「ムチの音ってさ、聞いてると鳥肌たってくるよね?」『そうかい?』「マスターは鳥肌がたつんですか?」『私は別に何も感じないけどね』「えっ? 何この空気、俺が変みたいじゃない? あれ、俺が変?」第18話「魔砲幼女の意地」一旦、海から引いたあとすぐにサラーブから時の庭園に飛びプレシアさんの荒れた胃みたいな部屋でフェイトのお仕置きが終わるのをナズナと一緒に待っていたんだが、ナズナが途中でお茶をいれてきます、と言ってサラーブに戻った時に、ちょうどプレシアさんが来てしまった。「プレシアさんこんにちは」『お疲れ様。次の指示を説明するよ』「体が健康になったから、そこまでしんどいものじゃなかったわ」戻ってきたプレシアさんは少々激しく動いて、疲れたみたいで汗をかいていた。こちらにタオルで汗を拭きながら向かってきていた。「これにでも座って」プレシアさんが手を叩くと、地面から椅子とテーブルが突然現れた。当然ビビリの俺は盛大に焦ったが、スカさんは冷静に魔法の分析していた。『転移…それに圧縮の魔法も少々混ぜているね。中々おもしろい』「一目でそこまでわかるなんて、さすがはジェイル・スカリエッティといったところね」「…話戻っていいですか…」このインテリ二人に囲まれてるの、俺嫌だよ…会話が始まると7割が理解できない単語で構成されてるんだもん…「時間にはまだ余裕があるから、大丈夫…!?」会話の最中に突然の爆発音が部屋に響いた。慌てて、枯れている木の後ろに隠れて様子を伺うと、鬼のような顔をしたアルフがいた。「危なかった…アルフに見つかったらいろんな意味でアウトだった」この段階でアルフに見つかると、管理局にいろいろ話すし…そう思い、俺は隠れている木の陰で安心していた。そしてプレシアさんは不快そうに視線を寄せたあと興味をなくしたのかどうでもよさそうに視線を元に戻した。「…っ」そんな態度のプレシアさんにアルフはますます怒りだしズンズンとプレシアさんに向かい、大分近づいたところでプレシアさんに飛び掛った。「っが!?」アルフの方を見もせずに、アルフの攻撃をかなり硬そうなバリアで防いだプレシアさんやっぱりプレシアさん仲間にしてよかった…ガチでこの人と戦うことになるとか、かなり悪夢だ。「くっそぉ…!!」アルフは諦めず、再び攻撃を続けているが残念ながらここにいるのは病弱プレシアさんではなく、健康プレシアさんバリアに指がめり込むぐらいが限界でそれ以上は進まない様子だった。「あんたは母親で! あの子はあんたの娘だろう!あんなに頑張ってる子に…あんなに一生懸命な子に、何であんなに酷いことが出来るんだよ!」…すみません、俺たちが頼んだからです。俺の心の中の謝罪中にプレシアさんは砲撃でアルフを吹き飛ばした。「あの子は使い魔の作り方が下手ね…余分な感情が多すぎるわ」「フェイトは…あんたの娘は、あんたに笑って欲しくて、優しいあんたに戻って欲しくてあんなに、…っぐ!」アルフが痛みで顔を伏せていてプレシアさんの顔を見ていなかったがアルフの言葉を聞いたプレシアさんは少し表情を暗くさせているのを俺は見てしまった。「…ふっ」しかしすぐに表情を戻し、手に杖を具象させてアルフに向けた。「邪魔よ…消えなさい!」本当ならここでアルフは逃げるはずなんだが予想以上にダメージが大きいのかその場でうずくまっただけだった。≪プレシアさんストップ≫プレシアさんが魔力をため始めたところで一応止めておいた。ここでアルフが死んでしまうと、管理局に話が伝わらない。そうなると少し困る。「っくそ!」プレシアさんが魔力のためを中断するのと同時にアルフも足元に魔法陣を出現させ、それを爆破させそのまま落ちていった。「あれ、放っといていいのかしら?」「はい、この後の計画にいろいろと必要で」偽善者大作戦パート2のためにも必要だしね。「それでこの後、私はどうすればいいのかしら」「この後、フェイトにもう一度、ジュエルシードのことについて頼みます。あの白い魔導師と戦うので勝ち負けはどうでもいいんで、その後またあの雷を放ってもらいます。ジュエルシードを負けたほうが出してると思うんでそれを物質転送でここに戻してもらいます。管理局と話す機会があると思うんで、いままでの鬱憤を晴らしてください」ここまでが原作どうり、この後が重要「そしてフェイトが手に入れたジュエルシード使って次元震を起こして、その後、俺たちのサラーブに退避してもらいます」「それで管理局はどうするのかしら。物質転送なんかしたらここがばれるわよ」「はい。多分、というか絶対管理局がここに攻め込んでくるので、ここでその局員たちを撃退してから退避してください。その後はこれを使います」スカさんからの映像を空中に表示する。「これは…?!」『ここの説明は私がしよう。これは人間の人形だよ。Fプロジェクトで人間そっくりに生み出した人形。中身も完璧に複製してある』時の庭園襲撃のためにスカさんに用意してもらった特殊人形顔はのっぺらぼうで、体も男なのか女なのかはっきりしない形で気味が悪いのだが『これはサラーブに設置してある専用の魔法陣を使うことでこの人形を本人そっくりに見立てることが出来るんだ。その魔方陣の上で動くと、時の庭園に置いとくこの人形も同じ動きをするんだ』簡単に言えばパー○ンのコピーロボット。あれみたいに便利じゃなく、操作しないといけないのが面倒だが。「魔力をかなり使うんで気張ってください」「そう、わかったわ」魔力をかなり使うと聴いた瞬間かなり嫌そうな顔したけど気にしないどこう…誰だってしんどいことを頼まれたら嫌なのはどの世界でも共通認識だよな。「俺たちは明日、アルフと接触します」問答無用で逮捕されないように秘策もあるし。「すみません、お茶切れてて遅れました」…会議終わったよ。sideアルフ昨日なのはの友達に助けられたのは、焦ったけど今思ったらあの子に助けられて本当によかったと思えた。だって…―――うん、大丈夫まかせてフェイトのことをこんなに真剣に考えてくれる子に出会えたんだ。あの子に助けられなきゃ、あたしは今頃どこかで消えてたかもしれない。だから本当によかった。体を癒すのに集中していたら周りはもう夕暮れ。なのはもどうやら家に帰ったみたいだ。あたしも明日は早い。もう一眠りしようとしているときに、あいつは現れた。「プレシア・テスタロッサね…」そのどこかで聞いたことのある声を聞こえたと思ったら檻の上から何かが降りてきた音がした。「はい! こんばんは!」目を開けて目の前を見てみると、真っ白な猫がそこにいた。あの子の周りには犬はたくさんいたけど、猫はいなかった。なにより喋るねこなんてこの世界にいるはずがない。だったらこいつは…「…また、あんたかい」「おいおい元気ないな? 腹下した?」目の前の猫はうっとおしいくらい元気に話しかけてくる。寝ようと思っていたけどこんな奴が来たんじゃ気になって寝られない。「あんた、一体何のようだい?」「ご主人様に偵察してこいって言われて偵察しに来てみたら、話聞いちゃって」どうやらあの話をしている時にこいつもいたらしい。管理局が見張っている中のに気づかれないなんた本当にいたんだろうか?でも、あたしの出した名前知っていたし…「それでさ、一つお願いがあるんだよ」「…? なんだい」「明日さ、俺も…」この後こいつがしてきたお願いにわたしはこいつ何がしたいか本当にわけがわからなくなった。sideout成功ーーー!!何とか成功しました、決闘観戦許可。昨日アルフと接触して、プライド捨ててまで嘘をついて話しながら少し無茶なお願いをしてみたんだけど、意外と何とかなった。フェイトたちの邪魔をしないんだったら構わないらしい。誰があんな人外対戦の邪魔するかよ、下手したら死ぬぞ。俺が。そんなわけで俺は朝早くから、アルフの背中に乗せてもらってます。「あんた自分では走りな!」「走るの苦手なんだ」苦手なのは嘘だ。本当は走るの嫌いなんだよ。訓練とかだったらしかたなく走るけど、こういう時は誰かに乗るに限る。そのまま背中で伸びをしていると、突然アルフが走っていた塀から飛び降りた。「アルフさん! …あれ? その子…」「昨日たずねて来たんだよ。なんか観戦したいとか何とか言って」降りた理由はなのはとの合流のためだったらしい。そして予想どうり鋭い視線でなのはとユーノから見られた。「えと…あなたは…」「走りながら会話するとばてるぞ? 事情は後にしよう」「えっと、…わかったよ」まあ事情話す気ないけどね。しばらく走り続け、やっと海に到着した。管理局が出てきてもすぐに逃げれる準備をしてあるし何より奴らは今、プレシアさんのアジトを探るのに必死になっているはず、使い魔の俺を捕らえたところで、ナズナが来るとは限らない。そう考えるとまずはプレシアを捕らえるほうを先決するだろう。…使い魔じゃないけどね…「ここなら、いいね」そして、なのはは祈るかのように瞳を閉じた。「出てきて…フェイトちゃん!」なのはがそうつぶやいた瞬間ゆらりと風が吹き海の香りがツンッと鼻を刺激し、それを感じると同時に後ろに気配があるのも感じた。ゆっくりと振り返るとそこには予想どうりフェイトが電柱の上にいた。『Scythe Form.』こちらが気づくのと同時に戦闘体制に切り替えるフェイトあまり話し合いで済まそうという気分ではないのが伺える。「フェイト…もうやめよ、あんな女の言うこと、もう聞いちゃ駄目だよ!フェイト…このまんまじゃ不幸になるばっかりじゃないか、…だからフェイト!!」アルフ必死の訴えにフェイトは悲しい顔をして首を振った。「だけど…それでも、私はあの人の娘だから」こいつ本当にお母さんっ子だったんだな…いや、フェイトがお母さんっ子じゃなくて、アリシアがそうだったのか?「ただ捨てればいいってわけじゃないよね?逃げればいいってわけじゃもっとない。切欠はきっとジュエルシード、だから賭けよう。お互いが持ってる全部のジュエルシードを!」『Put out.』『Put out.』いつの間にかバリアジャケットを着ているなのはの宣言とともにジュエルシードがレイジングハートから8個、バルディっシュから7個浮んできた。「それからだよ、全部それから」なのはが杖を構え「私たちの全ては、まだ始まってもいない…だから、本当の自分を始めるために」フェイトもなのはを追う様に構えた。「始めよう…最初で最後の本気の勝負!」「本当に人間じゃないよなぁ…」目の前のビュンビュン飛び回っている幼女を見ていると俺の魔法少女の定義が崩れていく。「魔法少女ってさ、こうパイパイポンポイ プワプワプー とか、テクマクマヤコンみたいな呪文とか欲しいよな」「は?何言ってんだいあんた」「…いや、なんでも」魔法少女の呪文を言ってみたんだが、アルフはわかってくれないようだいないかなぁ…この世界にこんな感じに呪文唱える奴…「まずい!フェイトは本気だ!」どうやら戦いも終局に向かったらしい。なのはがバインドで縛られている。「なのは!今サポートを!」≪ナズナ来ていいよ≫公園で待機してもらっていたナズナが、転移して俺の隣に現れたのを見てアルフとユーノはこっちを見て驚いていた。「だめぇーーーー!!」≪ご無事ですかマスター≫≪うん≫なのはが叫んでいるのを無視してナズナは俺を肩に乗せている。ナズナ…なのは嫌いなのか?「アルフさんもユーノ君もあなたも、手出さないで、全力全開の一騎打ちだから! 私とフェイトちゃんの勝負だから!」「でも、フェイトのそれは本当にまずいんだよ」「平気!」≪別にあなたを助けようとした訳じゃないんですけど≫ナズナは念話で俺に不満を告げてくるが、俺に言われても困るんですが…「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイア!」長い詠唱を終えて、発射される無数のフォトンランサー。この魔法ってかなり時間が掛かるし魔力かなり使うらしいから長期戦には向かないよな。「なのは!」「フェイト!」お互い主を心配して声をかけるが、煙が晴れたとき無傷のなのはが現れた。「撃ち終わると、バインドってのも解けちゃうんだね…今度はこっちの…」『Divine』「番だよ!」『Buster』ていうか、フェイトの決死の攻撃をバリアジャケットに傷一つ入れないで無事とかどういうことだよ?おまえどんだけバリア硬いんだ?必死にディバインバスターを防いでいるフェイトだが、あの魔法を放った後なのでもう体はヘロヘロで今にも倒れそうだった。そしてそれに更に追い討ちをかけてくる魔王様。手加減してやれよ…「受けてみて!ディバインバスターのバリエーション」『Starlight Breaker』本当にレイジングハートさんノリノリですね。ここで新技出すとか、そりゃフェイトが魔王に惚れるわ。いや服従するわ。「っ!? バインド!?」徐々に収束されていく魔力を見てかわそうとするフェイトだが残念ながら魔王からは逃げられない。「これが私の全力全開!」≪ナズナ、救出準備≫≪はい≫ここでもいい人フラグを立てておこうと思いナズナに指示を出しておく。「スターライト…ブレイカーーー!!!」…非殺傷設定って偉大だよな…普通死ぬだろ、これ。魚が衝撃で浮んでくるんじゃないか?処刑(砲撃)が終わりようやく海に静けさが戻ってきたとき、フェイトが気を失い海に落下して行った。「あっ!」なのはも体がヘトヘトなので駆け寄ろうとするが体がうまく動かないようだそこで…≪これでいいんですか?≫≪上出来だ≫ナズナがフェイトが海に落ちる前に抱きとめていた。完璧だ! 完璧すぎる! これはいい人フラグ立つだろ!むしろ俺にフラグ立てよ! 惚れてしまうだろう! 俺に!「あなたは…」「ほれ起きろ」フェイトの頬をニクキュウでぺちぺちし、フェイトを無理やり起こす。「んっ…ナズ、ナ…?」…やっぱナズナですよね…「気づいた?フェイトちゃん?」うっすらと目を開き、周りを確認し自分の状況が飲み込めたフェイトは少し顔を暗くしなのはの方を見た。「ごめんね、大丈夫?」「うん…」「私の勝ちだよね?」「そう…みたいだね…」『Put out.』バルディっシュから浮かび上がってくる8個のジュエルシードそろそろプレシアさん来るかな?「おい、飛べるか?」フェイトの頭に乗りながら尋ねると、フェイトは黙って空に浮いた。返事なし? 舐めてるのか? 俺が猫だからって舐めてるのか?≪ごめん言うの忘れてた、もう来るよ≫≪はっ?≫スカさんからいきなりわけのわからない連絡を聞いてなにが来るのかと思った瞬間、上から雷が降ってきた。≪ちょ!? 言うの遅い!≫≪離脱します!≫すぐにその場から離れ、港に着地すると、予想どうりフェイトが雷の餌食になっていた。鞭といい雷といいこの子本当にM要素あるよな…『さて、人形の最終チェックにサラーブに戻ろう』「そろそろゆっくりできる時期になるな」なのはたちがフェイトを助けているうちに俺とナズナはその場から転移しないで、飛んで退避していった。おまけ『こんどから私を起動する時に詠唱つけようか?』帰っている途中に、スカさんがいきなり詠唱の話を持ち出してきた。「は?なんで?」『君が言ってたじゃないか、パイパイポンポイ プワプワプー とか、テクマクマヤコンとか欲しいって』ああ、あれ聞いてたのね。でもそれ…「いやそれ“少女”限定じゃない?」『いやいや、そうとも限らないよ。意外と似合うかもしれない』「……」似合うねぇ…~~~妄~~~☆~~~想~~~「いくぜ! スカさん! テクマクマヤコンテクマクマヤコンセットアップ!」『了解!』詠唱が終わると同時に眩いばかりの光に包まれる俺「なんだこの光景は!? 眩しいを通り越して痛い! 心が!」「すっすごい力を感じるの! やばそうなの!」「同じ男として軽b…尊敬するよ!」「これがあんたの言っていた魔法少女の力…!?」「マスター、神々しいです」そして皆から注がれる尊敬の眼差し!魔法少年!! エタナール鈴木! 始まります!~~~終~~~★~~~了~~~「…勘弁してくれ…」『そうかい。フフフ…』そこで笑うのやめてほしいなぁ…この世界に来てから胃の調子が…<あとがき>多分次で無印編が終わります。その後、しばらくは平穏編が続いてAs編に入っていきます。