「マスター! 今です!」「今って、あの魔法まだ未完成だから、成功するかどうか…」「当たって砕けろです!」「砕けちゃ駄目だろ!!」「…今のうちに…」第22話「アリシア大冒険! そして嵐の憂鬱」sideアリシア・テスタロッサ「ふ~、どうにか脱出できた…」嵐や母さんたちが訓練している隙を付いて、なんとかバレずに脱出できたかな?一応、訓練の状況が慌しくなってきた時に抜け出してきたんだけど…「誰も追いかけて来てないよね…」こっそりと電柱に隠れながら周りを伺ってみたけど、誰もいないみたい。フフ、大成功!追ってきていないということは、まだバレていないってことだもんね。「よ~し、今日は思いっきり遊ぶぞ~」今日の計画を行動に移したのは、最近母さんたちが忙しくて誰も私に構ってくれなくなったから。みんなが忙しくて私に構ってられないのはわかるんだけど「それにしたっていくらなんでも退屈すぎだよ!」母さんは嵐とかスカリーに構ってばっかだし、ナズナは訓練の調整とかで構ってくれないし唯一構ってくれるのは嵐だけど、ねこじゃらしがなくなったから面白くない!「そうだ! ねこじゃらしを持って帰ればいいんだ!」ねこじゃらしを持って帰れば嵐とまた遊べるし、たくさん持って帰って嵐の体にセロテープでくっつけたら、昨日のテレビで見た民族みたいになるかも!「そうと決まればしゅっぱ~~つ!!」あっるっこ~、あっるっこ~、アリシアは元気~~♪sideout「っはあぁあぁあああぁあぁああああ!!!!」『残念だが事実だ』最近かなり厳しさがグレードアップした訓練を終えて、ようやく一息ついているときにスカさんによるトンデモ発言により休憩してる場合じゃなくなった。「はあっ!? それマジなのか!!」『ああ、先ほどアリシアが外に出るのを確認した』なんと俺たちが訓練で必死になっている間にアリシアが外に出て行ったというのだ「何故知らしてくれなかったんだスカさん!?」『おもしr…すまない、アリシアがかなりの使い手だったんだ』なんと!? アリシアはスカさんに気づかせないほどの隠密性を持っていたのか!この前言っていた、隠れるのが得意というのは嘘ではなかったんだな! なんということ!例のごとくスカさんが何か言ったような気がするがスルーで「ガッテム! まさか放っておいたのがこんなことになるなんて! こんなことならもっとねこじゃらしで遊んでやればよかった!」『…遊ばれているの間違いではないか?』「ああっ! どうしよう! あいつ何する気だよ!?」『大丈夫だよ。彼女は賢い、我々に不利になることはしないだろう。…多分』「そっそうだよな! アリシアは賢いもんな! 俺たちの計画を乱すことなんて…」―――作るより壊すほうが楽しいぃーーー!「あいつは優しいし、俺といつも遊んでるし…」――――作るより壊すほうが楽しいぃーーー!!「そうか。心配しすぎだよな、そうそう。それじゃあ今日はゆっくり休憩を…」―――――作るより壊すほうが楽しいぃーーー!!!「ああよかった。仲間を信じないなんて、今日の俺どうかしてたよな…」――――――作るより壊すほうが楽しいぃーーー!!!!「やっぱ、無理だろぉーーーー!!! 絶対アイツなんかする! 間違いない!!」あんなこと大声で叫ぶ奴だもん。絶対なんかしでかしてくれるよ。ほら、フェイトに土下座しにアースラに突っ込むとか。生身でダイビング土下座「やばいやばいやばい!! 何かわからんがやばい!」『すごい汗だ、とりあえず落ち着きたまえ』「ナズナーー!! ナズナーーー!!!」「はいマスター、呼びましたか?」「少し任務が出来た!今すぐ公園に向かい待機しといてくれ」「はい」俺はまず先にナズナを公園に送り込んでおいた。任務の集合場所にちょどいいし、もし公園にアリシアがいたら、そのまま連れて帰ってもらえばいい。それに今から、ある人に言い訳するには、ナズナがいては困る。「あら嵐、まだここにいたの。ちょうどいいわ、アリシア見なかったかしら?」そう、アリシア命のプレシアさんである。この人に「アリシアなら外に行きましたよ、一人で」とかいった瞬間オーバーキルだろう。骨すら残らず殲滅させられてしまう。「あー、さっきナズナと一緒に買い物に行きましたよ」「あら、そうなの。ありがとう」「いえいえ、それじゃあ俺もちょっと外に出てきます」「訓練が終わった後なんだから、もう少し休憩したほうが良いわよ?」「大丈夫です! もうバリバリ元気なんで! それじゃ!」話が長引いて不審に思われたらやばいので俺は逃げるようにサラーブを出た。「…あんなに元気ならもう少しキツくしても大丈夫そうね…」sideアリシア・テスタロッサ「あれ? 前ここで見たような気がしたんだけど」家を出てからまだあんまり時間は経っていない。「むむ、ここか!」まだ嵐たちの声とかは聞こえてこないから多分バレてないと思う。「う~、見つからないなぁ…」けれどぜんぜん成果なし家から少し離れた場所にある林とかを探してみたんだけれどねこじゃらしはぜんぜん見つからない。なんでかなぁ?「嵐、前にたくさん持って帰ってきたけどどこにあったんだろう?」一番初めに持って帰ってきたときは2・3本だったんだけど二人で遊んでいたらすぐに駄目になってしまったので嵐がどこかに行って10本位いっきに持って帰ってきてくれたことがあったんだけど「あの時、どこから取ってきたのか聞けばよかったな~」あの時はまた嵐とねこじゃらしで遊べることに喜んでて、そんなの気にしなかったからなぁ…「後悔しててもしかたないか、もっとよく探してみよう」時間はまだお昼にもなってないし、まだまだある筈!こうなったら見つかるまで探し続けてやる!それでたくさん持って帰って、嵐たちをビックリさせてやる!「よし! ねこじゃらし探し再開!」もしかしたら林とかにあるんじゃなくて川とかにあるのかもそれなら、あっちに川があったと思うし行ってみようかな…って、あれ?あの車に乗っているの…「もしかして…」川に行こうと角を曲がって坂の下のところに一台の車が見えた。それ自体はどうでもよかったんだけど、その車の荷台に草のようなものが見えた。「っんしょ! よいっしょ!」考えるより先に行動を起こすのが私の性分!ちょっと高い位置にあったんだけど、何とかよじ登ることが出来た。「…はずれ」必死で登った荷台にあったのはたしかにねこじゃらしだったんだけど「もしょもしょの部分しか残ってない…」千切れていて、枝の部分がなかった。「せっかく上ったのに“ガコッ”…へ?」ちょっぴりがっかりしていると、乗っていた車が動き出してしまった。…ってのんびりしている場合じゃないっ!「ちょ! えぇええぇえええ!!」降りようとしたときにはすでに遅し、車はとっくに走り出してしまった。sideout「おっ! ナズナー!!」「マスター、早かったんですね」「ああ、プレシアさんは誤魔化せた」誤魔化せたのはよかったのだが、ここでアリシアが先に帰ってきてでもしてしまえばナズナのことが嘘だとばれてしまう。そうなる前に何としてもアリシアを見つけねば「まあ幸いなのはたちに見つかるなんてことはないだろう。ここかなり場所は慣れてるし」「…なのはですか…」…? 何かナズナさんの機嫌が一気に悪くなったような気が、なのはのこと嫌いなのか?今度聞いてみようかな、やっぱオリジナルとかで苦手意識あるのかもしれないし『そうだ、アリシアの持っているプレシアストラップがあるだろう?』「ああ、あのプレシアさんがデフォルメされた感じのあれな」プレシアさんが徹夜で作ったらしいな、あれ。携帯を買ったらつければいいと思うんだが、母が作ってくれてうれしかったのか肌身離さず持ち続けている。さすがにお風呂に持って行こうとしたとナズナに聞いたときは驚いた。『あれを私は探知が出来るようになっているんだ。だから、それを探ればすぐに場所を特定できいるよ。他にもあのストラップにはいろいろな機能がついてるんだがね』「徹夜しなきゃならないほど時間がかかった理由がわかったよ」娘バカなのは、知っていたがここまで行くとある意味尊敬するよ。まあ今回はそれのおかげで助かったが。「じゃあ早速、頼むわ」『了解だよ』「なんとかなりそうでよかったわ~、正直また胃がキリキリしてくると思った」ほっ、なんとかプレシアさんにもバレずに、そして俺たちの計画にも支障が出ずに終わりそうだな。アリシアには、一応きちっと言っておくか、今回みたいなことがあったら困るしでも、それでアリシアが言うこと聞くかどうかだよな~。こうなったらたくさん遊んでやるしかないか…おっ! そろそろ計算終わるかな…『計算完了、…フム、前行った屋敷に近い場所にいるね』「胃がキリキリしてきた」sideアリシア・テスタロッサ「よ…ようやく降りれた」車が出ちゃったから止まったときにすぐ降りようと思っていたのにこういう時に限って車は止まってくれなかった。ようやく降りれたと思ったときには周りは見たことのない場所になっていた。「ど、どうしよう…」時間もそろそろお昼になってきたし、もし勝手にこんなとこまできたって母さんが知ったら怒るよね…、嵐は…怒るかな?「とりあえず、見たことがある景色を探そう」じっとしていても何も進展しない。だったら行動すればいいんだ。本当はちょっと心細さもあったんだけど、弱音とか吐いたら余計に心細くなるもんね!「けど、どこに行けば…あれっ?…ああぁーーー!!」ふと目をそらし雑木林に目をやると、そこには私が捜し求めていたねこじゃらしがあった。一目散に駆け寄り、枝などが折れていないかを確認する。「か…完璧のねこじゃらしだ! これなら嵐をこしょこしょ出来る!」枝も曲がってすらいない、先のもしょもしょの部分もとても整っている。これなら、嵐も大喜びで飛びついてくるはずだ!「あっ! あっちにもある。ここらへんにいっぱいあるんだ」私はうれしくてつい周りが見えてなかったから、人とぶつかってしまった。すぐに謝ろうと思って顔を上げたらいかにも不機嫌そうな顔をした二人組がいた。「俺たちの秘密の場所にいるなんていけないんだぞぉ」「えっ!? でもここ外から丸見えじゃ…」「うるさいんだぞぉー、ここは僕たちの基地なんだよぅ」「きゃ!?」少し疑問に思ったことを聞いてみたんだけどそれが悪かったのか相手に押されてしまい、地面にたおれてしまった。「っ痛た…、っ!? 母さんに選んでもらった服が!?」「早く出て行けよぉ」「そうだぉー」「ひっひどい、母さんがっ選ん、で、くれった、のに」母さんに選んでもらったお気に入りの服が汚れてしまい、そのせいで涙が止まらない。何で自分がとか、何を自分が考えているかわからなくなったとき、その声は聞こえてきた。「こらぁーーーーー!! またあんたたちかーー!!!」sideout「まさかまたここに来るとは…」「はい、ジュエルシードのとき以来ですね」場所が判別できた後、すぐにこの猫屋敷…じゃなく、月村邸に再びやって来た。ここには、ナズナがマーキングポイントを仕掛けといてくれたので、すぐに来ることが出来た。というか、もうここにはこないと思っていたのに、またきてしまうとは夢にも思わなかったぜ…「で? アリシアは何処にいるんだスカさん」『…あそこの雑木林の中にいるね』雑木林? あのユーノが倒れていたっぽいところか? ここからそう遠くないなていうか、アリシアはどうやってここまで来たんだ? 金はないはずだし…「考えていても仕方ない。行こう」まあここまで来て、またイベントが起こるなんてほど俺は神様に嫌われてない。いや、嫌われているからこそこの世界に来てしまったのかもしれないが、さすがにそこまで神もSではないだろう。さっさとあのワガママお姫様を連れて帰ってお説教でもしてやるか。「早…でて……ぉ…」「そう……ぉー」雑木林を進んでいくと子供の声が聞こえてきた。しかし、この声はアリシア、女の子の声じゃなく男の子の声だな「だれか他にいるのか? ここって結構人気なのかな?」そんな感じに軽く考えているときその声は聞こえてきた。「こらぁーーーーー!! またあんたたちかーー!!!」…くぎゅううぅぅぅなんでここに聞こえてくるんだよ、うるさいうるさいうるさいよていうか前にもこんな感じの怒声を聞いたことあるような気がするんだけど唐突に嫌な予感がして、俺は急ぎその声の場所に急いだ。「全く! あいつら女の子を泣かせるなんて相変わらず最低ね! そこのあなた、大丈夫?」「は、はい。ありがとうございます」「無事でよかったわ。私はアリサ、アリサ・バニングス、あなたは?」「わっ、私はサラ・テスタブルです! よっ、よろしく」「………」そろそろ俺の我慢袋も限界だぜ? 神様よぉ…<あとがき>アリサ再登場!…あれ?別に黒胃はそんなにアリサ好きじゃないんだけどな。なんていうか、出しやすいんだよアリサさん!次回でアリシアの暴走(冒険)と嵐の断腸(憂鬱)は終わると思います。ちなみにフェイトのビデオレターはまだ見てないのでアリサはフェイトのこと全く知りません。では!また次回!!おまけアイテム紹介プレシアさんストラッププレシアさんが可愛くデフォルメされたストラップ、いろいろな機能が詰まっているらしい。ボタンを押すとプレシアさんの笑い声が聞こえてくる機能も入れたかったらしいが、無理だったらしい。よかった。才能と努力の無駄使いかもしれない…キャラ紹介名前:硬太 猛【コウタ タケル】通称:ジャイアンもどき(by嵐)年齢:9才血液型:B型出身:第97管理外世界「地球」極東地区日本・海鳴市所属:魚屋階級:息子役職:店の手伝い魔法術式:なし所持資格:なし