「ここが…」『そう。時の庭園だよ』「不気味です」「しあわせ荘と比べてもちょっとな…」第16話「勧誘? 大魔導師!」side高町なのは「そうだ! あなたたち、この子について何か知らない?」お話が終わってクロノ君が送ってくれることになった時リンディさんが私たちを引きとめ、空中に映像を出して聞いてきた。「あっ…」「この子は…」そこに写っていたのは、あの時の真っ黒な魔法使いでした。「彼女たちの関係を何か知ってるのか?」私が反応するとクロノ君がすごい勢いで私たちに尋ねてきた。「えと…この子については特に何にも知らなくて…」「名前…とかも、わからない?」「はい。この子とは、あんまりお話できなくて」何回か出会うことはあったんだけど、この子は、フェイトちゃんと違って一言も口を聞いてくれなかった。「この子の代わりにこの肩に乗っている猫さんが全部喋ってて…」「本人とは一度も会話はしてないってことか…」「けれど、この子とフェイトちゃんは協力していなかったはずなんです」「どうゆうこと?」「僕たちがこの魔導師に会ったとき、この子たち、いきなり戦い始めたんです」「だから、今回フェイトちゃんを助けたのはすごい驚いちゃって…」「そう…ごめんなさいね引き止めて。クロノ、お願い」「はい艦長」何だかあまり役に立てなかったかな…この子とフェイトちゃんは一体どうゆう関係なんだろう…お友達なのかな…sideout「こんにちは、プレシア・テスタロッサ」時の庭園を歩き回り、ようやくプレシアのいる場所までたどり着いたときプレシアは口から血を吐き出しながら、こっちを睨んできた。怖い。怖すぎる。普段の顔も怖いのに、口から血を垂らしながら睨まないでください。お願い。「魔力反応が感知できなかったけど、あなたはどうやってここに来たのかしら?」言葉は丁寧に感じるけど、その裏に隠しきれないほどの殺意が見える。多分この質問が済んだら殺すつもりなんだろう。そして、いくらナズナが万能とは言え、さすがにプレシアに勝つのはキツイだろう。「優秀な同志がいてね、その人に作ってもらった結界を使った」スカさんが作ったのは移動型結界で、その中にいる限り、魔力関連で動いているものには、感知されないが欠点もある。結界内では魔法が使えないこと、衝撃に弱く、外からの攻撃結界はが加わると破壊されてしまうこと。魔法を使ってない普通の監視カメラなどには全く意味がないことスカさんが言うには、戦いようの結界じゃなく、潜入ようの結界らしい。「そう、教えてくれてありがとう。それじゃあさようなら」「っふ! それはどうかな!」ナズナの肩から飛びながら体を猫から人に変える。プレシアは慌てずに俺に向けて手に持つ杖を向けている。魔力が充足されていっている。その予想どうりの反応に俺は「これで何とぞお願いします~~~!!!」ジャンピング土下座をくりだした。手に献上するようにスカさんを掲げて「…はっ?」『君ももう少しカッコつけれないのかい?』プレシアさんの気の抜けた声とスカさんの呆れた声が上から聞こえるが正直、プレシアさんに勝負とかそんな勇気は毛ほどもないから「…にはかには信じれない話ね。未来のアルハザードから来たなんて」『だが事実だ。私たちは実際に未来のアルハザードから来ている』俺の代弁でスカさんが喋ってくれているがいまいちプレシアさんは、信用してくれない様子だ。まあ普通は未来のアルハザードから来ました~って言われても信じないよな。ここまで話をきいてくれたのはスカさんの存在が大きい。スカさんがいなければ絶対に信じてくれず、話を聞く前に消し炭にされてしまっただろう。「それを示す証拠はないでしょう?」『そこは信じてくれと言うしかないね』「…確かにジェイル・スカリエッティがデバイスになったなんて聞いてないわね」『信じてくれたかい?』「…その答えは保留にしましょう。それで、その未来のアルハザードの使者が私に何のようかしら?」ここからが本題だ。この交渉が失敗すれば俺は現実に帰れるより先にここでプレシアさんに消し炭にされるだろう。『ここからは彼に代わろう』「そう、で、なんのようなのかしら?」プレシアさんはスカさんから視線を俺に向けた。プレシアさんに見られるだけなのに背中にびっしりと汗をかいてるのがわかる。俺はまるで蛇に睨まれた蛙の気分だった。だけど、このまま固まっているだけでは前に進めない。動かなければ!「プレシアさん…あなたには俺たちの部下になって欲しい」「部下? なんの計画だかは知らないけれど、私が部下になるのにメリットがあるの?」ここで俺は、いきなり切り札を切った。「あなたの本当の娘、アリシア・テスタロッサ…彼女とあなたの病気を治しましょう」「っ!?」プレシアさんはさっきまでの余裕の表情を崩し、少し動揺したように見えた。「何故それを、という顔をしてますね。俺たちは“未来”のアルハザードから来たんですよ」「そう、確かにそれが本当なら知っているのはおかしくないわね。それで、それは本当に可能なのかしら」『それは私が保証しよう』「……」プレシアさんはじっとこちらを見てなにかを考えている俺は用意していたもう一つのカードを出した。「信用の証拠としてこれを」「ジュエルシード…」今このジュエルシードを渡すのは危険かもしれないがここで渡しておかないと、信用を得るのも難しいと判断し渡すことにした。時の庭園から音が消えている。正直生きた心地がしなかった「…いいわ」「じゃあ…」「アリシアを生き返らせるためにはどうすればいいの」まだ、完璧には信用していない様子だけど、少しは信用してくれた。この時点で、俺たちの作戦は半分成功したようなものだった。「俺たちの家に来てくれたら、すぐにでもスカさんが作業を開始してくれる」「わかったわ、アリシアを連れてあなた達に研究室に行きましょう。だけどアリシアにもしものことがあれば、あなたたちは絶対に殺すわ。」ちょ! 眼光が今までと比べてハンパねえ!視線だけで人が殺せそうな目というのはこういう目のことを言うんだろう。「肝に銘じときます」「…これが?」「はい、これです」プレシアさんに許可をもらい時の庭園にマーキングポイントを設置さしてもらいしあわせ荘の俺たちの部屋に飛んだ。もっとやばそうな見た目を想像していたのか、部屋をキョロキョロと見渡している。「マスター、プレシアさん早くこちらに」「…そこが入り口かしら?」『素晴らしいだろう?』「はい。何か変でしょうか?」「もういいわ。行きましょう」これ以上はなしてると頭が痛くなりそうよ、とプレシアさんは愚痴りながら押入れにの中に入っていった。…押入れに入っていくプレシアさん…すごくシュールだ…さっきまでのシリアスが押入れに入っていくプレシアさんで一気にコメディになった気分だ…「中はかなりのものね」『フフフ、私の力作だからね』サラーブの景色は時の庭園と違って、明るい。というより地球の時間に設定しているので、地球が夜になればサラーブも暗くなる。今はお昼を少し過ぎたくらいの時間なので明るいのだ。『じゃあナズナについて行ってくれ』「はい、こちらにどうぞ」ナズナはスカさんと一緒でサラーブの研究室を把握しているので案内は基本的にナズナがしてくれる。俺もできないことはないんだが、いまいち自信がないのでやっぱりナズナに頼んでいる。『ここが私の研究室だ』ナズナについて行ってしばらくすると、スカさんの研究室に着いた。ここでスカさんは人形かおばちゃんを使い、結界などを発明している。周りを見渡すと見たこともない魔法陣やわけのわからない数式が並んでたりする。「ここです」スカさんの研究室から入れる、ある魔方陣を保管している部屋やっとにたどり着いた。そこには黒い床に白い魔方陣が書かれている。『そこの3つある白い魔方陣の内の一つにアリシア・テスタロッサを置いてくれるかい』「これでいいのね」アリシアの体が入った容器を白い魔方陣にプレシアさんが慎重に置くと魔方陣が光りだした。『マーディン・タグイール発動確認。あとはこのままで大丈夫だよ』確かに死んでいるように白かったアリシアの体が、近くで見ると生気を帯びてきている。「っよかった…本当に…アリシア…」それを見てプレシアさんは滝のように涙を流している。『彼女の体は長い間、止まっていた。回復するまで何週間かは掛かるだろう』「うぅ…アリシア…」「ドクター、この人聞いてません」その後、ようやくプレシアさんが落ち着いて話ができる状況になるまで三十分かかった。「じゃあ次はプレシアさん、あなたです」「アリシアと一緒でこの魔方陣に乗ればいいのね」アリシアの無事を確認できたからか、若干キツイ顔がやさしくなっている。そして魔方陣に乗った瞬間、プレシアさんは床に倒れてしまった。『これでいい。プレシア・テスタロッサは、アリシア。テスタロッサと違って遅くても一週間だろう』「プレシアさんの病気って時間戻してもまた再発するんじゃないの?」『多分大丈夫だね。彼女が体を壊したのは、体を無理に行使し続けたからだ。アリシア・テスタロッサが傍にいるなら、彼女もそんなに無茶はしないだろう』「なんにせよ、第一関門突破だな」そう考えた瞬間、ドッと疲れが沸いてきて地面に座ってしまった。「あ~~、しんどかった」「お疲れ様ですマスター」『しかしマーディン・タグイールを使ってよかったのかい? あと一つだよ』スカさんの言うとおり、このアルハザードの時戻しの魔法は3つしかない。しかも新しく作れない。あのアルハザードの空気の中じゃないと、魔方陣を生成できないらしい。かろうじで過去に持ち出せても、3つが限界だった。「まあ帰るのにプレシアさんの力は絶対に役に立つはずだから、損したってわけじゃないから別にいいよ」さてさて、そろそろこのPT事件の舞台を終わらせますかね。<あとがき>プレシアさんが現実回帰組に入隊!そろそろ無印のゴールが見えてきました。無印編では主人公組みはあまり目立ちません。As後半ぐらいから本格的に動く…かな?では!また次回!!