さて、これからすずかさん救出作戦を実行するわけですが・・・一応フェイトさんとアリシアさんが混乱したりしない様に、月村家の事を話しておくべきでしょうか。
相手も月村の関係者らしいですし戦闘用の自動人形もいるらしいので、戸惑ってミスしたら面倒ですもんね。今説明するのも面倒ですけど。
「というわけで、救出に行く前に月村家の秘密についてお話しておきます」
「杏、あんまり他人の秘密を調べるのは駄目だよ?」
「まーまーフェイト、杏お姉ちゃんはしらべてもはなさないからだいじょーぶだよ。めんどうとか言ってね」
「まあその通りですね。それと、情報を得ておかないと問答になった時大変そうだったので・・・まあ情報を手にしたせいで余計に面倒になりましたけど」
という訳でお話です。まず、ノエルさんとファリンさんについて。
「月村家のメイドさんはメイドロボです」
「えぇ!?ロボっ!?」
「え、あれがロボットなの!?」
まあその反応も当然ですよね、私も初めて見た時思わず停止してしまいましたし。本当にどんな技術を使っているんでしょうか。
「それってまほーとか使ってないんだよね!?かんぜんにきかいだけ!?」
おぉう、アリシアちゃんの食い付きがとんでもないです。流石デバイス関係の研究をしているだけはありますね。やはり興味をそそられるんでしょう。
「私の調べた限りでは魔法とかは関係無いみたいでした。完全に科学技術だけですね」
「すごいすごーい!しらべてみたい!いじってみたい!」
・・・戦闘用だからメイドには使えないかもしれませんし、アリシアちゃん達の実験用にしてもいいかもしれませんね。
その研究成果で新たに完全で瀟洒なメイドロボを作って貰えばいいですし。・・・おお、これ良いアイディアじゃありませんか?完璧じゃありませんか?
ふふふ・・・なんだか私もワクワクしてきました。
それはさておき、次は吸血鬼に関してですね。
「月村家の人はどうやら吸血鬼らしいんですよね」
「吸血鬼って・・・確か、人の血を吸って仲間を増やすって言う化物の事だよね?」
「へー。似たようなまほー生物は他のせかいにもいた気がするけど」
「え?そうなんですか?」
「うん、結構居るみたいだよ。吸血生物」
そうだったんですか・・・もしかしてチュパカブラは実は他の世界の魔法生物が何らかの要因で転移してきた存在だったりするんでしょうか。
もしそうなら他のUMAも居るかもしれないという事に・・・ツチノコを探して持っていけば億単位の賞金が貰えるんでしたっけ?ちょっと面白そうです。
ところでフェイトさんもアリシアさんも全然怖がってませんね。
さて、次は相手の事ですね。
「敵は月村の関係者で、しかも戦闘用自動人形が居るみたいなんです」
「杏お姉ちゃん!」
「わかってます。自動人形は捕獲してたっぷり弄らせてあげますね」
「やったー!」
「でも相手が月村の関係者って事は、身内でこんな事件起こしたって事だよね。何でかな?」
「昼ドラ的に考えてみれば良くある事ですし、あんまり難しく考えなくていいんじゃないですか?」
「そっか」
さて、説明も終わりましたし出発しましょうか。目指すは上の階ですね。
という訳で多分すずかさんが居る部屋の前に到着しました。とりあえず突入しようと思います。
安全面では既に廃ビルさんに緊急時の防御をお願いしていますし、フェイトさんも一応バルディッシュをセットアップしているので問題はありません。
これなら例え相手も吸血鬼だったとしても何とかなるでしょう。
「どうもー。すずかさんの救出に来ました」
「何?」
「杏ちゃん!?フェイトちゃんにアリシアちゃんも!?」
室内にはすずかさんと黒幕らしいおじさんと・・・あ、あの女性が戦闘用自動人形ですか。というか何で自動人形は女性ばかりなんでしょうか。
いや確かに男の体を作るよりも女の体を作った方が気持ち的に楽ではあるでしょうけれども。
とまあ、そんな事はさておいて。
「とりあえずそちらの自動人形さんは『そのおじさんを気絶させて動けない様に捕縛して待機していなさい』」
「---了解しました」
「何を言って・・ぐぁっ!?」
はい、無力化完了。いやぁ本当に楽でいいですね。
「すずかさんは無事そうですね」
「私、デバイス起動した意味無かったよ・・・」
「へーわにおわったんだから良いことだよ?」
その通りです。面倒な事にならずに終了したのはとても良い事です。
「え?え?えっと・・・えぇ!?」
「すずかさんが混乱しているので暫く待ちましょう。そのうちリニスさん達も来るでしょうし」
「ちょっと待ってね・・・うん、今忍さん達と一緒に向かってるって。もうすぐみたい」
さて、のんびり待ちま・・・
『---』
「あ、もう一人ですか?じゃあ気絶させて捕獲しておいて下さい。後で引き渡すので」
『---』
「え?他にも居たの?」
「はい、その様ですね。とりあえず捕獲をお願いしたので放っておいても問題ないと思います」
さて、今度こそのんびりと待ちましょうか。