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No.5159の一覧
[0] ループ(リリなの転生物)前書き [BIN](2009/02/24 00:14)
[1] ループ(リリカル転生・習作)[BIN](2009/01/01 01:45)
[2] ループの二(好評のようなので)[BIN](2009/01/01 01:46)
[3] ループの二ノ一[BIN](2009/01/01 01:48)
[4] ループの二ノ二[BIN](2009/01/01 01:50)
[5] ループの二ノ三[BIN](2009/01/01 01:52)
[6] ループの二ノ四[BIN](2009/01/01 01:52)
[7] ループの二ノ五[BIN](2009/01/01 01:52)
[8] ループの二ノ五ノ外――ムカつく変な奴。(俗にいう外伝)[BIN](2009/01/01 01:54)
[9] ループの二ノ六[BIN](2009/01/01 01:54)
[10] ループの二ノ七[BIN](2009/01/01 01:54)
[11] ループの二ノ八[BIN](2009/01/01 01:54)
[12] ループの二ノ終[BIN](2009/01/01 01:55)
[13] ループの二・五ノ一[BIN](2009/01/01 01:55)
[14] ループの二・五ノ二[BIN](2009/01/01 01:55)
[15] ループの二・五ノ三[BIN](2009/01/04 03:45)
[16] ループの二・五ノ四[BIN](2009/01/01 01:53)
[17] ループの二・五ノ五(修正しただけ)[BIN](2009/01/01 01:52)
[18] ループの二・五ノ六[BIN](2009/01/01 01:52)
[19] ループの二・五ノ七(ゴメン、また修正だけなんだ)[BIN](2009/02/23 22:06)
[20] ループの二・五ノ八。[BIN](2009/01/01 01:49)
[21] ループの三ノ一(すずか編 通称どN)[BIN](2009/01/03 03:10)
[22] ループの三ノ二(すずか編 通称どN)[BIN](2009/01/04 03:44)
[23] ループの三ノ三(すずか編 通称どN)[BIN](2009/01/07 00:03)
[24] ループの三ノ四(すずか編 通称どN)修正しました[BIN](2009/01/11 03:07)
[25] ループの三ノ五(すずか編 通称どN)修正しました[BIN](2009/01/11 03:07)
[26] ループの三ノ六(すずか編 通称どN・完結)[BIN](2009/01/13 13:50)
[27] ループの四ノ一(やっとこさA,s…に入れてない?!)[BIN](2009/01/19 10:45)
[28] ネタ、作者の病気。反論は受け付けない俗にいうIF-----TS注意!![BIN](2009/01/10 23:02)
[29] 作者の病気は皆の病気?今回は軽度、前回は中度-----TS注意!![BIN](2009/01/17 08:23)
[30] ループの四ノ二(やっとこさA,s…に入れてない?!)[BIN](2009/01/19 10:44)
[31] ループの四ノ三(やっとこさA,s…に入れてない?!)[BIN](2009/01/21 21:02)
[32] ループの四ノ四(やっとこさA,s…に入れてない?!)[BIN](2009/01/21 23:54)
[33] ループの四ノ五(やっとこさA,s…に入れてない?!)修正しただけなんだぜ?[BIN](2009/01/22 10:24)
[34] ループの四ノ六(やっとこさA,s…に入れてない?!)[BIN](2009/01/25 00:54)
[35] ループの四ノ七(やっとこさA,s…に入れてない?!)シグナムの紹介を追加[BIN](2009/01/26 20:29)
[36] ループの四ノ八(やっとこさA,sに入りました!!)修正[BIN](2009/02/08 23:00)
[37] 俺のあたまがバニングス!!!!!!!!!!! 熱病だ…自重しようTS注意!![BIN](2009/02/23 22:30)
[38] ループの四ノ九(やっとこさA,sに入りました!!)ミスッタ、ゴメンなさい[BIN](2009/02/23 22:28)
[39] ループの四ノ終(やっとこさA,sに入りました!!)修正しました[BIN](2009/07/07 22:21)
[40] ループの五ノ一[BIN](2009/04/13 03:32)
[41] ループの五ノニ[BIN](2009/04/26 20:00)
[42] ループの五ノ三[BIN](2009/05/11 22:58)
[43] ループの五ノ四[BIN](2009/05/13 23:20)
[44] ループの五ノ五[BIN](2009/05/18 01:48)
[45] ループの五ノ六[BIN](2009/05/18 01:45)
[46] ループの五ノ七(ヴィが活躍?)[BIN](2009/05/22 00:52)
[47] ループの五ノ八[BIN](2009/05/31 23:39)
[48] ループの五ノ九[BIN](2009/06/11 23:06)
[49] ループの五ノ十[BIN](2009/06/23 22:17)
[50] ループ・たたり編。開始[BIN](2009/06/20 14:29)
[51] タタリ編ー2[BIN](2009/07/07 22:15)
[52] タタリ編ー3[BIN](2009/07/24 23:29)
[53] タタリ編ー4[BIN](2009/07/07 22:11)
[54] タタリ編ー5[BIN](2009/07/24 23:27)
[55] タタリ編ー6[BIN](2009/08/15 01:35)
[56] タタリ編七[BIN](2009/09/12 21:06)
[57] タタリ編八[BIN](2009/10/15 01:49)
[58] タタリ編九[BIN](2009/10/21 02:16)
[59] タタリ編十[BIN](2009/11/16 02:55)
[60] タタリ編―十一[BIN](2010/01/22 23:08)
[61] タタリ編十二(少し修正・改行)[BIN](2010/03/23 03:03)
[62] タタリ編 十三(修正しました)[BIN](2010/03/23 02:48)
[63] 日常?(修正しました)[BIN](2010/03/23 02:44)
[64] 日常2?(修正しました)[BIN](2010/03/23 02:39)
[65] A'sに入った!! 一[BIN](2010/03/23 03:22)
[66] ループのA'sの一[BIN](2010/04/20 23:55)
[67] A´sの二[BIN](2010/05/12 19:12)
[68] A'sの三[BIN](2010/06/08 22:45)
[69] A'sの四(2010.06.12修正)[BIN](2010/06/12 01:33)
[70] A'sの5[BIN](2010/07/03 21:15)
[71] A´sの6[BIN](2010/08/27 20:45)
[72] A´sの7[BIN](2010/11/24 23:35)
[73] A´sの8[BIN](2010/12/31 23:29)
[74] A´sの9[BIN](2011/03/27 16:24)
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[5159] A´sの7
Name: BIN◆46522c0b ID:62bc3fb4 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/11/24 23:35



一夜を昔過ごした部屋で過ごすと言うのは、何処かおかしな気分にさせてくれる。
例えば、普段なら気にも留めない事に気づいたり。
例えば、どうでも良い考えに思考を縛られたり。
プラスにもマイナスにも成る事を無意識に考え出す。

だからこそ、明智良哉も普段より思考の海に囚われて居た。



――――――――――――様に彼女達には見えた。

リーゼロッテ、リーゼアリア。彼女達は猫の素体から作られたギル・グレアムの使い魔だ。使い魔であるが管理局局員としてそれなりの地位も持っている。主が提督だからではなく彼女達自身の能力の高さによって勝ち取ったモノだ。
ソレ故に、其処にたどり着くまでに費やした時間は馬鹿に成らない。
経験とはそういったモノだ。学び、修めたのだ。だからこその間違いだった。


「…私にはどう見てもちょっとヒネた子供にしか見えないんだけど……警戒するほど子? この子」

「貴女もあの場に居たんでしょ? 守護騎士との戦闘は見なかったの?」

「それがねぇ、クロスケの奴結構成長しててさぁ。姿を隠すので精一杯だったよ…もともと守護騎士の中で一番警戒してたのも湖の騎士だったし。」

フリフリと尻尾を揺らしながら答えるロッテに、アリアは嘆息しながら答える。

「教え子に一杯食わされるなんて事には気をつけてねロッテ? あの子の此処最近で急激に伸び始めたみたいだから…」

「あぁ、そりゃ解ってるよ。うん、クロスケは成長したよ…本当に成長した。最後に見た時よりも強くなってた。」

無意識の行動だったのだろう。そう言いながらロッテは組んでいた足に視線を移した

「…記録では一撃も貰って無かった様だけど?」

「貰ってないよ? 貰っては…でもねぇ、ちょっと気が引き締まったわ。それで? この明智良哉君だっけ?」

面倒臭そうに頭を掻くその姿には、興味と言うモノが欠片も宿って居なかった。その事に不満は有るが、怒るほどの事でもない。アリアはそう考える。元々の気性も在るのだろうが、数十年の付き合いで慣れてしまったと言うのも在るのかも知れない。
その考えは危ないと自分でも理解している。だからこそ何時もの様に言うのだ

「…ロッテ」

「解ってるわよ、手抜きはしないわ。でもね、今の状況じゃ判断しきれないでしょ? 目的が見えない。もし、何らかの関わりが在るのなら数日後でしょ?」

「そうね…そうだわ。だからお父様は保護するように言ったわ。」

「なら良いじゃない。」

「戦闘記録は確認した? 接近されれば危ないわよ?」

楽観的な言葉に、アリアはロッテに確認を取る。

「…確かにね。だからって馬鹿正直に正面から行く訳ないでしょ…心配のしすぎよ。まぁ、ソレが良くも悪くも必要なのは解ってるけど」

「…そうね。リンディの方は私が調べるから、貴女は」

「クロスケの方を探るわよ。久しぶりに弄りたいしね」

「ほどほどにしないと、嫌われるわよ?」

「大丈夫、大丈夫。加減は解ってるから」













「…何だか嫌な予感がする」

「ちょっとクロノ君、不吉な事言わないでよ」

彼の感は結構冴えているのかもしれない。






そんな事を欠片も知らない明智良哉は、何もせずにただ横に成っていた。何も考えていないのではなく。現在持っている情報では何も出来ないからだ。それならば、無駄に動くよりもじっと体を休める方が良い。
事実、此処でギル・グレアムの事を調べよう等と思えば直ぐに足が付く。更に言えば此処から地球の回線に侵入しようとすれば直ぐに見つかってしまうし、ファラリスやルーダーと話をしようとすれば彼等も警戒され後々利用しにくくなる。
だから出来る事と言えば考える事か休む事しかない。

「………はぁ(今は…待つしかないか)」




どれだけ悩もうが、足掻こうが朝は来る。そして新しい朝が来たと言う事は明智良哉が月村邸に滞在する最終日が来たという事でも在る。そして、その事は当然月村すずかの耳にも入る。
月村忍の反応はいたって普通のモノだったが、すずかの方はショックが強かったのか顔を伏せている。その状況を見ながら高町恭也は心中で溜息を吐いた。
高町恭也でも索っせる程に明智良哉の説明は淡々とした事務的なモノだった。その事に怒る事も無いのは自分が知る限り明智良哉はそういう人間だからだ。意味のない事はしない。追い詰めれば無駄な足掻きもするが、追い詰め無ければ足掻く事もしない。
可能性が見えなければ潔く諦める。まるで次に託すように…模擬戦中でもそういった行動が見れる。最初はそれが模擬戦だから来る精神的余裕だと思ったが、そうではない様に感じる。感じるのだが…ソレが何なのかは解らない。
第三者、高町恭也から見ても月村すずかと明智良哉の関係はおかしいモノだ。一方的な愛情・友情を贈るすずかに、どうでも良さそうだが一定の距離を持って接する明智良哉。友情が在ると言えば在る。無いと言われれば何のかもしれない。
そんな二人の関係を表す様な光景だった。

「あ、あの…明智君」

「どうした?」

声を掛ける月村すずかの姿を見ると、恭也と忍は心から思う。強くなったと、心が強くなったと本当にそう思った。

「次は…何時会えるかな?」

「………速くても二、三週間は無理だな。薬が無くなれば取りに来なくてはいけないから…月に一回は来る事に成ると思う。」

「…そう」

「そうだ」

沈黙は重い。空気が重くなる、まるで離婚を切り出した夫婦が居る様な感じだったと、月村忍は語る。

「それじゃあ、またその時にね」

「あぁ、その時に時間が合えばな。出来る限りは調整しよう。」

そう言った、すずかは笑顔で。明智良哉は無表情…いや、少しだけ苦笑していたのかもしれない。少なくとも高町恭也にはそう見えた。

月村忍はハンドルを握りながら考える。後部座席に乗る少年の何処に妹が惚れる部分が在るのか? 無表情、無愛想でハッキリ言って第一印象は最悪の部類に入るだろう。何よりも高町なのは、アリサ・バニングスとの関係の悪さも在る。
将来の義妹でも在るなのはとの関係は険悪なモノとは言えないが、一方的なモノを感じる。妹の親友でも在り、企業としても信頼できる会社の責任者の一人娘でも在るアリサも少し気が強いが良い子だ。なのに、此方の関係は険悪だ。少なくともアリサ自身は明智良哉の事を嫌っているのは確実だろう。
その事を突っ込んで聞けないのは自分達が明智良哉を匿っているというのも在るが、今後の為の事でも在る。一族の事、企業としての発展…十年後百年後の事…
その事を考えればコレからが正念場なのだが…

「良哉君、一つ聞いて良いかしら?」

「何でしょうか?」

「…辛くない?」

ソレは、在る意味で自分の中で答えが出ていた疑問だった。過去の自分がそう思った答えだった。世間から、社会から逃げていた自分が出した答えだった。だからこそ、何処か違う人間である明智良哉に聞いてみたかった。

「それが何に対してかは知りませんが…“      ”としか言えませんよ」

「そう。」

その答えは、やはり私とは違った。この少年は薄い癖に堅く厚く重い様で軽くも見える。不可思議な人間だ。

(しいて言えばギャップ? すずかったらギャップ萌えとかいう奴なのかしら?)

少年がアイスを食べる様を思い出して、どうでも良い事を考えながら月村忍は車を走らせた。





管理局一行が海鳴に引っ越す。其処を拠点の一つに、保護している少女の情操教育の為にも友人が通っている学校に。私情が多いがリンディ・ハラオウンが海鳴に越して来た理由はそういったモノが上げられる、基本的に子供に甘い所が在るのが彼女の長所であり短所でもある。
故に、明智良哉を一時的に引き取る。一緒に暮らすという事はリンディ的には明智良哉の事を知っている分バッチ恋もといバッチコイである。他にも自身の息子であるクロノと明智良哉の関係、同じくフェイトとの関係もあるので寧ろ一緒に暮らしたい。何よりも今後の事を考えると…

(彼と親しくしておいた方が良い。私だけでなくクロノもフェイトさんも…)

「全部は話してからか…先が暗いのやら明るいのやら…」

そう言いながらリンディ・ハラオウンはダンボールを開け始めた。





リンディがバッチコイ状態でいる間、静かな混乱がマンションの一室に満ちていた。クロノ・ハラオウン、フェイト・テスタロッサ、アルフの三人である。
クロノからすれば弟分兼友人の良哉と同居…家族の様に過ごすのに問題は無い。執務官試験や次元世界での常識、暗黙の了解等、教える事はまだまだあるしヴォルケンリッターへの対処等話し合う事もある。何よりも話していて楽しい。
が、同じ年の異性も一緒に住むというのもどうかと思う。男女七歳にして席を同じくせずと言う言葉もこの国には在るし義妹の事を考えると二人を一緒にして良いモノかと考えてしまう。依存している部分がある。
高町なのはにもそうだが、明智良哉にもフェイトは依存している。正確には軽いPTSDへの対応策なのかもしれないが…将来が心配に成ってくる。

(これは…良哉に言っておいた方が良いな)

フェイト・テスタロッサの混乱は無自覚な思いの所為かも知れない。ハッキリ言って明智良哉がフェイトと共有した時間は少ない。魔法を教えて貰う時間と訓練で一緒に成った時や食事の時等、学校生活の共同授業が在った時は一緒程度の時間を過ごした位でしかない。
人間一番印象に残った時の記憶を覚えている事が多い。簡単に言えば有る事件で仏を見た時や明智良哉の裸を見た時や半裸を見た時や一緒に寝た時等だろう。
思春期に有りがちな事だ。吊り橋効果だ。そんなモノでしかない、そんなモノでしかないが本人の受け取り方ではそんなモノ扱いできなくなるモノだ。頼りには成るのだろう…明智良哉という存在はフェイト・テスタロッサにとって。
だが、明智良哉にとってのフェイト・テスタロッサはどうだろうか?
アルフはその事を考えながらソワソワと落ち着きのない主を見つめる。その姿を見て沸き上がるのは庇護欲ではなく言葉では言い表せない様な複雑なモノだ。事実、アルフ自身明智良哉の事は危険視している。其処まで深くは知らないがフェイトが知らない事を知っている。自身の両親の死を隠匿している事を知っている。
出来るだろうか? 十年しか生きて居ない人間がそんな判断を…出来るだろうか? 其処に何のメリットが在る? 思いつかない。故に解らない。明智良哉の内面が、人間性が解らない。だからこそ怖い。

(近づけたくない…でも、確認…知る為には近くに居るしかない!! 間接的にでもっ…!!)

そう思っても、現実は非常である。その日、高町なのはが親友を連れてハラオウン家を訪ねるほんの一時間前までリンディ・ハラオウン、月村忍、明智良哉が話し合っていたリビングには誰も立ち入れないくらいに黒かった。


「どうしたんだエイミぃ」

「いや…うん…世界って広いんだねぇ」

夕食前のクロノとエイミィの会話の一部である。


カチャリと食器とスプーンが擦れる音がする。マナー違反ではない。本当に小さな音だ。でも、その音が非常に大きく聞こえる。スプーンで掬い上げたスープから強い匂いがする。セロリだろう。他にも野菜の匂いを強く感じる。
メインのハンバーグからは鉄の香りが仄かにする。ソレと肉汁の脂っこい匂いだ。
ハッキリ言って食事の時間は辛い。味は感じない、食感は解る。匂いは解り過ぎて耳も聞こえる。味覚が殆ど無くなってから聴覚・嗅覚が鋭く成ったが聴覚の方は徐々にだが元に戻っている感覚がする。もしかしたら慣れてきているだけなのかもしれない。
その反面、嗅覚は鋭いままで触覚も前より鋭くなっている。

(視力半分、味覚略全部)

ソレを補う為に他の感覚が鋭くなったか…幸いな事に何時からか無愛想な顔になっているので表情が変わる事は殆ど無いのだろうが…顔に出て居ないかが心配だ。失礼になる。
が、それよりも視線が気に成る。

「ん? どうしたのリョウヤ?」

「いや…俺の気のせいだろう気にするな。テスタロッサ」

なぜ見られる?

(彼もまだその辺は子供と言う事かしら?)

(態とではなさそうですもんね…鈍い?)

(単純に興味が無いんじゃないのか?)

ヒソヒソ話す三人。残念ながらその会話は良哉の耳に聞こえている。

『…何を期待しているんだあの人達は』

『まぁ、そういう方面ででしょう。実際の所将来的には肉体的な意味では良いのではないのですか?』

『中身が付いてくる。面倒だ』

『……主、流石にソレは酷過ぎるかと』

実際の所、精通も来ていない人間にどうしろと? ハッキリ言って気持ち良くなりたいのならプロとした方が後腐れなくて良い。無暗に手を出して足を引っ張られるのは目に見えているだろうに…。

(あうぅ…何だか緊張して、ご飯の味がいまいち解らない…)

思いは擦れ違ったまま、時は流れる。






夜に成れば起きている人間は限定される。明日から高町なのはの通う学校に転入予定のフェイトはアルフと共に寝室に、クロノとリンディそれとエイミィは今後の行動を詰める為の話し合いとまだ終わっていない作業に。
明智良哉は先日の戦闘と引っ越し…急に変った生活環境に慣れる為に先ずは休養をと言う事で自分に宛がわれた自室へと引っ込んだ。部屋の中は殺風景としか言いようが無い。カーテンの色は青、ポツンと部屋の隅にある机の上にPCが一台。
寝る為のベットと部屋に備え付けられているクローゼットが一つ。TVやゲーム、娯楽本等は無く。其処はどう考えても子供の過ごす部屋では無かった。唯一明智良哉の部屋の中で異常なモノはそのPCだ。
地球産のモノだが中身は既にファラリスに魔改造済みの代物である。まぁ、その魔改造部分も簡単に言ってしまえばファラリス達と『プライベート』な通信できるというもので目玉な部分はデバイスと接続出来て従来のモノよりも格段に速く検索等が出来るという所だ。

『それで…調べて欲しいと?』

「はい。一応、此方側の事は自分で調べてみるつもりですが…どうしてもそちら側の事は調べられないので」

『…わかったわ。でも、あの人は英雄よ? 良識ある人物で慕う人間も多いわ、艦長達もグレアム派と呼ばれる派閥に居る事だし…ちょっと時間が掛かるわよ?』

「それでも構いませんよ。黒でも白でもどちらでも良いんです。灰の場合が一番面倒ですよ…白ならそれでOK。黒なら…まぁリンディさんに頑張ってもらいますよ。今後の為にも。」

『彼方っ?!……いえ、確かに展開を考えるとそうした方が…でもね。ソレは其処に達する過程でミスが有れば容易に結果は変わるわよ? どうするの?』

「その時はその時ですよ。無理そうなら諦めれば良いだけです。だって、俺はまだ管理局員では無いですし…ただの民間協力者で次元世界の事を良く知らない子供ですよ?」

『そう言えばそうだったわね。刺されないように気をつけなさい。それじゃぁ、お休み』

「はい、お休みなさい」

プツンと電源を切り、真新しいベットに横に成る。時計を見ればまだ12時にもなっていない。今日はよく寝れそうだ。




それぞれの夜が過ぎる。ソレは相手…ヴォルケンリッター達も変わらない。その日は一日中八神家にて待機をしていた。
もっと詳しく説明するならば、シグナムは掃除、ザフィーラは八神はやての護衛、ヴィータははやてにベッタリとくっつき、シャマルはカートリッジ作る片手間で調べ物をしていた。
ヴォルケンリッター達にもそれぞれ気に成っている事が在る。ヴィータならば明智良哉の事だ。敵対しているとはいえ本心では余り戦いたくはない。友達…その言葉一番しっくり来る人間がヴィータに取っては明智良哉だった。
同じような思考(アイス万歳)で有る程度の信用と信頼が出来て、尊敬出来る間柄だ。ヴィータはこの間の戦闘を見て明智良哉を下に…自分が守ってやるか…と思いながら付き合うのは失礼な事だと言う事を理解した。
あの年で、あの力量。異常だ…とは言い切れないがそれでも異常と普通は言いたくなるレベルだ。年齢を考えれば。しかし、その反面所々で脆い部分が在る様にも見えた。気のせいかも知れない。
あの時は其処までじっくりと見れなかったしその事に気が付いたのはシグナムに戦闘データを見して貰ってからだ。どうも…体が追いついていない様に思える。

「……解んねぇ。」

布団の中でヴィータはそう吐いた。


ヴィータがそう吐いた時、八神家のリビングに居たのはシャマルとシグナムの二人だった。

「仮面の魔導師…か。何者なのだろうな、シャマル」

「さぁ、でも味方で無い事は確かよ。そして今は敵では無い」

二人が話すのは先日、管理局の魔導師からシャマルを助けた魔導師の事についてだ。目的、性別、年齢、名前全てが不明。だが、予想する事が出来る。まずは目的

「闇の書が目的で確定だと私は思うけど…どう?」

「私もそう思うがな…それでは納得が出来ない。寧ろ、管理局を敵に回す程のモノだ『知らなかった』では済まされないだろう。それこそ本物の馬鹿だ。」

「「主」」

「ソレが…」

「一番の目的だろうな。」

闇の書はその主以外が使う事が出来ない。管理するモノが居るからだ。力を導く者が居るからだ。何よりも…

(今回は違うのだ。あの方が出てくる…)

「ねぇ、シグナム。あの仮面の魔導師は…はやてちゃんの事を…」

シャマルが不安を孕んだ視線を向ける。それはそうだろう、それは最悪の可能性への可能性だ。だからこそ、ハッキリと言わなくてはならない

「知っているだろうな。完全に…監視も付いている…いや、付いていたのだろうさ…」

「……最悪ね。四面楚歌、考えるのも嫌よ。」

下を向くシャマルに慰めの言葉を掛ける訳にはいかない。したくともしてはならない。ソレが彼女の役割だからだ。
ソレを常に意識しなくては成らないのが彼女の役目だからだ。

「なに、最悪…我等が闇の書もろとも消えてしまえば良い。下策中の下策だがな。」

「当たり前よ!! せっかくっ…!! せっかく家族が出来たって…一人じゃないって…はやてちゃんがやっと手に入れた幸せをっ!! 私達が奪う事は絶対に!!」

「…そうだな。解っているさ…だからこそ考えるんだ。それで? 解った事はあるか? シャマル」

蒐集をしなくては主の命が危険、蒐集をしていればその身柄が尊厳が危険。溜息が出てくる。

「はやてちゃんの支援者の事でしょ? 残念ながら匿名希望の足長おじさんよ…公式にはね」

「公式?」

「石田先生…はやてちゃんの主治医さんにも確かめたんだけどね、石田先生もはやてちゃんから聞いた情報ではイギリスに居る位しか解って無いのよ。はやてちゃんも亡くなったご両親の友人としか知らされていないみたいだし…だから」

「探ったんだな?」

「えぇ、探ったわよ。辿りついたら其処はイギリスじゃなくて日本、人物を調べたらイギリス人だったけどその人の親の代から日本で暮らしているわ。で、出来る限りの個人情報を漁ったけど海外に行った事も無いのよ。」

ふむ、つまり…

「両親か?」

「その通り、その人のご両親の口座に毎月一定額が入金されているわ。料金を引けば毎月はやてちゃんの口座に振り込まれているのと同じ額。で、そこからもう一歩先で漸く海外よ」

本当に疲れた様に息を吐くシャマル。相当面倒くさかったのだろう

「でも、スイスよ? さらに其処から調べて漸くイギリス。入金している人物を調べれば毎月の入金額を出せても自分が暮らすには足りない稼ぎ、就職先調べてピックアップしたらその人は伯爵位を持つ人、はやてちゃんのご両親と接点がまるで無いのよ年も離れてるし」

ビンゴか…確証はない。証拠だって有るとは言えない。本当に主はやてのご両親と縁が在る人物なのかも知れない。だからこそ

「名前は?」

「ギル・グレアム。イギリスの社交界では有名な放蕩貴族らしわ。何もかもを部下に任せて遊び歩いてる遊び人て噂が在るわね。情報社会って怖いわ、誰が流した情報かも特定するのには時間が掛かるし、誤魔化す手段も馬鹿みたいに有るモノ」

妖しいのだ。

「そうか、今日はこれまでにしよう。私は明日出かける。暫く…最低でも三日は蒐集は行わない。今まで離れていた分主はやての傍に居よう。」

「…そうね。お休み、シグナム」

「あぁ、お休みシャマル」

トントントンと階段を上がる音が聞こえなくなるのを待って私は息を吐いた。

「利用する為に保護をしていた…と考えた方が良さそうだな」

陰鬱な気分に成る。沸々と込み上げる殺意と怒気を抑え込むのも一苦労だ。

「さて…私も私で動かなければならないか。全く、貴女は何時まで経っても我儘なじゃじゃ馬姫だ。」

遥か過去を思い頬が緩んだ。ソレで良い、ソレで良いのです。唯の数瞬を、目の前を光が通り過ぎる様な瞬間の幸せを望んで下さい。
その権利が在る。ソレ位の我儘は有るのです

「明智か…決まり切った事だな。あの時からこの時の流れは定められていた。お前も、私もこの先の数年は大まかな事は変わらないのだろうさ…お前が訪れるあの時までは…」

月は雲に隠れている。ソレはまるで其処に辿り着くまでの過程を隠している様に見えた。

「大馬鹿者に恋をして、ソレとは違う大馬鹿者を愛した…か。嫌なモノだな…識ると言う事は」









此処では無いどこか


「有る所に青い鬼と赤い鬼がいました…泣いた赤鬼。知ってるだろ? アギ・スプリングフィールド?」

紫煙をだらしなく吐きながら、アギ・スプリングフィールドは言った。

「ソレがどうした…関係無い話をして何のつもりだ。アギ・スプリングフィールド…このイレギュラーが」

アギ・スプリングフィールドを睨みつけながら、アギ・スプリングフィールドは言った。

同じ名前を持ち、似た様な容姿をしている二人。決定的な違いはその目だろう。前者は死んだ魚のような覇気が全く感じられないダルそうな目。
もう一人は下から見上げる様な…全てを妬み憎んでいる様な淀んだ目ををしている。
この二人は、同一の存在ではないが元は同じ存在である。

「関係なくはねぇよ。この話の最後は赤鬼と人間が仲良しなりましためでたしめでたしだ…で? その後はどうなると思う?」

「何を言っているんだ」

二人の距離は離れている。一メートル二メートルの話ではない。お互いが豆粒に見える様な距離が在る。イレギュラーと呼ばれたアギがそうしたのだ。
その事に、イレギュラーと呼んだアギは腸が煮えくりかえる様な思いをしていた。

「① 鬼は死ぬまで人仲良く暮らしました
「② やがて人は再び鬼を恐れ、鬼を殺しました
「③ やがてその力を恐れられた鬼は村を追い出されました
「④ ある時、赤鬼は青鬼を馬鹿にされてしまいとある人間を叩いて殺してしまいました。その後鬼は人に襲われてしまい全ての人を殺してしまいました」

「さぁ…どれでしょぉ」

プヒーと煙を吐き出すアギに、もう一人のアギは怒鳴る

「だからソレが何だと言うんだ!!」

その怒声を聞き煙を吐き出すアギはケタケタと笑いながら行った


                                                                  だって、俺達の事だぜ?



別の話をしよう。

アギ・スプリングフィールドはとある世界の住人だ。そして、そのアギ・スプリングフィールドはその世界を漫画…娯楽の一つとして見れる世界から転生した存在である。
そして、主人公と呼べるネギ・スプリングフィールドの双子の兄として生まれた。
主人公と同じように村を悪魔に襲われ、魔法学校を卒業し物語の舞台へ上がる。
トラブルに巻き込まれ、再び悪魔に襲われ、魔法世界に行き、一度消え、再び現れた。

ソレはどちらのネギも同じである。


時期を除いてだ。

大まかな所は変わらない。時期が違うだけでだ。

そして、時期が違うのはシナリオが違った。

イレギュラーは最初に『色欲』に出会った。
もう一人は最初に『嫉妬』に出会った。

『嫉妬』に出会い、『嫉妬』に『嫉妬』し『そのシナリオを歩んだ』そういう世界に生まれおちた。

『色欲』に出会い、『色欲』に溺れ『色欲』に『色欲』を抱き『そのシナリオを歩んだ』そういう世界も在る。

なぜ、嫉妬の道をを歩んだ彼がイレギュラーとアギを呼んだのか?

人はそれぞれに役割を持って生まれる。ソレは嘘だ。
何かの中心人物の周りとその元凶は役割を持って生まれてくる。ソレが正解だ。
用意された道が在る。複数の分岐と可能性を孕んだ道が在る。誰かの役割を乗っ取る道が、誰かに何かを譲る道が、舞台から音も無く降りる道が、無限でないが、複数に分かれる道のドレかを歩む。

なぜ、イレギュラーなのか。

死んだ魚の様な目をして、体中からダルそうな雰囲気を出し、覇気もヤル気も無く自分が良ければソレで良いと言う人間が、自分が死ぬ事をもっとも怖がる人間が『色欲』足るだろうか?

彼等と他の彼等は幾つにも沸かれた破片の物語りの一つを生きた存在でしかない。欠片でしかない。大元は既にバラバラに成って消えて欠片しか残っていない。

さぁ、これで解るだろうか?彼等は十八のシナリオのドレかを生きる、生きたモノであり、そして、イレギュラーと呼ばれるアギは、有る筈のない十九個目の消されたシナリオを作り上げ生きた存在なのだ。

「何を言ってる!! 貴様は怠惰のシナリオを生き、消え、現れ、何時か死ぬ!! そういう世界に生まれた筈だ!! 訳の解らない事をベラベラと!! 此処で貴様を消してやろうか!!」

声を荒らげる『嫉妬』にイレギュラーは笑いながら続ける。

「バーカ。調子に乗るなよ勘違いが」

言葉は後ろから聞こえた。だが、目の前にアギは居る。豆粒ほど大きさに見える距離を置いてイレギュラーは其処にいる。後ろを向く事は出来ない。ソレをすれば何かをされる。
ソレは拙い。

(忌々しい!!)

「何が勘違いだと言うんだ? この気違い野郎…シナリオを破棄した外れモノが」

「シナリオが十八? 勘違いにも程が在るだろお前ら?」

「お前等…だと?」

嫌な汗が背中を伝う。

「お前を含めた大罪気どりの七人に正義の味方モドキの十一人ドレもコレも目糞鼻糞だぁねぇ。」

「お、お前っ……………ぁ」

「さてさて、な~んも知らないアギさんはぁ自分の好きな様に生きているのですよぉ。ねぇ、この意味解る? てっ、聞こえる訳ないか。」

めんどくさいねぇ

何も無い、何処でもない空間にアギの声だけが響いた。







後も書く

お久しぶりです。最初に遅れた訳を

入院→退院→後輩の反逆→ぼこる(精神的に)→出張→帰宅→PCが雨漏りの直撃に有っている→修理→金が無いので断念→MH3予約間に合わず→二百円のスクラッチ当たる→PC新調→再び入院。

今復活。

と言う感じです。災厄塗れの一年ですよ。本当に。まだ、仕事も多量に残ってるしなぁ…
まぁ、取りあえずはMH3が手に入るまでは、出来れば月2位で出来たらいいなぁ…結婚式も在るし…俺じゃないよ?

何時もの

シグナム
おっぱいでっぱい夢いっぱい
何やら知っている様子。
姫ってだれ?
色々と調べ回っている様子。

明智良哉
PCはメイドイン月村
魔改造はファラリス
ハラオウン一家と同居?
フェイトと同棲…だと?!

「食事が…凄く辛いです」

ざまぁww


ファラリス

PC魔改造。情報収集中
寝る前も良哉とお話し中


フェイト
良哉と同棲。緊張しすぎて眠れない。
ご飯の味も解らない。
でも、擦れ違い。相手が悪いよ。
良哉の事は秘密。なのはにも秘密

「良哉と私の秘密…秘密♪」


ルーダー

現在はアースラにて書類仕事中。
終わったら長距離通信で家族と会話。

「やったねマリア!! お兄ちゃんが出来るよ!!」

その後、奥さんに不倫疑惑を掛けられる。


こんなとこかな?

インフルエンザに気をつけてね!! 皆。
俺は福岡在住だからミサイルが怖い



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