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No.5745の一覧
[0] かんりきょくのこっくさん 【完結】[大豪院キャロ](2009/04/02 21:49)
[1] 第01話「竜か・・・ゴクリ・・・おっといけねえ」[大豪院キャロ](2009/01/25 02:39)
[2] 第02話「先生! この場合、下はなにも着けないのが基本だと思うんですがどうでしょうか?」[大豪院キャロ](2009/01/25 02:40)
[3] 第03話「あーもーなんて可愛いんだ。 さあ、今すぐその胸で、悲しみに暮れるボクを温めてー!」[大豪院キャロ](2009/01/25 02:40)
[4] 第04話「悪いなフェイト。 お前が中学に上がったあたりから、俺のストライクゾーンからは外れてるんだ」[大豪院キャロ](2009/02/25 23:23)
[5] 第05話「へーいそこの彼女っ、よかったらオレッチとお茶しよーぜ」[大豪院キャロ](2009/01/25 02:42)
[6] 第06話「お久しぶりです桃子さん。 紹介します、妻のキャロです」[大豪院キャロ](2009/02/02 22:44)
[7] 第07話「どうやら“間に合った”みたいだ。 会いたかったよスバル」[大豪院キャロ](2009/02/02 22:45)
[8] 第08話「おい貴様っ!! どうせならその女も置いていけっ!」[大豪院キャロ](2009/02/02 22:46)
[9] 第09話「えっ、なんで俺がエリオを助けないのかって? ・・・なんで俺がそんなメンドーなことを」[大豪院キャロ](2009/02/02 22:47)
[10] 第10話「そうか、そういうことか。 ・・・大丈夫、リインでもいける俺からすればなんの問題もない」[大豪院キャロ](2009/02/02 22:47)
[11] 第11話「随分前に・・・お前とは終わったんだ。 そう、大体7・8年前ぐらいには」[大豪院キャロ](2009/02/15 04:29)
[12] 第12話「いや、そうじゃないって。 つまり・・・そう、本気なんだっ・・・どっちも!!」[大豪院キャロ](2009/02/15 04:29)
[13] 第13話「スバル・・・。 はぁ・・・出会った頃に戻りたい・・・」[大豪院キャロ](2009/02/15 04:30)
[14] 第14話「なのは、フェイト、いざとなったら頼むぞ。 いや、ほら・・・弾除けになるとか、さ」[大豪院キャロ](2009/02/15 04:30)
[15] 第15話「この話はいいから先に進もーぜ。 ルーテシアが俺を待ってんだからよ」[大豪院キャロ](2009/02/15 04:31)
[16] 第16話「これはキャロの保護者として行使すべき当然の権利であり義務なのだ!! わかったか貴様等っ!!」[大豪院キャロ](2009/01/07 23:30)
[17] 第17話「なぜ俺を連れて行かなかった!? 俺のスペシャルな能力が覚醒してルーテシアとフラグを立てる絶好の機会だっただろーが!!」[大豪院キャロ](2009/01/07 23:31)
[18] 第18話「いや・・・あいつ等の中だと、ヴィータとリインだけいれば俺は・・・」[大豪院キャロ](2009/01/07 23:32)
[19] 第19話「背負ってたエリオを盾にしようか迷ったんだけど・・・後でもっと酷い目にあうからやめた」[大豪院キャロ](2009/02/25 23:24)
[20] 第20話「ヴィヴィオか・・・でかくなったりするから微妙なんだよな、俺的には」[大豪院キャロ](2009/01/07 23:34)
[21] 第21話「いや、実は知ってんだけどね。 興味がないから聞かないだけで」[大豪院キャロ](2009/01/07 23:35)
[22] 第22話「俺が拾ったんだから一割は請求できるな。 ・・・よし、一割あれば十分だ」[大豪院キャロ](2009/01/13 23:10)
[23] 第23話「くっくっくっ、気をつけろよルーテシア。 俺は狙った獲物を二度は逃さない」[大豪院キャロ](2009/01/18 23:36)
[24] 第24話「いいじゃないか素晴らしいじゃないか最高じゃないか!! 一体なんの不満がある!?」[大豪院キャロ](2009/01/25 02:34)
[25] 第25話「ふっ。 これで俺とキャロの邪魔をするやつはいなくなったな」[大豪院キャロ](2009/02/02 22:43)
[26] 第26話「たとえお前が嫌がっても、俺はお前を一生逃がすつもりはないから(ニコッ)」[大豪院キャロ](2009/02/10 22:13)
[27] 第27話「俺を出さないというのならそれでもいいさ。 その隙にヴィヴィオを(以下、検閲の結果削除)」[大豪院キャロ](2009/02/15 04:27)
[28] 第28話「オメーらじゃねーよ!! いいからとっととルーテシアを呼べっ、訴えるぞ!!」[大豪院キャロ](2009/02/17 23:12)
[29] 第29話「これってあれだろ? 俺が出ていいってことだよな?」[大豪院キャロ](2009/02/23 21:14)
[30] 第30話「まずい。 もし隠しファイルの中を見られたとしたら、なんとしてでもやつを・・・」[大豪院キャロ](2009/02/25 23:22)
[31] 第31話「条件は二周りぐらい若い看護婦ってだけじゃないか!! なぜそれがわがままになる!?」[大豪院キャロ](2009/03/02 23:28)
[32] 第32話「いいなぁ桃子さん、俺もしてもらいたい。 だって・・・キャロに冷たくされると、ぞくぞくする」[大豪院キャロ](2009/03/06 23:48)
[33] 第33話「そうか・・・。 じゃあ、キャロもそろそろアウトか・・・」[大豪院キャロ](2009/03/11 19:56)
[34] 最終話「また旅に出るかな。 きっと、第二・第三のキャロが俺を待っている」[大豪院キャロ](2009/04/02 21:47)
[35] 登場人物紹介(本編終了後)[大豪院キャロ](2009/04/02 21:48)
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[5745] 第14話「なのは、フェイト、いざとなったら頼むぞ。 いや、ほら・・・弾除けになるとか、さ」
Name: 大豪院キャロ◆0b1756a3 ID:ef43ac10 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/02/15 04:30





 キャロ「これから、初めてのじっせんになります。



     いつも一緒のフリード。

     一緒にくんれんをしているスバルさんにティアさんにエリオくん。

     わたしたちをきたえてくれるなのはさん。

     それに、フェイトさんにリインさん。

     たよりになるみんながいて、そんなみんなと一緒なら、心配することなんてなにもありません。



     それなのに、なんでこんなに不安なんでしょう?



     ・・・どうしよう、ふるえが止まらない・・・」















          魔法少女リリカルなのは【かんりきょくのこっくさん】

     第14話「なのは、フェイト、いざとなったら頼むぞ。 いや、ほら・・・弾除けになるとか、さ」















「あ」

「一郎っ!
 てめー何度目だっ!!」

「す、すいません!」

「やる気がねーなら帰るか、ああっ!?」

  機動六課内の厨房では、出来上がった料理を床に落とした一郎が、料理長に怒鳴られていた。



  普段の一郎とは比べ物にならないほど集中できていない。

  説教が終わり、一郎は落とした料理を片付け始めたが、すぐにその手が止まる。

  そのまま固まってしまった一郎にアギトが声をかける。

「イチロー、大丈夫か?」

「ん、アギトか。
 大丈夫ってなにが?」

  何でもないかのようにふるまうと、一郎は片付けを再開した。

  しかしそれも長くは続かず、一郎の動きは再び止まってしまった。



  そんな挙動不審な一郎を、アギトは溜め息をつきながら見つめていた。















  機動六課初の実戦となる今回の任務は、山岳地帯を走行する貨物車両からロストロギアの一種であるレリックを確保する事と、そのレリックを狙う機械兵器・ガジェットドローンの全機破壊の二つが目的となる。



  現場に向かう途中、ヘリの中で任務の内容をリインフォースⅡから聞きながらも、キャロの頭はパニックに陥っていた。

  頭の中が真っ白で、任務の内容が頭に入ってこない。

「(なのはさんは大丈夫って言ってくれたのに、どうして?)」

  自分を励ましてくれたなのはは、フェイトと共に制空権を確保する為に先に出撃してしまって、もうここにはいない。

「(あんなにくんれんしたのに・・・)」

  俯いていた顔を上げると、キャロは周りを見渡した。

  自分以外の新人3人は、多少緊張している様子が見られても、自分のように震えている者はいない。

「(だめ・・・こわい・・・)」

  両手で自分の体の震えを抑えながらも、ついには弱気な考えが頭をよぎる。

  そんな、キャロの気持ちが限界を超えようとしている時に・・・、



《キャロ、大丈夫か?》

  アギトからの念話がキャロに届いた。








《アギトさんっ!?》

  声に出して叫びそうになるキャロだったが、なんとか堪えてアギトに返事をした。

《任務中にどうかと思ったんだけど、心配になってさ》

《ありがとうございます。
 でも、大丈夫です》

《・・・そっか、ならいいけど》

  キャロはアギトに心配をかけないよう平静を装うが、いつもキャロの事を気にかけているアギトには、不安や緊張を隠し切る事は出来なかった。

《あの、一郎さんは?》

  それでもキャロは念話を続けた。

  無意識に、一郎の事を考える事で不安をかき消そうとしているのかもしれない。

《えっ、ああ・・・。
 大丈夫、キャロにがんばれって伝えるよう頼まれたよ》  

  念話をしながら少しは落ち着いたおかげか、アギトの返答が一瞬詰まったのをキャロは気付く事が出来た。

《一郎さん、どうかしたんですか?》

《いや、別になにもないって》

《アギトさん》

《うっ》

《・・・・・》

《・・・ハァ、わかったよ。
 出来れば、出撃前のキャロには話したくなかったんだけど》

  根負けしたアギトは、キャロに念話を送った事を後悔していた。

  自分自身もキャロを心配してテンパっていた事には気付けなかったようだ。



《アイツは今、すげーまいってる》

《え?》

  一瞬、アギトが何を言っているのか理解できなかった。

《注文受ければ間違える。
 作り出したら今度はさ・・・料理を焦がしたり、出来た料理を床に落としたりして、もう滅茶苦茶だよ。
 料理長に怒鳴られて、あたしも一緒に厨房から追い出されちまった》

《一郎さん、が?》

《今は隊舎の裏にいるんだけど。
 あっちこっちうろうろして、まるで落ち着きがない》

《・・・・・》

《あたしが声をかけると平気な顔するんだけどさ、すぐ元に戻っちまう》

《わたし、一郎さんに心配かけてるんですね》

  キャロの声がだんだんと小さくなっていき、アギトは焦った。

《それは違う!!
 キャロはそんなこと考えなくていいんだ。
 一郎のことならあたしがなんとかするから》

《一郎さん、きっと困ってます》

《だから違うって!!》

  やはりキャロは落ち込んでしまったのだと、アギトはそう考えていた。

  しかし実際は、キャロが考えていた事はアギトの想像とはまるで違っていた。








「(そうだ・・・思い出した)」

  今までは頭がパニックで真っ白になってしまい、何も考えられなくなっていたが今ならわかる。

「(なんのために、わたしが管理局に入ったのか)」

  高町家で桃子が言っていた事。

  たとえ一郎と離れる事になっても、それでも自分が頑張れる理由。

  それは・・・、



「一郎さんのために、わたしはがんばるんだ」

  不安で揺れていた目を見開くと、キャロははっきりと声に出した。



「(不安に思うことなんかない。
  こわくなんてない。

  一郎さんが心配してる。
  困ってる。

  なら・・・)」  

“こんな事ぐらい”で、立ち止まってなんかいられない。








《アギトさん》

  再びアギトに念話を送った時には、キャロの中から迷いはすっかり消えていた。  
  
《キャロっ!!》

  その頃アギトは、キャロからの念話が途切れた事で気が動転していた。

《一郎さんに伝えてください》

  そんなアギトに対して、キャロは落ち着いた様子で話を続ける。

《すぐに帰りますから、そうしたらわたし、一郎さんの作ってくれるスープが飲みたいです》

《スープ?》

《はい。
 一郎さんと初めて会ったときに、わたしに作ってくれたんです》

  詳しくはわからないが、キャロにとってとても大切な事らしい。

《そっか。
 わかった、必ず伝えるよ》

《ありがとうございます。
 アギトさんも、心配かけてごめんなさい》

《あやまんなって。
 大丈夫なんだよな?》

  先程までと違い、キャロの声は真っ直ぐアギトに届いたが、それでもまだ心配だった。

《はい。
 思い出しましたから、こんどはもう平気です》

《思い出した?
 なにを?》

  アギトの質問にキャロは、



「・・・ないしょ、です・・・」

  少し考えてから、恥ずかしそうに言った。 








  キャロがアギトとの念話を終えると、ヘリはちょうど降下ポイントにたどり着いたところだった。

  まずはスターズ分隊のスバルとティアナが先に降りた。

「次は僕達の番だよ」

  キャロを見ずに、平坦な声でエリオが呟く。

「うん!」

  迷いを感じさせないキャロの返事に、エリオは思わず振り向いて、キャロを見つめていた。

  するとそこには、先程まで震えていた様子など微塵も見せないキャロがいる。
  
「・・・」

「どうしたの?」

  黙って見つめてくるエリオに、キャロは首をかしげる。

「なんでもない」

  エリオは顔をそむけて気を取り直すと、普段よりも無機質に答えた。





「次っ、ライトニング!」

「「はいっ!!」」

  ヘリパイロットのヴァイスに向かって返事をすると、キャロとエリオは貨物車両に向かってヘリから飛び出した。








          ・・・つづく。











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