「マスター、プレシアさんが目覚めました」「ここに呼んでくれる?」「はい」『それじゃあ作戦会議といこうか』第17話「偽善者大作戦!?」プレシアさんは治療が終えて、アリシアのことも解決したからか、随分とすっきりした顔になっていた。一週間くらい前の、修羅のような顔とは大違いだ。きれいに見える元人妻…いいじゃないか…「マスター、会議中です」「わかった、わかったからつねらないで、お願い」プレシアさんのことをチラ見していたら、ナズナに顔をつねられて無理やり前方に顔を向けられた。少し…いや、かなり頬が痛い。「それであなたたちの部下になるのはいいけど、何をすればいいの」「このままあなたは、ジュエルシードを欲しているふりをし続けてください」『必要なときは我々から連絡が入るよ』プレシアさんはナズナが出した、紅茶を優雅に飲みながら、話を聞いてくれている。…なんか本当にすっきりしてんな…「わかったわ。このまま私は時の庭園に帰り、フェイトに今までどうり接しとけばいいのね」「それでお願いします。あと、俺たちとも敵対していることでお願いします」わかったわ、とティーカップを置き、頷いてくれるプレシアさん本当に前より接しやすくなったな…「アリシアはここに預けていくわ」「はっ?!いいんですか!?」あのプレシアさんがアリシアを置いていくだってぇ!!まさかスカさん、あの魔法陣には実は洗脳魔法の効果もあったのか?!「私をここまで治してくれたのに、今更信用しないなんてことは言わないわ。娘をよろしくお願い」「はぁ…わかりました」「お送りします」プレシアさんはそのままナズナについて行ってしまった。…人って変わるもんなんだねぇ。『それで、私たちは一体どう動いていくんだい?』「プレシアさんの協力が決まったときから考えていたんだけどさ、偽善者大作戦で行こうと思う」『…偽善者?』「うん。とりあえず、フェイトとかなのはにこの人いい人じゃね? って思われるぐらい」管理局は…難しいか? あいつらは仕事だから少しキツイとこもあるからな。その点なのはたちは、まだ純粋無垢。味方かなって思わせるくらいならちょろいと思う。『それはそうと、プレシア・テスタロッサの回復を待っているうちに、もうジュエルシードの発動を3個、察知している』「うん、多分あとは海で発動する奴だと思う」過去に戻ったときに海で俺たちが戦った、暴走体のジュエルシードが、海の中の一つかはわからないけど最低でも、海には5個ジュエルシードがある筈だろう。『そうだったね。そのために“あれ”をセットしたんだったね、フフフ…』「そう、そのためだよ、ふふふ…」「『フフフフフ……』」「マスター、プレシアさんを送って来まし…マスター?」『それで、全部終われば私はフェイトと管理局を攻撃すればいいわけね』「はい、それでお願いします」『わかったわ』プレシアさんが帰ってから二日、あの日からさらに2個のジュエルシードの発動が確認され、残すところ海しかなくなった。そこで俺たちはプレシアさんに連絡を取り、海上決戦の後始末を頼んだ。「じゃあそろそろ始めますか」正直プレシアさんが仲間になって時点でほぼ計画完了している。あとはおまけみたいなものだ。ジュエルシードは大事だけどな『そうだね偽z…正義といこうじゃないか!』「そうそう! それじゃあ、正義の味方と行きましょうかね」「ドクター…マスター、うそくさいです…」スカさんはわかるけど俺もうそくさい?!スカさんと一緒!? ナズナに言われるとショック倍増だよ畜生!理想に溺れて溺死します。side高町なのは「フェイトちゃん!」お食事中に突然、警報が鳴ったと思ったらジュエルシードが発動しただけじゃなくてフェイトちゃんも来ているらしい。私は食事を置いてリンディさんたちのところに全速力で走った。うぅ…やっぱり走ったりするのは苦手だよ「あのっ! 私急いで現場に…」「その必要はないよ。放っておけばあの子は自滅する」「っ!?」そんな!? それってフェイトちゃんを見捨てるってこと!顔を上げて画面を見てみると迫り来る渦から必死に攻撃しようとしているフェイトちゃんが写ってる。「仮に自滅しなかったとしても、力を使い果たしたところで叩けばいい」「でもっ」それじゃあフェイトちゃんは…「今のうちに捕獲の準備を」私は何かクロノ君に言いたいんだけれど何も言えなかった。画面に映るフェイトちゃんは波をよけきれず、体を飛ばされていてアルフさんは雷に邪魔をされてフェイトちゃんをうまくサポートできてない様子だった。「私たちは、常に最善の選択をしないといけないわ。残酷に見えるかもしれないけどこれが現実」「でもっ…」私がリンディさんに何か言おうとしたとき、フェイトちゃんの体を渦が貫こうとしているのが目に入った。「フェイトちゃん!!」思わず声をあげてしまったけれど、すぐに安心した。だって…「あの子は…!?「艦長!! また新たな魔導師です!」黒い閃光がフェイトちゃんを貫こうとしていた渦を打ち消したからsideout「あんたたち!? なんでまた」「ナズナ…」「ジュエルシードが欲しくてね、こんな状況だったら、協力したほうがいいだろう?」海に来て見たら、ちょうどフェイトが詠唱している場面だったので主人公のように乱入さしてもらった。…ナズナがもう人型になってもいいかな? …最近思ったんだけどさ、これもしアニメだったら俺のポジションはユーノより低くない?魔法少女 リリカル★ナズナ!? とかなってない?いや、痛いの嫌だから戦うのとか勘弁してほしいけどさ「えと…ありがとう…」「…別にお前のためじゃない」…ナズナさん冷たいッス!この時期のフェイトがお礼を言ってきたのに、お前って、せめて名前で呼んでやれよ!まあ、あまり喋っちゃ駄目だけど…「フェイトちゃーーん!!」お互いに背を向けて、戦闘態勢に入っていたら、天より魔王様の声が聞こえてきた。光が空からさしてきて、桜色のキラキラと一緒になのはが降りてきている。…天使気取り?その瞬間、アルフがなのはに向かって襲い掛かろうとしていた。俺たちは、前に助けたので微妙な感じだったが、なのはは別らしい「フェイトの…邪魔を、するなあぁぁあぁ!!」ものすごい力で体を縛っていた、雷で出来てるっぽい縄を噛み千切りなのはに襲い掛かっていったが、その間に壁が生じた。「っく!?」「違う!僕たちは君たちと戦いに来たんじゃない!」淫獣…もといユーノだった。そのユーノがなのはとの間に入りアルフを止めた。あの魔法けっこう堅いよなぁ…なのはは風に流されながらもこっちに向かってきていた。「まずは、ジュエルシードを停止させないと、まずいことになる!」ユーノがそう叫ぶと同時に少し空に上がり、魔法を発動させた。「だから今は!封印のサポートを!」チェーンバインド…だっけ?あれって竜巻とかも縛れるんだ…実体なくてもいいのか、便利だな。今度スカさんに頼んで練習してみよう。「地味なあれ手伝おう。封印作業は二人で十分だろ」≪はい、あの竜巻を消していけばいいんですね≫「ミーティア、行くよ」『Shooting Mode set up.』少しフェイトたちから離れて、手伝う。あまり近いと雷に巻き込まれるからね『Accel Shooter』俺の訓練のときに一番よく使う魔法をナズナはユーノが縛っていない竜巻に6発放った。竜巻に全弾直撃し、あっけなく一つの竜巻は消滅したが、海から小さいがまた新たな竜巻が出現してきた。『これは、ジュエルシードを叩かないとどうにもならないね』「それもそろそろしてくれるんじゃない?」ちらりと、フェイトたちの方を向いてみると封印準備は整っている様子だった。桜色と金色の巨大な魔法陣が空に描かれている。「せーのっ!」そろそろ終わるな。ならば…≪スカさん、“あれ”どんな感じ?≫≪この海にかなりの数を集めておいたよ、覚悟しときなさい≫≪うへぇ…≫“あれ”おもしろいんだけどダメージがハンパないんだよなぁ…「サンダーっ!!」「ディバイーーン」「っレイジッ!!」フェイトの魔法が放たれた途端に竜巻たちを広い範囲で雷の魔法が襲った。…これって魚とかに影響でないんだろうか?電気ショック漁法 とか何とか言われて禁止されてたよな?そこは「凄いぜ魔法!!」なのか?「バスターーーー!!!」その竜巻になのはの恐ろしい威力の魔法が加わり竜巻は消滅した。その衝撃で海に津波が起こり体がビチャビチャになった。「海水でとか…ベトベト決定…」海水で体中ビチャビチャになってかなり鬱になっている俺をおいてなのはたちは、ジュエルシードを挟んでお互いに真剣な顔で向き合い話をしていた。「友達になりたいんだ」話も終局になり、場に沈黙の空気が流れているときにスカさんから念話が来た。≪プレシア・テスタロッサから連絡が入った。くるよ≫スカさんとの念話が終わった瞬間、海に紫色の雷が落ちた。フェイトはその雷がプレシアさんからの攻撃だとわかり戸惑いを見せている。「母さん!?」フェイトが疑問の声をあげ、その問いに返事かのように雷が落ちた。「うわあぁああぁああ!!」「フェイトちゃん! っきゃ?!」フェイトの叫び声で我に返ったなのはは、駆けつけようとするが雷の余波にとばされる。俺はと言うと、雷の余波に飛ばされないように、ナズナにしっかり捕まっていた。≪プレシアさんって本当に桁違いだな…≫≪大魔導師を名乗るほどはあるってことだね≫≪すごいです≫その様子をのんきにバリアを張りながら俺たちは見ていた。攻撃が止んでフェイトが気を失い、海に落ちていったがアルフが人型に戻り、ギリギリでフェイトを受け止めて、そのままジュエルシードに向かったが…「っ?!」いつのまにか転移してきていたクロノによってその手はジュエルシードには届かなかった。ふふふ、来たな! 来てしまったなクロノ・ハラオウン!!お前に地獄と言うのを見せてやる! 一緒に苦しもうぜ! なあ!!「邪魔…するなあぁああぁあ!!!」力押しでクロノを押し飛ばしたアルフ。だが、ジュエルシードが2個しかないことに気づく。≪ナズナ、ジュエルシードは頼んだ。スカさん“あれ”発動≫≪了解、男性用魔法“サッド・ペイン”発動≫スカさんの宣言とともに海の上に複数魔法陣が展開され、その全てがまとまり巨大な魔法陣となった。それが展開された瞬間、クロノは持っていたジュエルシードを落とし腹を押さえだした。すかさずナズナがそれを拾った。「っく! こ…これ、っは…」俺と同様に顔から物凄い量の汗をたらしながらジュエルシードを盗った俺たちのほうを睨んできている。「っふふ、どう、よ、この魔法はっ! キン○マ殴られた、…ように、痛い、だろっ! あっ、や、ばい…吐きそ、う」俺たちがこの日のために仕掛けといた罠それがこのサッド・ペインだ。これが発動した瞬間に周りにいる男性に無差別にキンタ○が殴られたような痛みを食らわせるという男にとってかなり恐ろしい魔法。正直、俺は今も。下半身の鈍痛と戦っている。泣きそうだ。遠くを見ればユーノも苦しんでいた。「な…何て、しょうも、ないっ、魔法だ…」「何だかわからないけど、今のうちにっ!!」アルフがクロノが動けないうちに海に向かって魔法を放ち、大きな波を起こした。「た、…退散だ、ナズ、ナっ…」「はい、マスター」それに便乗し、転移して逃げることにした。泣きそうとか思ってたけど、実際に目からは涙が出ていた。今日学んだこと 海水と汗と涙でベトベトになると何もかもがどうでもよくなる。<あとがき>海上決戦が終わり、とうとう時の庭園に!ナズナとフェイトが怪しい雰囲気が出てきたような気もするけど気にしないでください(笑)では!次回!!おまけ魔法紹介サッド・ペイン(Sad Pain)使用者:現実回帰組未来の魔法研究者が、遠くから見てた(ストーカー)だけで女の子にあそこを蹴られふられたことの怒りで自分以外の奴にも同じ目に遭わしてやるとくだらない執念で出来た魔法。弱点があって、一週間設置しとかないと発動できない。しかし彼が作る魔法は意外と人気があり、隠れファンが多くいた。彼の執念・嫉妬・願望魔法シリーズは、他にも何個か確認している。