「スカさん、場所特定できた?」『こればかりは難しいね。そうそう簡単にはいかない』「やっぱり直接聞くしかないか…」『しかたないね。彼女も私と同等の知識と技術を持っているといっても過言じゃない』第14話「わかりあえないんじゃなくて話し聞いてないだけ」「のわあぁああぁっ!!」『だからそこでプロテクションを張らなきゃ駄目だろう』「無理無理無理無っ理!!!」温泉旅行から帰宅した俺たちは、日課の魔法訓練をサラーブでナズナと行っている。訓練といってもナズナのアクセルシューターをひたすた防ぐか避けるかをし続けるだけだ。言葉にすれば簡単だが、実際俺には地獄だった。ナズナの黒い魔力の塊が1回に俺に向けて6発発射される。防ぎたいんだが、俺はまだうまくプロテクションが出せない。成功確立がかなり低い。だから大抵6発全部命中してしまう。プロテクションをスカさんの手助けなしで発動するのが今回の訓練の目的だ。ナズナが操作しているので、致命傷になることは、まずないのだが…「おぶっ!」『はい減点』スカさんの指示でたまに本気で当てに来る。これを防いだりしたら点数高いんだが未だに防いだことはない。だって、避けるのにでさえ必死になってるのに、防ぐのも同時にするなんて無理に決まってるだろ!? 一気に全部防ぐぐらいじゃないと。「し…死ぬ…マジ、死ぬ」『人は限界まで追い詰められることによって力を発揮するんだ』そんなことを言われても、無理なものは無理。痛いの、マジ無理。追い込まれて「クリ○ンのことかーーー!!!」とか出来たらいいけど、無理。「すみませんマスター」『Accel Shooter. 』ナズナが容赦なく6発のアクセルシューターを再び飛ばしてきた。やばい!また当たったらしばらく悶絶してしまう!!そしてスカさんに点数が減点されてしまう! それだけは避けねば!!「ああ! こうなったらやってやる! はっ! やってやんよ!!」半分ヤケになってプロテクションを展開する。ただのプロテクションではなく、もれなく俺の血をブレンドしていた。「で…出来た!! 名づけてブラッディ・プロテクション!」俺の張ったドロリとした紅いプロテクションに轟音をたててぶつかるアクセルシューター。だが、俺のブラッディ・プロテクションには、傷ひとつつかない。『まだ攻撃魔法がぜんぜん使えないが、防御魔法の方はなかなかだね。臆病だからかな?』「…一言余計だぞ、スカさん」ナズナの攻撃が止み、プロテクションを消した後、やはり少しだけ頭がクラっとする。「でも最近この感覚に慣れてきたな…あれ? これ駄目な方向に進化してない?」『慣れは大事だよ。さて次は攻撃魔法の練習だ』ちょっと休みたいなぁ…俺…「マスター? 何か考え事ですか?」「えっ?いやこの前のこと思い出してて」夜の街中を歩きながらあの訓練の辛さを思い出してたようだ。「結局、攻撃魔法は一つしか出来るようにならなかったなーって」『一つ出来れば上出来さ』あの後、数日サラーブで訓練を続けたが、プロテクションは普通に使えるようになったが、攻撃魔法はなかなか上達しなかった。スカさんは過去の偉人は防御と攻撃、両方できていたと言っているが最近、本当に俺に出来るのか怪しくなってきた。『ほらほら、考え事している場合じゃないだろう?今から高町なのはとフェイト・テスタロッサが動くんじゃないのかい?』「正確に覚えてるわけじゃないけど…多分今日はデバイス大破の日だと思う」温泉の日から時間は大分経ったがジュエルシードの反応は、なかったらしいしそろそろ動き出すはずなんだが…「こんな夜に戦うのですか?」「多分そのはず。だから今回もお願いするよ」「はい。まかせてください」「じゃあ発動するまでどこかで……っ!!」暇でもつぶしとこうと声をかけようとしたが、気配を感じ言葉を止めた。「スカさん…これは…」『君もだんだん魔法に鋭くなってきたね。これは魔力流だね。どうやらジュエルシードを強制発動しようとしているようだ』予想どうりフェイトが動く日は今日だったらしい。「キャットフォーム!」「マスター! 飛びます!」ナズナが猫に変化した俺を片腕で俺を抱き、もう片方で赤黒い宝石を掲げた。「いきます! ミーティア!」空に上るとジュエルシードの場所が特定できたから、ナズナに先に封印をたのんだのだが『彼女らも封印を行うみたいだね』「ああ、そういう展開だったな確か」本当ならここでは、なのはとフェイトだけで封印を行う話だったな。お構いなしに参加させてもらうけどナズナのミーティアから細い光がジュエルシードに走る。既にジュエルシードには桜色の光と金色の光が集っていた。「リリカル・マジカル!!」そして遠くから力強い声なのはの詠唱が聞こえてくる。「ジュエルシード、シリアル19!」「「「封印!!」」」三人の掛け声が聞こえた瞬間、三方向から桜色、金色、黒色の砲撃が放たれた。そんな情け容赦ない攻撃にジュエルシードはあえなく撃沈した。そしてナズナはその場に空から降り立ち二人と向き合った。「また会ったな金「させるかぁーー!!」へっ?!」普通に話しかけようとしたのに、ジュエルシードを取ろうとしたと思われたのかアルフが飛び掛ってきた。今から戦闘するかもしれないナズナに助けてもらうのも悪いと思い、自分で対処することにしてみた。「甘い!!」一回言ってみたかった台詞を添えて、普通のプロテクションでガード思いのほか威力が強くて、負けそうになったのは秘密。「っうっとおしいね!」俺のプロテクションを踏んづけて飛び。フェイトの隣に着地した。そしてフェイトと二人でこちらを睨みつけてくる。…どうやら、完璧になのはは無視する方向に決定したようですね。一挙即発の空気が流れ戦闘の火蓋が切られるとおもった瞬間…!!「あのっ!!」完璧に蚊帳の外だったなのはが大声を出しナズナとフェイトを呼び止めた。「こないだは、自己紹介できなかったけど!私なのは、高町なのは。私立聖祥大付属小学校3年生。フェイトちゃんの名前は聞いたけどあなたの名前は聞いてなかったよね」『Scythe Form.』『Blade Form.』お前ら二人ともスルーかよ。ナズナは名前教えないし…いやあんまり喋っちゃだめって言ったの俺だけどさ≪マスター、降りといてください≫≪了解≫そう念話で伝えナズナはフェイトと空に飛んでってしまった。なのはは遅れて飛び出していた。sideナズナこの前の戦いから時間は経ったが、この…フェイト…かな?フェイトとの戦いは二度目だ。この前の戦いでフェイトとの戦い方はわかっている。私の中距離から近接戦を得意とする戦い方と同じはずだ。ドクターの話では、この人の細胞も私の中に入っているらしい。「はっ!!」「…っ!」相手の出かたを見ていたらやはり近づいて鎌型になったデバイスを振り下ろしてきた。このぐらいの速度なら回避する必要もないと思って受け止めると予想以上に力が込められて、驚いた。「あなたには、もう様子見はしない…!全力で行く!!」…頭は悪くないようです。この前の短い戦いで私同様お互いの力量をだいたい把握しているようですね。ならば私も!!「ふっ」「っ!!」ミーティアを持つ手の力を抜き鎌を受け流した時、フェイトの体制が崩れた。それを好機と思い一撃を叩き込もうと思った、その時にもう一人の魔導師が現れると同時に切りかかろうとしていた私に向かって攻撃してきた。「えと、ごめんなさい! でも私、」すぐに砲撃してきた魔導師の方に方向転換し、先に倒そうとしたとき、後ろからチリチリした感覚を感じた。私はそれを不振に思ったと同時に行動に移していた。『Thunder Smasher.』『Protection.』振り向きながらプロテクションを展開し雷の一撃を何とか防いだ。…不意打ちとは、やってくれる。「あの、だから話を…!!」自分の邪魔をされては困ると考えたのか、フェイトが彼女の後ろに回り込んでいた。『Flash Move.』白い魔導師の子…マスターは…なのは?とか言っていたかな?私の原型のはずなのに同じような戦法でやられてしまうなんて、本当に私の原型なのか?と考えていたんだけど前回の戦いから彼女も学んでいたらしく、高速移動魔法を使いフェイトの後ろをとった。『Divine Shooter.』『Defenser.』後ろをとり攻撃をしたようだが、先ほどの私と同じように防がれてしまったらしい。そのまま私たちは全員が杖を構えて止まってしまった。この空気を破ったのもやはり彼女だった。「お願いだよ! 話を聞いてよフェイトちゃん! それにあなたも!」彼女は場の空気を変える天才なんじゃないだろうか?けれど彼女は私の原型だからもしかしたら私も空気を変える天才なのかも…なんかそれはいやだな…「フェイトちゃんは話し合うだけじゃ、言葉だけじゃ何も変わらないって言ってたけど、だけど話さないと、言葉にしないと伝わらないこともきっとあるよ!」…今のうちにマスターとジュエルシードを回収して撤退しようかな? うん、そうしよう。話し長くなりそうですしマスターに念話で確認を…「ぶつかり合ったり、競い合うことになるのは、それでしかたないのかもしれないけど」マスター? …マスター? 聞こえないんですか? おかしいな…「だけど何もわからないままぶつかり合うのは…、私、いやだ!」…? さっきからマスターに念話が通じない?「私がジュエルシードを集めるのは、それがユーノ君の探し物だから。ジュエルシードを見つけたのがユーノ君で、ユーノ君はそれを元通りに集めなおさないといけないから! 私は、そのお手伝いで…」まさかマスターに何かあったんじゃ!? はっ!! まさかあの赤い狼がマスターを…「だけど、…お手伝いをするようになったのは偶然だったけど、今は自分の意思でジュエルシードを集めてる。自分の暮らしている街や、自分の周りの人たちに危険が降りかかったらいやだから」けどマスターにはドクターがついてくれてる。そう簡単にはやられないはず…ああっ! でもドクターが訓練だと言って見てるだけだったら!いやでもいくらドクターだからって、やられそうになったら助ける…かな?「これが! 私の理由!」こうなったらマスターを探しに行くしかない。今すぐ行こう。「私は…」「フェイト! 答えなくていい!!」この声はあの赤い狼の声!? マスターは!?「優しくしてくれる人たちのとこで、ぬくぬく甘ったれて暮らしてるようなガキンチョになんか、何も教えなくていい!!」マスターは? マスターは何処に!?…あっ「あたしたちの最優先事項は、ジュエルシードの捕獲だよ!」あの少し遠いとこにいるのは…?「はあっ、し、死ぬ、へっ、狼と、フル、はぁ、マラソっンは、死ねる」ああ! マスター!! ご無事で!! 今すぐ駆けつけます!他の二人も何だかどこかに駆けつけてたけど、あまり気にならなかった。そして私がマスターの場所にたどり着いたとき。眩い光が私たちを埋め尽くした。光が止みその光の発生した場所に近寄ると、フェイトが使い魔に抱えられどこかに飛んで行くのを呆然と見ている二人が残っていた。≪どうしますかマスター?彼女たちからジュエルシードを奪いますか?≫≪…ごめん。今日はもう帰りたい…≫≪はい≫「あっ! 待って!!」後ろから声が聞こえてきたけれど、興味がなかったのでそのまま無視して帰った。その場に残ったのは白い魔導師だけだったおまけナズナが心配していた時の嵐の様子「ちょっ! 待って!! なんで!? なんで重点的に俺!?」「あんたがあたしのご主人様を傷物にしたからさ!」「身に覚えがな~い!」「おとなしくしてな! そしたらすぐ終わるから!」「何が!?」「あたしがあんたをボコボコにするのがさ!!」「断る! スカさんヘルプ!」『逃げる訓練だ…フフフ…』「死ぬ! マジで死ぬ」「わわ!? こっちにこないでよ!」「それも断る! こうなったらお前も道連れだ~!!」「ええぇ! そんな!!」「あっ! マジで死ぬわ、ナズナの幻聴が聞こえる」「何ごちゃごちゃ言ってんだい! じっとしてな!」「「てっ撤退~~!!」」『フフフフフ…』<あとがき>だんだんと無印の終わりに近づいていってます。そして次回!とうとうあの男が!?では!また次回!!