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No.4610の一覧
[0] 魔法少女リリカルなのはReds(×Fate)【第二部完結】[やみなべ](2011/07/31 15:41)
[1] 第0話「夢の終わりと次の夢」[やみなべ](2009/06/18 14:33)
[2] 第1話「こんにちは、新しい私」[やみなべ](2009/06/18 14:34)
[3] 第2話「はじめての友だち」[やみなべ](2009/06/18 14:35)
[4] 第3話「幕間 新たな日常」[やみなべ](2009/11/08 16:58)
[5] 第4話「厄介事は呼んでないのにやってくる」[やみなべ](2009/06/18 14:36)
[6] 第5話「魔法少女との邂逅」[やみなべ](2009/11/08 16:59)
[7] 第6話「Encounter」[やみなべ](2009/06/18 14:37)
[8] 第7話「スパイ大作戦」[やみなべ](2009/06/18 14:38)
[9] 第8話「休日返上」[やみなべ](2009/10/29 01:09)
[10] 第9話「幕間 衛宮士郎の多忙な一日」[やみなべ](2009/11/29 00:23)
[11] 第10話「強制発動」[やみなべ](2009/06/18 14:39)
[12] 第11話「山猫」[やみなべ](2009/01/18 00:07)
[13] 第12話「時空管理局」[やみなべ](2009/01/31 15:22)
[14] 第13話「交渉」[やみなべ](2009/06/18 14:39)
[15] 第14話「紅き魔槍」[やみなべ](2009/02/21 22:51)
[16] 第15話「発覚、そして戦線離脱」[やみなべ](2009/02/21 22:51)
[17] 外伝その1「剣製」[やみなべ](2009/02/24 00:19)
[18] 第16話「無限攻防」[やみなべ](2011/07/31 15:35)
[19] 第17話「ラストファンタズム」[やみなべ](2009/11/08 16:59)
[20] 第18話「Fate」[やみなべ](2009/08/23 17:01)
[21] 外伝その2「魔女の館」[やみなべ](2009/11/29 00:24)
[22] 外伝その3「ユーノ・スクライアの割と暇な一日」[やみなべ](2009/05/05 15:09)
[23] 外伝その4「アリサの頼み」[やみなべ](2010/05/01 23:41)
[24] 外伝その5「月下美刃」[やみなべ](2009/05/05 15:11)
[25] 外伝その6「異端考察」[やみなべ](2009/05/29 00:26)
[26] 第19話「冬」[やみなべ](2009/07/02 23:56)
[27] 第20話「主婦(夫)の戯れ」[やみなべ](2009/07/02 23:56)
[28] 第21話「強襲」 [やみなべ](2009/07/26 17:52)
[29] 第22話「雲の騎士」[やみなべ](2009/11/17 17:01)
[30] 第23話「魔術師vs騎士」[やみなべ](2009/12/18 23:22)
[31] 第24話「冬の聖母」[やみなべ](2009/12/18 23:23)
[32] 第25話「それぞれの思惑」[やみなべ](2009/11/17 17:03)
[33] 第26話「お引越し」[やみなべ](2009/11/17 17:03)
[34] 第27話「修行開始」[やみなべ](2011/07/31 15:36)
[35] リクエスト企画パート1「ドキッ!? 男だらけの慰安旅行。ポロリもある…の?」[やみなべ](2011/07/31 15:37)
[36] リクエスト企画パート2「クロノズヘブン総集編+Let’s影響ゲェム」[やみなべ](2010/01/04 18:09)
[37] 第28話「幕間 とある使い魔の日常風景」[やみなべ](2010/07/03 02:34)
[38] 第29話「三局の戦い」[やみなべ](2009/12/18 23:24)
[39] 第30話「緋と銀」[やみなべ](2010/06/19 01:32)
[40] 第31話「それは、少し前のお話」 [やみなべ](2009/12/31 15:14)
[41] 第32話「幕間 衛宮料理教室」[やみなべ](2010/01/11 00:39)
[42] 第33話「露呈する因縁」[やみなべ](2010/01/11 00:39)
[43] 第34話「魔女暗躍」 [やみなべ](2010/01/15 14:15)
[44] 第35話「聖夜開演」[やみなべ](2010/01/19 17:45)
[45] 第36話「交錯」[やみなべ](2010/01/26 01:00)
[46] 第37話「似て非なる者」[やみなべ](2010/01/26 01:01)
[47] 第38話「夜天の誓い」[やみなべ](2010/01/30 00:12)
[48] 第39話「Hollow」[やみなべ](2010/02/01 17:32)
[49] 第40話「姉妹」[やみなべ](2010/02/20 11:32)
[50] 第41話「闇を祓う」[やみなべ](2010/03/18 09:55)
[51] 第42話「天の杯」[やみなべ](2010/02/20 11:34)
[52] 第43話「導きの月光」[やみなべ](2010/03/12 18:08)
[53] 第44話「亀裂」[やみなべ](2010/04/26 21:30)
[54] 第45話「密約」[やみなべ](2010/05/15 18:17)
[55] 第46話「マテリアル」[やみなべ](2010/07/03 02:34)
[56] 第47話「闇の欠片と悪の欠片」[やみなべ](2010/07/18 14:19)
[57] 第48話「友達」[やみなべ](2010/09/29 19:35)
[58] 第49話「選択の刻」[やみなべ](2010/09/29 19:36)
[59] リクエスト企画パート3「アルトルージュ・ブリュンスタッド 前篇」[やみなべ](2010/10/23 00:27)
[60] リクエスト企画パート3「アルトルージュ・ブリュンスタッド 後編」 [やみなべ](2010/11/06 17:52)
[61] 第50話「Zero」[やみなべ](2011/04/15 00:37)
[62] 第51話「エミヤ 前編」 [やみなべ](2011/04/15 00:38)
[63] 第52話「エミヤ 後編」[やみなべ](2011/04/15 00:39)
[64] 外伝その7「烈火の憂鬱」[やみなべ](2011/04/25 02:23)
[65] 外伝その8「剣製Ⅱ」[やみなべ](2011/07/31 15:38)
[66] 第53話「家族の形」[やみなべ](2012/01/02 01:39)
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[4610] 第8話「休日返上」
Name: やみなべ◆663ea70e ID:fd260d48 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/10/29 01:09

SIDE-士郎

現在俺は、この世界に来てからかつてないほどの危機感に襲われている。
理由は簡単。
俺の横に座る恭也さんと、運転席に座る士郎さんが原因だ。


話は少し間にさかのぼる。
俺たちは、高町家と月村家主催の温泉旅行に参加し、目的地に向かう車の中だ。

参加者は、両家の他にアリサと凛、そして俺。
俺たちが参加することになったのは、保護者のいない俺たちに気を使ってくれた、桃子さんが誘ってくれたから。
せっかくの申し出を断るのも悪いので、ありがたく参加させてもらった次第だ。ただ、旅費くらいは出そうと思ったのだが、子どもに出させるほど困っていないから、と快く出してくれたのは恐縮だった。
凛は出費が減って喜んでいたけど……。

人数が多いので、車二台に分乗して向かうことになった。
当初は高町家夫妻に恭也さんと忍さんの組と、その他の面子に分かれていた。
だが、俺が女性ばかりの空間は居心地が良くないのと、人口が密集しすぎているという名目で車を移った。
正直、凛とすずかに挟まれているのは、命の危険を感じた。

さすがに恭也さんも車の中では戦わないだろうし、今回は旅行なので稽古の話もでないだろう、と思ってこちらに移った。確かに予想通り、そういった事態にはなっていない。
しかし恭也さんは俺との再戦が待ち遠しいのか、車に乗ってすぐからこちらに向かって闘気を放っている。
いつまでたっても返事はおろか、顔さえ合わせようとしない俺に業を煮やしているのかもしれない。
だが、さすがに場の空気は弁えているのだろう。あからさまな態度に出てこないのがせめてもの救いだ。

そう思っていると、桃子さんが話しかけてきた。
「ねぇ、士郎君?」
「はい! なんですか?」
俺にとっての救いの声がかけられる。
この胃に負担の来る空気を少しでも変えてくれるだけで、天使が手を差し伸べているようにさえ思えてくる。
でもそれが錯覚だったことを、すぐに思い知ることになる。

「なのはと結婚して、翠屋継ぐ気ない?」
「「「「………………」」」」
突然爆弾が投下される。
さっきまで(俺と恭也さんの間を除いて)和やかだった空気が凍りつく。

「士郎君料理上手だし、接客というか執事もできるのよね。
 うちの子たちは皆、そういうことに明るくなくてね。
士郎君が後を継いでくれると、安心なんだけど」
「ああ、なるほど。
 確かにいいですね、それ」
桃子さんは空気を読まずに続ける。ついでに忍さんがそれに同意する。
別に悪意があるわけではなく、単に思いついたことを言っているだけなのだろう。
その無邪気さが今は憎い。

忍さんの方はちょっと微妙。
だって、声がすごく楽しそうなのだ。
何か思惑でもあるのではないか、と勘繰ってしまう。

しかし、今の俺はそれどころではない。
「「……士郎(君)」」
ものすごい殺気を孕んだ、地の底から響くような二つの声が聞こえる。
ただ今ライブで大ピンチ!! この世界に来てから一番の危機が、いま俺に迫っている!

俺はフリーズしていた思考を必死に再起動させる。
「な、何言ってるんですか!? 俺にその気はありません!
というか、そもそもなのはは友達で、そういうものの対象じゃありませんから!!」
生き延びるために、全力で説明する。このままでは恭也さんだけでなく、その師である士郎さんまで敵になる。この師弟を敵に回して生き延びられる人間が、この世界に何人いるだろうか。

「あら、そう。残念ねぇ。ま、士郎君には凛ちゃんがいるもんね。浮気は駄目よね、やっぱり」
この話はここで終わってくれた。
だが、前と横から向けられる殺気には微塵の衰えもない。

このとき俺は確信した。
この旅行は俺にとってだけは、慰安どころか胃に穴の開くストレスとの、戦いの場になるだろうことを。



第8話「休日返上」



出だしから胃がキリキリと痛むが、なんとか旅館に到着した。
この先俺は、士郎さんか恭也さんが背後に立つだけで、条件反射で身構えてしまいそうだ。
俺に味方はいないのだろうか。……なんだか本当にいなさそうだな。

とりあえず温泉に来たのならば、温泉に入るのは当然だ。
荷物を置いて、早速温泉に向かう。
高町夫妻は散歩に行ったので、俺と恭也さんで向かうことになる。
恭也さんと一緒に風呂に入ることに危機感を覚える。俺の過剰反応に過ぎないことは分かっていても、どうしても警戒してしまうから仕方がない。

入り口となる暖簾が見えてきたところで、凛たち女性陣と合流する。
なのはの手には、ジタバタ暴れるユーノがいる。この様子では、一緒に女湯に入れる気のようだ。
いかにフェレットとはいえ、男(オス)である以上は女湯に入るのは気が引けるのだろう。
あそこは全男性にとっての全て遠き理想郷だが、辿り着けない方がいいところでもある。
このメンバーなら眼福だろうが、その分罪悪感やら背徳感に苛まれそうだ。
同じ男性のよしみで助けてやることにする。

というか、そもそもここの温泉は、ペットを湯に入れていいのだろうか。動物も入れられる温泉というのもなくはないが、そうあるモノでもないはずだ。
気兼ねなく連れてきている辺り、特に問題はないのかな。小動物くらいなら、多めに見てもらえるのかもしれない。

「なのは、ユーノは俺が預かるよ」
「え~!? 一緒に入ろうと思ってるのに~」
やはり思った通りだ。本人は特に気にしていないかもしれないが、それが男の心を傷つける。

凛から聞くところによると、このフェレットはなのはに気があるらしい。危ないところを助けてもらい、その後も善意で協力してくれる相手に好意を持つのはおかしくない。たとえそこに、人間とフェレットという越えられない壁があろうとも。
なのに、まるで相手にされていないとなれば、さぞかし傷つくだろう。いずれ打ち砕かれる思いでも、それはかわいそうだ。

「ユーノはオスだろう? いくらフェレット相手でも、慎みを持て。女の子なんだから。
それにユーノも嫌がっている」
もしかしたらこいつも、アルフ同様に人型になれるかもしれないのだ。その姿を見て、まだそんなことが言えるとは思えない。これは、なのはたちのためでもある。
正直言って、凛の裸を人型になれる奴に見せたくない、というのもある。
というか、これが一番重要なんだけどな。
でもユーノが人型になれるとしたら、その場合にはなのはへの恋心は成就しうるのかな?う~ん、わからん。

「む~…わかった。じゃあお願いね」
一応納得したのか、残念そうにユーノをこちらに渡す。
ユーノは俺に向かって、何度も頭を下げている。こいつにとって俺は、救「生」主のように見えているかもしれない。
うん、実にいいことをした。


  *  *  *  *  *


現在風呂に入って、くつろいでいる。
よかった。恭也さんも、さっきのをいつまでも引きずっていないようだ。
向こうがくつろいで闘気をださないので、俺もやっと人心地つける。

だって言うのに、今度は別の意味でくつろげなくなる。
「わぁ、やっぱり凛ちゃんって肌きれいだよねぇ」とか。
「そういうなのはだって、きれいな肌してるわよ。ほら!」とか。
「きゃ!? や、やめてよ、くすぐったいよぉ」とか。
「あぁ~!? 何そっちで勝手にいちゃついてるのよ。私たちも混ぜなさ~い!」とか。
「え!? それで何でわたしのところに来るの? なのはちゃんたちはあっち…」とか。
なんてやり取りがなされてからは、壁を隔てた女湯からはかしましい声が響いてくる。
時々嬌声やら、妙に艶っぽい声が聞こえてきて落ち着きません。一体何をやっているのだろう?

詳しい状況なんて、音声だけでわかるはずもない。
一つわかったのは、率先してアリサと忍さんがセクハラに及んでいることだ。
なにせ二人の声は、他の面々に比べ非常に楽しそうだったのだから、多分間違ってはいないだろう。

やはり俺には、安息の地はないらしい。ええ、とっくに覚悟は出来てましたよ、もちろん。
だがやはり、ユーノを助けて正解だったか。あんなところにいては、心労と緊張で大変なことになっていただろう。改めていいことをしたと思う。

それとすずかの疑問の叫びには、ちゃんと答えが返ってきた。
「う~ん。たぶん手近なところにいたからじゃないかな~」
その解答は、やけにくつろいだ美由紀さんの声だった。
あの人の周りだけ妙に空気が違う。
はじめのうちは皆と同様にかしましくしていたようなのだが、いつの間にかまったりしているのが印象的だった。


「ところで士郎。その胸の傷はどうしたんだ?」
居心地の良くない環境で、少しでも気分を切り替えようと思ったのか、恭也さんが俺の心臓のあたりを見て聞いてくる。単に気づいたことを口にしただけのようで、そこには特に好奇心のようなものも感じられない。

そこにあるのは、幼い子供の肉体には不釣り合いな小さな傷跡。
今の俺の体は、人形に乗り換えたことで、元の体に刻まれた傷のほぼ全てがリセットされている。左腕のことを除けば、これが唯一前の体から引き継がれたものだ。
見る人が見ればわかるだろう。これは鋭利な刃物を用い、常識はずれの技量で貫かれた跡だ。

十年前。まだ聖杯戦争の存在そのものを知らなかったとき、夜の学校で目撃した赤き弓兵と蒼き槍兵の戦い。
迂闊にも気づかれてしまったために、俺はランサーに口封じのため命を狙われた。当然、人間ごときが英霊から逃れられるはずもなく、俺はこの心臓を血のように紅い魔槍で貫かれた。
真名解放をして、その呪いを全開にしての刺突ではなかったが、それでもその不治の呪いの一端ぐらいは、その効果を発揮した。おかげで、凛が父親の形見の宝石を使い治療してくれたにもかかわらず、傷跡は残った。

それは人形の体になっても、変わらずこの身に残っている。
姫君に奪われた腕と同じように、あの呪いも肉体ではなく、魂に刻みつけられたもののようだ。だけど本来なら、担い手と共にあの槍が失われた時点で、この傷の呪いもなくなったはずだ。呪いが消えた以上、体を乗り換えた時点で傷が引き継がれることもなかったはずなのに、なんとも不思議なことがあったものだ。

まあ、別に傷が残ったからといって、特に気にしているわけでもない。
この傷はあの戦いに身を投じることになる、最初のきっかけだったとも言える。
この傷を見るたびに、あの二週間にも満たない戦いの情景を思い出す。
年を経るほどに、日が経つにつれ、あの戦いの光景は薄れていく。
もはや、ほとんど思いだすこともできなくなった。
それでも心に残ったモノはある。この傷跡は、それを思い出させてくれる。

「昔未熟だったころに、いろいろありまして。これは、その頃につけられたものですよ」
右手の指で傷跡をなぞりながら、あの槍兵のことを思い出す。

一度は殺されたにもかかわらず、不思議と奴に対して反感や憎悪といった感情は沸いてこない。
相手が仇であろうと、気が合うなら膝を交えて語り明かすのが情だ。なんて、さもそれが当たり前のことのように言う、そんな奴だったせいかもしれない。
あるいは、その命と引き換えに、約束通り凛を助けてくれたからだろうか。本人は、自分の信条に肩入れしているだけだ、と言っていたが、今でも感謝している。

聖杯に託す望みなどなく、ただ強敵と思う存分、力の限りに戦うことがアイツの望みだった。
開戦すらしないうちにマスターを倒され、不本意な令呪によって主替えに賛同させられ、結局望む様な戦いができなかったあの男。
だが、あいつに対して負の感情を持たないのと同様に、同情しようとも思わない。結果はどうあれ、それがアイツの進んだ道なら、同情なんてしようものなら殺されそうだ。

昔のことを思い出し、感慨にふける俺に、恭也さんも特にこれ以上何も聞いてはこなかった。
「……そうか…」
そう言って、そのまま会話は途切れてしまった。
別の話題を探すのもなんだが気が引けて、お互いに黙り込んでしまう。
だがその空気は悪くなく、むしろ心地よくさえあった。

しかし、それも長くは続かない。相変わらず壁一枚隔てた女湯からは、かしましい声が聞こえてくる。
その声と内容に、あらためて居心地の悪さを感じつつ、穏やかに時間は過ぎて行った。


  *  *  *  *  *


ただ聴いているだけでもバツが悪いし、すぐにのぼせてしまうので、長湯せずに上がることにした。
今は浴衣を着て、廊下で涼んでいる。

しばらくすると凛たちも上がったのか、またかしましい声が聞こえてきた。
凛もだいぶみんなに馴染んできた。いままではずっと戦場暮らしで、こんなに穏やかで温かい日々はご無沙汰だったからな。これからはこの世界で、こんな日常を謳歌できたらいいと思う。
そのためにも厄介事に早く決着をつけて、この日常に戻りたいな。
そんなことを思っていると、気がつくと凛たちの声がやんでいる。一体どうしたのかと思い向かってみる。


あれ? なんでアルフがいるんだ?
こいつがいるということは、フェイトも来ているのか。

今はどうも、凛となのはにちょっかいをかけているみたいだ。敵戦力を改めて確認しているのかもしれない。
しかし、戦力確認のためとはいえ、単独で様子を見に来るのはリスクがある。ならば、念のためにフェイトも同行しているはずだが。

ただ、アルフの無礼な態度に凛とアリサが怒り気味だ。せっかくの気分のいい時間を邪魔されて、不機嫌になっている。
快楽主義者を自認するあいつからすれば、今のアルフは街のナンパ男と大差のない、耳の近くを飛ぶ邪魔な蚊のように感じているのかも。

話を聞きたいが、この場では知り合いのようにふるまうのもよくないか。
仕方ないので、覚えたての念話で注意する。
『はぁ、何やってるんだ? アルフ』
『え!? アンタ士郎?』
やはり俺のことは知らなかったのか、驚いたように聞き返してくる。

『なんでアンタがここにいるんだよ?』
尋ねてくる声には、溢れんばかりに不信感が満ちている。
無理もないのだろうが、ここまであからさまな態度に出られると、さすがに気持ちのいいものではない。
アルフの率直さは気に入っているが、少しは隠そうとしてもいいだろうに…。

『それは俺のセリフだ。
俺がいるのは、なのはの親御さんに誘われたからだよ。
俺に両親がいないのを気にしてくれたんだ。断るわけにはいかないだろう』
それに呆れたように返してやる。
こちらとしては、気分的に針のむしろなところもあるが、それでもせっかくの旅行だ。
荒事は忘れて、ゆっくりしたいのが人情だ。

『ふ~ん。そういえば、結構仲良くしてるんだったっけ。
 よくそんな相手と敵対できるよな、アンタ』
ふむ、懐疑的な物言いだな。
まぁ、仕方がないか。いくら効率がいいとは言っても、普通なら無防備に信じられるような行動ではない。
実際に騙しているわけだし。

『そんなことはどうでもいい。で、本当に何やってるんだ?
 フェイトはどうした、一緒じゃないのか?』
戦力確認は必要なことだが、俺からある程度の情報を貰っているので、そこまで重要な案件ではない。
それに、フェイトがそういうことに乗り気になるとも考えにくい。
少なくとも、積極的になのはたちに関わろうとはしないはずだ。

だとしたら、本命は探し物か。
だが、ジュエルシードの捜索自体は二人別行動をとることもあるが、それなら人目につかないように動いているはずだ。
もしフェイトが一緒だとするなら、こうして出てきたところを見ると、すでに捜索も封印も終わっているのかもしれないな。アルフがいるのは、ついでにこっちの様子を見に来たのだろうと思う。

『ああ、ここじゃないけど、近くにいるよ』
『目的はジュエルシードか?』
やはりそうか。封印に関しては、万全を期すために二人一緒に行動している。
こいつ一人ならともかく、フェイトまでいるのならかなり高い確率であるのだろう。

『そういうこと。この辺にあるみたいでね、いま詳しい位置を探してる。
 私はその子らがいたんで、様子を見に来たんだよ』
予想では、すでに封印までこぎつけているかとも思っていたが、今は最後の詰めをしているところらしい。
ならば、今夜にでも動くだろう。それなら凛にも教えておくか。
なのははまだ勝てないだろうが、負けても経験を積ませた方がいいかもしれない。

『もしかすると、向こうが動くこともありうるな。
 見つけたら俺にも教えろ。手伝うし、邪魔が入るなら足止めくらいはする』
まだ信用されていないこともあるのか、今回は連絡がされなかった。
今後もこれでは困るので、早めに信用されるようにしないといけない。
そのためにはいっそ荒事になって、頼りになる存在とまではいかなくても、せめて「味方」なのだとアピールすることが必要だな。
なのはが出るかの判断は凛に任せることにするつもりだったが、足場を固めるためにも、ここは出てきてもらった方が俺としても都合がいいか。

『あいよ! じゃ、そんときは頼むわ』
近くに競争相手がいることもあり、実際に動くときはちゃんと連絡はあるはずだ。
まさか、俺から情報が漏れているとは思っていないようで、頼りにされるのは望み通りの展開なのだが、そのことに一抹の罪悪感を覚えてしまう。
余計な思考はカットし、そこで念話を終える。

「いやぁ~、なんでもないよ。ちょっと知っている子に似てたから話しかけたのさ」
アルフはそう言って去っていく。
凛とアリサは見えなくなるまで睨みつけていた。ただ、なのははアルフの奴が何かしたのか、どこか怯えたような様子だった。

さて、凛にこのことを伝えておくか。せっかくの旅行だが、こうなっては仕方ない。俺がなのはに協力していないことをアピールするうえでも、どこかでぶつかっておきたかったわけだし、ちょうどいい機会かな。


凛に伝えた結果、俺の考えに同意してくれた。まだ勝つのは無理だが、ちゃんと負けと向き合ってどうして負けたのかを考えれば、それは大きな経験値となって次につながる。凛がいる以上、その点には心配ない。徹底的に洗い出して、次につなげてくるだろう。だがその際に……
「まぁ、私は負けたことなんてほとんどないし、励まし方なんてわからないけどねぇ~」
と言って、励ます役をユーノに押し付ける気でいるようだった。

飴と鞭とは言うが、あいつ自分から飴をわたす気はないな。


  *  *  *  *  *


今は大勢の旅行の定番、宴会に参加している。

大人組は当然ながら酒が入っている。
凛もご相伴にあずかろうとしたが、桃子さんにやんわり止められてしまった。その後で、なのはとすずかに「お酒は二十歳になってから」という一般常識を注意されていた。

みんなは知らないことだが、俺と凛の実年齢は、この場で上から3番目と4番目。二十歳なんて、随分前に通り過ぎている。酒を口にするのには、何の問題もないのだ。
でもあの法律って、肉体年齢に課せられたものなのか、それとも実年齢なのか、どっちなんだろう。こんな特殊例は想定されていないから、誰に聞いてもわからないことだが。

他にもあげるなら、俺は車は勿論船や飛行機、というか乗り物全般を「並み」くらいには操縦できる。
でもやっぱり、やっちゃいけないんだろうなぁ。
取得可能年齢になったら、すぐに試験を受けに行こう。
取れないうちは仕方がないが、取れたら凛に馬車馬の如く使われるのは目に見えている。でも取らないと怒りだすので、どのみち取るしかない。
あいつ機械関係はからっきしだから、全部俺にやらせる気だ。携帯にしてもメールは勿論、電話帳さえも使えないアナログぶりだからな。正しく携帯する電話だ。

話がそれた。
現在宴会と言えばお馴染みの、かくし芸大会に移行している。
皆さん思い思いのことをやっているが、あまり芸とはいえないものもあるので、それほど力む必要はなさそうだ。
小学生は基本的に参加しなくていいのだが、俺は今、芸を披露するべくみんなの前に立っている。
別に出たかったわけではない。凛に無理矢理やらされているからだ。

「さぁ次は、衛宮士郎の出番です! 皆さんご期待ください。こいつは無駄に器用なところがあるので、きっと素晴らしいけど、あまり意味のない芸を見せてくれるはずです」
なんでハードルあげて、それもやることを絞るようなことを言うのだろう。おかげで選択肢が非常に狭まってしまった。

そう思って凛の方を見ると、口元を片手で隠しながら笑っている。ああ、なるほど。俺がやれることが減って、困っている姿が見たかっただけね。あの、あくまめ!!
周りは期待のまなざしでこちらを見ている。凛の思惑は成功のようだ。
何をすれば期待にこたえられるか考えるが、いいものが思いつかない。
(さて、どうしたものか。…………そうだ!!!?)
そこで閃いた。あるぞ、この要求を満たすかくし芸が!

「では、ここに一組のトランプがあります。これの束の何番目に何のカードがあるかを当てます!」
『おおぉ~~~!!』
酔いのせいもあって、みんながちゃんとリアクションを返してくれる。モノとしては陳腐だが、実際にやるのは本当に魔術だ。タネも仕掛けもいらないから、そんなものは存在しない。誰にも気づかれないしわからないので、素晴らしいとも言える。
また、できるからといってあまり意味もない。俺以外の人にとっては、だが。

「じゃあ、ファリンさんシャッフルしてください」
「は~い!」
俺の要請に、どこか間延びした声で返事が返ってくる。
切ってくれるのは、典型的ドジっ子メイドのファリンさん。この人ではきっとトランプをばら撒いてしまうが、その方がいい。そうすれば完全にシャッフルされるから。

「あ、あれぇ~~!!?」
案の定ばら撒いてくれた。期待を裏切らない人だ。

「じゃあ何番目か言ってください。俺は束に手を置く以外は、一切何もしませんから」
言ったとおりに手を置く。俺にとってはこれで充分。
手で触れたモノなら解析ができるので、そこからトランプの全容が分かるという仕組み。触れなくてもできるのだが、やはりこちらの方が確実だ。剣や武器関係の以外の物を解析しようとすると、つい目を細めてしまうので、怪しまれるかもしれない。まぁ、怪しまれたからどうという事でもないんだけど。
僅かに魔力を使うが、この程度ならなのはたちにも気付かれる心配もない。

けれど実際に昔これを使った時に、その点で追及を受けたことがあった。別に目を細めたくらいで罰せられることもないので、結局無事に解放された。
なんでそんな追及を受けたかというと、ロンドンでの修業時代にさかのぼる。あの頃は、宝石剣製作のための資金調達や借金返済のためにいろいろやった。
とある御屋敷での執事のバイトから、カジノに行ってのギャンブルまで、内容は多岐にわたる。特にギャンブルでは、命がけになることもあった。イカサマを身につけるというのもあったが、身につけるまでが大変なので、急を要する場合だったこともあり別の方策をとった。

それがこれ。解析で札の配置を読んでしまえば、負けることはない。
生き物や複雑な機械が相手では無理だが、単純なトランプ相手なら眼だけでも可能だ。俺の解析が、こんな形で役に立つとは思わなかった。見るあるいは触れるだけだから、文句の言いようがない。
ただ、これのせいで凛が調子に乗り、さんざんカジノを荒らして回ったのは今やいい思い出だ。そのせいでしばらくすると、ほぼすべてのカジノから「エミヤ・トオサカお断り」の立て札が立てられた。

「上から17番目は?」
「スペードの七」
外野で見物している美由紀さんからの問いに即答する。
今度はばら撒かないように、ファリンさんは慎重にトランプをめくっていく。

外れているはずもないが、結果はというと…
「あ、当たりです!?」
『おおぉ~~!?』
みんなしっかり驚いてくれるので、ちゃんと期待にこたえられたようだ。
アリサが一般的な手品と思ったのか、タネ明かしをしようとこちらにきた。だがそんなものは元からないので、さんざんトランプや俺を調べ、シャッフルの手順を確認し、あらゆる角度から観察するも、最後には悔しそうに退場していった。

そうして出番を終え、戻るときになって視線を感じた。そちらを向くと、仕組みを知っている凛が不機嫌そうに睨んでいたのだ。
魔術を使っていることに対してなのか、それとも俺が期待に反して難なくハードルをクリアしたことなのだろうか、判断がつかない。
もし魔術の方なのだとしても、無理難題を押し付けるお前が悪い、と思いつつ場は進行していきお開きとなった。


さぁ、そろそろフェイト達が動くころだ。
俺も準備を済ませて、さっきアルフから伝えられた合流地点に向かうとするか。



SIDE-凛

なのはがジュエルシードの存在を感じて、ユーノを連れて一緒に向かう。

そこには士郎からの情報のとおり、金髪の魔導師フェイトとその使い魔アルフの姿があった。
ただし、アルフの姿は士郎から聞いていた人型の方だ。
士郎の言うとおり、さっき私たちに絡んできた女だ。そいつが狼の姿に変身していくのを見たが、知っていても驚くわね。
なのはの方は、ユーノから使い魔のことを説明されていた。

士郎は見える範囲にはいないようだけれど、さっき呼ばれたと言っていたから、どこかに隠れているはずだ。
そして、すでにジュエルシードは回収済みらしい。
なら、競争相手として言うことは一つだ。
「そのジュエルシードを渡しなさい。
それは本来ここにいる、ユーノ・スクライアが発掘したものよ。現状では、その所有権は彼にある。
アンタ達のやっていることは、ネコババと同じよ。大人しく渡せば手荒なことはしないわ」
聞くはずがないとわかっている警告をする。同時に左手の人さし指を向けて威嚇する。

「その必要はない。邪魔をしないでもらおう」
森の中から声がする。すると案の定、隠れていた士郎が姿を見せる。

「ア、アーチャーさん!?」
「何であなたが!? それに邪魔って、どういうことですか!!」
当然ながら、なのはとユーノが驚いたように声を上げる。
つい先日、手は貸してやる、なんて言っていた奴にいきなり邪魔と言われては、驚くなという方が無理な話だ。

「どうもこうもあるまい。単なる方針変更だよ。先日の戦闘で、彼女たちの方が優秀だと判断した。
 私の望みはこの騒動の早期解決だ。そのためには君たちに協力するよりも、彼女に協力した方が効率がいいと判断し、私から協力を申し出た」
私から、という点を強調して話している。なら私の方でもそれに合わせないとね。

「つまり、私たちは見限られたということね。
でも今言ったとおり、それの本来の持ち主は、ここにいるユーノよ。それを勝手に、自分のものにしていいと思っているのかしら?」
これは茶番だ。私たちは仲間で、互いの考えていることを知っている。それを知っていて、お互いにとぼけながら周りにいる子供を騙している。それこそ三文芝居もいいところの、誠実さの欠片もないやり取りを続ける。

「そんなことは私の知ったことではないな。
言っただろう。私の望みは、事態の早期解決だ。結果として解決すれば、経緯は問わん。
所有権云々は、君たちで勝手にやりたまえ。私は一切関知しないが、こちらの邪魔をするのなら相手になるぞ」
それにしても、完全に悪役のセリフだ。
かつては正義の味方を目指していた奴が、ここまでわかりやすい悪役を演じているのだから、ある意味滑稽ではある。

「こっちとしても、見過ごすわけにはいかないのよね。
 いいわ、相手になってあげる。なのはは予定通りフェイトを、ユーノはアルフの方を相手にしなさい。私がアーチャーの相手をするわ! 訓練通りにやれば、戦いにはなるはずよ」
言ってすぐに走り出す。今の段階ではなのはに勝機はないが、相手の力を肌で感じるのが今回の狙いだ。ジュエルシードは奪われるけど問題ない。予定通りに事が進めば、最後に帳尻は会う。

私は士郎を連れて、適当に戦ってるふりをするために、森の奥に引き付ける。
同時に、この場における行動に関して打ち合わせをする。
もちろん声に出すわけにはいかないので、パスを使っての密談になる。
『わかってるわね。あんまり手加減しても怪しまれるから、それなりに本気で来なさい。
それと、邪魔をしないように、少しこの場から離れるわよ』
ガンドを乱射しつつ、森の奥を目指して走る。
その間に、士郎にこれからのことを確認する。

『ああ、俺と凛じゃ間合いが違うからな。魔術を防ぎつつ前に出ようする俺と、それをさせまいと距離を取る凛という構図でいくんだろ。向こうが流れ弾に当たっても困るしな』
十年を共有したパートナーだ、今更細かく説明する必要はない。
すぐに意図を察して返してくれる。

さぁ、あっちのケリがつくまで、色気のない深夜のダンスといきますか。



Interlude

SIDE-なのは

この間助けてくれたアーチャーさんが、あのフェイトちゃんという女の子と一緒にいたのは驚いた。
でも、あの人の言葉に納得する私もいる。
弱い私よりも、強いあの子の方がきっとうまくできる。それはわかるのだけど、そのことが無性に寂しく感じる。

でも、今はそれどころじゃない。ジュエルシードはもう封印されちゃったけど、あの子と話すことはできる。
だから、初めは話し合いで何とかしようとしたけど、フェイトちゃんは聞く耳を持たない。

凛ちゃんの言った通りだ。
ちゃんと魔法を修めている人が、ジュエルシードの危険性がわからないはずがない。それでも集めようとするからには、きっとフェイトちゃんには何かそれが必要な理由がある。
そして、それがあるからこそ、説得には応じないだろと凛ちゃんは言っていた。

できれば話し合いで何とかしたかったけど、聞いてくれないなら仕方がない。
フェイトちゃんの方から、聞くように仕向ければいい。
そのために、二人には悪いけど、勝手なことをする。
「お互いのジュエルシードを一つ賭けて戦おう」
「いいの? 勝手にそんなことをして」

本当はいけないけど、このままだとこの子はすぐにでも逃げちゃうから、こうすればきっと相手になってくれる。
「ごめんね、ユーノ君。勝手なことしちゃって…」
「ううん。いいよ、なのは。そもそも巻き込んだのは僕なんだから、それくらいする権利はなのはにはある」
そう言って許してくれるユーノ君に、心の中でお礼を言ってあの子と向き合う。

「チャンスだよ、フェイト! ここでその子を倒せば、またもう一つジュエルシードが手に入る」
この間も一緒にいたオレンジの毛色をした狼さんが、そう言ってフェイトちゃんを駆り立てる。
フェイトちゃんは答えないけど、その目は乗り気みたい。

ユーノ君が言うには、使い魔という存在らしい。昼間に旅館で会ったお姉さんが、狼の姿に変身するのを見た時はかなり驚いた。
声や髪の色が同じだけど、変身するところを見た今でも、ちょっと信じられない。
狼と人間両方の姿になれるというのも凄い。魔法はこんなこともできるんだ。

ちょっと余計なことを考えちゃった。
今は目の前のことに集中しなきゃ。ただでさえ私は素人で、凛ちゃんからも戦っている最中は余計なことを考えないように言われている。
さあ、練習の成果を見せよう。


誘導操作弾「ディバインシューター」を三つ使って、相手の動きを制限しようとする。
作戦では、動きが鈍ったところをバインドで拘束し砲撃を当てる、これはそのための布石だ。

アルフさんの方は、私に飛びかかったところをユーノ君に邪魔された。そのままユーノ君がアルフさんを連れて魔法でどこかに消えてしまったので、今私たちは一対一で戦っている。

でも、ユーノ君のことを「使い魔」って言うなんて失礼だ。
ユーノ君は、私の大事な友達なんだから。

最初は凛ちゃんみたいな戦い方をしようと思ったけど…
「アンタの武器は、その砲撃なんだから。それまでに消費する魔力は少ない方がいいわ。
 誘導弾とやらで動きを制限して、バインドで止め、そこに砲撃がコンセプトよ」
ということで、今のスタイルになった。
一応誘導弾で追いかけながらも、いつでも砲撃が撃てるように準備は進めている。できれば確実に当てるために、バインドで捕まえてしまいたい。効果の方は凛ちゃんからお墨付きをもらっているので、一度捕まえてしまえばそう簡単には逃がさない自信はある。だけど今のわたしだと、バインドは準備に時間がかかるし、高速で動いている相手を捕まえるのは難しい。
だから、狙うのは動きが鈍った瞬間に砲撃を撃ちこむこと。もうシューティングモードにすれば、すぐにでも撃てる状態だ。

でも、そう簡単にはいかなくて、フェイトちゃんの動きに合わせて動かすので精一杯。
さっきからフェイトちゃんは、蛇行したり唐突に制動をかけてディバインシューターをやり過ごしたりするので、動きの変化に対応しきれない。

わたしも後手に回りながらも、何とか誘導弾で追いかけている。
速いのは分かっていたけど、ここまでその長所を生かせるとは思っていなかった。純粋なスピードだけならディバインシューターの方が速いのだけど、たびたび進路を変え、動きに緩急をつけてくるので、それを追いかけることしかできていない。

だけど、蛇行したり制動をかけたりする分、少しずつだけど追い詰めて行っている。
しかし、徐々に追いつかれ当たりそうになっても、高速機動の魔法で大きく左右に動いて結局かわされる。
動きの変化に目がついていかない。辺りが暗いこともあり、一瞬見失いそうになる。

とてもではないけど、凛ちゃんの言うような「敵の動きを操作する」なんてできそうにない。
凛ちゃんからは「誘導弾をそれぞれ別々に動かして、思うように動けないようにしてやりなさい」と言われているけど、わたしではまだそこまで細かいコントロールはできない。こうして後を追いかけ、こちらに向かう余裕を与えないので精一杯だ。

すると、今までの前後左右だけの動きから、突然急上昇した。これまでの前後左右の動きに目が慣れていて、まったく違う動きに反応が遅れ、そのまま誘導弾もおいていかれる。

「撃ち抜け、豪雷―――サンダー…スマッシャー!!」
そんな声が聞こえ、反射的に防御する。

「ラウンドシールド!」
右手を掲げ、その前面に円形の楯を作り出す。
防御用の魔法は、攻撃以上に力を入れて練習してきたおかげで、ちゃんと防ぐことができた。
だけど危なかった。いまのを直撃されてたら、間違いなく負けていた。
凛ちゃんが、真っ先に守りを教えてくれた意味がわかった気がする。

フェイトちゃんの攻撃を防御した時点で、あらかじめ準備していた砲撃を撃つ体勢に移行する。
急いでレイジングハートをシューティングモードにし、お返しとばかりに砲撃を返す。
「ディバイン…バスター!」
打ってきた方向に向けて撃ち返す。いくらなんでもあれだけの攻撃の後に、すぐに動けるとは思えない。
これで倒せなくても、少しくらいダメージを与えることはできるはず。

…でもこの高さからもし落ちたら、とそんな考えが一瞬だけ頭をよぎった。
そのことに意識が行き、砲撃を防御した際の閃光に目が眩み、相手を見失った。

そのためらいが勝負を決めた。凛ちゃんに、あれほど躊躇するなと言われていたのに。
気付くと後ろに回られていて、鎌を首に突き付けられていた。
「わたしの勝ち、だね」
静かな声でそう宣言する。

ここに初戦の負けが決まった。

Interlude out



結果は当然ながら、なのはの負け。

訓練の成果か、それなりに戦いにはなったが結局は負けた。
経験の差で隙ができ、そこを突かれる形になった。

誘導弾ディバインシューターを使っての戦闘をメインにし、動きを制限して隙ができたところに砲撃を打つのが基本戦略だ。
しかし、まだ相手のスピードに対応しきれないのか、それとも場が暗かったせいか、一瞬相手を見失ったところで隙ができた。
そこへ相手の砲撃がきて、防いで反撃をしたまでは良かった。落としたと思って油断したのか、動きが止まったところで間合いを詰められて負けた。

ジュエルシードを餌にして戦ったらしく、今相手に一個持っていかれたところだ。あとで帳尻を合わせるつもりだが、全く勝手なことをしてくれる。

ユーノの方もアルフの足止めをしていたようだ。小さい体を生かして逃げ回りつつ、要所で防御魔法を使い、うまいこと凌いでいた。
まぁ、負けこそしなかったが、元から戦闘タイプではないので勝てるはずもない。
決着がついたのを察して、戻ることにする。

目的のものを手に入れたフェイトがこの場を去ろうとするが、そこへなのはの声がかかる。
「わたしはなのは。高町なのは!! あなたの名前は?」
負けても見苦しくしないのは立派だが、なぜ名前を聞くのだろう。

「もう、知っているみたいだったけど?」
そうだ。初見の時になのはたちも、アルフが叫んだ名前はしっかり聞いていたはずだ。ファーストネームである「フェイト」という名前はすでに知っているのだから、今更聞くことでもないはずだが…。
なのに、わざわざこうして名前を尋ねている。ファミリーネームでも聞きたいのだろうか? でも、それだってそんなに重要なものでもない。
まぁ、あの子のことだから難しいことなど考えずに、聞きたいから聞いたのかもしれない。

「でもわたしは、まだあなたの名前を、ちゃんと「あなたの言葉」で聞いていない! だから、教えて」
これだけは譲れない、という気概を感じさせる言葉が響く。
「あなたの言葉」ね。本人の口から聞かなければ意味がない、と言いたいようだ。
確かにあの子らしいと言えばらしいかな。

「フェイト。フェイト・テスタロッサ。もうわたしたちの邪魔はしないで、この先も怪我をさせない自信はないから」
本気でそう思っているのか、それとも戦いを避けたいのか、いまいち判然とはしない言葉を残して去っていく。

私に少し遅れて戻ってきた士郎は、フェイトとは逆になのはの前に立ち口を開く。
「君の気概は買うし、才能も認めよう。潜在能力の上では、そう差があるとは思えんしな。
 だが、今の君ではどうやってもフェイトには勝てない。あの子には覚悟があり、君にはそれがない。
 覚悟の有無は、戦場では命にかかわる。先ほど、君は一瞬だが躊躇した。それが最大の敗因だ。
 この先もそれでは、いつまでたっても勝てんぞ。覚悟が持てないのなら、もう手を引くことだ」
そうして士郎も森の中に去っていく。アイツ、私と闘いながらそんなことまで見ていたのか。さっきなのはの動きが止まったのはそのせいみたいね。

お互いに全力からはほど遠いが、この鬱蒼とした森の中で様子を見ていたとは、つくづくいい眼をしている。
それに、手を引くようなことを言っているが、実際にはアドバイスだ。
こいつも結局は面倒見がいい。


私はなのはの様子を見に行く。まぁこの子とはまだ付き合いが浅いが、性格は把握している。
「で、手を引けって話だけど、どうするの?」
「もちろん、絶対にあきらめない。まだ回収してないジュエルシードはたくさんあるから、探していればまだ会えるはずだもん。
わたしは、フェイトちゃんとまだちゃんとお話できてないから」
当然こう答えるとは思っていた。負けたのはショックだったろうが、それでどうこうなるほど諦めのいい性格はしていなものね、アンタは。

ただ、これからの訓練は気をつけないといけない。今回のことで力の差はわかったはずだが、そのせいで焦りが生まれるかもしれない。
なのはには、士郎に通じる危うさがある。アイツのように歪みはないと思うけど、程度の差はあるが平然と無茶をやらかすところに共通点がある。無茶が必要な場面はあるが、それは選ばないといけない。少なくとも、今はその段階ではない。
しっかりと手綱を握ってやらないと、見てないところできっとこの子は無茶をする。正式ではないが、まがりなりにも師である以上、監督するのは私の責任だ。

やれやれ、厄介な奴の面倒ばかり見ている気もするけど、それが充実しているんだから、私も筋金入りかもしれないわね。



Interlude

SIDE-フェイト

いま私たちは、競争相手たちが後ろから追ってこないか警戒しながら、森の奥へと進んでいる。

今回はかなりの収穫があった。
封印回収したジュエルシード以外にも、あの白い子から勝ちとった一つも加えて、合計で二個を手に入れられた。
これも競争相手の中で最も厄介な赤い子を、シロウが引きつけてくれたおかげだ。背中を気にする必要がなかったし、少し手間取ったけど落ち着いて戦えたのが大きいと思う。
シロウからの情報や以前の様子からの推察通り、まだ戦いには不慣れみたいで不意を突くことができた。

どうやら、士郎の方は決着がつかなかったみたい。
どんな戦いだったかはわからないけど、あの赤い子はかなり強いはず。間違いなく、そう簡単には勝たせてくれない相手だ。
その子を相手に、シロウは怪我ひとつ負うことなく戻ってきた。アルフを簡単に拘束したことからわかっていたけど、やっぱりシロウはすごく強い。
戦いが始まる前に、シロウから「足止めする」という内容の念話を受けた。たぶんだけど、今回もシロウは全力で戦っていないはずだ。知り合いらしいし、怪我をさせないように手加減くらいしていたんだと思う。
はじめて会った時の印象からは想像できなかったけど、話をしてみて、あれで結構優しいところがあるのがわかった。

でも、向こうがそれをする理由はない。
本気で倒しにかかってきたはずの相手に、お互いに怪我をすることなく戦うのは簡単なことじゃない。
少なくても、わたしにはそれを狙ってやる自信はない。
今回は運が良かっただけだ。
あの子に言ったとおり、次もそれができる保証はない。

それと、以前互いの戦力を確認するために軽く模擬戦をした。
高威力の魔法も使わなかったし、全力でやったわけではない。だけど、わたしは結局最後まで一撃も入れられなかった。捌かれたりかわされたりで、すべて防がれてしまったのだ。わたしがスピードが持ち味のように、シロウは防御に長けているみたい。
わたしは空中で距離を取っていたこともあって、余程接近しない限りシロウの方から攻撃はしてこなかった。遠距離攻撃ができないわけではないらしいけど、本人は「できるなら接近戦の方がいいな」とも言っていた。

あと、なんだか動きを完全に読まれているような気がした。
なにせ、いくら速く動いて背後を取ろうとしても、完全に対応されてしまうのだ。
純粋な速さなら、わたしの方がずっと上なのは間違いない。なのに、わたしの動きを正確に把握して、素早く体の向きを変え、背後から迫る魔力弾が振り向きざまに叩き落とされてしまう。
接近戦も同様で、近づいてバルディッシュで直接攻撃しようとしても、両手に持った双剣で簡単に捌かれてしまう。時には、振るう腕をつかまれ投げ飛ばされたこともあった。

技をかけられた時は、すごく奇妙な感覚だった。
それほど力を入れているわけじゃないはずなのに簡単に投げられるし、バリアジャケット越しに攻撃することのできる技というのもあった。
なんでもバリアジャケットを破るのではなく「衝撃のみを貫通させる技だ」と言っていたっけ。そういうものがあるということで、試しに軽くやってもらったのだけど、本当にそんなことができるとは驚いた。あの赤い子がはじめて戦った時にやったのと、同じものかもしれない。

この世界では魔法が発展していない分、そういった技術が磨かれたらしい。
何でも四千年をかけて培われた技術で、その深さはわたしには想像もできない。
新鮮な体験だったこともあり、少し興味が湧いた。もし時間があれば、少しシロウに教わってみようかな。
そうすれば、シロウに勝てる可能性が出てくるだろうし、わたし自身も得るものがあるはずだ。
シロウは、まだまだ人に教えられるレベルじゃないって言うけど、シロウ以上ってどれだけすごいんだろう。

ただそういったこととは別に、模擬戦の間終始シロウは余裕そうだった。
なんだか軽くあしらわれているようで、すごく悔しい思いをした。
何度、砲撃や「奥の手」を使おうと思ったかわからない。
ジュエルシードの捜索や封印の為にも、あまり魔力を無駄に使うわけにはいかなかったので、さすがに使わなかったけど…。

まぁ強いのは事実だし、頼りになるから別に問題はない。
そういえば、わたしがシロウに「強いね」と言うと、シロウは……
「俺は別に強くないよ。単に小細工がうまいだけ。
 スピードや魔力はフェイトと勝負にならないし、術の体系は違うけど術者としても間違いなく格下だよ。
 剣技はそれなりだけど、一流にはほど遠いしな。フェイトは接近戦にも光るものがあるし、俺なんて軽く抜くと思うぞ。まぁ、さすがにまだ負ける気はしないけど、それも時間の問題だな。
俺がフェイトに勝てるのって、腕力くらいじゃないか? ああ、あとは経験か」
なんて、力なく苦笑いしながら否定していた。
どんな「小細工」を使っているのか気になったけど、それを聞いても「教えたら負けそう」と言って教えてくれなかった。

教えてくれないなら、別にそれでいい。
何としても解き明かして、必ず勝って見せるんだから。


かなり森の奥深くまできたところで、シロウが立ち止まって話しかけてくる。
「さて、俺はこれで戻ることにするよ。布団の中にいないのがバレたら心配される」
そう言って、シロウは旅館の方へ向かって歩き出す。
今回のことで、シロウがあの子たちの味方ではないのはわかった。
シロウの姿を見たとき、とても驚いていたのは演技には見えなかった。
完全には信用できないけど、その点は大丈夫だと思う。

深い意味はないけど、気になったことを聞いてみる。
「なんで最後に、あんなことを言ったの?」
それはさっきわたしが戦った白いバリアジャケットの子、たしか「なのは」っていったっけ? その子に対して、シロウが言った言葉。理由はわからないけど、なんだか頭の隅に引っかかった。

「私情を挟む気はないけど、やはり知り合いと闘うのはいい気分じゃないよ。
 できれば引いて欲しいと思ったから言っただけだ。といっても、あれで引くような性格とも思えないけどさ」
苦笑するようにしてシロウは答える。
相手のことを知っているからか、あまり期待してはいないみたい。
つまり、またあの子と戦うことになるのだろう。できればそれは避けたいのだけど。

「ふ~ん。アンタにもそんな、真っ当な感情があったんだねぇ」
「…あのな、人を何だと思ってるんだ。失礼にもほどがあるぞ」
アルフの言葉にムッとなって言い返している。
はじめて会った時に使っていた、戦闘用の口調とのギャップが少し面白い。
もっと感情のない、機械みたいな人だと思っていたけど、本当は結構感情豊かでそれを無理に抑えていたみたい。
この辺りは、私も見習った方がいいかもしれないな。

「でもあの子、思っていたよりも強かった。シロウの話だとまだ初心者らしいのに、この短期間で強くなったとしたら、次も勝てるかはわからないと思う」
「何言ってんだい。あんなのにフェイトが負けるはずないじゃないか。だってフェイトは、あたしのご主人様なんだよ!」
わたしの少し弱気な言葉に、アルフが自信たっぷりに言ってくる。
そうやって信じてくれるのは、とても嬉しい。

「そうだな、現状でフェイトが負けるとは思えない。勝負に絶対はないが、それでもまず負けはないだろうな。
 ただ成長著しいのも事実だ。気をつけて当たる方がいいぞ」
シロウが第三者としての客観的な意見で、賛同と注意をしてくる。

「うん、そうだね。油断しなければまず負けないと思うよ」
「当ったり前だろ!」
いつの間にか、以前あったような警戒がなくなっていた。こっちのシロウの言葉はまっすぐで、素直に信じてしまえるから不思議だ。いつもこうの方がいいな、なんて思ってしまう。

そんなやり取りをするが、そこでシロウが思いついたように言ってくる。
「ただな、本当の強者っていうのは、それがたとえ万分の一の勝機でも手繰り寄せられる奴だ。
 なのはがそうかはわからないけど、それは憶えておいた方がいいぞ」
シロウの言う強者の定義。それにはどこか遠い昔を思い出すような響きがあった。

「そういうものなの? もしかしてシロウ、そんな人のこと知ってるとか」
「ああ、強い奴って言うならタイプは違っても、色々見てきたからな……」
その先はシロウも言わないけど、懐かしそうに答えてくれた。

もっとたくさん話を聞いてみたい、そんな風に思った夜だった。

Interlude out




あとがき

新年、明けましておめでとうございます。
おかげさまで、なんとか先に進めそうです。

今回は、少し過去に思いをはせるお話でした。
士郎が裸になる機会なんてあまりないですし、せめてランサーから受けた傷は残しておきたかったのでこんな形になりました。あれがある意味一つの始まりでしたから、やはり大事なものだと思います。

言峰伝来のマジカル八極拳は、ちゃんと凛を通じて習得しています。
他にもバゼットからキックボクシングを習ったり、ルヴィアからレスリングを習ったりもしていますけど、使う機会はあるかわかりません。このままフェイトに少し教えたり、Stsで新人組に教えたりしてもいいですね。



では、感想の返信をしようと思います。

緑一色様へ。
とらハとのクロスに関しては、作者の不勉強もあり、これ以上は踏み込まないつもりです。外伝で少しくらい関わることもあるかもしれませんが、それでもあまり深くは関わらない予定です。そもそも外伝ができるかも怪しいですが。
魔力量に関しては、凛がバックアップできることですし、それほど多くはしないことにしました。あまり魔力量の多い士郎だと最強モノになりそうですし、どこかで「戦闘中に魔力切れになる」という展開を入れたいと考えています。そのため、あまり多くない方がいいと考えました。
飛行宝具に関してはいくつか制限というか縛りを設け、あるけど使い勝手の悪いモノ、という位置づけにするつもりです。
あと士郎の狙撃の腕を考えると、やはり相手の攻撃の届かない距離こそが士郎の独壇場ですよ。何も酸素ボンベを抱えてまで、そんな高いところから攻撃しなくても、単純な超遠距離狙撃で十分かなと思います。
当SSの士郎の最大射程は、三キロから四キロの間位を考えています。十分すぎるくらいに異常です。
普通に考えて、リリなの世界でこれに対抗できそうなのって、はやてだけなんですよね。他の面子だと、よけるか防御しながら自分の射程距離まで近づくしかないでしょう。
そういえば、A’sでなのはが「ディバインバスター・エクステンション」でヴィータを攻撃した時の距離ってどれくらいなんでしょうか? 「常識外の遠距離」くらいしか調べてもわからないんですよ。移動時間も考えると、個人的には一キロくらいかなと思うんですけど、それだと常識外と言っていいのかどうか? とりあえず、当SSでは士郎には及ばないという設定でいきますので、少々先の話になりますがご了承ください。

るしふぁー様へ。
両陣営の強化、という展開にはならないでしょう。士郎は裏では凛と繋がっていますので、結局はなのはの味方です。ただでさえ不利なのに、これ以上分が悪くなるようなマネはしないでしょう。もしフェイトが強化されるとすれば、A’sに入って正しく味方になってからになると思います。
あと、文章のアドバイスありがとうございます。確かにその方が読みやすそうですね。いつもお世話になってしまい、申し訳ございません。今後はそのような形でやらせて頂きます。

白いクロ様へ。
楽しんでいただけているのなら幸いです。せっかく二人いるのだからこういう展開もありだろうと思い、思い切ってやってみました。いろいろと心配だったのですが、思いのほか好評で安心しました。


応援ありがとうございます。
無印完結目指して頑張っていきますので、これからも応援宜しくお願いします。


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