リンディさんの先導で本局内を見て回りながら、最近のはやてさんの活躍について聞いてみました。
本来ならはやてさん本人に聞いた方が早いんですが、あまり話さないんですよね。何故でしょう?特別捜査官という結構凄い役職だという事は聞いているんですが。
「はやてさんは大活躍してるわよ?魔導師ランクもSSSオーバーだから引く手数多で、ヴォルケンリッターの皆と一緒に伝説を量産してるわ」
「成程。もしかしてこれを知られたくなかったから、あまり仕事の話をしなかったんですか?」
「せや。自分でやっといて何やけど、結構ドン引きされる様な事もあるからなぁ・・・」
いったいどんな事をしているのかと聞いてみると、一例として『質量兵器を使うテロリスト五百人を魔法一発で無力化した』という話を教えてくれました。
私とテスタロッサ家以外の皆さんはドン引きしていました。私はともかく、テスタロッサ家が引いて無かったのは何故なんでしょうか?
私は作った本人なのでそれくらいは出来そうだと判ってましたけど、少なくともリニスさん辺りは引くのではないかと思ったんですが・・・
「貴女と付き合っているとこの程度では驚けません」
どうやら私は人型決戦魔導兵器HAYATEさんよりもドン引きされる存在らしいです。
ヴォルケンリッターの皆さんの話も聞いてみたら、殆どの人が出世しまくっているみたいです。
ヴィータさんは意外と面倒見が良かったらしく、何と武装隊員を教育する教導官になっているみたいです。
私の改造のおかげで闇の書に蒐集されている魔法も使える様になっているので、それを利用して効果的な教導を考えて実践しているみたいです。
闇の書には治療魔法もいいものがあった筈ですし、確かに厳しい訓練をする部隊でなら最大限活用出来そうですね。
・・・あ、闇の書じゃなくて夜天の書でしたっけ。闇の書って言うとリインフォースさんが凹むので気をつけないと。
「あ、そういえば杏ちゃん。ヴィータが『杏ならあたしの体を大きく・・・』って言っとったけど、出来るん?」
「出来ますが同じ低身長組として断固拒否します」
「杏、まだ135cmだもんね」
「明確な数字を出さないで下さい。欝になります」
ユニゾンしたら高身長になれます!・・・ミッドチルダや本局で無意味にユニゾンしていると色々と面倒な事になる可能性があるのでしていませんが。
あ、一応ユニは連れてきていますよ?全然喋ってませんけど。基本的には無口みたいですし。
ポニーテール剣士のシグナムさんはヴィータさんとは違い教えるのには向いていなかったらしく、前線で活躍する部隊に居るそうです。
今は地上にある首都航空隊の隊長をしているらしく、日々訓練や犯罪者との戦いに明け暮れているそうです。
ずっと戦い続ける様な仕事だなんて、何だか心が荒みそうな気がしますが・・・案外そうでもないんでしょうか?
ふと気になったのではやてさんにその辺はどうなのかと聞いてみると、
「バトルマニアだから大丈夫や」
そう言われました。それでいいんでしょうか。
金髪若奥様風のシャマルさんは他の皆程出世はしていないらしいですが、若くて美人で優しくて優秀な医務官という事で本局で大人気らしいです。
更に支援魔法のスペシャリストでもあるので、それを活かして週に一回の支援魔法関係の講座も開いてるらしいです。
リンディさん曰く、シャマルさんのおかげで他の医務官や後衛型魔導師のレベルが高まってきているのでとても助かるとの事。べた褒めですね。
最近は地上でも講座を開いて欲しいとオファーが来ているらしいので、もしかすると地上本部にもシャマルさんファンが増えるかもしれませんね。
「ただ料理だけは上達せんのがなんとも・・・」
「今度改造してみましょうか?」
「いや、改造はちょっと気が引けるわ」
そして青い狼のザフィーラさん。本来なら盾の守護獣という事ではやてさんの守護をする筈だったのですが、はやてさんが強すぎるのと、デバイスのリインフォースさんが居るという事で守護ではなく普通に働いているみたいです。
そんなザフィーラさんの役職は執務官。詳しくは知りませんが結構凄い役職らしく、簡単に言うと何でも一人で出来る捜査官みたいなものらしいです。
そんな役職なので仕事がとても忙しいらしく、あちこちの世界に飛び回っているそうです。大変そうですね。
まあそんな忙しい合間にもアルフさんと出かけたりしているみたいですし、結構充実した生活をしているみたいですけどね。
「え?アルフさんとザフィーラって付き合ってたん!?」
「えっ?今更じゃないですか?」
「今更だよね」
「今更ね」
「今更ですね」
はやてさんはたまに仕事を休んで家族と色々話した方がいいのでは・・・と思いましたが、色恋の話なんてザフィーラさんとしそうに無いですし、仕方ないのかも知れませんね。
ちなみにこの話題の時、アルフさんは顔を赤くして笑っていました。きっとこんな人の事をリア充と言うんでしょうね。
まあ私もある意味充実してはいるんですけどね。
そして最後にリインフォースさん。彼女ははやてさんのデバイスなので基本的にははやてさんと共に行動しているみたいです。
とはいえリインフォースさん自身も特別捜査官なので、結構別々に行動する事もあるみたいですね。まあ、はやてさん一人でも何とかなってしまいますから、問題は無いと思いますけど。
そんな彼女は最近はベルカの聖王教会の方に出向して仕事をしているみたいです。
詳しくは知りませんが一応古代ベルカを知っている存在らしいですし、歴史や古代ベルカ式の魔法を教えているそうです。
「杏ちゃん達には感謝しとるみたいやけど、同時に苦手意識も持ってるみたいやな」
「何故でしょうか?」
「いや、杏お姉ちゃんがあれだけ改造したからでしょ」
「アリシアも相当弄り回してたよね」
みんな悪いという事ですね。何せ夜天の書を基にしてユニゾンデバイスの量産をしようとしているくらいですし。
色々と話をしながら本局内を見て周り、訓練室ではなのはさんとフェイトさんがはやてさんと戦っていました。
勿論はやてさんに勝てる訳も無く二人は敗北。というか、最近魔法の訓練は腕が鈍らない程度にしかやってないみたいですし、現役と勝負してそう簡単に勝てる訳が無いんですけどね。
ちなみにその模擬戦の様子を見てリンディさんが「やっぱり欲しいわねぇ」と呟いていたのが聞こえました。
二人がある程度の実力があるのは確かですけど、そんな欲しがる程なんでしょうか?私の周りは凄い人しか居ないのでどの程度が普通なのか判らないんですが・・・
そして食堂でみんな一緒に食事した後、やってきたのは厳重にロックされている扉の前。
「ちょっと待ちなさいリンディ。ここに杏を連れてきたら間違いなく大変な事になるわよ」
「覚悟の上よ。三提督にも許可を頂いているわ。この際、少しでも未鑑定品の情報が欲しいのよ」
何か物凄い話をプレシアさんとリンディさんがしているんですが・・・というか私が何をするというのですか。
「あの、リンディさん。ここって一体・・・」
「ここはロストロギアの保管庫よ」
「ほほう」キュピーン
「杏ちゃんの目が狩人みたいになってる!?」
それはそうですよ。だってロストロギアですよ?実に楽しみじゃないですか。
しかしロストロギア保管庫に私を連れてきたのと、さっきの会話から察するに・・・
「とりあえず効果が判らないロストロギアの事を調べて教えればいいんですか?」
「ええ、お願いするわ。出来ればあまり変な事はして欲しくないけれど、ある程度は覚悟の上よ」
「ある程度とは、どの程度でしょうか?」
「・・・ジュエルシードも保管されているはずだから、それを使ってもいいというのはどうかしら?」
私の身長が伸びる時がやってきました!!
いいでしょう、どんどん調べて差し上げますよ。ふふふ・・・
「なのはちゃん、ジュエルシードって確か願いを叶える宝石なんだよね?」
「うん、そうだよ」
「間違いなく身長を伸ばすつもりね・・・」
「杏は小さい方が可愛いと思うけど・・・」
「私も身長が低い方やから杏ちゃんの気持ちがよう判るわ・・・」
ふふふ、さあ早く入りましょう!そして久々にジュエルシードさん達との再会を!そして私の願いを!