空白期予告編
「わざわざレムリア都市連合物語アップしてくださって、ありがとうございます~ 実はウチの知り合いにグレアムおじさんいるんですよ~ すごい偶然やな~ 」
それは、愛を求める男と希望がすべての女といまだ勇気の意味を知らない女の子の物語。
と
ごくふつうの小学3年生だった女の子の物語
闇の書事件に向けて俺たちは進み続ける。ヴォルケンリッターを撃退し、蒐集から逃れるために。
「希のリンカーコアが限界まで消耗した場合、私たちがどうなるかわかる? 」
これが俺たちがこの検査を受けた理由である。想定しているのは最悪の事態で闇の書に蒐集された場合を考えている。
「えっとね。カナコちゃんと陽一君の本体は意志を持った魔力といえばいいのかな? 希ちゃんのリンカーコアから発する魔力を糧に存在してる。魔力の流れを見る限り、構成を維持する魔力はそんなに必要としないけど、リンカーコアが限界まで消耗してた場合、希ちゃんからの魔力の供給が一時的に途絶えてしまうの。しばらくは持つみたいだからおとなしくしていれば大丈夫だけど、無茶をすると消えてしまうかもしれない」
「消耗した希から強制的に吸収し続けることはあり得る? 」
真剣な声だ恐らくこれを一番心配しているのだろう。リンカーコアからの蒐集は下手をすれば命に関わる。
「わからない。でも可能性はあるよ」
カナコとエイミィさんのやりとりは続く。結局どうなるかはっきりしたことはわからなかった。ただし楽観はできないことだけは確かである。
結論として封印を解放し、希ちゃんがトラウマを克服し、ヴォルケンリッターを退けるしか俺たちに道はないということだろう。
そう。俺たちはやるしかない。しかし、思いもよらない邪魔が入る。
「ママを返せ」
強烈な怨念の感情を向けられ、たじろぐ。首の圧力はますます強くなり骨が軋むような音を立てる。
たとえ何者だろうと俺たちの道をふさぐことはできない。
修行。修行。修行だ!
「希ちゃん、何してるの? 」
「何って、体を鍛えているんだよ。これは鶴の構え」
両手を羽のように広げ、左足を持ち上げ片足立ちする。
「踊ってるみたいだね? 」
「恭也さんや美由希さんに聞いてみればわかるかも」
手段を選ぶつもりはない。
「竜の一族とはどんな方たちなんですか? 」
「そうだな。まず世界で竜から取れる漢方を手配できる唯一の窓口で、君の持ってた竜の髭はここから供給されたものだ。ブータン産・国竜の両髭・幼年期生え替わり部分500年モノと聞いてる」
何その専門用語、なんで特産品みたいなってるの。だいたい竜ってこの世界にいるものなのか?
新たにわかる真実。
「おじいちゃん、私たちにはどうしてこうなったか知る権利があると思う。話してくれないでしょうか? 」
「すまんのぅ 希、おまえに話すにはまだ早い。おまえが大きくなったら、ちゃんと教えるから、今は聞かないでくれないか」
うごめくものたち。
管理外世界航海日誌に目を通す。レーダーに未確認飛行物体が観測されている。多くは現地のものと考えられるが、一部は音速をはるかに超えるスピードで、ジグザク飛行をしている。形状は円形、現地の飛行物体データと照合しても逸脱した形と飛行性能をしている。魔力反応もある。現地データ収集不足かあまり考えたくはないが次元犯罪者が介入しているのかもしれない。
過去の罪との再会。
すずかが心配して声をかけてくれるが耳に入らない。あの●●の声も同じだ。どこか遠い所から響くように聞こえる。こうして自分の犯した罪に直面させられるとは思わなかった。あんな●になったのはおまえのせいだと責め立てる。
ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。
贖えない黒い衝動。
今日は初めてさざなみ寮に行っていろいろ疲れた。玄関のドアを開けていつものように声を出す。
「ただいま~ 」
あれっ!? いつもある返事がない。前にもこんなことはあった。でも今日はちゃんと送り出してもらったし、夕食にオムレツをリクエストしたからおかーさんは張り切っていた。不審に思いながらもキッチンへ向かう。廊下から食欲をそそる油の匂いと何か炒める音がする。
なんだいるじゃん! おかーさんたまに耳に入らないことがあるからな~ キッチンの扉を開ける。
「ただいま~ ……………………おかーさん?」
思いもよらない光景に目の前が真っ白になる。理解が追いつかない。食材は散乱し、その中に百合子さんは倒れていた。白いエプロンと床は真っ赤に染まっている。赤い包丁が床に刺さり鈍い光を放っていた。
ドクンッと俺の中の何かが鼓動を打つ。それは遠く忘却の彼方へ追いやった忌まわしい記憶を呼び覚ますものだった。
絶望の始まり。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ 」
俺はかつてない喪失感に喉を振り絞って慟哭の雄叫びを上げる。ガラスの割れるような音がしたけど気にならない。
そして封印解放を迎える。
会いたかった。会いたかった。会いたかったイエイ!
昔、そんなアイドルがいたよな? それとも、西野かな?
焦がれて、焦がれて、燃え尽きそうだよ。
さあ今こそ●●のときが来た。
魔法少女リリカルなのはと魔法少女トラウマのぞみん始まります。
作者コメント
空白期の予告編です。As始まってません。As楽しみにしてる方ごめんなさい。キンクリも考えましたがこうなりました。はやてたちとフェイトの出番は作る予定。
予告編は今回も悪質です。使った台詞はちゃんと回収しますよ。