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No.19758の一覧
[0] オリ主ってなんだ?【ネタ系・短編連作】[芳乃義之](2012/08/13 20:41)
[1] 無印編[芳乃義之](2010/06/22 22:32)
[2] As編[芳乃義之](2010/06/22 22:37)
[3] sts編(多分15禁)[芳乃義之](2010/06/22 22:49)
[4] このSSにおける時系列[芳乃義之](2010/07/25 20:37)
[5] 事件ファイル[芳乃義之](2010/06/28 18:30)
[6] 人物紹介[芳乃義之](2010/07/31 08:12)
[7] その他[芳乃義之](2010/07/27 06:41)
[8] 勘違いマテリアル編[芳乃義之](2010/06/23 19:52)
[9] 仁義なき星光戦争編[芳乃義之](2010/06/25 19:58)
[10] アインハルト・ストラトス取材編[芳乃義之](2010/06/24 19:34)
[11] 女こまし編[芳乃義之](2010/06/25 19:31)
[12] 涙のホームラン編[芳乃義之](2010/06/25 19:56)
[13] 姉妹談義編[芳乃義之](2010/06/28 18:39)
[14] 少女達との出会い編[芳乃義之](2010/06/30 19:52)
[15] ティアナ撃墜編[芳乃義之](2010/07/01 20:31)
[16] ナオト・タカサキ取材編[芳乃義之](2010/07/01 20:30)
[17] 月明かりのアリシア編[芳乃義之](2010/07/02 23:06)
[18] 七夕編[芳乃義之](2010/07/07 22:11)
[19] ねこさんパンツァー開発秘話編[芳乃義之](2010/07/08 18:36)
[20] 幼馴染ズ+1お出掛け編[芳乃義之](2010/07/09 07:11)
[21] 姉妹の契り編[芳乃義之](2010/07/11 21:47)
[22] 砲撃ヒロインズ談義編[芳乃義之](2010/07/12 22:45)
[23] 修学旅行編[芳乃義之](2010/07/15 17:45)
[31] 八神はやての反逆編[芳乃義之](2010/07/22 22:38)
[32] 高町家頂上決戦編[芳乃義之](2010/07/27 06:32)
[33] 運命との出会い編[芳乃義之](2010/07/25 20:37)
[34] 血塗れの星光戦争編[芳乃義之](2010/07/31 00:52)
[35] 始まりは突然に編[芳乃義之](2012/08/13 20:41)
[36] 結婚準備編(New)[芳乃義之](2012/08/14 12:33)
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[19758] 無印編
Name: 芳乃義之◆a9a5e664 ID:5215dd41 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/06/22 22:32


「お母さんなんてだいっ嫌いッ!!」


 アリシアのその言葉が時の庭園に響く。


 あっ、プレシアさんがorzった。


「いこっ、フェイト!!」


「えっ、でも母さんが……」


「いいの!」


 そう言ってフェイトの手を取って玉座の間を出て行くアリシア。


「あぁ、アリシアに嫌いって言われた、死のう……」


「いやいや早まったら駄目だから!!」


 今にも自殺しそうなプレシアさんを俺は慌てて止めた。










 さて、俺――― ナオト・タカサキはいわゆる転生者である。


 まぁ、そうは言っても特別秀でた点はない、ちょっとだけ魔法が使える程度である。


 むしろ俺の周りがおかしい。


 例えば20年以上生きているはずの俺より知識がある幼馴染(×2)とか。


 例えば魔法で身体強化しているはずなのにそれより上を行くちょっと大人しいクラスメイトの子とか。


 例えば小学生の癖してテスト全て100点の金髪とか。俺でもそれは無理だよこんちくしょう。


 例えば「ナオ君?ふっゴミなの」とか笑って言い飛ばせるような魔力量を持ったチートとか。


 おかしい、世界はこんなはずじゃなかったのに。


 まぁ、今は側にいない幼馴染の片割れはコーディネイターだからしょうがないけど。


 超高校生級ならぬ超小学生級が並んでいるのである。


 泣きたい。


 オリ主ってなんだ?


 さて、そんな平々凡々な俺だが歩く死亡フラグな幼馴染な所為で早速酷い目に遭った。


 具体的にはヒュードラの事故に巻き込まれました。


 うん、ごめん忘れてた。アリシアが歩く死亡フラグなのを。


 事故に巻き込まれて虚数空間に落っことされ、海鳴に流れ着きました。


 えっ、ちょっと待って、ごめん俺にも訳分からない。


 ちなみに落としたのはアリシ……Aという幼馴染な。


 あいつ俺のデバイスねこさんパンツァーを掴んで俺を巻き添えにして一緒に落ちたんだぞ、信じられるか?


 海鳴に流れ着いて色々大変だったが、それは置いておく。


 話したくないのは決してなのはさまにねこさんパンツァーの名前の由来をうっかり喋ったからではない。


 いや、ねこさんパンツァー向けないで、駄目、そんなでっかくてぶっといの耐えられない、「ナオ君、少し頭ひやそ」いやぁぁあああぁぁぁぁあああぁぁあ!!!


 ……ちょっとトラウマが刺激されたけどとにかく。


 まぁ海鳴での生活ではうっかりなのはさまに魔法バレして教える羽目になったぐらいだし、うん。


 アリシアと海鳴での新生活を波乱万丈、うん波乱万丈に暮らしていると原作通りジュエルシードが落ちました。


 まぁ、なのはさまに先生(といっても教えて三時間で逆に教わるほどだったが。このチートめ)をしていた俺も手伝っていた。


 途中まであー原作通りかーとか何とか思ってたらフェイトに親しげに声を掛けられました。


 …………は?


 しかも「久し振りだね」とか「元気だった?」とかまるで再会した友達のような馴れ馴れしさ。


 俺の思考をぶっちぎったフェイト空間に丸々記憶の空白が生まれました。


 で、昨日フェイトは再び姿を現し「母さんがナオトに会いたいだって」とか言われました。


 ま、まぁプレシアさんとは以前何度かお世話になったし、と付いて行くと「久し振りね」と時の庭園でそう言われました。


 その際にアリシアが生きていることを知ったプレシアさんは喜び、再会したの、だが。


 フェイトへの仕打ちを知ったアリシアぶち切れました。


 それがさきほどの出来事である。


 以上ダイジェストでお送りしました。






「アリシア……どうして……」


 うわ言のように呟くプレシアさん。


 とりあえず自殺は思い留まってくれたが、あまり状況は変わってない。


「はん、いい気味だね」


 とこれはアルフ。


 ……フェイトと一緒に出てったのかと思ってた。


 まぁ、プレシアのこと嫌っているし、本人的にはこの展開は嬉しいだろう。


「ふふっ、私なんて生きている価値ないのよ……ゲホッ、ゲホッ」


 鬱いプレシアさんだったが唐突に血を吐いた。


 ……あっ、原作でも病を患っていたの忘れてた!


「ちょ、プレシアさん、大丈夫ですか!」


「いいのよ、どうせアリシアに嫌われた私なんてこのまま野たれ死ぬのがお似合いよ……」


「完全に諦めムード入ってるーーーーーーー!!」


 自殺を抑えたがやっぱり死ぬ気満々だったーーーーーーー!!


「まったく、一回嫌われたくらいでふざけんじゃないよ」


 そう言ったのはアルフだった。


「フェイトはさ、あんたに嫌われてても何度だって仲良くしようとしてた、それなのに一回嫌われただけで情けないね」


「犬……」


「あ、あたしはあんたなんか死んでも構わないけどさ、死ぬとフェイトが悲しむんだよ」


 そう言って顔を赤らめてそっぽを向くアルフ。


 えっ、あれ、ツンデレ?


「ねぇ犬、あなた名前何て言ったかしら……?」


「アルフだよ」


「そう、アルフね」


 アルフの名前を呟いたプレシアさんはちょっとだけ穏やかに笑う。


「そうね、アリシアが生きていたならこれから仲直りしていけばいいわ。時間だって……ゴホッ、ゴホッ!」


 吐血。


「……時間はあまりないけど会えないわけじゃないもの」


 プレシアさん自身が吐いた血によって服は血塗れだったものの、さっきまでの欝だ死のうなテンションじゃない。


 確かに、生きようとする目だ。


「まさかあれの駄犬に諭されるなんて思わなかったわ」


「ははっ、その調子だよ鬼婆」


 お互い毒を吐き合う。


 だけど、それはいがみ合った立場からじゃなかった。


 これは、アルフのお手柄だな。


「そうと決まればやることが多いわね、拠点を地球に移さないといけないし、面倒な手続きも色々あるわね。アルフ、手伝いなさい」


「あたしはフェイトの使い魔なんだけどね」


 そう言うが、アルフは断ろうとはしなかった。


「ついでだからフェイトの手続きもしておきなさい、確かフェイトぐらいの歳だと学校に通う必要があったのよね?」


「まぁ、普通通っているよな……」


 そうは言うもののこの海鳴には小学校に通っていない某車椅子少女がいるわけで。


 あれが例外なのは言うまでもないが。


「そっか、学校か。フェイトにも友達増えるのかな」


「増えるさ」


 俺はアルフの呟きに答えた。


 そうだな、いきなりアリシアの妹とか紹介されてみんな驚くだろうなぁ。


 きっと驚きの大合唱に違いない。


「ああ、それとアルフ」


「なんだい、まだあたしに仕事を言いつけるのかい?」


「私の病気のことは伏せなさい」


「別に言っちゃっても問題ないじゃないか」


「フェイトを犯罪者にしたいなら好きにしなさい」


「……ジュエルシード」


 俺はすぐに思い当たった。


 願いを叶える魔法の石。


 不治の病であっても、あるいは治せるかもしれない手段。


「相変わらずあなたは頭の回転だけは速いわね」


「全然褒められてる気がしないんだけど」


 俺はそう言いながらも原作の展開からそのパターンを考慮する。


 母親に言われて集めていた場合と、自身の目的のために集め使用しようとしていた場合。


 後者は例え善意からの行動であっても、自分の意思が入っている。


 どう考えても無罪放免で済まなそうだった。


「それにフェイトに伝わったらアリシアに伝わるでしょう? 私はアリシアに無用の心配をしてほしくないの」


「フェイトに聞かれたら嘘は吐けないからそれまで黙っておくよ」


「それでいいわ。あなたは……」


 そう言いつつ俺の方を見る。


「口止めしなくても大丈夫ね」


「……意外と信頼されてるの、俺?」


「言ったでしょ、頭の回転の速さだけは褒めてるって。あなたなら必要に応じて判断できるでしょ」


 嫌な信頼だ。


 確かにアリシアより頭悪いけどさ!


「ふふっ、これから忙しくなるわね」


 プレシアさんはそう言いながら笑っていた。


 どうでもいいけど服は着替えてほしい。


 スプラッタすぎてちょっと怖い。








「つー訳でなのはさま、献上品でございます」


「ナオ君、どうしてそんな下手なの……?」


 一度刻まれたトラウマがさせるんです。


 俺はジュエルシードがいらなくなってしまったフェイトから譲ってもらい、なのはさまに渡していた。


「でもこれどこで見つけてきたの?」


 なのはの肩にいるフェレット、ユーノ・スクライアが不思議そうに首を傾げる。


 ちくしょう、フェレットが小首を傾げる仕草は可愛いじゃないか!


「ちょっと友達が拾ったのを譲ってもらった」


「でもこれ、封印されてるよね?」


 目敏い奴め。


 というのも、俺ではとてもじゃないが封印処理をできないからその言葉が出てくる。


「ま、まぁ、封印されているならいいだろ」


「……そうだけど」


 明らかに疑ってますよ、なユーノの視線。


 隠しているのはバレたが、内容までバレていない。


 大丈夫、隠し事は内容がバレなきゃ隠し事として通用する。


「ジュエルシードも半分以上集まったし、あと少しだね!」


 元気一杯のなのはさま。


 そうは言うものの実は最大の問題として海に落ちた6個のジュエルシード。


 フェイトに協力を頼むと後で色々と面倒になりやすいし、そうなるとこのメンバーで回収することになる。


 原作だとなのはやフェイト、それにクロノといった面々で一斉喚起からの封印だったが。


 一個ずつ回収できるかどうかが最大の焦点か。


 原作と同じ手順を踏むには戦力不足…………あ。


「あるじゃん、魔力不足を誤魔化す方法……」


「どうしたの、急に?」


 いかん、つい口に出してしまった。


「あぁ、ちょっと考えたんだけどな」


 そう言って大雑把にジュエルシードが海に落ちた可能性を指摘する。


 これになのはもユーノも頷き、今日は海中探索に。


 で、結界張ってやって来ました海鳴臨海公園。


 まぁ、それはいい、それはいいけどさ。


「何、この展開?」


「ナオ君?」


 やめて、そんな純真な目で俺を見ないでなのはさま。


 俺の邪な心にダメージを受けるから。


 というのもなのはさまの格好は水着姿なのである。


 その姿を実況してもいいが、俺の精神力がガリガリ削られるので割愛。


 ただその手のレイジングハートが凄まじい存在感があるが。


「どうしてこうなった?」


「どうしてって、海の中に何個あるか分からないから潜って捜すって話じゃないか」


 これはユーノ。


「魔力垂れ流して喚起させちゃ駄目なの?」


「それは最後の手段。魔法で空気を確保しつつ可能な限り潜った方が安全だからね」


 それは分かる。分かるけど。


「バリアジャケットは?」


「海の中を捜すとなると長期戦になるから少しでも節約するために見つかるまで使わないって結論出したよね?」


 それがなのはさまの水着姿ですか。


 まぁ、フェイトの妨害が消えてしまった以上、競争する必要もないからある程度時間掛けても大丈夫だしな。


「僕はこっちでフォローに回るからナオトはなのはと一緒にお願い」


「いやいやいや!」


 そもそも俺お前らよりよっぽど弱いから!


 むしろなのはさまの邪魔になるから!


「ナオ君なら大丈夫だよ」


「えっと、なのはさま?」


「だってナオ君私の先生だもん」


 それは俺への当てつけか、当てつけなんだな!


 魔法を三時間で追い抜かし、デバイス技術も一週間で追い付かれた俺への当てつけなんだな!


 こいつ俺が作れる程度のデバイスなら平気で組めちゃうんだぜ。


 俺のねこさんパンツァーを普通に簡易メンテナンスならできるんだぜ。


 そんななのはさまは最近レイジングハートを弄っているとか。


 あまりにもデバイスが機械的な辺りがなのはさまの琴線に触れてしまったらしい。


 その所為で魔法の次はデバイス関連も教えることになり、なのはさまは俺の一番弟子を自称している。


 ごめん、とてもじゃないが俺は「高町なのははわしが育てた」とか言えない。


 これが原因でどこぞの勇者王に尊敬されたら泣くよ俺。


「はい、ナオ君」


 そう言って俺の手を取るなのはさま。


「え……」


 拒否する暇もなく、空を飛び、俺たちは海上へ。


「レイジングハート!」


 なのはさまはその手のデバイスの名を呼び、俺たちは海の中へ勢いよく潜っていった……





「すごい、すごいねナオ君!」


 なのはさまは魚が悠々と泳ぐ自然の海の様子にハイテンション。


「そーですねー」


 俺はなのはさまと二人っきりという状態にローテンション。


 なのはさまは嫌いじゃないけど、一言で言えば苦手。


 だってすでになのはさまに勝てる要素がないんだもん。


 それなのに一番弟子として慕われると、苦手にもなる。


 もちろんピンク色のトラウマもあるがががががががががあがががが。


 ちなみになのはさまは移動を担当し、俺が探索を担当している。


 なのはさまって一通り魔法は使えるが、補助系が苦手であり、この辺補助魔法が得意なユーノとの相性のよさが伺える。


 それでも俺より上だけどな!


 そういった事情もあり、俺よりユーノと組むべきだろうが、あのフェレット上でサポートするとか言い出した。


 そもそも俺ってジュエルシード探索にいらなくね?


「やっぱりオリ主ってなんだろうな……」


 テスタロッサ家の乱(先日のアリシア―プレシア間の喧嘩のことである)もいる意味なかった気がするし。


「ナオ君、最近元気ないよね?」


「原因の大半はお前の所為なのですよ、こんちくしょうッ!!」


 見事オリ主(笑)にしてくれた我が原作主人公なのはさま。


 ジェイルのような生まれからチートはともかく、アリシアとかすずかとかアリサとかもそうだけどさ!


「にゃ、にゃはは……」


 俺をぶっちぎって抜かしている自覚があるのか、苦笑い。


「で、でもナオ君がいなかったらきっとこうしてユーノ君の手伝いできなかった」


「何の話?」


「いきなりデバイスを渡されても絶対魔法なんて使えなかったもん、ナオ君が教えてくれたからこうやってユーノ君のお手伝いができてる」


 できます。できてました。


 一ヶ月掛からずでフェイトを乙らせてました。


「だからやっぱり私にとってナオ君は先生なんです、私のほうが魔法が上手になっちゃっても」


 そう言って俺の手を強く握るなのは。


 暖かい手。


「あと、最初の時みたいになのはって呼んで欲しいんだけど……」


「あっ、それ無理」


「ふぇっ!?」


 なのはさまに刻まれたトラウマが服従の意を告げているんです。


 なのはさまには逆らえない。


「そういやさ、さっきは流したけどなんで水着?」


「えっ、な、なんのこと?」


 俺がそう言うのも理由があって。


 こうして海中探索しているが、簡単に言えば泡の中に入っているような状態である。


 泡というのは空気の固まりであり、その中にいるということはつまり、濡れていない。


「これなら着替える必要ないかなって思ったんだけど」


「…………ナオ君なんか知らないっ!」


「えっ、なんでそこで怒られるの、えっ、なのはさま?もしもーし……」


 そんなこんなで今回の海中探索でジュエルシードを二つも見つけ、後日何度か探索することになったのだが。


 何故かなのはさまは毎回水着姿だった。


 謎だ。






 ジュエルシードも全て回収したり、アースラにそれを渡したり、フェイトの編入やらでいろいろあったがここでは割愛する。


 とりあえずなのはさまの偽アリシア発言は吹いたけど。


 偽アリシアって、偽アリシアって……!


 そういや最近ユーノを見ないけどどうしたんだろ?



 ******


 なのはに謎のテコ入れが……
 ちょっと尺不足だったから書き足したら恐ろしいまでのなのはさまルートがががががが……



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