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No.30786の一覧
[0] 目が覚めたら私があの子になっていた(ネタ)[この小説はPCから投稿されています](2011/12/07 10:49)
[1] 第二話[この小説はPCから投稿されています](2011/12/10 06:28)
[2] 第三話[この小説はPCから投稿されています](2011/12/21 08:50)
[3] 第四話[この小説はPCから投稿されています](2012/03/20 22:19)
[4] 目が覚めたら私が別人みたいになっていた[この小説はPCから投稿されています](2012/03/29 04:47)
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[30786] 第二話
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Date: 2011/12/10 06:28
 さてどないしよか。今わたしの目の前におるのは気絶したフェレット。それが何かをわたしは知ってる。昔なのはちゃんから聞いたユーノ君との出会い。それを思い出せばこれがどんな事を意味してるかは言うまでもないしな。

「とりあえず病院に連れて行こう」

「そうね。待って。今近くに動物病院がないか検索してみるわ」

 すずかちゃんとアリサちゃんが動き出す中、わたしは手にしたユーノ君を見つめて小さくため息。間違いないわ。今日からこの海鳴で事件が起きる。ジュエルシード事件。なのはちゃんとフェイトちゃんが出会った運命の事件や。
 生憎わたしは話を少し聞いただけやから詳しくは知らない。それでもやらなあかん事は分かっとる。なのはちゃんはこの日の夜にレイジングハートを手にして魔法と出会った。つまり私は今日それをなのはちゃんの代わりにせなあかん。

「……責任重大やな」

 先を歩く二人に聞こえん程度に呟く。これが一日限りの夢ならええけど、何となくわたしには嫌な予感がしとる。意外とこれは夢とかやなくて現実で、一種の平行世界に迷い込んでしもたんとちゃうかなって。となるとわたしの動きはかなり重要になる。
 何せフェイトちゃんがわたしと友達になってくれたのは、なのはちゃんの活躍があればこそって事を知ってるから。この事件でフェイトちゃんの心をなのはちゃんが助けた言うんは本人からもそれとなく聞いとるしな。

「なのは、どうしたのよ?」

「早くしないと塾にも遅れちゃうよ?」

「あ、ごめん。今行くから」

 知らない間に足を止めとったみたいや。これからの事を考えると気が少し重いからなぁ。ここで頑張れんとこっちのわたしを助けるのも苦労するやろし。よし、気合入れ直してこ! そう思って軽く小走りにすずかちゃん達の後を追う。手にしたユーノ君へ少しだけ視線を向けて、絶対上手くやってみせるからと心の中で宣言しながら。
 あ、塾行くとなると時間遅くなるからうちへ行くの難しいわ。うー、しゃーない。こっちのわたしに会うのは……ちょう賭けに出てみるか。そんな事を考えながら隣に並んだすずかちゃんとアリサちゃんに置いていかれんように走る。でも、やっぱ走るのがちょう上手く出来ん気ぃする。なのはちゃん、もっと運動しとこな。思ったよりも運動音痴やないと思うし。

「あ、あそこよ」

 アリサちゃんの指さす方向に一軒の動物病院が見えてくる。あ、あそこはわたしも知ってる。ザフィーラが何度かお世話になったとこや。ほんまは健診は必要ないんやけど、一応周囲への誤魔化しもあって連れて行った事があったなぁ。
 初回はめっちゃザフィーラが渋って、それをみんなで宥めたけど脱走されて町内を探し回ったっけ。……主にシグナム達三人が。わたしは車椅子やったからうちで留守番しとった。そういえば、こっちのわたしがなのはちゃんやったら苦労しとるやろうか? ……うん、やっぱはよ会いに行かなならんな。

 病院の中に入ると受付でアリサちゃんが事情を説明し始めた。それを眺め、わたしはユーノ君を優しく撫でて念話を送ってみた。反応が欲しいんやなくて、今はそれぐらいしか出来へんからな。

―――もう安心してええから。今は少しでも体を休めてな。





 寂しい。もう何度そう思っただろう。あ、気付けば日が落ちてきてるや。室内灯を点けた方がいいね。それにしてもお腹すいたな。買い物に行きたかったけど、車椅子で外出するのが億劫で行けなかった。はやてはこんな生活を本当に送っていたんだと思って、また少し心が痛んだのは同情かな? そんな気持ちは抱いてないけど、もしそうだとしてもはやては許してくれるよね?
 なのはに会いに行くのは今日のところはやめた。昼間は学校があるし、よくよく考えたら知らない子が家に来たら驚くよね。なので今は何とか知り合える機会を待つしかない。一番確実なのは私がなのはと初めてジュエルシードを取り合った時だ。でも、一人であの温泉まで行くのは無理がある。

「とりあえず今はそれは後回しだ。えっと……スイッチはどこだっけ?」

 視線を彷徨わせて……見つけた。そこへつい歩いていこうとして―――車椅子から落ちそうになったところで自分の状態を思い出した。そう、今の私ははやてだった。実は何度か同じような事をしていた。無意識で動こうとするとどうしても足が動かない事を忘れてしまって、今のように車椅子から落ちそうになって現実を思い出していた。
 車椅子を動かしてスイッチを押す。どれがどれか分からないから、確かめるのも含めて一つずつ押していく。……何か不思議な感じ。ここは自分の家じゃないのに自分の家なんだから。正直あまり家の中を動き回る事はしなかった。はやての私生活を勝手に覗くようで嫌だったんだ。

「でも、これお風呂とかどうしようかな?」

 気付けば独り言が多い。それが寂しさを紛らわしたいからだと思って、はやてもそうだったのかなと考えるとちょっとだけ心が温かくなる。でもすぐにそれ以上の悲しみが押し寄せてくるけど泣きはしない。はやてだって耐えた事なら私だって耐えてみせる。
 これを可哀想とは絶対思わないようにしようと決めたんだ。私が逆ならそう思うから。これを楽しく過ごそう。他人になれるなんて滅多に出来ない事だしね。そう自分に言い聞かせて笑ってみる。一夜限りの夢かもしれないなら楽しまないと損だから。

 ……またお腹が鳴った。やっぱり駄目だ。何か食べる物を買いに行かないと無理だね。朝は冷蔵庫に残ってた食材を使って何とかなったし、昼間はご飯を炊いて少しだけあったレトルトを使って食べた。でも出来れば体にいい物が食べたい。はやての体のためにも。
 そう考えて時計を見る。時間は午後六時半を過ぎた辺り。正直子供が一人で出かけるには微妙な時間だけど行くしかない。はやてが一人で車椅子で外へ出かけていた時の事を思うと不安もある。あの頃はやては明るく「慣れればどうって事ないよ」って笑ってた。でも、私はそう言える自信はないから。

「…………だけど迷ってても仕方ないよね」

 自分を鼓舞するように呟いて、私は車椅子を動かした。向かう先は当然玄関。と、そこでふと視界に入る物があった。それは電話の近くに置かれた何枚かのチラシ。どれも共通するのはデリバリー可能なお店の物だって事ぐらいだ。と、そこでつい苦笑がこぼれた。

「はやても偶には手抜きしてたんだ」

 自分へあれこれ言い訳しながらチラシ片手に迷っているはやての姿を想像して、私は一人笑った。そしてふと気付けば、それが今日初めての心からの笑いだと思った。知らない内に気持ちが暗くなってたんだ、私。それをここにいないはやてに払拭してもらった気がして、そっと手を胸に当てて告げる。

「ありがとうはやて。やっぱりはやても優しいね」

 なのはとは違った優しさで私を支えてくれた親友の笑顔を思い出しながらお礼を述べてチラシを手に取る。ピザにカレー、パエリアなんて物まである。見てるだけでお腹が空くなぁ。ちょっと楽しくなりながら一人チラシ片手に唸る事数分。
 結局ピザにした。宅配はMサイズからって書いてあったので少し食べきれるか不安になったけど、空腹加減を考えると案外平気かもしれない。受話器を片手に持ってダイヤルする。その手が軽く緊張してるのは初めて同じ事をした時と同じ感覚がするからだろうな。

 懐かしさをどこかに感じつつ、私は電話越しに聞こえてきた声に何とも言えない安心感を覚えた。きっとはやてが宅配を偶に頼んだのはこれもあったんだろうね。夜に誰かと話が出来る。それがほんの僅かでもいい。他者の存在を感じたかったんじゃないかって。

「あ、えっとフェ……八神はやてって言います。番号は……」

 まず名前を聞かれたので答える。ううっ、うっかりフェイトって名乗りそうになったよ。続けて電話番号を告げると、店員さんの声が少しだけ柔らかくなった。あれ? 何で?

『はい、確認取れました。今月は注文するのが早いね、はやてちゃん。で、ご注文は前回と同じでいいのかな? サラダは今回どうする?』

「ええっと、今日は……」

 どうもはやての事を知ってるらしい。しかも結構親しいのか声が優しくて温かい。それが中年男性だからか、どこかお父さんのように感じられた。その他愛のない言葉がはやてを気遣ってるように聞こえて自分の事みたいに嬉しく思えてくる。
 きっとこれもはやての性格から出来た距離感だ。はやてはシグナム達がいない頃から自分なりに孤独と戦っていたんだね。そう思いつつ注文を告げた。そして合計金額と到着予定時間を教えてもらってもう電話も終わりだ。そう思った時……

―――それにしても今日は喋り方が違うね。

 そう言われた瞬間、私は重大な事を忘れていたと気付かされた。はやては喋り方に独特の節がある。それを私はすっかり忘れていた。

「あ、その、えっと……」

『あ、ちょっとごめんね。……分かった、今行くから。じゃ、ご注文確かに承りました。ありがとうございます』

 何か誤魔化そうとしたところで電話を切られた。少し小さく後ろから店長って呼ぶ声がして、途中で声が少し遠くなった時があったから今の人が店長さんなんだ。って、そうじゃなくて!

「ど、どうしよ!? 私、はやての喋り方なんて出来ないよ!」

 もしこれが明日も続くのならこれは大きな問題だ。下手になのは達と仲良くなっても、本当のはやてに戻った時に色々と疑われる事になる。な、何とか思い出してそれらしく喋ってみよう! えっと、まずは語尾からマネをしてみる。設定は宅配の人からピザを受け取る時かな。

「どうもご苦労様です。これ、お金です」

 ……駄目だよ!? 普通に話しても問題ないのはいいけど、これじゃ練習の意味がないから! あ、ならシグナムと話をしてる時のはやてを思い出してみよう。会話ならきっとはやてらしさが出せるはず。

「あのなぁシグナム。いつも言っとるけど、模擬戦に入れ込むんも大概にし。付き合うフェイトちゃんも大変なんや」

 …………これだ。これがはやての喋り方だ。えっと、ポイントは”や”とか”な”とかで終わらせる事かな? 細かい部分は無理だけど、こういう事を意識していれば本当のはやてに戻った時も違和感は少なくすむはず。
 でも何でだろ? どこかではやてに軽く怒られた気がする。私はそんな単純に表現出来るものじゃないって。もしこれがこの体のはやての声なら、心からごめんなさい。今の私にはこれぐらいしか表現出来ないんだ。

 それからしばらく私ははやての口調を練習した。テレビを見ながら突っ込んだりもしてみた。うーん、難しいな。なんでやねんって私には言い難いよ。そんな事をしてると来客を告げる音が鳴る。その時は宅配が来たんだとそう思った。

「はーい」

 少し大きめの声で返事をしながら玄関へ向かう。車椅子での移動も若干だけど慣れた。でもドアを開けるのだけは苦労した。これに慣れる事があるとしたら、ちょっと不味いかもしれない。それだけこの時間が続くって事だもんね。
 そんな事を考えながら何とか鍵を開けてドアを動かした先には予想通りピザの……え? 違う。そこには小さな女の子が立っていた。

「こ、こんばんは」

「な、なのは……?」

 しかも、今日は会えないなと思っていた親友が。どうしてだろう。この頃のなのはははやての家を知らないはずだ。それが自分から、しかもこんな時間に訪ねてくるなんてどうして? 混乱する私へなのはは驚いた顔を見せてこちらを指さした。

「嘘っ!? 何で名前知っとるんや? しかもその呼び方は……フェイトちゃんか?! どーなっとんや!?」

 機関銃のような怒涛の喋り。うん、なのはの声ではやての喋り方って凄い違和感だな。でも私は好きだよ、そんななのはも。…………って、そうじゃない! 今、私は何て思った!? どこからどう聞いてもなのはらしくない喋り方だったよね?!

「その喋り方はもしかしてはやて!? 何で?! なのははなのはじゃないの!?」

「それはこっちが聞きたい事や。……とにかく上がってもええかな? ご近所さんの目もあるし」

「う、うん。それと遠慮しなくてもいいよ。ここははやての家なんだし」

「……そうやけど、今はわたしなのはちゃんやし。ま、ええか。じゃ、えっと……お邪魔します?」

「あ、その、いらっしゃい……でいいのかな?」

 お互いにそう言い合って苦笑する。ああ、凄くほっとした。見た目はなのはだけど、この空気感は間違いなくはやてだ。そう思って私達は家の中へ入る。これが期せずしてもう一人の私達の未来を変える出来事に繋がると思わずに……





 室内に響くのは秒針が時を刻む音のみ。アルフさんは夕食を食べて少ししたら眠ってしまって、私は一人ベッドに座ってぼんやりと天井を眺めていた。プレシアさんが地球での滞在する事を考えてお金や寝る場所などを用意してくれてる。だから出発には時間がかかってたなんてね。フェイトちゃんがジュエルシードを探すのが遅れた理由が今日分かったよ。
 それを言われた時、私はフェイトちゃんがどうやって地球で生活していたのかを聞いてなかった事を思い出した。よくよく考えれば当然だ。フェイトちゃん達はこの時地球の通貨なんて持ってないし、頼れる相手もいない。それがあの事件の時はどうやって生活していたんだろうって思って当然なのに。

「……私、意外と抜けてたんだ」

 漠然と転送魔法を使ってるのかなと思ってた。でも、考えてみればそんな事してたら魔力を余計な事に使っちゃうもんね。普通は地球に部屋を見つけるか借りるかして過ごすよ。

「これ、プレシアさんなりのフェイトちゃんへの愛情……って事は言えないかな?」

 確かにジュエルシードを手に入れるために必要な事だし、効率とかを考えれば地球に滞在するのが一番だと思う。でも、もしプレシアさんがフェイトちゃんの事を本当に犠牲にしてもいいと思ってるなら、今日にでも出発させて用意出来次第寝る場所とかを教えればいい。
 その方が早くから探せるし見つけられる。でも、プレシアさんは私がすぐにでも地球に行きたいと言ったら、それを却下してそう返してきたんだもん。そこに希望を持つのは……駄目なのかな。今のプレシアさんが頼れるのはフェイトちゃんしかいないとはいえ、最低限の事はしようと見えるのは私の先入観?

「ジュエルシードをプレシアさんに渡す事は出来ない。でも、それをしないとプレシアさんを助ける事は出来ない」

 世界かプレシアさんか。そう問われれば私は世界を取らざるを得ない。きっと今のフェイトちゃんでもそう判断してくれるはず。でも、この頃のフェイトちゃんなら……答えは多分プレシアさんだ。この頃のフェイトちゃんが一番大切に思っていた相手だもんね。

 そんな時、ふと思い出す言葉があった。いつだって世界はこんなはずじゃない事ばかりだ。そう、あの時クロノ君が言った言葉。そこに沢山の想いを込めて放たれた、クロノ君なりの世界との付き合い方。
 私もそれに込められた意味には同感。自分の感傷に他人を巻き込んで不幸にするのは間違ってる。それでも、それでも動いてしまうのもきっと人間。クロノ君の言い分も人間らしいなら、プレシアさんの言い分も人間らしいと私は思うから。

 正直ジュエルシードでアリシアちゃんを助けられるとは思えない。アルハザードへ行けばそれが出来るってプレシアさんは信じてる。でも、例えそうだとしても私はこう尋ねたい。

「仮にアリシアちゃんを生き返す事が出来たとして、先にプレシアさんが死んだ時どうしますか? 生き返らせて欲しいと思いますか?」

 その答えは私には分からない。これが自分ならそんな事は望まない。ヴィヴィオは凄く泣いてくれるだろうし別れを惜しんでくれるだろうけどそこで納得してくれる。ユーノ君は静かに泣いてくれるだろうね。でも、きっとその涙に誰よりも深い気持ちを込めてくれるはず。
 フェイトちゃんもはやてちゃんもすずかちゃんもアリサちゃんもみんな同じだ。大切な人が死んだのなら涙が枯れるぐらい泣いてくれると思う。私はそれだけで十分だ。誰かが自分の死を悼んで、そして忘れずいてくれる。それだけで十分だよ。

 アリシアちゃんは多分喋れたとしても生き返らせてなんて言わないはずだよね。だって、それは生きてる人の勝手な決めつけなんだもん。死んだ事に対して後悔してるとか満足してるとかって、結局それが本当に分かるのは本人だけだから。
 プレシアさんはそこを忘れて……ううん、きっと気付かない振りをしてる。勝手にアリシアちゃんの気持ちをそう決めつけて、自分が望む事が相手の望む事だって言い聞かせてる。誰も死にたくないって思うからそうに違いないって言い張って。

「プレシアさん。親なら……子供の幸せを自分勝手に決めつける事はいけない事じゃないですか?」

 昔の私なら言えない事。でも、ヴィヴィオを引き取ると決めた今の私なら言える。プレシアさんの行動はアリシアちゃんの事を思ってのものじゃない。それは自分を一番に考えた行動だって。大事な娘を亡くした辛さは……共感出来る。あの六課襲撃の後、崩れ落ちた隊舎でヴィヴィオの持ってたウサギのぬいぐるみを見つけた時、私も目の前が真っ暗になったから。
 あれの何倍も何十倍も上の苦しさや悲しさをプレシアさんは感じたはず。ううん、それ以上かもしれない。自分のミスで子供を苦しめた。或いは死なせた。それは言葉なんかじゃ言い表せないものがあるんだから。

 それとこうも思うんだ。もしアリシアちゃんが死んだ時の事を覚えてるとしたら、生き返った事を喜べないんじゃないかって。だって、また死ぬ事を経験しなきゃいけない。確かにその時の死に方が同じものになる可能性は低いから何とも言えないけど、同じ苦しみを味わうかもしれないって考えてもおかしくない。
 それってアリシアちゃんの幸せなのかな? また死の苦しみを体験するかもしれないって怯えるかもしれないのに。プレシアさんはそういう可能性は考えなかったのかな? それとも、都合の悪い事は全部思考から排除してるのかな?

「プレシアさんへいつか言わないと。アリシアちゃんの事を受け止めて前を向いていかないと駄目だって。だって、その亡くなった人が一番嫌がるのは……」

 そこで一旦深呼吸。これは自分へ言い聞かせてる部分もある。仮に自分もヴィヴィオを同じような状況で亡くしたとしても、あの子が笑いかけてくれる自分であり続けるために。

―――自分の事を理由にして、現実から逃げる事だから……




作者のつぶやき
海鳴ではフェイトとはやてが合流。一方なのはは、母となったが故にプレシアへの共感とそれに対する自分なりの答えを出すって感じです。
ありだと言ってくれた方、感謝です。ぼちぼち気の向くまま続けていきますので応援してくれると嬉しいです。


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