<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

とらハSS投稿掲示板


[広告]


No.6935の一覧
[0] 魔法少女リリカルなのは 現実回帰 (現実→リリカルなのは) チラ裏より移転[黒胃](2009/06/20 15:07)
[1] 第1話「それは衝撃的な出会い…なのか?」 [黒胃](2009/06/14 12:08)
[2] 第2話「妄想と夢は紙一重」[黒胃](2009/06/14 12:17)
[3] 第3話「デバスカ君と一緒!!」[黒胃](2009/06/14 18:58)
[4] 第4話「衰える体」[黒胃](2009/06/14 18:59)
[5] 第5話「コメテスアメテュス? 名前長くね?」[黒胃](2009/08/20 19:03)
[6] 第6話「2P白い悪魔」[黒胃](2009/06/14 12:46)
[7] 第7話「旅立ち」[黒胃](2009/06/14 12:55)
[8] 第8話「初戦は海の上で…なのか?」[黒胃](2009/06/14 13:22)
[9] 第9話「バーニングさん登場!?」[黒胃](2009/06/14 13:27)
[10] 第10話「街には樹がいっぱいだよ」[黒胃](2009/06/14 13:34)
[11] 第11話「桜+金=黒い魔法少女!?」[黒胃](2009/06/14 13:41)
[12] 第12話「思いの理由」[黒胃](2009/06/14 13:48)
[13] 第13話「未来のエースとの出会い」[黒胃](2009/06/14 13:55)
[14] 第14話「わかりあえないんじゃなくて話し聞いてないだけ」[黒胃](2009/06/14 14:01)
[15] 第15話「小さなことからコツコツと」[黒胃](2009/06/14 14:09)
[16] 第16話「勧誘? 大魔導師!」[黒胃](2009/06/14 14:17)
[17] 第17話「偽善者大作戦!?」[黒胃](2009/06/14 14:23)
[18] 第18話「魔砲幼女の意地」[黒胃](2009/06/14 14:30)
[19] 第19話「人形の意地と思い」[黒胃](2009/06/14 14:55)
[20] 第20話「マスコットキャラでは断じてない!! と思う」[黒胃](2009/06/14 15:04)
[21] 登場人物 無印編[黒胃](2009/06/20 13:50)
[22] 第21話「久々の休日?」[黒胃](2009/06/14 15:14)
[23] 第22話「アリシア大冒険! そして嵐の憂鬱」[黒胃](2009/06/14 15:20)
[24] 第23話「人間諦めが大事だよね、でも諦めたらそこで試合終了」[黒胃](2009/06/14 15:26)
[25] 第24話「恋に年の差って関係ない? いや あるだろ」[黒胃](2009/06/14 22:22)
[26] 第25話「戦いたくはない もう傷つけたくないから! ビビリ的な意味で」[黒胃](2009/06/14 22:21)
[27] 第26話「前夜祭だぜ! 回帰組集合!!」[黒胃](2009/06/14 16:40)
[28] 第27話「はじまりは突然に…なのか?」[黒胃](2009/06/14 17:13)
[29] 第28話「俺の拳が真っ赤に染まるゥ!?」[黒胃](2009/06/14 17:22)
[30] 第29話「ブラッティ仮面」[黒胃](2009/06/14 17:27)
[31] 第30話「当たらなければどうということはない(誰か助けて…)」[黒胃](2009/06/14 17:31)
[32] 第31話「それぞれの動き」[黒胃](2009/06/14 17:36)
[33] 第32話「仮面って結構息苦しい」[黒胃](2009/06/14 17:40)
[34] 第33話「おめでとう! 猫は空気から使い魔に進化した!」[黒胃](2009/06/14 17:47)
[35] 第34話「交渉人プレシア・テスタロッサ」[黒胃](2009/06/14 17:58)
[36] 第35話「完成! 夜天の栞」[黒胃](2009/06/14 18:04)
[37] 第36話「クリスマス・イヴは赤く染まる?」[黒胃](2009/06/14 18:10)
[38] 第37話「闇の書の戦闘力は正直、反則だろ」[黒胃](2009/06/14 18:15)
[39] 第38話「金色の姉妹」[黒胃](2009/06/14 19:10)
[40] 第39話「夜の終わり 作戦の崩壊?」[黒胃](2009/06/14 22:22)
[41] 第40話「スタンバイ…レディィィィ!! ゴオォォォォ!!!」[黒胃](2009/06/20 09:36)
[42] 登場人物 As編[黒胃](2009/06/20 13:51)
[43] 第41話「祝福の風、復活」[黒胃](2009/06/14 20:34)
[44] 第42話「風のいる生活」[黒胃](2009/06/14 20:43)
[45] 第43話「あなたと…合体したい…」[黒胃](2009/06/14 20:52)
[46] 第44話「一年が過ぎるのは本当に早い」[黒胃](2009/06/14 21:32)
[47] 第45話「悪の親玉? いえ、今日は従者です」[黒胃](2009/06/14 21:40)
[48] 第46話「笑顔を探れ」[黒胃](2009/06/14 21:47)
[49] 第47話「笑顔を求めて」[黒胃](2009/06/14 21:55)
[50] 第48話「笑顔のために」[黒胃](2009/06/14 22:01)
[51] 第49話「笑顔の答え」[黒胃](2009/06/14 22:07)
[52] 第50話「Puppet Prince」[黒胃](2009/06/14 22:13)
[53] 第51話「白と黒 表と裏 正義と悪?」[黒胃](2009/06/14 22:23)
[54] 第52話「ずれ始めた歯車」[黒胃](2009/06/14 22:29)
[55] 第53話「風邪を舐めると痛い目に遭う」[黒胃](2009/06/14 22:46)
[56] 第54話「柘榴色の世界」[黒胃](2009/06/14 22:51)
[57] 第55話「欠けたパーツ」[黒胃](2009/06/14 22:58)
[58] 第56話「血の遺跡の謎? 気分は考古学者」[黒胃](2009/06/14 23:05)
[59] 第57話「壊れていくパーツ」[黒胃](2009/06/14 23:12)
[60] 第58話「合体!? 自称 吸血鬼のデバイス?」[黒胃](2009/06/14 23:26)
[61] 第59話「吸血鬼の正体?」[黒胃](2009/06/14 23:52)
[62] 第60話「無限の欲望+無限の欲望=混沌」[黒胃](2009/06/14 23:58)
[63] 第61話「海だ! 水着だ! sts前だ!」[黒胃](2009/06/20 09:53)
[64] 第62話「歪んでいく物語」[黒胃](2009/06/20 10:10)
[65] 第63話「星と雷と…何故か血液」[黒胃](2009/06/20 10:28)
[66] 第64話「回帰組を正しく評価している人はいるんだろうか?」[黒胃](2009/06/20 11:02)
[67] 第65話「未確認勢力 薺の危機」[黒胃](2009/06/21 13:43)
[68] 第66話「人のよm 仲間に手を出してただで済むと思うな」[黒胃](2009/06/20 12:04)
[69] 第67話「潜入には 度胸が必要 ビビリには難しい」[黒胃](2009/06/20 12:22)
[70] 第68話「伝説の掃除人 その名は…」[黒胃](2009/06/20 12:39)
[71] 第69話「あれ? ティアナが凡人なら、俺って…」[黒胃](2009/06/20 12:56)
[72] 第70話「探すのをやめて夢の中に行く前に見つかった」[黒胃](2009/06/20 12:59)
[73] 第71話「猫って意外と凶暴?」[黒胃](2009/06/21 13:47)
[74] 第72話「ニャンニャン…ニャン!?」[黒胃](2009/06/20 13:11)
[75] 第73話「黒い薺と白い菜の花」[黒胃](2009/06/20 13:00)
[76] 第74話「小さな猫の大きな思い」[黒胃](2009/06/21 15:12)
[77] 第75話「人形王との交渉」[黒胃](2009/06/27 16:33)
[78] 第76話「決裂…の前に交渉なんかしていたか?」[黒胃](2009/06/28 17:05)
[79] 第77話「最近の女の子って何して遊んだら喜ぶんだ?」[黒胃](2009/08/03 15:45)
[80] 第78話「家族の形に決まりはない」[黒胃](2009/08/03 16:16)
[81] 第79話「初めても暗闇 再会も暗闇で」[黒胃](2009/08/20 19:04)
[82] 第80話「甘い蜜と欲望の蜜」[黒胃](2010/08/19 13:24)
[83] 第81話「綻び」[黒胃](2010/08/19 13:15)
[84] 外伝1話「悲しい痛み」[黒胃](2009/06/20 13:17)
[85] 外伝2話「遠い記憶」[黒胃](2009/05/30 13:13)
[86] マセラティ魔導師探偵の事件簿 FILE01.人を惑わす魅惑の音[黒胃](2009/06/20 13:33)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[6935] 第18話「魔砲幼女の意地」
Name: 黒胃◆bfbb7c41 ID:16592b49 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/06/14 14:30
「ムチの音ってさ、聞いてると鳥肌たってくるよね?」

『そうかい?』

「マスターは鳥肌がたつんですか?」

『私は別に何も感じないけどね』

「えっ? 何この空気、俺が変みたいじゃない? あれ、俺が変?」



第18話「魔砲幼女の意地」



一旦、海から引いたあとすぐにサラーブから時の庭園に飛び
プレシアさんの荒れた胃みたいな部屋でフェイトのお仕置きが終わるのを
ナズナと一緒に待っていたんだが、ナズナが途中でお茶をいれてきます、と言って
サラーブに戻った時に、ちょうどプレシアさんが来てしまった。

「プレシアさんこんにちは」

『お疲れ様。次の指示を説明するよ』

「体が健康になったから、そこまでしんどいものじゃなかったわ」

戻ってきたプレシアさんは少々激しく動いて、疲れたみたいで汗をかいていた。
こちらにタオルで汗を拭きながら向かってきていた。

「これにでも座って」

プレシアさんが手を叩くと、地面から椅子とテーブルが突然現れた。
当然ビビリの俺は盛大に焦ったが、スカさんは冷静に魔法の分析していた。

『転移…それに圧縮の魔法も少々混ぜているね。中々おもしろい』

「一目でそこまでわかるなんて、さすがはジェイル・スカリエッティといったところね」

「…話戻っていいですか…」

このインテリ二人に囲まれてるの、俺嫌だよ…
会話が始まると7割が理解できない単語で構成されてるんだもん…

「時間にはまだ余裕があるから、大丈夫…!?」

会話の最中に突然の爆発音が部屋に響いた。
慌てて、枯れている木の後ろに隠れて様子を伺うと、鬼のような顔をしたアルフがいた。

「危なかった…アルフに見つかったらいろんな意味でアウトだった」

この段階でアルフに見つかると、管理局にいろいろ話すし…
そう思い、俺は隠れている木の陰で安心していた。
そしてプレシアさんは不快そうに視線を寄せたあと興味をなくしたのか
どうでもよさそうに視線を元に戻した。

「…っ」

そんな態度のプレシアさんにアルフはますます怒りだし
ズンズンとプレシアさんに向かい、大分近づいたところでプレシアさんに飛び掛った。

「っが!?」

アルフの方を見もせずに、アルフの攻撃をかなり硬そうなバリアで防いだプレシアさん
やっぱりプレシアさん仲間にしてよかった…
ガチでこの人と戦うことになるとか、かなり悪夢だ。

「くっそぉ…!!」

アルフは諦めず、再び攻撃を続けているが
残念ながらここにいるのは病弱プレシアさんではなく、健康プレシアさん
バリアに指がめり込むぐらいが限界でそれ以上は進まない様子だった。

「あんたは母親で! あの子はあんたの娘だろう!あんなに頑張ってる子に…あんなに一生懸命な子に、何であんなに酷いことが出来るんだよ!」

…すみません、俺たちが頼んだからです。
俺の心の中の謝罪中にプレシアさんは砲撃でアルフを吹き飛ばした。

「あの子は使い魔の作り方が下手ね…余分な感情が多すぎるわ」

「フェイトは…あんたの娘は、あんたに笑って欲しくて、優しいあんたに戻って欲しくてあんなに、…っぐ!」

アルフが痛みで顔を伏せていてプレシアさんの顔を見ていなかったが
アルフの言葉を聞いたプレシアさんは少し表情を暗くさせているのを俺は見てしまった。

「…ふっ」

しかしすぐに表情を戻し、手に杖を具象させてアルフに向けた。

「邪魔よ…消えなさい!」

本当ならここでアルフは逃げるはずなんだが
予想以上にダメージが大きいのかその場でうずくまっただけだった。

≪プレシアさんストップ≫

プレシアさんが魔力をため始めたところで一応止めておいた。
ここでアルフが死んでしまうと、管理局に話が伝わらない。そうなると少し困る。

「っくそ!」

プレシアさんが魔力のためを中断するのと同時にアルフも
足元に魔法陣を出現させ、それを爆破させそのまま落ちていった。

「あれ、放っといていいのかしら?」

「はい、この後の計画にいろいろと必要で」

偽善者大作戦パート2のためにも必要だしね。

「それでこの後、私はどうすればいいのかしら」

「この後、フェイトにもう一度、ジュエルシードのことについて頼みます。あの白い魔導師と戦うので勝ち負けはどうでもいいんで、その後またあの雷を放ってもらいます。ジュエルシードを負けたほうが出してると思うんでそれを物質転送でここに戻してもらいます。管理局と話す機会があると思うんで、いままでの鬱憤を晴らしてください」

ここまでが原作どうり、この後が重要

「そしてフェイトが手に入れたジュエルシード使って次元震を起こして、その後、俺たちのサラーブに退避してもらいます」

「それで管理局はどうするのかしら。物質転送なんかしたらここがばれるわよ」

「はい。多分、というか絶対管理局がここに攻め込んでくるので、ここでその局員たちを撃退してから退避してください。その後はこれを使います」

スカさんからの映像を空中に表示する。

「これは…?!」

『ここの説明は私がしよう。これは人間の人形だよ。Fプロジェクトで人間そっくりに生み出した人形。中身も完璧に複製してある』

時の庭園襲撃のためにスカさんに用意してもらった特殊人形
顔はのっぺらぼうで、体も男なのか女なのかはっきりしない形で気味が悪いのだが

『これはサラーブに設置してある専用の魔法陣を使うことでこの人形を本人そっくりに見立てることが出来るんだ。その魔方陣の上で動くと、時の庭園に置いとくこの人形も同じ動きをするんだ』

簡単に言えばパー○ンのコピーロボット。
あれみたいに便利じゃなく、操作しないといけないのが面倒だが。

「魔力をかなり使うんで気張ってください」

「そう、わかったわ」

魔力をかなり使うと聴いた瞬間かなり嫌そうな顔したけど気にしないどこう…
誰だってしんどいことを頼まれたら嫌なのはどの世界でも共通認識だよな。

「俺たちは明日、アルフと接触します」

問答無用で逮捕されないように秘策もあるし。

「すみません、お茶切れてて遅れました」

…会議終わったよ。





sideアルフ


昨日なのはの友達に助けられたのは、焦ったけど今思ったら
あの子に助けられて本当によかったと思えた。だって…

―――うん、大丈夫まかせて

フェイトのことをこんなに真剣に考えてくれる子に出会えたんだ。
あの子に助けられなきゃ、あたしは今頃どこかで消えてたかもしれない。だから本当によかった。
体を癒すのに集中していたら周りはもう夕暮れ。
なのはもどうやら家に帰ったみたいだ。あたしも明日は早い。もう一眠りしようとしているときに、あいつは現れた。

「プレシア・テスタロッサね…」

そのどこかで聞いたことのある声を聞こえたと思ったら
檻の上から何かが降りてきた音がした。

「はい! こんばんは!」

目を開けて目の前を見てみると、真っ白な猫がそこにいた。
あの子の周りには犬はたくさんいたけど、猫はいなかった。なにより喋るねこなんて
この世界にいるはずがない。だったらこいつは…

「…また、あんたかい」

「おいおい元気ないな? 腹下した?」

目の前の猫はうっとおしいくらい元気に話しかけてくる。
寝ようと思っていたけどこんな奴が来たんじゃ気になって寝られない。

「あんた、一体何のようだい?」

「ご主人様に偵察してこいって言われて偵察しに来てみたら、話聞いちゃって」

どうやらあの話をしている時にこいつもいたらしい。
管理局が見張っている中のに気づかれないなんた本当にいたんだろうか?
でも、あたしの出した名前知っていたし…

「それでさ、一つお願いがあるんだよ」

「…? なんだい」

「明日さ、俺も…」

この後こいつがしてきたお願いに
わたしはこいつ何がしたいか本当にわけがわからなくなった。





sideout


成功ーーー!!
何とか成功しました、決闘観戦許可。
昨日アルフと接触して、プライド捨ててまで嘘をついて話しながら少し無茶なお願いを
してみたんだけど、意外と何とかなった。
フェイトたちの邪魔をしないんだったら構わないらしい。
誰があんな人外対戦の邪魔するかよ、下手したら死ぬぞ。俺が。
そんなわけで俺は朝早くから、アルフの背中に乗せてもらってます。

「あんた自分では走りな!」

「走るの苦手なんだ」

苦手なのは嘘だ。本当は走るの嫌いなんだよ。
訓練とかだったらしかたなく走るけど、こういう時は誰かに乗るに限る。
そのまま背中で伸びをしていると、突然アルフが走っていた塀から飛び降りた。

「アルフさん! …あれ? その子…」

「昨日たずねて来たんだよ。なんか観戦したいとか何とか言って」

降りた理由はなのはとの合流のためだったらしい。
そして予想どうり鋭い視線でなのはとユーノから見られた。

「えと…あなたは…」

「走りながら会話するとばてるぞ? 事情は後にしよう」

「えっと、…わかったよ」

まあ事情話す気ないけどね。





しばらく走り続け、やっと海に到着した。
管理局が出てきてもすぐに逃げれる準備をしてあるし
何より奴らは今、プレシアさんのアジトを探るのに必死になっているはず、使い魔の俺を捕らえたところで、ナズナが来るとは限らない。
そう考えるとまずはプレシアを捕らえるほうを先決するだろう。
…使い魔じゃないけどね…

「ここなら、いいね」

そして、なのはは祈るかのように瞳を閉じた。

「出てきて…フェイトちゃん!」

なのはがそうつぶやいた瞬間ゆらりと風が吹き
海の香りがツンッと鼻を刺激し、それを感じると同時に後ろに気配があるのも感じた。
ゆっくりと振り返るとそこには予想どうりフェイトが電柱の上にいた。

『Scythe Form.』

こちらが気づくのと同時に戦闘体制に切り替えるフェイト
あまり話し合いで済まそうという気分ではないのが伺える。

「フェイト…もうやめよ、あんな女の言うこと、もう聞いちゃ駄目だよ!フェイト…このまんまじゃ不幸になるばっかりじゃないか、…だからフェイト!!」

アルフ必死の訴えにフェイトは悲しい顔をして首を振った。

「だけど…それでも、私はあの人の娘だから」

こいつ本当にお母さんっ子だったんだな…
いや、フェイトがお母さんっ子じゃなくて、アリシアがそうだったのか?

「ただ捨てればいいってわけじゃないよね?逃げればいいってわけじゃもっとない。切欠はきっとジュエルシード、だから賭けよう。お互いが持ってる全部のジュエルシードを!」

『Put out.』

『Put out.』

いつの間にかバリアジャケットを着ているなのはの宣言とともに
ジュエルシードがレイジングハートから8個、バルディっシュから7個浮んできた。

「それからだよ、全部それから」

なのはが杖を構え

「私たちの全ては、まだ始まってもいない…だから、本当の自分を始めるために」

フェイトもなのはを追う様に構えた。

「始めよう…最初で最後の本気の勝負!」





「本当に人間じゃないよなぁ…」

目の前のビュンビュン飛び回っている幼女を見ていると
俺の魔法少女の定義が崩れていく。

「魔法少女ってさ、こうパイパイポンポイ プワプワプー とか、テクマクマヤコンみたいな呪文とか欲しいよな」

「は?何言ってんだいあんた」

「…いや、なんでも」

魔法少女の呪文を言ってみたんだが、アルフはわかってくれないようだ
いないかなぁ…この世界にこんな感じに呪文唱える奴…

「まずい!フェイトは本気だ!」

どうやら戦いも終局に向かったらしい。なのはがバインドで縛られている。

「なのは!今サポートを!」

≪ナズナ来ていいよ≫

公園で待機してもらっていたナズナが、転移して俺の隣に現れたのを見て
アルフとユーノはこっちを見て驚いていた。

「だめぇーーーー!!」

≪ご無事ですかマスター≫

≪うん≫

なのはが叫んでいるのを無視してナズナは俺を肩に乗せている。
ナズナ…なのは嫌いなのか?

「アルフさんもユーノ君もあなたも、手出さないで、全力全開の一騎打ちだから! 私とフェイトちゃんの勝負だから!」

「でも、フェイトのそれは本当にまずいんだよ」

「平気!」

≪別にあなたを助けようとした訳じゃないんですけど≫

ナズナは念話で俺に不満を告げてくるが、俺に言われても
困るんですが…

「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイア!」

長い詠唱を終えて、発射される無数のフォトンランサー。
この魔法ってかなり時間が掛かるし魔力かなり使うらしいから長期戦には向かないよな。

「なのは!」

「フェイト!」

お互い主を心配して声をかけるが、煙が晴れたとき無傷のなのはが現れた。

「撃ち終わると、バインドってのも解けちゃうんだね…今度はこっちの…」

『Divine』

「番だよ!」

『Buster』

ていうか、フェイトの決死の攻撃を
バリアジャケットに傷一つ入れないで無事とかどういうことだよ?おまえどんだけバリア硬いんだ?
必死にディバインバスターを防いでいるフェイトだが、あの魔法を放った後なので
もう体はヘロヘロで今にも倒れそうだった。
そしてそれに更に追い討ちをかけてくる魔王様。手加減してやれよ…

「受けてみて!ディバインバスターのバリエーション」

『Starlight Breaker』

本当にレイジングハートさんノリノリですね。
ここで新技出すとか、そりゃフェイトが魔王に惚れるわ。いや服従するわ。

「っ!? バインド!?」

徐々に収束されていく魔力を見てかわそうとするフェイトだが
残念ながら魔王からは逃げられない。

「これが私の全力全開!」

≪ナズナ、救出準備≫

≪はい≫

ここでもいい人フラグを立てておこうと思いナズナに指示を出しておく。

「スターライト…ブレイカーーー!!!」

…非殺傷設定って偉大だよな…
普通死ぬだろ、これ。魚が衝撃で浮んでくるんじゃないか?
処刑(砲撃)が終わりようやく海に静けさが戻ってきたとき、フェイトが気を失い海に落下して行った。

「あっ!」

なのはも体がヘトヘトなので駆け寄ろうとするが体がうまく動かないようだ
そこで…

≪これでいいんですか?≫

≪上出来だ≫

ナズナがフェイトが海に落ちる前に抱きとめていた。完璧だ! 完璧すぎる! これはいい人フラグ立つだろ!
むしろ俺にフラグ立てよ! 惚れてしまうだろう! 俺に!

「あなたは…」

「ほれ起きろ」

フェイトの頬をニクキュウでぺちぺちし、フェイトを無理やり起こす。

「んっ…ナズ、ナ…?」

…やっぱナズナですよね…

「気づいた?フェイトちゃん?」

うっすらと目を開き、周りを確認し自分の状況が飲み込めたフェイトは
少し顔を暗くしなのはの方を見た。

「ごめんね、大丈夫?」

「うん…」

「私の勝ちだよね?」

「そう…みたいだね…」

『Put out.』

バルディっシュから浮かび上がってくる8個のジュエルシード
そろそろプレシアさん来るかな?

「おい、飛べるか?」

フェイトの頭に乗りながら尋ねると、フェイトは黙って空に浮いた。
返事なし? 舐めてるのか? 俺が猫だからって舐めてるのか?

≪ごめん言うの忘れてた、もう来るよ≫

≪はっ?≫

スカさんからいきなりわけのわからない連絡を聞いて
なにが来るのかと思った瞬間、上から雷が降ってきた。

≪ちょ!? 言うの遅い!≫

≪離脱します!≫

すぐにその場から離れ、港に着地すると、予想どうりフェイトが雷の餌食になっていた。
鞭といい雷といいこの子本当にM要素あるよな…

『さて、人形の最終チェックにサラーブに戻ろう』

「そろそろゆっくりできる時期になるな」

なのはたちがフェイトを助けているうちに
俺とナズナはその場から転移しないで、飛んで退避していった。










おまけ

『こんどから私を起動する時に詠唱つけようか?』

帰っている途中に、スカさんがいきなり詠唱の話を持ち出してきた。

「は?なんで?」

『君が言ってたじゃないか、パイパイポンポイ プワプワプー とか、テクマクマヤコンとか欲しいって』

ああ、あれ聞いてたのね。でもそれ…

「いやそれ“少女”限定じゃない?」

『いやいや、そうとも限らないよ。意外と似合うかもしれない』

「……」

似合うねぇ…



~~~妄~~~☆~~~想~~~



「いくぜ! スカさん! テクマクマヤコンテクマクマヤコンセットアップ!」

『了解!』

詠唱が終わると同時に眩いばかりの光に包まれる俺

「なんだこの光景は!? 眩しいを通り越して痛い! 心が!」

「すっすごい力を感じるの! やばそうなの!」

「同じ男として軽b…尊敬するよ!」

「これがあんたの言っていた魔法少女の力…!?」

「マスター、神々しいです」

そして皆から注がれる尊敬の眼差し!
魔法少年!! エタナール鈴木! 始まります!



~~~終~~~★~~~了~~~



「…勘弁してくれ…」

『そうかい。フフフ…』

そこで笑うのやめてほしいなぁ…
この世界に来てから胃の調子が…










<あとがき>
多分次で無印編が終わります。
その後、しばらくは平穏編が続いてAs編に入っていきます。


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.034785032272339