ユーノさんを交えてこの世界の食材を使ったお食事会が始まりました。ちなみにユーノさんもこの世界に来たばかりらしいので、まだどんなものがあるかは知らないそうです。
結構見た目がアレな物もあった気がしますが・・・まあ食べられるなら問題はありませんね。ゲテモノは両親のお土産で慣れてますし。美味しいならば、ですけどね。
さて、本日の献立の紹介です。
一つ目は魚の様なものを、無駄に大きい香草的なもので包み込んでフライっぽくしたもの。何でもこの魚はこの香草と相性がいいらしとお店で聞いたらしいです。
ソースをつけて食べるみたいですが、そのソースが青汁っぽい色で食欲が微妙になります。
「うん、美味しいですね。この香草がまたいい具合に魚にマッチしてます。大きすぎですけど」
「でも魚って言うよりお肉みたいな食感だよね。何か不思議・・・でも美味しいからあまり気にならないけど」
「うん、美味しい。フェイトってこんなに料理が上手だったんだね。ソースも見た目に反して美味しいし」
「良かった。これは失敗は無いって思ってたけど、やっぱり初めて使う食材だから不安だったんだ」
評価は好評。初めてフェイトさんの料理を食べたユーノさんも軽く驚きながらも美味しそうに食べています。
しかし白米が美味しく感じられそうな味ですね・・・いや、ここにもあるにはあるんですが、無駄に大きいのでちょっと食べにくいんです。食べますけど。
二つ目は地球から持ってきた味噌を使った味噌汁。ただし具はこの世界の野菜です。
物凄いカラフルな野菜ばかりだったので、味噌汁の中身もカラフルになってしまいました。というか何か発光している様な・・・
色が多すぎて虹みたいな色彩になっている光る味噌汁。これもまた食欲が減退します。
「それでも食べてみると美味しいのがフェイトさんクオリティですね」
「わっ、この紫色の葉っぱ凄い!コンニャクみたいな味がする!」
「それ、味見してみた時にびっくりしちゃったんだよね。おでんに入れたら面白いかなとか考えちゃった」
「へぇー、でもこの人参っぽいのはそのまま人参の味なんだね」
こちらも好評。ただやはり見た目が問題です。人によっては面白がって食べるかもしれませんけど、少なくとも私は微妙に感じます。
でも味噌汁にピッタリだからどうでもいいですね。美味しいは正義です。
次。大きいお米的なもの。一応日本の食事っぽくメインな扱いです。
「お米だね」
「まごう事なきお米ですね」
「大きさ以外は普通だね」
「でも、大きいから炊くのが大変だったんだよね」
でしょうねぇ。
そんな感じで他の物も食べ進めつつ、久々に再会したユーノさんをメインに雑談をします。
何でもユーノさんは事件が終わってスクライアの集落に帰った後、普通に遺跡発掘や考古学の勉強をしていたそうです。しかも趣味で。
そしてその趣味が高じて今では考古学分野でそれなりに有名な人になったみたいです。とはいえ、あくまで考古学業界だけでの有名人なので知る人ぞ知るといった感じみたいですけどね。
「じゃあこの世界に来たのも遺跡発掘とか?」
「うん。この辺りの古代史は結構面白いからね」
「趣味で食べていける程に稼いでいるとは、中々やり手ですね」
「私もなのはも趣味みたいなものだけどね」
「うん。私は写真で、フェイトちゃんは・・・杏ちゃんの世話?」
「否定出来ない生活を送っている私が居ます」
「否定する気の無い私も居ます」
「否定しないんだ・・・何というか、前も片鱗は見えてた気はしたけど、最早親子か夫婦か何かみたいな領域だね」
ユーノさんにまで夫婦と言われるとは・・・何かもう夫婦でいい様な気がしてきました。親子は嫌ですけど。
食後にババロア的なデザートを食べながらも雑談は続きます。ちなみに食器は私が能力で全自動洗浄です。
今度の話題は私が手に入れてしまった本について。勿論ユーノさんの食いつきがもの凄い事になりました。
ユーノさん自身もあの泉を調べたらしいですが、やはり魔力の反応も無く伝承も曖昧なものばかりで難航していたんだそうです。
「で、ページを集めるというRPG的な目的が出来てしまいました」
「杏ちゃんってそういうアイテムが関わる事件に遭遇する確率が凄いよね」
「ジュエルシードに闇の書に、管理局に観光に行った時はロストロギアの横流し事件も発見しちゃったしね」
「そんな事があったの?だからスクライアが発掘したロストロギアの受け入れで一時期ゴタゴタがあったのか・・・」
何やらスクライアの方にも面倒がかかっていたみたいですね。
「ともかく、このページを探さなければいけない・・・事も無いと思いますけど、どうしましょうか」
「どうせ特別な目的の無い旅だし、探してもいいんじゃないかな?」
「ちなみに何処にページがあるのか判るの?」
「この世界から一番近いのは第139無人世界みたいですね」
「あ、そこ昨日まで居たよ」
・・・ん?
「ユーノさん、もっかいお願いします」
「昨日まで居たよ。あそこは今は無人だけど、昔は人が居た形跡があるんだ。確かそこで見つけた石版的な物がここに・・・」
そういうとユーノさんは机に置きっぱなしにしていた自分のバッグを漁り、その石版を取り出しました。
石版とは言いましたが、素材が石っぽいだけであまり大きくないです。漫画の単行本くらいの大きさですね。
「ならばこの石版にページについて聞き込みを・・・」
『---』
「・・・しようと思いましたが、今この本のおかげでこれがページの一部だと発覚しました」
「うわぁ・・杏ちゃんってこういう時に結構ご都合主義を発生させるよね」
そんな事を言われても困ります。
ともかく、これがページの一部だと発覚したのでユーノさんと交渉。その結果、他に持っているものから色々話を聞いて教えてあげるという条件でOKしてもらいました。
ユーノさんの反応を見ると別にタダでも良かったみたいですが、私が個人的に色々お話したい、そしてあわよくば弄ったりページの情報を聞いたりしたいのでそうしました。
ユーノさんも、残りの二人もそれに気付いているので笑っていましたが何も問題はありません。実際ユーノさんにも利益はありますしね。
ちなみに、ページを本に近づけると光って合体しました。これで何かを思い出すかと期待しましたが、どうやら地球出身としか思い出さなかったみたいです。面倒な。
「そうだ。せっかくだから僕も旅に参加してもいいかな?結構色々な世界を回って面白そうだし」
「別にいいんじゃないかな?」
「でしたら折角なので、それぞれの世界の面白い伝承なんかを纏めて一緒に本にして貰いましょうか」
「あっそれ面白そう!」
という訳でユーノさんが仲間になりました。
女三人に男一人・・・おぉう、ハーレムですね。当のユーノさんも女性みたいに綺麗なので女四人に見えなくも無いですが。
このままユーノさんとなのはさんが何らかのきっかけでくっ付いたら面白いんですが・・・え?私?無いですね。フェイトさんも無さそうですし。
という訳で頑張ってくださいなのはさん!!