<このWebサイトはアフィリエイト広告を使用しています。> SS投稿掲示板

とらハSS投稿掲示板


[広告]


No.27519の一覧
[0] 転生妄想症候群 リリカルなのは(転生オリ主TS原作知識アリ)【空白期終了】[きぐなす](2013/11/24 21:34)
[1] 第一話 目が覚めて[きぐなす](2011/10/30 12:39)
[2] 第二話 ファーストコンタクト[きぐなす](2011/10/30 12:46)
[3] 外伝 レターオブ・アトランティス・ファイナルウォリアー[きぐなす](2011/11/27 11:19)
[4] 外伝2 真・ゼロ話[きぐなす](2012/01/06 18:20)
[5] 第三話 好感度イベント 三連投[きぐなす](2011/05/25 18:56)
[6] 第四話 裏返る世界[きぐなす](2011/05/06 00:33)
[7] 第五話 希とカナコの世界[きぐなす](2011/05/25 18:57)
[8] 第六話 入学式前の職員会議[きぐなす](2011/05/25 21:56)
[9] 第七話 ともだち[きぐなす](2011/05/09 01:17)
[10] 第八話 なのはちゃんのにっき風[きぐなす](2011/05/08 10:13)
[11] 第九話 シンクロイベント2[きぐなす](2011/05/25 19:05)
[12] 無印前までの人物表[きぐなす](2011/05/09 21:24)
[13] 無印予告編 アトランティス最終戦士とシンクロ魔法少女たち[きぐなす](2011/05/13 17:58)
[14] 第十話 いんたーみっしょん[きぐなす](2011/05/12 20:38)
[15] 第十一話 シンクロ魔法少女ならぬ○○少女?[きぐなす](2011/05/15 10:56)
[16] 第十二話 ないしょのかなこさん[きぐなす](2011/05/16 21:30)
[17] 第十三話 魔力測定と魔法訓練[きぐなす](2011/05/20 07:54)
[18] 第十四話 初戦[きぐなす](2011/05/28 11:40)
[19] 第十五話 やっぱりないしょのかなこさん[きぐなす](2011/05/28 13:40)
[20] 第十六話 ドッジボールとカミノチカラ[きぐなす](2011/06/01 21:14)
[21] 第十七話 アリサと温泉とカミ[きぐなす](2011/06/03 18:49)
[22] 第十八話 テスタロッサ視点[きぐなす](2011/06/05 14:04)
[23] 第十九話 フェイト再び[きぐなす](2011/06/12 01:35)
[24] 第十九・五話 プレシア交渉             23/7/4 投稿[きぐなす](2011/07/04 10:26)
[25] 第二十話 デバイス命名と管理局のみなさん[きぐなす](2011/06/12 15:20)
[26] 第二十一話 アサノヨイチ[きぐなす](2011/06/15 10:50)
[27] 外伝3 おにいちゃんのお葬式[きぐなす](2011/06/25 12:59)
[28] 第二十二話 猛毒の真実 [きぐなす](2011/07/03 23:20)
[29] 第二十三話 悪霊[きぐなす](2011/07/04 13:50)
[30] 第二十四話 おにいちゃんとわたし ……おかーさん[きぐなす](2011/07/10 06:51)
[31] 第二十五話 浅野陽一のすべて[きぐなす](2011/07/17 19:15)
[32] 第二十六話 復活と再会 [きぐなす](2011/07/24 15:55)
[33] 第二十七話 再び管理局と女の友情[きぐなす](2011/08/11 19:20)
[34] 第二十八話 三位一体[きぐなす](2011/08/11 19:10)
[35] 第二十九話 すれ違いの親子[きぐなす](2011/08/11 20:38)
[36] 第三十話 眠り姫のキス[きぐなす](2011/08/20 21:51)
[37] 第三十一話 次の戦いに向けて[きぐなす](2011/08/29 17:50)
[38] 外伝4 西園冬彦のカルテ [きぐなす](2012/03/30 00:12)
[39] 無印終了までの歩みと人物表及びスキル設定[きぐなす](2012/03/29 23:49)
[41] 空白期予告編 [きぐなす](2012/04/03 00:34)
[42] 第三十二話 アースラの出来事 前編 [きぐなす](2012/04/07 19:33)
[43] 第三十三話 アースラの出来事 後編 [きぐなす](2012/04/17 22:13)
[44] 第三十四話 梅雨の少女とさざなみ寮[きぐなす](2012/05/05 18:58)
[45] 第三十五話 わかめスープと竜の一族[きぐなす](2012/05/12 00:36)
[46] 第三十六話 見えない悪意と魔法少女始まるよっ![きぐなす](2012/05/20 15:50)
[47] 第三十七話 アトランティスの叫び 前編[きぐなす](2012/05/29 17:34)
[48] 第三十八話 アトランティスの叫び 後編[きぐなす](2012/06/07 00:32)
[49] 第三十九話 幽霊少女リターンズ[きぐなす](2012/07/11 00:38)
[50] 第四十話 暗躍と交渉、お泊まり会 [きぐなす](2012/09/02 23:51)
[51] 第四十一話 トラウマクエスト そして最終伝説へ… 前編[きぐなす](2012/12/01 14:37)
[52] 第四十二話 トラウマクエスト そして最終伝説へ… 後編[きぐなす](2013/03/09 22:08)
[53] 第四十三話 暴走と愛憎の果てに行き着いた先 前編[きぐなす](2013/04/07 22:40)
[54] 第四十四話 暴走と愛憎の果てに行き着いた先 後編[きぐなす](2013/05/25 14:36)
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

[27519] 第二十話 デバイス命名と管理局のみなさん
Name: きぐなす◆bf1bf6de ID:142fb558 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/06/12 15:20
第二十話 デバイス命名と管理局のみなさん




授業中、カナコに話しかける。

(なあ、カナコ? )

(なによ? カナコさんは働きづめで疲れているの。話しかけないでよ)

(そうか図書館の仕事もあるもんな)

(まあそうだけど、最近はここでの仕事減っているのよ。シンクロイベントさまさまよ、本の編纂もしなくていいし、おかげで最近、黒い影も大人しいしね)

(なあ、黒い影っていったいどういう存在なんだ? )

(そうね、希の負の感情の集まりで悪夢そのものよ。私が封印している希の黒い記憶の本から染み出してきて、封印を破ろうとするんだけど、トラウマ発動で問答無用で強力なものが出現するわ。致命的な存在にはならないけど、希が向き合いたくない過去と直面するから、気力を削られて、復帰が遅れることになる。煩わしいのは確かね)

(希ちゃんが立ち直るのは、どのくらいかかりそうなんだ? )

(まだまだね。ニートだからあの子。まず、自分の部屋から出てここに来るようにならないとね。気力はだいぶ回復するようになったわ。次に過去とちゃんと向き合って受け入れること。あの子は忘れることはできないけど、私のちからで今は思いだしにくい状態にしてるの。寝ているときはほとんどシャットアウトできているはず、黒い記憶の本の封印の話はそこに繋がるの。気力が十分回復してから少しずつ過去と向き合って、受け入れていくの。それから社会復帰を目指すの。時間がかかるわ。まず間違いなく闇の書事件とは遭遇するわね)

なんというかすごいなカナコは、比べたら絶対に怒るだろうがおかーさんと同じくらい希ちゃんのことを考えている。甘やかすだけじゃなくて、ちゃんと先を見つめている。







……ん!? 記憶を封印している? いやいや考えすぎだろう。俺は今カナコに対して疑いが浮かんだが、振り払う。俺は会話を続ける。

(だから、自衛手段のためにデバイスを手に入れたのか。もしかしてこれか? )

俺は首にかけれられた黒い十字架を弄ぶ。なんというか俺の熱い心を刺激してやまない。

(そうよ。今回の成果のひとつね。そういえば名前はまだ決めてないの)

(俺が決めて良い? )

(参考にするわ)

(イマジンブレイカーはどうだ? )

幻想をぶっ壊す。

(どこの長説教のフラグ乱立男よ)

(おまえ知ってるじゃね~か)

(さあね、なんの事かしら? それから同じ名前はいただけないわ。私の美学が許さない)

(どんな美学だよ? )

(そうね、黒い十字架だし、これならどうかしら? )

(聞いちゃいねーよこの人、何だよ?)

(ルキフェル)

(おまえ、そのネタ好きだな。却下)

(ハーケンクロイツ)

(厳密に言えば、形が違うし、どっかの団体さんが見てるかもしれないからダメ)

(マツバラ)

(何のネタかわかんねーよ、却下)

(ぜいたくね。じゃあ最初のイマジンブレイカーのイマジンをもらって、このままじゃ某有名ソングのタイトルそのままだから「想像してごらん」になっちゃうから)

(どうする気だよ? )

(少し呼び方変えて『イマジナリー』にするわ)

(おっ ……かっこいいじゃん。響きもいいな)

(でも何でワンフレーズなんだ? )

カナコがよくぞ聞いてくれましたとばかりに答える。

(だって将来ベルカ式に改造したとき、エクセリオンとかアサルトってつけたいじゃない)

(おまえ天才、マジ天才)

やるなカナコ!! エクセレント! 俺たちは盛り上がっていた。

(そういえば、プレシアどうなったんだ? )

(結論を言えば、研究は進んだけど、後一歩足りなかった。結局時間が足りないからジュエルシード集めに戻ったみたい。私の方はデバイスも含めて、成果は上々よ。余計なものがついてきたけどね)

(余計なもの? )

(そのうちね。それから、プレシアとはいくつか約束したことがあるから、管理局にプレシアの目的を教えないこと、ジュエルシードには手を出さないことよ)

(じゃあ、静観ってことか)

(まあ基本はそうね、管理局とは接触するけど、多分なのは達が会ってから、向こうから接触してくるばすよ)

(なんで? )

(それはもちろん、私が将来有望な魔導師で、しかも、ジュエルシード事件の主犯に一度誘拐されてる。私はジュエルシードと交換のため人質に利用されただけのかわいそうな犠牲者ってこと、誘拐について知りたがるはずだもの)

(ジュエルシードと交換? )

(私から提案したの? 用事は済んだけど、あのままじゃ帰してくれそうになかったしね)

(悪い奴だな。なのは様頑張って集めたのに)

(どうせふたりの決闘で全部賭けるのだから一緒でしょ? ちなみに私はフェイトの家に遊びに行って、泊まって帰ってきた。別の場所で解放されて取引自体は知らないから。なのはとユーノはそう思ってるはずよ)

(どこの詐欺師だよ。全く)

(あなたのやり口よ。参考にさせてもらった)

失礼なこと言うな。カナコは続ける。




(それに、どうあがいても物語の結末は変わらないわ。計画は失敗してプレシアはアリシアの亡骸を抱えたまま、時空に消えて、フェイトは報われなかった想いを抱えながらも、なのはと結んだ新しい絆を胸に生きていくんだわ。そういうふうになっているの)

(どうにかできないもんかね~ )

(私なりにプレシアを説得したけど、聞く耳はなかったわ。彼女の寿命は私たちではどうしようもないし、せめてフェイトに親として何かして欲しくて、私なりにアプローチするのが精一杯だったわ)

(珍しいな。カナコが希ちゃん以外でいろいろ動くのは)

(個人的な感傷よ。それから、交渉の上では時間を盾にしてこっちが優位だったから、プレシアで遊んだだけよ。勝手に連れてかれてムカついてたのよ)

何したんだよカナコさん。怖え~~~

管理局はどうするつもりだろうか? 聞いてみよう。

(闇の書事件のために今からコネを作っとく。それから、イマジナリーは置いていきなさい。出所を怪しまれるから。できれば管理局にもデバイスを用意させましょう。
他の目標はジュエルシード事件のあとになるけど、クロノに師事したいわ。今のところ最強だし、戦闘スタイルが参考になるはず、一度くらいはミッドに行くことも目標にしましょう)


クロノに目を付けるあたりはカナコらしい。
デバイスはうしろめたいことあるし念のためだな。待てよ!? デバイスの件は何とかできるかもしれない。

(他にはあるか? )

(最終決戦には参加するわ。イマジナリーは持っていけないからデバイスは何とかしてね)

(おいおい、危険には参加しないんじゃなかったのか? )

俺的には賛成と言いたいが、カナコが言うと違和感がある。

(これから先、実戦でデバイス使う機会が少ないからよ。主要な人間はみんな出るから、私がこっそり出るのは簡単だし、とがめる人間はいないわ。私たちは人形相手に戦っていればいい。少しでもデバイスを使った実戦経験積まないとね。あなたにも私とシンクロして出てもらうから。試したいことがあるのよ。まだはっきり見えたわけじゃないけど、私たちは三人が連携することでヴォルケンリッターに迫る力を発揮できると考えてるの。
でも、デバイスが手に入らなかったらあきらめるわ。あとはほんの野暮用よ。じゃあまたね。眠いわ)

そういうとカナコは引っ込む。それから、管理局が接触してきたのは、二日後だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、私はアースラの中にいる。


うおおおおーリアルSFだ。かっけーーーー

案内役はクロノだ。苦笑いしながらこっちを見てる。

(すごい、すご~い)

気分は観光客である。希ちゃんもシンクロしているが、リンディ提督が見えたとたん




(ぴぎゃああああーーーーー)

と悲鳴をあげて逃げてしまった。この人のプレッシャーも並じゃねぇな。でも、なのは様やユーノ君がある程度話してくれているのか。少し離れたところで通信を通して話しかけてくる。

「リンディ提督、プレシア・テスタロッサに誘拐された少女を連れて来ました。」

「ありがとう、クロノ」

「さて、初めまして、雨宮さん、私はこの船アースラの艦長でリンディといいます。よろしくね」

モニター越しだったが、その笑顔はすさまじく、いきなり突風が吹いたようなプレッシャーを感じた。この女さすがだ。美人だし。

「艦長さん? じゃあ一番偉い人なんだ」

私は希モードに切り替わる。おかーさんとの会話の成果だ。無垢な子供を演じるなどたやすい。

「そうよ。それでね。雨宮さんはフェイトさんの家に遊びに行ったことがあるでしょう? その話を聞かせて欲しいの? 」

やるなリンディ、すぐさま会話からこちらの精神年齢を予測して話のレベルを合わせてくるとは、さすが歴戦の提督。

「でも、プレシアさんから家のこと話しちゃダメだって言われてるの」

「プレシアさん? そうなの? でもね、プレシアさんはもしかしたら、お巡りさんに捕まるような悪いことをしてるかもしれないの。だから教えてくれないないかな? 」

「プレシアさんは悪くないもん!!」

私は子供っぽく頬を膨らませて大きな声で怒る。リンディ提督は少し驚いたようだったが、すぐに元の表情に戻る。

「そうねごめんなさい。私が言い方が悪かったわね。雨宮さん、私たちはただプレシアさんの疑いを晴らしたいだけなのよ。なにもなかったらそれが一番なの」

「だってプレシアさんは良い人だよ、私が大人の女の人が怖いこと知ってちゃんと離れてくれたし、私にデバイスを作って ……あっ」

私はしまったとばかりに下をむく。無論演技である。リンディの目が少し鋭くなる。

「デバイス? 雨宮さん怒らないから、そのことを話してくれない? 」

かかった。私は内心は喜びながら、悪いことをしてばれた子供のように言いづらそうな顔をする。

「その、私、どうしてもなのはちゃんみたいになりたくて、そしたら、プレシアさんが私に作ってくれるって言ってくれて、その代わり私の力を借りたいんだって」

「作ってもらったのね。雨宮さん」

「……はい」

リンディさんはため息をつく、次の表情は少し怒っているようだ。私に諭すように言う。

「雨宮さん、デバイスはおもちゃではありません。使い方を誤ると大変なことになります。よってこちらで少し預かります」

やはりな、続きがあるはずだ。

「そんな~ せっかく作ってもらったのに、取るなんてずるい~、わ~~ん」

私は子供のように泣く。リンディはやれやれといった顔で

「泣かないで、大丈夫よ。雨宮さん。少し預かるだけだから、調べたらちゃんと返します。でも、雨宮さんが正しく使えるように先生をつけますからね」

これを機会にこちらを引き込もうとしてくるとは思っていたが、予想外の収穫だ、利用させてもらおう。

「先生? 」

「そうよ、先生、後で魔力も調べてもらいましょう」

「そっかーじゃあ、このお兄さんがいいです」

そう言ってクロノを腕を掴む。

「ええっーーー私か? 」

「だって男の人だし、怖くないもん。それに、強そうだし」

「参ったな。艦長~」

クロノは艦長に救いを求める。

「もてるわね、クロノ君」

エイミィが囃してる

「からかうなよ。エイミィ、艦長も何とか言ってください。」

リンディは少し考えて、クロノに命令する。

「クロノ執務官、お願いするわ」

「本気ですか? 艦長」

「ええそうよ。時間はなんとか工面します」

よしっ! やった。これでデバイスを怪しまれずに使えるし、管理局とのつながりができた。リンディさんは子供には甘いところがあるから、なんとかなりそうだとはおもったけどうまくいったな。

(クロノの魔力を記録できたわ。それから、悪魔じみてるわねあなた)

カナコが失礼なことを言う。

(なんだよ。せっかくイマジナリーを怪しまれずに使えるし、管理局とつながり、クロノに約束を取り付けたのにそんな言い方はないだろ)

(褒めてるのよ。いや違うわね、恐れているのかも)

(恐れている? )

(私ではこんな状況に持っていくことはできなかったわ。希だってそうよ。あなたは私や希の能力を超えている。そんなのありえない。不完全にも関わらずね)

(不完全? それにありえないってちょっと傲慢じゃありませんかカナコ~ )



この天狗オンナ許さない。

(そうね。少し考えればわかるわよね。ごめんさない。あなたにできることが私や希にできないはずないわよね。ただしないだけもの)

そっちかよ。どこまで鼻が長いんだコイツは、一度ひんむいてヒイヒイ言わせちゃたる。子供には見せられない18禁ライブ中継を……










あれっ!? 言葉として知ってるけど、実際の行為ってどうするんだ? もしかして俺、アトランティスの最終戦士ならぬアトランティスの最終魔法使いだったり…… 





俺は回想する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


夢を見ている。六畳程のくらいの部屋にふたりの影が座っている。
ひとりは女の子の影だ、背格好からまだ幼い、もうひとつは自分であることはわかる、女の子の影に何かせがまれているようだ。


「ねえ、おにいちゃん何かおはなしして」

「そうだなぁ、ここにある絵本は読んでじゃったし…」

「魔法を使う女の子の絵本は? 」

「あれは続きがまだなんだよ。近いうちにできるからね、次回はえーすの闇の書 覚醒だったかな? 」

「う~ん」

「そうだ、実は…僕には秘密があるんだ。このことは誰にも言ったらだめだよ」

俺は少しもったいつけて話す、こういうことは前置きが大事なのだ。

「はいっ、誰にも言いません」

女の子は神妙な顔でうなづく。うん、いい感じだ。

「実は僕は今年で25歳で魔法使いになるんだ」

「許されるのは小学生までだよ~ キャハハハ」

女の子は軽蔑したようだ。こ、子供らしい勘違いで微笑ましい。

「ち、違うんだ。絵本の女の子なのは様と最初に出会う物語でね、実は…僕はいや……俺はアトランティスの最終魔法使いジークフリードなんだ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

イヤすぎる。自分でダメージ受けてどうする? トリップしていた俺などおかまいなしにカナコは声をかけてきた。

(とにかくあなたの完成が楽しみになってきたわ。向こうの話も終わったみたいよ。続けて)

カナコの言葉が気にかかるが、私は再びリンディ達に意識を向ける。

「では雨宮さん、クロノ執務官は忙しい方です。その時間を割いてもらえるのだから、できる限り協力して欲しいの」

そう来たか。

「う~~ん、わかった、でも、プレシアさんの目的だけはどうしても教えられないの、他のことだったらいいよ」

「どうしても? 」

「うん ……だってとても悲しいから」

私は目を伏せて下を向く。

「悲しい? 」

「そう、悲しくて悲しくて、どうしようもなくてプレシアさんは泣いているの」

これは嘘ではない、私なりにプレシアのことを考えた答えだ。頭にいいリンディさんなら引き際は心得ているはずだ。

「わかったわ。雨宮さん、プレシアさんの目的については聞かないと約束します。後でクロノ執務官にお話してください。それから、魔力を見てもらってね」

リンディさんはわかってくれたようだ。








その後、私はクロノ執務官に質問されて、魔力測定を受けた。エイミィさんがモニターから話しかけてきた、どうやら結果が出たようだ。

「すごいね希ちゃん、推定魔力AAAクラスだよ。なのはちゃんといい、フェイトちゃんといい、逸材だらけだね。それから、希ちゃんは魔力の波長が激しくて安定してない。 ……めずらしいケースだよ。それから頭部に付着してる魔力があったんだけど、高密度の情報が混入してたから、分析してみたの。そしたらある映像が出たの。希ちゃん見覚えあるかな? 」


映像? なんのことだ? 映像が映し出される。そこに写っていたのは見慣れた光景だった。右に本棚、左に人形の棚、正面には暗い闇が広がっている、そしてアンティークの机とイスにカナコが腰掛けてお茶を飲んでいる姿が映し出されている。



「あっ、カナコ」

「「「カナコ?」」」

しまった言っちゃった。聞き覚えのない名前になのはちゃんとユーノ君とクロノはいっせいにハモる。

(どうすんのよ? )

カナコの声が聞こえた。

(落ち着けカナコ、これは大した問題じゃない)

(そうだけど、説明がめんどくさいわね)

(ユーノ君は一度おまえと会っているよな。そして、自分のことは口止めした。だったら任せろ)

私はニッコリ微笑んで答える。

「カナコは私の大切な友達よ。いつもは夢の中で会うんだけど、たまに、私になっていろいろやってくれるの。プレシアさんのときも怖がっている私を庇ってくれたんだよ。ユーノ君は会ったことあるんでしょう? 」

「えっ!? ……うん」

「カナコ私のことしゃべっていいって」

「そうなの」

「へへへっ ……カナコはすごく強いんだよ、初めての戦いでフェイトちゃんを追いつめたんだから。魔法の物まねとかとても上手いの。なのはちゃんは知らなかったよね」

「うん……」

なのは様は戸惑っているようだ。

「カナコね、なのはちゃんすごく褒めたよ。外では一番の友達だって一度お話したいって言ってたよ」

「そうなんだ。ありがとう」

「…………まさか!? 多重人格障害? 」




リンディさんは何か変なこと言ってるけど、なんだろう? よく聞こえなかった。

それに空気変だな。無邪気な子供を演出しているんだけど、なんか葬式みたいだ。皆の顔が戸惑っている。私なんかやっちゃったかな?

(あなた頭がおかしい子だと思われてるわよ)

カナコがあきれた様子で言っていたが、無視する。


おーーーーーーーーい、みんなーーーーーー私はここだよ。


リンディさんはどこかに連絡を取ると、白衣のにこやかな顔をした初老のおじさんが「少しお話しようか」と言って手を引いていく。



先生おはなしするならなのは様がいいです。




作者コメント

また来週、修正とレスはそのときに


前を表示する / 次を表示する
感想掲示板 全件表示 作者メニュー サイトTOP 掲示板TOP 捜索掲示板 メイン掲示板

SS-BBS SCRIPT for CONTRIBUTION --- Scratched by MAI
0.04577112197876