テンション上げて夕方まで遊びまくって、はやて担当のお医者さんが顔を出して帰ったあと。
はやてが何やら言い出したのを聞く。
「症状は横ばいって、前回と一緒か。それがどしたの?」
「それが大変なん。今まで悪化する一方だったから、それが止まっただけでも凄いことなんよ?」
石田さんの診断であった。
はやての足の話である。
「天使様と悪魔様は超能力くれなかったと思いますが」
「んー……病は気からっていうし。最近けっこう外出もするしなー」
「俺が一回死んだおかげだな!」
「何かイヤやそれ」
そんな感じで喋くりながら、何杯目かのコーヒーを二人で啜る。
「気づいたけど俺の誕生日は冬だから、しばらくははやてが年上だね」
「そーなん? いいこと聞いたわ。なら、ちゃんと普段からおねーさんの言うことを聞くこと!」
「うぬ。うぬぬ。本来こっちが年上なのに。言うんじゃなかった」
「ふっふっふー。これからは弟クンと呼ぶことにしよ!」
「年上ってつまり年増と同義だよね」
ぼっこぼこにされた。
とまれ平穏な誕生日のまま、遊び続けて夜まで至りました。
守護騎士さんは結局まだ来てないけど、なかなか楽しい誕生日会になったように思います。
「で、ですね。遅れましたが、誕生日プレゼントです」
「おぉー……わ、ほんま上手やなぁ。意外と」
「意外とか言うない。美術5の底力ですぞ」
「……うん、ほんにありがとな! 大事に飾っとく!」
あったかいココア(コーヒーは飽きた)を飲みながら、お待ちかねプレゼントタイム。
受け取るはやては満面の笑みを向けてくれた。これだからやりがいがあるというものだ。
「簡単な額縁とかあればいいね」
「んー……あっ、ある! 部屋に確か……」
「おお。取りに行こうか」
「うん!」
てな感じで、カップの乗ったお盆を持ってもらったまま、部屋に向かって車椅子をえっちら
えっちら押していく。
と、その前のドアから漏れ出す光の奔流が。
「おぉ」
「……な、なぁ、これって……」
急いでドアを開け、二人して中に入り込む。
目の前にはなんと、風もないのに独りでに宙を舞う一冊の本!
これは……魔法使いフラグ!
「キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!」
などとはやては言っているものの、ここで何もしないというのは男が廃る。
はじめましての挨拶はこう、インパクトが凄いのがいい!
と思ったのではやてが手に持っていた、熱いココアがのったお盆を奪い取った。
でもって下に反動をつけて、
形を持ち始めた光の塊に向けて、
お盆ごと
「そぉい!」
「あづっ! あづっづづづづあああぁぁっ!」
「えっ! え!? ヴィータちゃん!?」
「ヴィータ! どうした、大丈夫か!?」
「ココア空軍の急襲です。僧侶さん、はやく白魔法かけてあげて」
「あほー! 何してんのあほー!」
「……」
いいなぁ。騒がしいっていいなぁ。
(続く)
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管理人舞様、本当にお疲れ様でした。
お体にはくれぐれも気を付けてください。