど、ザフィーラと幼女の組み合わせってstsでやるよな。「背中に乗れそうだね~」「危ないから却下よ」「ワンちゃん可愛いな~」相変わらずプレシアさんの忠告を左から右に流しスルーするアリシア。昨日帰ってこなくて一緒に寝なかったことがおかんむりのようだ。「…アリシア、犬が欲しいの?」「う~ん、ワンちゃんがいたらかぁ…」~~~アリシア・タイム~~~「拾ってきて! ポチ!」--ワンワン「よしよしいい子いい子。ポチはいい子だね」--ハッハッハッ!「おやつが欲しいの? ならもう一回! とっておいで~!」--ワンッ!「お~、今回は一段と早かったね!」--ヘッヘッヘッ「そんなにおやつが欲しかったの? なら母さんが用意してくれてるはずだから、家に行っておいで」 --ワゥン!「もうあんなに走っていちゃった。…あっ、棒役お疲れ嵐」~~~アリシア・タイム終了~~~「欲しいかも!」「なんか知らんが寒気がしたんで却下」何を考えていたのは聞きたくもないが、考えているときの俺を見る目がいつものアリシアじゃなかった。<あとがき>よし、今日更新できた!さて難しい具合に原作に介入しなくてはいけなくなりましたね。今回も嵐は変身して行動します。Asでやっと嵐が表舞台に登場します! 謎の仮面扱いですが…みんなからヒロインや使い魔や部下など言われ続けとうとう初陣!見事に嵐は任務を果たせるのか!?では!また次回!!