「俺たちも時の庭園に行きますんでそのまま人形操作を頑張ってください」『私はこの体が虚数空間から落ちるぐらいにジュエルシードをあなたたちの家に転送すればいいのね』「はい、それでそのアリシアちゃん人形と共にその体には落ちてもらいます」『わかったわ、それと…』「何か問題ありました?」『このアリシアちゃん人形、キーホルダーとかそういうのに出来ないかしら?』「…ナズナに頼んでみます…」第19話「人形の意地と思い」あの決闘が終わったあとすぐにプレシアさん人形を起動させ管理局との通信にノイズが入っている隙に人形とプレシアさんを入れ替えた。なのでリンディと喋っているプレシアさんは、今はあの人形になっている。プレシアさんには先にサラーブへ退避してもらい、俺たちはプレシア人形とジュエルシードの最後を確認しに時の庭園の入り口に転移してきた。時の庭園は前に来たときと違って不気味な雰囲気だった道は、なにやら慌しい雰囲気になってしまっている。「この後、どうしようか…プレシアさんにはジュエルシードの他に時の庭園の駆動路まで暴走してもらったのはいいが…」「どうしたんですかマスター?」『早く確認しに行こうじゃないか』「管理局に追われたりしないよな?」『管理局も流石に私たちとプレシア、両方を一気に捕らえるのは、難しいだろう。アースラのエースのクロノ・ハラオウンも今はプレシア逮捕に向かっている。それに並の魔導師ではナズナに手も足も出ないさ、君と違って』「マスターは後ろに隠れててくれればいいです」「…ありがとう」なんか、遠まわしに馬鹿にされたような気が…気のせいか?まあ、このままうだうだしててもしょうがない。覚悟を決めて行きますかね。「よっしゃ!! 行くz「ナズナ!?」…はいカット」気合の掛け声をあげた瞬間、聞いたことのある声によって邪魔をされた。「ナズナ…? どうして時の庭園に?」…フェイトが何故こんなところに? えっ、こいつまだ復活してなかったの?もうプレシア人形追い詰めてるぐらいだと思ったんだけど…フェイトがここにいるってことは、まだなのはとも合流してないわけか…「…仲間がここの次元座標を確認したから、ジュエルシードを盗りに来た…」俺がどう言い訳しようか悩んでいる時に、ナズナが華麗に言い訳を述べていた。ていうか盗りに来たって…「そ…そうなんだ」「おいナズナ! 早く行こう」このまま話しているとぼろが出そうなので、早々に切り上げてさっさと時の庭園に突入しようとしたんだが。「あっ! あのっ!!」時の庭園に突入しようとした俺たちをフェイトが呼び止めた。「す…少し聞いて欲しいことがあるんだ」顔に俯かせながら、フェイトはナズナに向かって大声で言った。無視して行こうと思ったが、フェイトがナズナのマントの裾を掴み、放さなかったのでナズナは思いっきり溜息をついてフェイトと向かい合った。「あのね…」フェイトの話は原作どうりだった。母さんに実は本当の娘のクローンだと言われてとか私の記憶とかも全部偽者でとか、自分が捨てられてしまったとか私のことが本当は大嫌いだったんだとかまさしくプレシアさんは原作どうりのことを言ったらしい。素晴らしい演技だ、ナイス。…ていうか、なんでこいつは俺…じゃない、ナズナにこれ話したんだ?結構深刻な話だろ?≪話終わったっぽいし行こうナズナ≫≪……≫≪ナズナ?≫あら? ナズナの反抗期?「それで、あなたはどう言って欲しいんですか?」「えっ?」「うぇ? ナズナ?」なんか声怒ってね? ちょっと声のトーン低いんですけど、黒梨花?「母に騙されててかわいそうと同情して欲しいんですか? あなたは人形なんかじゃないと励まして欲しいんですか?」「わ…私は」「私があなたに言うことは特にありません」私もあなたとある意味一緒だし…、と小さい呟きが俺にだけ聞こえた。「というかあなたはなぜ黙って母の言うことを聞いていたんですか?」「か…母さんに笑って欲しかったから」「ならよかったじゃないですか」「えっ?」だんだんとフェイトの顔が暗くなった来てるし、ナズナはなんか怒ってるような気が…「人形は主を笑顔にするために踊り続ければいい、私が人形で例え主に嫌われようと、私は主の隣に立ち続け、踊り続けます」「……」「壊れて動けなくなろうと、私が動いているときに、少しでも笑ってくれれば私は嬉しい」「ナズナ…」ナズナの肩に乗りながら感動に打ち震えているときに、周りの異変に気づいた。傀儡兵が俺たちに向かって来ていたのが目に入った。「お、おいナズナ!?」肩から頬を叩いて知らせてみたんだが、ナズナは聞いてくれない。ヤバイ! ヤバイ!! お、俺が何とかしないといけないのか!? 頑張れ俺!!「それともあなたは母が嫌いになったんですか?」「…いや」傀儡兵の腕が振り上げられ、二人に叩きつけられそうなのを見て抵抗しようと考えていたのに思わず顔を伏せたが、徒労に終わった。「今でも私は母さんは大好きだよ」「…無駄な時間でしたね。行きましょう」「うん!!」目を開けたときには傀儡兵はミーティアとバルディッシュに切り刻まれていた。傀儡兵は、足もバラバラにされてたのでそのまま倒れてしまった。…まあ、俺も頑張ったらこれくらいできると思う。うん。出来る出来る。「…ビビってないよ」『君だけしか焦ってなかったね』いや、ビビってないから、本当だよ。ナズナの後にフェイトが続き、二人で時の庭園の奥を目指し走り続けた。sideフェイト・テスタロッサ「…どけ」ナズナと一緒に時の庭園を進んで言っているけれど、ナズナはやっぱり強い。まるで、熟年の魔導師のように戦いのセンスがある。「はあっ!」あの白い魔導師の子を手伝いに、母さんにもう一度会いに行こうと思って時の庭園に転移して、始めに目に入ったのはナズナだった。「よっ! ナズナ! 日本一!」『君ね…』何でここにいるのとか、どうやってここに来たのとか考えるより先に浮んできたのは、ナズナの前に出るのが少し怖いという感情だった。「ブレードショット」『Blade Shoot』ナズナはあの場にいなかったんだから、私が人形だってことを知らないだから、普通に会話できたんだけど「バルディッシュ!」『Arc Saber』ナズナが普通に話してきて、そのまま母さんの所に行こうとしたのを見て思わず叫んでいた。「フレ~~フレ~~ナ・ズ・ナ!!」『…はぁ』自分でも何で叫んだのかわからなかったけど、気づいたら勝手に口が心の底の不安を全部ナズナに吐き出してしまった。ナズナは私が話しているときには、何も言わず黙って話を聞いてくれていた。話が終わった後、しばらく無言だったんだけど、ナズナが重たい口を開いて返事をくれた。「…邪魔」ナズナの返事はあまり優しいものじゃなかったけど確かにナズナの言うとおりだった。私は確かに母さんの人形かもしれない。けれどそれでも母さんが笑ってくれるなら、それでいい。娘と認めてくれなくてもいい、母さんが笑ってくれるなら、私は母さんをどんなことからも守る。だって…「何をぼーっと突っ立ているんです。虚数空間に落としますよ」「ご…こめん」私は母さんが大好きなんだから、例え偽りの記憶しかなくても、それでもあの人のことを母さんだと思っているから「ナズナさん素敵~~」『もう何も言わないよ…』そういえばこの子ってなんで主を戦わせてるんだろう?サポート系の使い魔なのかな?sideout二人でお互いをカバーしながら時の庭園の奥までやってきたときようやくなのはの姿が見えてきた。「っ! あの子が危ない!」なのはに傀儡兵が襲い掛かった来ているのを見えたフェイトがナズナより速度を上げて先に行ってしまった。そして、すぐさまバルディッシュを傀儡兵に向けた。「バルディッシュ」『Thunder Rage』そのまますぐに雷を放ち、巨大な傀儡兵の動きを止め、さらに追撃を仕掛けた。『Get set』「サンダー…レイジっ!!」巨大な傀儡兵の他にも周りにいる飛んでいるのや虫みたいなやつまでその雷を食らい、破壊されてしまった。フェイトの雷の魔法って以外に広範囲まで届く攻撃多いよな。羨ましい。「…フェイト?」敵を葬った後、そのままなのはの前にゆったりと下りていくフェイトすごく…主人公です…。感動の対面と思いきや、壁を突き破りさらに巨大な傀儡兵が現れた。しかし、巨大化する敵ってのは、やられるのが王道だと俺は思う。「大型だ…バリアが強い」「うん、それにあの背中の…」なのはの言ったとおり背中の大砲? がチャージを始めている。俺はそれを呆然と眺めながら、俺の力でこいつを破壊できるようになるのか考えていた。「だけど三人なら」「……ふぇ? 三人?」フェイトの言葉になのはが疑問をあげた瞬間ナズナがフェイトの横に並んだ。「えぇぇえええぇええっ!!!」突然の俺(ナズナ)の登場にびっくりしたのか、なのはは、敵前だというのに大声をあげて驚いていた。「どどっど、どうしてあなたたちがここに!?」「話している暇はないだろう。ほら、敵さんのチャージ終わるぞ」なのはがあきらかに動揺した感じでこちらを指を差してきたが、敵はお構いなしにチャージを続けている。それを見たフェイトは空中でバルディッシュを構えなおし「行くよ!バルディッシュ!」『Get set』なのははフェイトが構えたのを見て自分も慌てて構えなおし「うぅ~、このあと絶対お話だからね!レイジングハート!」『Stand by ready』しぶしぶと文句を言いながら攻撃態勢に入った。≪はぁ…行きますか…≫なのはがいるので念話に切り替えたナズナもミーティアをなのは同等にシューティングモードに切り替え構えた。敵のチャージも終わりかけで俺の体から汗が出まくり、びしょびしょになっている。ビビっているわけじゃないよ…「サンダー…スマッシャー!!」フェイトの放ったサンダースマッシャーで敵が少しだけよろけたようだが、バリアが硬く再びこちらに向かってくる。「ディバイーーン! バスターーー!!」その状況になのはのディバインバスターが加わった本当ならここで十分なはずだが、ナズナも無言のままミーティアを向け攻撃を放つ。「……」「邪王炎殺黒龍破!!」≪何言ってるんだ君は…≫無言じゃ寂しいと思ってそれなりに絵的に似ている技を叫んでみたんだけどスカさんは理解してくれないようだ。非常に残念。そして二つの攻撃でいっぱいいっぱいだった敵はさらにもう一つ増えこっちがタイミングを合わさないでもそのまま砲撃に負けて時の庭園を突き破っていった。そして時の庭園を揺れが襲った。「フェイトちゃん!」「フェイト! フェイト! フェイト!」ようやく周りの敵を一掃でき一息つけるようになり、なのはとアルフがフェイトの登場を喜こび、駆け寄っていった。本当にフェイトってこういう時だけは、男前だよな。顔はかなりの綺麗な部類に入るのに…≪ややこしいことになる前にプレシア人形をさっさと確認して帰るぞ≫≪それがいいね、ナズナ頼んだよ≫その隙をついて、ナズナはフェイトたちを置いて、プレシアの場所に飛んだ。「こんなはずじゃない現実から逃げるか、それとも立ち向かうかは、個人の自由だ!」たどり着いたと思ったら、クロノの説教タイムだったようだギリギリセーフだ。以前の時の庭園の構造とだいぶ変わっていたので少々道に迷ってしまった。「だけど! 自分の勝手な悲しみに無関係な人間を巻き込んでいい権利は、何処の誰にもありはしない!」クロノの話を聞きながらジュエルシードの行方を探ってみたが何処にも見当たらない。あれ? 落としちゃった?≪大丈夫よ、ジュエルシードは砕けたように見せかけてあなたの部屋に送ったわ≫≪あっありがとうございます≫≪今、この次元震を起こしているのは、時の庭園の駆動路とジュエルシードの残滓魔力だけよ≫「なっ! お前たちが何故ここに!?」クロノがプレシアの視線が違う方向に向いているのに気づき、俺たちも見つかってしまった。突然現れた俺たちに警戒しながら、同時にプレシアも警戒している。忙しい奴だ。「ジュエルシードを盗りに来たんだけど、なくなってるな」「残念だったな…ジュエルシードは、負担が掛かりすぎたのか砕け散ってしまったよ」「ふぅーーん」どうやらリンディが止めているのはそれらしいな、なら確認が終わったし帰ろうかなっと思ったら後ろにフェイトが来ていた。「母さん!!」プレシアさんは健康もうなので顔色が悪いことはないはずだが、長時間あの人形を操作しているのもあって、少々顔色が悪いし、よろけている。それを勘違いしたのかフェイトはプレシアさんに駆け寄ろうとしたが「何をしに来たの…」プレシアさんに睨まれ歩みが止まってしまった。「消えなさい…もうあなたに用はないわ、何処にでも行って自由に生きなさい…」…あれ? 顔がかなりやさしい表情になってない?「あなたに言いたいことがあって来ました」帰るに帰れない空気になってきた。ナズナも俺からの指示がないので黙って俺からの指示を待っている。ここで帰るのはちょっと…「私はアリシア・テスタロッサじゃありません。あなたの作ったただの人形なのかもしれません。だけど私は…フェイト・テスタロッサは…あなたに生み出してもらって、育ててもらった…あなたの娘だと思っています!」プレシアさんはフェイトから顔を背けて表情を見せないように聞いていた。「…だから何? 今更あなたを娘と思えというの?」「…あなたがそれを望むなら」フェイトは一度目を瞑り、息を少し吸い込んだ。「それを望むなら、私は世界中の誰からも、どんな出来事からもあなたを守る」プレシアさんの方をしっかりと見据えフェイトは語った。「私があなたの娘だからじゃない、あなたが…私の母さんだから! 私は偽者の思い出しかないけれど、それでも母さんが大好きだから!!」フェイトが叫び、プレシアさんに再び駆け寄ったが、壁のような障壁に弾かれてしまった。「そう…」プレシアさんは少しだけ笑い、杖を地面に突き立てた。『駆動路とジュエルシードの残滓魔力をさらに暴走させ、ここを崩壊させるようだね』スカさんの説明を受けているうちにプレシアさん人形は虚数空間に落ちていった。「よし! ナズナ、撤退しy「フェイトちゃん!」おぶぅっ!!」撤退しようとした瞬間天井から桜色の閃光がちょうどナズナの肩を掠めた。つまり俺に直撃した。≪マスターーー!?≫こんなときにも律儀に念話で叫ぶ君に乾杯…美しい回転をしながら、虚数空間に落ちながら、飛びそうな意識の中、俺はそんなことを考えていた。「死んでたまるかあぁああぁ!!!」すぐに正気に戻り体中から色んな体液を出しながら、無我夢中で魔法を発動した。得意中の得意な魔法、紐魔法だ。「ブラッティ・ストリング!!」体を紐でぐるぐるにして、先端をナズナに向けて飛ばした。ナズナはすぐに意志を理解してくれて、紐を掴んでくれた。「助かった…よかt「きゃっ!」ほぐぅ!」一安心している俺に再び激痛が走った。上昇しようとしている、なのは達におもいっきりぶつかったのである。≪クククク…≫わざわざ念話で笑いを伝えてくるお前に死を…またまた飛びそうな意識の中、そんなことを考えているとなのはに思いっきり、体を掴まれた。っちょ!猫虐待!!≪痛い! ちっ千切れる!!≫「たっ助かったの、魔力が切れそうで今にも落ちるとこだったよ…」「あっありがとうナズナ」俺たちがこいつらを助けようとしているように見えているらしい変な勘違いするなよ。そして、体離せよ≪マスターを人質にするとは…卑怯だ!≫≪もういいから引き上げてくれ、体がもたない…≫ムスっとしながらナズナは俺+他大勢を引き上げた。「はぁ…助かったよ」「また、助けられちゃったね…」お前ら俺にお礼はどうした?百歩譲っても「使い魔さん! ありがとう!」は言うべきだろう。周りを見ればクロノが遠くで早く逃げるように、呼びかけていた。「…っち」小さく、本当に小さく舌打ちをしたナズナは地面でへばっている俺を掴んで、すぐにマーキングポイントに向かい逃げた。マーキングポイントは崩壊寸前だったが、なんとか使えた。あと一歩遅かったら危なかったとスカさんは言っていたが正直、体の痛みでそれどころじゃなかった。<あとがき>残すはエピローグだけですね。As編では、主人公活躍させれたらいいな…