「作戦開始…なの」「この作戦はナズナの頑張りにかかってるから、うまくやってくれ」「マスター、まかせてください…なの」「…なんか締まらないなぁ、それ…」第27話「はじまりは突然に…なのか?」11月28日、空に青い月が浮んでいる、地球とは違う別の世界その下に俺たち回帰組は集っていた。『この次元に、今回のターゲットがいるよ』「それで、プレシアさんがリミッターを解除すれば、食いついてくるってわけね」スカさんの話では、ここに守護騎士の一人“紅の鉄騎”がいるらしい。サラーブで反応を昼に捕らえ、ここにやってきたのだが、この次元世界は、一日中夜が明けない世界らしい。周りは一面砂だらけ、まるで地球の夜の砂漠のようだ。おかげで今、どれ位時間が経ったのか、全くわからない。「ここに何で来たのかわかる?」『ここにはリンカーコアを持つ人間の集落があるからね。そこを狙っているんだろう。実際に今はその集落にいる』「それで、今俺はこんなとこで“水巻き”ってか?」『フフ…確かに“水撒き”だね』こんな場所にわざわざこんなことしているなんて、事情を知らない奴が見たら俺は、さぞかし自虐趣味に見えただろうな。俺が一般人でこんな場面見てしまったら即効病院に連れて行くか、救急車を呼ぶかだな。「嵐! 母さんの準備も終わったよ!」「この場所を囲む感じで仕掛けてきたわ」『上出来だよアリシア』「あんなもの普通は仕掛けないわよ、常人なら死に至るわ」『彼らはプログラムだ。そんな簡単に死にはしないよ』「そう、ならいいわ」プレシアさんたちの準備も終わったらしい。なら、あと準備が終わってないのは、俺ぐらいかな? けど、そろそろしんどい…「嵐、これ、作っといたわ」「ありがとうございます」プレシアさんが渡してきたのは、真っ赤な錠剤。プレシア印の増血丸だ。スカさんが採っといてくれた俺の血をプレシアさんが加工してくれた夢のアイテムだ。まあ貧血になりにくい程度の感じなんだけど…「あー、鉄臭っ!」錠剤を水で飲みたいだが、残念ながらこんな場所に水はない。ペットボトルでも持ってこればよかった。それでも飲まないわけにはいかず、我慢して錠剤を飲み込む。うへぇ…『がまんしなさい。もう少し撒いといて欲しいんだ』「はいはい」スカさんに叱咤されながら、作業を続ける。そして、そこに今回の作戦の要がやってきた。「マスター、終わりました…なの」「おお! やっぱり完璧じゃないか! その口調は冗談のつもりだったんだが…」そこに現れたのはナズナだが、明らかにイツのと違うナズナだった。バリアジャケットは純白、デバイスはレイジングハートカラー、髪の毛は栗色どう見ても白い悪魔です。本当にありがとうございました。「この服装は、夜は目立ちます…なの」この白い悪魔カラーのナズナさんは、スカさんのカラーコーティングという魔法の使用をしている。デバイスは、今回だけスカさんに塗り替えてもらった。そして、さらにナズナが耳につけているピアスもスカ印のマジックアイテム。魔力光を変えれるという優れものらしい。「すまない、今回だけ我慢してくれ」「マスターが言うなら、我慢します…なの」ちなみに、さっきからナズナが言っているなのなのは、俺の一言が原因だ。ナズナがここに来る前に一回あの姿になったときについ「なのはさんはこの時期は、なのなの言っているイメージある」と言ってしまったのだ。それを真に受けたナズナが、この姿になるとわざわざなのをつけるようになってしまった。『ミーティア・ナイトメアの調子はどうだい』「万全です。いつでも出れます…なの」ナズナの新デバイス、ミーティア・N。ミーティアにカードリッジを組み込んだ新生ミーティアその力はこっちからすれば心強い限りなのだが、敵からすれば悪夢だろう。「ナズナ今回は、なのはと同じくらいに魔力も調整し、遠距離スタイルでいってもらうけど、大丈夫なのか?」「大丈夫です。闇の書なんてシュレッダーにでもかけてやります…なの」「いや、相手にするのは守護騎士なんだけど」まあ大丈夫かな?ある程度弱らしてほしいんだけど「じゃあがんばってくれよナズナ! 成功したらご褒美やるから」「ご褒美…」ああ、好きなもの買ってやるとか、飯たくさん食わしてやるとかななのに何故顔を紅潮させるんですか? 俺、変なこと言った?『なら、そろそろ始めようか、プレシア』「わかったわ」プレシアさんは、チョーカーをはずし、空に手をかざした。作戦は開始される。sideヴィータ「くそっ! 足しにもなんねえな…」シャマルの情報どうり、この集落にはリンカーコアを持った奴らがわんさかいたんだけど…「持ってるだけじゃねーか、くそっ」最後の一人を蒐集したけど、全員でせいぜい2・3ページこんなんじゃ全然足りない。「もっと、一気に集まるような大物が…」早く、闇の書を完成しないとはやてが危ない。絶対にはやてはあたしが守ってみせる。「しかたねえ、ザフィーラと合っ!?」しかたくザフィーラと合流しようと思ったとき、少し離れた空に紫色の光が空に伸びていくのが見えた。それが見えると同時に一気に肌に感じる強烈な魔力。「うそだろっ!? 下手したら20…いや、30ページは埋まるぞ!?」何故いきなりこんな強力な魔力を持ったやつがでてきたのかはわからないけどこれはチャンスだった。こいつの魔力を蒐集すれば闇の書の魔力は一気に集まる。あたしは、その魔力の持ち主の場所に急いだ。sideナズナ先ほどのマスターたちがいたところから、少し離れた場所に私はいた。マスターの話が正しければ、ここに守護騎士がくるはずだが…「おい、お前」来た。槌の形をしたデバイスを持っている紅い騎士、見た感じの年は私と変わらない。「ここにいた巨大な魔力の持ち主はどこだ、お前も相当だが、お前よりもでかい魔力の奴がいたはずだ」「……」プレシアさんはあの攻撃を放った後、すぐにチョーカーを付け直し、あの場で待機しているはず「だんまりか? ボロボロの服装しやがって」今の私の服装は確かにボロボロだろう。ここに来る前にマスターから最初は着ておけと言われ、ボロボロのフードを着ているのだから「まあいい、まずはお前からだ!!」これ以上話すことはないとばかりに、私に襲い掛かってくる紅い騎士…紅チビでいいか。紅チビは、その手に持つデバイスを私に振り下ろそうとしている。「テートリヒ・シュラーク!」「…っ!」即座にバリアを展開、しかし、足場が砂のせいで思いのほか踏ん張れない。「ちっ」わざとバリアを爆散させ、相手を吹き飛ばす。これには紅チビもビックリしたようで、引き下がった。「お前…、意外に頭の回転はやいじゃねえか」「……」「ちょっとは、返事返せよなっ! だっせえ十字架しやがって」…黙って空に逃げた私を予想通り追いかけてくる紅チビ。表情を見るよっぽど切羽詰っている状況らしい。目の前の相手が逃げようと、紅チビは絶対に追ってくるだろう。「ミーティア」『Accel Shooter』カートリッジをロードし、12発同時に発射する。さすがに操作が難しいが、問題はない。「こんなに操作できるのか!?」愚問ですね。出来ない攻撃をする馬鹿がどこにいるんでしょう。頭の回転がはやいとかいいながら、あなたが一番悪いんじゃないですか?「くそっ」いつもと違う桃色の魔力が4つ、わざと全体的に遅かし、重ねたりしながら動かす。相手はそれを見て、空を縦横無尽に駆け回っている。「はっ! 操作できるみたいだけど、動きが遅いぜ」すばやく動き続け、弾同士をぶつけたりし、アクセルシューターを確実に減らしていく紅チビ。周りにアクセルシューターが見えなくなると私に再び向かってきた。「くらえっ!」アクセルフィンを発動し、紅チビから距離をとる。ブレードフォームでいきたい相手だが、マスターの指示でそうもいかない。「相性があまりよくない…なの」だけど泣き言を言っている場合じゃない。マスターは私がこの作戦の要だといった。それにこれに勝ったらご褒美までもらえる! 負けるわけにはいかない。「ちょろちょろしやがって…、アイゼン!」『Schwalbefliegen』こっちの動きに我慢の限界を超えたのか、紅チビは球? みたい魔力弾を空中に4つ放ち、デバイスで打ってきた。「意外に早い…なの」全部受け止めるわけと、こちらは確実にダメージを負ってしまう。そうなるとさすがに紅チビに勝つのはキツイ。ならば…「紅チビと同じように…」アクセルフィンをそのままにし、高速で迫ってくる魔力弾をかわす。誘導型のようだが、少し制御が甘い気がする?「何かを狙っている?」しかし、いくら甘いといっても数は4発。一瞬の油断が敗北につながってしまう。「“あれ”は、そのままにしといて…」残している策にも集中しながら、全弾何とかかわすが紅チビの姿が見当たらない。「…しまった」逃げることはありえない、ならば何処からか狙ってくるはずだが、暗いこの世界では、敵の姿を一度見失うとなかなか発見できない。その時、声は上から聞こえた。「ラケーテンハンマー!!」声が聞こえた方向に即バリア。しかし、紅チビの攻撃力は凄まじかった。完全に受け止めたはずなのに、すぐに破壊された。そのまま地面に叩きつけられるが、幸い砂がクッションになり衝撃は小さい。「この暗さを利用しない手はないぜ。もう一丁!」紅チビが、さっきのロケットのような槌をもう一度回転させている。あの一撃を食らえば、さすがにお陀仏だろう。「そうですね、暗さを利用しない手はないですね」「負け惜しみか! 今更おsがはっ!?」紅チビが何か言おうとしていたみたいだが、言えなかった。紅チビの背中から“黒い”魔力弾が4発直撃したから。「さ、さっきの!?全部破壊したはず!?」「何故でしょうね」後ろから攻撃を食らったから、色を確認できなかったんだろう。ドクターのこのピアス、戦闘では使えないと話していたけど、暗い場所では黒の魔力光の方が目立たなくていいんじゃないんだろうか?「くっ、そ…」ロケットハンマーの効果も時間切れなのか、さっきの槌に戻る。なら、次はこっちの番ですね。『Divine Shooter』「っ!? 危ねえ!」一発目はかわしましたか。まあ当然ですよね。『Divine Shooter』「後ろ!? いつのまに、っが!」「さあ、いつでしょう」2発目、1発目撃つと同時に後ろに回りこみ攻撃簡単だけど、一番効果的な攻撃。「舐めやがって!」紅チビは予想してるより早く復活し槌を振り回した。「しまっ!?」槌は私の横腹に命中し、なす術もなく私は、吹き飛ばされた。紅チビの攻撃は、一撃を食らうだけでも体にダメージを確実に与える。「さすがに…キツイ…」ミーティアを杖にして起き上がるが、さっきの横腹のダメージが大きい。体を動かすと横腹が痛む。だいぶ距離が離れた。相手もダメージを食らっているからかこっちにゆっくりと飛んでくる。だがそこは…「バインド!?」さっき私が墜落した場所、罠を仕掛けていた場所だ「ミーティア…」『Divine』ミーティアを握る手に力がこもる。紅チビ。さっきの十字架の件を忘れたわけじゃないからな。「死…、倒れろ」『Buster』「ちくしょお! 壊れろ! 壊れろよ!」紅チビの抵抗むなしく、私の砲撃が紅チビを飲み込んだ。「ふぅ…」思わず地面に膝をついてしまう。まだだ、まだ終わってないはずだ。威力は通常よりも弱めている。この程度で倒れるはずはない。「はあっ、はあっ、お前も限界みたいだな…」予想通り、そこには紅チビは健在だった。しかし、さすがにダメージが大きいのかデバイスを杖に立ち上がるのがやっとのようだ。『master. Please escape.(マスター、逃げてください)』「そうだね…」「っ!! させるかっ!」私は暗い空を飛び、そのまま逃走を図り、紅チビは予想通りついて来た。sideヴィータ「待ちやがれ!」せっかく大物をここまで追い詰めたのに、ここで逃げられたらさっきまでの戦いが無駄になる。あたし自身もボロボロだけど、ここでこいつを逃がすほうがもったいない。「くそー、こいつベルカの騎士に挑んどいて背中を向けるなんて、何て奴だ」相手を見失いように、速度を出して追うがなかなか差は縮まらない。こうなったらテートリヒ・シュラーク使うか?けどカードリッジはあんまり無駄遣いすんのはよくないし…「あれ…あいつ止まっt“ザクッ”えっ?」あいつが突然止まったと思って瞬間、あたしの体を何かが貫いた。これは、魔法…か。「くっ、これ…血?」あたしの血じゃないけど、これは明らかに血だ。それもよく見てみると周りには赤い小さな斑点のようなものがいっぱいだった。地面にも、空にも、あたしが少し動くたびにあたしの体を貫いていく。「ちくしょお…罠だったか…」万全の状態なら、こんな攻撃食らったって動けるが、今のあたしは満身創痍小さなダメージでもこんなに大量にこられるとキツイ。「あいつは…」あいつの姿を探してみるとあいつは、空に浮んでいた。魔法を放つ準備をしながら。あのボロボロの服も脱いでいた。多分はやてと同じくらいバリアジャケットが白い、はやてが前に読んでた本に出てきてた天使を思わせる服だけどあたしには、鎌を持った死神に見えた。「死神か…」今すぐ動いて逃げたい。だけど足にも血の針が刺さってて動けない。焦りはしなかった。ここであたしが倒れるのは、罠にかかったときにわかってた。ただ…「ごめん。はやて、みんな」みんなにもう会えなくなるのが悲しくて涙が止まらなかった。「ダークネスブレイカー」『Darkness Breaker』願わくば、はやてが悲しみませんように…黒い濁流に紅の鉄騎は今度こそ飲み込まれた。<あとがき>いきなり、As編の目的が終わりましたね。いや、終わりませんよ?嵐の予定では最後はディバインバスターでした。しかし戦闘開始⇒十字架を馬鹿にされる⇒頭どつこうか?⇒カードリッジ使用、ダークネスブレイカー的な流れにダークネスブレイカーは、スターライトブレイカーと同じ魔法です。色がどす黒いですが…では!また次回!!