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No.17018の一覧
[0] 高町なのはじゅうよんさい@邪気眼真っ盛り![ネイチャー](2011/09/09 21:17)
[1] 覚醒   (ユーノくんと初陣)[ネイチャー](2010/03/10 18:46)
[2] トウソウノサダメ  (フェイトさん登場)[ネイチャー](2010/03/16 04:06)
[3] プレシア・テスタロッサの憂鬱(過去編)[ネイチャー](2010/03/17 03:11)
[4] 『管理局』  (超マッハ展開クロノ会話)[ネイチャー](2010/03/20 01:09)
[5] 名を呼ぶ必要などない…  (無印完結)[ネイチャー](2010/03/22 03:39)
[6] 黒歴史の書  (A's完結)[ネイチャー](2010/03/24 21:23)
[8] 高町なのはじゅうよんさいThe movie 1st[ネイチャー](2011/09/09 21:25)
[9] 死に至る傷を抉りし者(カントク)[ネイチャー](2011/09/10 18:07)
[10] 修羅ニ魅セラレシ者(嫌なファン)[ネイチャー](2011/09/13 01:18)
[11] 無手の勝利(ヤラセ)[ネイチャー](2011/09/20 04:52)
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[17018] 黒歴史の書  (A's完結)
Name: ネイチャー◆4594b8fb ID:fe7cf97b 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/03/24 21:23

わたしはちょう前まで、魔王の力を足に宿した能力者やった。

足が動かん理由、なんでこうなったんかを悩んで悩んで悩み抜いた末どこでどう捻じ曲がったんか、私の足は魔王ベルゼバブの端末で封印を開放されると世界全てが朽ち果てるという設定がついとった。(しかも封印が解かれるのはそう遠いことではないことらしかった)

そんなわけで少しでも封印の開放を延すため、動かん足に毎日わざわざ図書館で調べたルーン文字をびっしり書き込んだ包帯を巻いて車椅子に乗っとった。
誰かに足をどうしたのか聞かれたら

「やめときぃや、あんちゃん。知らんほうが幸せに暮らしてけるよ。ほれ、誰もわざわざ好き好んで世界の終末の予言なんて知りた無いやろ……?」

と言って、質問をかわしとった。
遡って過去の私を殺したい。


今はもう家族にも恵まれ日々楽しく過ごしとる。寂しさからちょっとアレな思考で現実逃避することもあらへん。


せやのに…………。











―――高町なのはじゅうよんさいA's 第1話にして最終回、始めるぞ














私がその少女に会ったんは、黙示録書庫(としょかん)やった。


「何を探しているの?」


夕陽に紅く染まる中、何の気まぐれか、彼女は棚の本を探す私に手を差し伸べた。
服装はカーキ色のジャケットにローズグレイのミニスカート――たしかどこかの私立中学の制服だったはずだ。茜色の光にさらされた髪はサイドテールにまとめられている。


「確かこの棚やったよな、私が求める『復活する暗黒の魔術』の書は……」

「ふーん、なるほど。これを欲しがるということは、”能力者”なのかな……」


と、彼女はその手に持っていた本を一冊、差し出した。タイトルは『復活する暗黒の魔術』
ふむ、棚から取るでもなく直接、ということは彼女も……。


「やめておきなよ、暗黒魔術は代償が大きすぎる」


やはり、全て読み込んでいたか。
しかしまあ、


「忠告にしても手遅れやなぁ……」

ちょい、と包帯に覆われた足を示してみせる。

「こいつはもう既に魔王ベルゼバブに捧げてしもうた後や。ちぃと、その言葉を聴くのが遅すぎたな……」


――ふっ、と嘆息する。


「つまりあなたは既に、世界の敵ということでいいの?」

「せやな。私はもはや世界の敵や。封印はかけとるけど、いつこの世界を約束された終焉の地(ディスペア・ウィスパー)に変えるか知れたもんやない」

「そう、わかったよ。ならその時になったら、私が消してあげる。……名前は?」


にやりと笑う彼女は凄絶な気迫を放っとって、根拠は無いけど絶対に私を、塵の一つも残らぬほどに殺しつくしてくれると確信できた。


「私はただの抜け殻や、名乗るほどの名前はあらへん」

そう、私はただ、世界から切り離された抜け殻―――ウツロナルニンギョウ。
せやけど……

「強いて呼び名をつけるんやったら、そやな……ベルゼバブの足跡、とでも呼んでもらおか?」


「そう、ベルゼバブの足跡……刻んだよ、その名前。私は”紅塵”……あなたを殺しに来る者の名だよ」


邪悪な笑みを浮かべた”紅塵”は、そのまま何もせずに図書館を立ち去った……。

だがこれが最後とは思えへん。クレナイノセカイを背に誓った”紅塵”は必ずや私の下へ現れ、世界を滅ぼすよりも先に私を消滅させるだろう。


クックック………と、私は湧き上がる邪笑を押さえることができんかった。


















なんて頃もあった。今? そんなアホなことを考え続けとる訳ないやろ。
だって私はもう一人やない。この世を呪うほど運命が憎いわけでもない。

と言うかヴォルケンリッターたちがでてきてからふと、今までの自分の言動を思い返してみた。

……めっちゃ厨二病や! 絵に描いたような邪気眼やん!


それに気づいた日は一時間ほどベッドの上でごろごろ悶えたわ!(ヴィータにどこか調子が悪いのかと心配をかけてしもうた。一種の病気やけど治ったから心配いらんとゆうたった)















☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆












「主はやての体調はどうなのだ?」

「やっぱりはやてちゃんの麻痺は進行してきているわ」


はやてが寝静まった夜、家族会議――もとい、守護騎士会議が開催された。
議題は『主の麻痺について』
腕を組み瞑目するシグナムにシャマルは慌しくオロオロとしながら答える。


「ああ、やっぱりだ…。はやて…何が「治った」だってんだよ…」

「主は優しいお方だ。我らに心配をかけまいとなさることは当然であったはずだ」


ヴィータは悔やむ。昼に己の主が突然ベッドの上で転がりだしたときには一瞬「何をやっているのだろう?」などと訝しく思ってしまったものだが、そんなことを一瞬でも考えてしまった自分を恥じた。
進行する症状を家族――そう呼んでくれる――に悟らせまいと誤魔化しにかかったのだろう。


「……そうだろうな。主はやてが過剰なまでに人に迷惑をかけまいとなさることは、我々も考慮しておくべきだった」

「でも私たちがその押し殺したサインに気づけなきゃいけないわよね……」

「だってーのに……」


騎士たちは拳を握り締め打ち震える。
原因はほぼ間違いなく闇の書だ。ならば、することは決まっていた――


「蒐集するぞ」


主の意に反する。だが蒐集せねば主の命は無い。
ならば誓いを破ってでも為せばならぬ。ただし――


「けど殺しは無しだ。はやての未来を血で汚すわけにはいかねー!」


無論、相手の命に影響しない範囲での蒐集となると効率は落ちるが、それよりも騎士たちは主の将来をとる。
いくら命を助けようと、それではやてが不幸になってしまっては元も子もない。心優しい主にはそのあともそのまま真っ直ぐに成長して欲しい。



そして、騎士は動き始めた。

あるときは近隣世界の魔導師を襲い、またある時は無人世界の魔獣を捕えてリンカーコアを吸い尽くす。



そしてまたある時は……。




「ふーん、ついに我慢できなくなったの? 『執行者』」

「とりあえずブチのめさせてもらう!」

自分たちを管理局と勘違いしているらしい地球の魔導師を襲いリンカーコアを蒐集した。(魔力がとてつもなく大きく誘導弾を16発同時に操作してくる強敵であったが、ザフィーラと二人でかかったので割と楽に蒐集できた。救援などもなかったし。25頁ほど埋まった)


ただしそこからケチがつきはじめ、やたらと正々堂々と戦おうとする嘱託魔導師やら冷静に戦う執務官やらに目をつけられ追われ始めたが(先述の遠距離戦魔導師もいた)、なんとか凌いで闇の書の頁を埋めてゆく。
そうこうしているうちに、このままのペースならばクリスマスを待たずして闇の書を埋めることが出来そうな状況まで持っていくことが出来た。




―――しかし










☆☆☆☆☆☆☆☆











今日は最近図書館で知り合ったお嬢様系文学少女、すずかちゃんが病室に遊びに来てくれる日や。
図書館で本をとろうとしてる(断じてもう卒業した怪しいオカルト本とかやない、普通の小説や)ところで出会った、私の友達。

そのすずかちゃんが私の病室に、お友達を三人ほど伴って来てくれるらしい。会ったことは無いけれど、きっと仲良く慣れるはずや。

一人は金髪を肩まで伸ばしてる、アリサちゃん。
もう一人がフェイトちゃん。……なんかハーフさんやらイタリアから越してきたらしい娘やら、やたらと外国人さんの比率多いなあ。

で、もう一人がなのはちゃん言うらしい。こっちは普通に日本人や。

アリサちゃんの写真はついとったんやけど、なのはちゃんとフェイトちゃんの方は「写真に写るわけにはいかない、組織に目をつけられる」とかいうんで写メールには写ってへんかったんで、どんな娘かようわからん。
でもすずかちゃんの友達なんやから、悪い人やないやろ。



そんなわけで、膝に乗せて撫でてあげてるヴィータと、花瓶に花を生けているシャマルと話をしながらすずかちゃんたちを待っとった。

「こんにちはー」
「こんにちはー」

と、病室の横開きの戸を開けて入ってくるのは、すずかちゃんの姿。それから隣にいるのは写メで見たアリサちゃん。
で、後ろにいるんが……


「へぇ……、久しぶりだね、ベルゼバブの足跡さん?」

「なのは、知り合い? こいつも”能力者”とやらなのか?」

「ぐあぁぁぁ!?」


いつか図書館で会った自称”紅塵”さん!?


「てめー”紅塵”!? はやてに何しやがった……、あと一体なにもんだ!?」

と、ヴィータが食って掛かる。雰囲気が一触即発な感じになっとるけど、ちゃうから! なにもしてないから! むしろ一種の自爆やから!


「ふーん、ここまで来たら名乗るしかないね。私は”紅塵”の高町なのは、そこにいる”ベルゼバブの足跡”さんとは世界を滅ぼす前に一片の塵も残さず消滅させてあげる約束をした仲だよ……」

「てめー……、最初から知ってやがったな……!」

「僕は”雷刃”フェイト・テスタロッサ! なのはとは運命の宿敵だ!」


ぐああああああああ!?
やめて! やめて!? 何いっとったんや数ヶ月前のワタシ!? これ以上ほじくり返さんといて!

ベッドで悶えているとぽん、とその時肩に手が乗せられる感覚。
振り返るとアリサちゃんがイイ笑顔で私を見つめとった……。

「これから仲良くしましょ、同類!」
「うわぁ、アリサちゃんもなんや…。なんや親近感わくわ」

と、そんな風にアリサちゃんと交友を温めとる内もなのはちゃんフェイトちゃん組とヴィータシャマル組の間の危険な空気は加速を止めん。


「はやてちゃんについてお話があります、少し屋上に出ましょうか……」


なんか「久々にキレちまったよ…」のアレを思い出した。








それ以降四人は席を外したままで、仕方ないのでアリサちゃんとすずかちゃんとで三人で話しとった。

やっぱりアリサちゃんは昔ちょっとソレな時期があって、現在発病中ななのはちゃんとフェイトちゃんとの会話で毎日ダメージを受けているらしい。
さっきクリティカル喰らったせいであんまりにも同情し、思わず抱きついたりした。いいおっぱいやった。




二人が帰る頃になっても、まだ屋上に行ったはずの四人は帰ってけえへん。予定があるらしいので二人とも先に帰るみたいやったが、「じゃあもしもこっちに戻ってきたらよろしく」とか言われても困る。
実際、二人が帰った後に悶えまくった。

うわぁ、何考えとったんや昔の私!
消し去りたい、あの過去を消し去りたい! 過去の私を消し去りたい!




『いっそなかったことにしたい!』



《Anfang》



――そこで私の意識は途切れた。
















☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆





 あらすじ

闇の書に『全て無かったことにしたい』と願ったはやてに応え、管制人格は暴走を始める。行動理念は特に『厨二病発症者を皆殺しにする』ことに重点が置かれていた。
これになのはとフェイト(雷刃さん)は奮闘、広域攻撃相手に高速機動を重点においたフェイトは苦戦したり、おおむね原作通り。
巻き込まれたアリサたちを助けるときも「ここは任せて! 私が二人を守るから!」とか言っていたりアリサが「うそッ!? 散々なあの『組織』だの『機関』ってマジだったの!?」とか言ってたくらいでおおむね原作通り。
強いて言うならフェイトが闇の書の中に囚われた事件は感動イベントとかなしで力任せに脱出したことは原作通りではない。

その後も「せやけどそれも私や」と過去の痛さを肯定したはやてが管制人格に『祝福されし東方からの風(リィンフォース)』と名付けて脱出、みんなで力を合わせて原作通り。
そしてリィンフォースも消滅し、時は高校卒業まで飛ぶのであった……。














☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆













今日は久々にあのとき「闇の書の闇」を消滅させたメンバーで同窓会。聖祥大学附属高校の制服を着て、玄関でローファーを履く。
土間の上からヴィータに見送られ、庭で水を撒いていたシャマルに声をかけ、自分の足で走り出す。

――何故か犬の散歩みたいに二人一緒に外に出ていた、シグナムとザフィーラに出掛けにいってきますを言うのも忘れずに、や。

八神はやて18歳、高校卒業を契機に完全に管理局入りを果たします……。




しかし、実は地球はかなり微妙な位置に居たりする。
魔法が無いかと思うと人工的にインヒューレントスキルを発現させる生命操作技術を保有していたり、魔力によって己の肉体をより強靭に成長させる種族がいたり――すずかちゃんが管理局に協力して判明した。
大々的に接触することは少ないものの、裏社会にはだんだんと『管理局』の名が通じ始めてきていゆうことは確かや。

そんな危険なんだかよくわからん次元世界の出身ゆうことで、私は恩恵もあったがいろいろ苦労もした。
けどなかなかの地位に食い込めたはずや。無論、まだまだ上に行く気はあるけどな。



「おはよう、なのはちゃん」

「あ、おはようはやてちゃん」

なのはちゃんも同じく、卒業後管理局一本に絞る組や。
長く続いた厨二病もどうにか完治し、ごく一般的なエース級魔導師として活躍しとる。
また、地球が要注意世界に位置付けされた証言を提供した人物としても注目されており、今なお『総合絶霊雄能力者管理局』は捜し求められている。


「なぁ、なのはちゃん。高校卒業を区切りにそろそろ厨二病だったことを管理局の人に打ち明けたほうがええんちゃうか?」

「そう言われても……、もうここまで来ちゃうと引っ込みがつかないよ。あ、ほら、探し続けてたら意外とどこかで見つかるかも、にゃはははは……」

「せやな……、今じゃ大国には捜査部隊が支部つくっとるもんな……」


実際、自分の妄言の一言で地球の運命が変わりまくってる今、全部妄想でしたとか言えるわけもない。

私のときの暗黒魔術だって、放っておけば本当に世界丸ごと滅ぶもんだったというから始末が悪い。

最低就職年齢の低いミッドチルダには厨二病がないというのも災いした…。




「はぁ……、まったくもって、世界はこんなはずじゃないことばっかりだよ……」



「せやな……」





春風に花弁舞い散る祝福の雰囲気の中、私となのはちゃんの空気はそこだけ暗く、二人で揃って溜め息をついたのであった……。




























 あとがき
邪気足。As時はやての最大の特徴と言えばやはり足が動かないこと。だったら無意味に包帯巻くしかない。
だがなんだ都築ワールドの恐ろしさは! 別に意図したわけでもないのに厨二病な妄想が殆ど間違っていないなんて、正直『管理局』ネタ意外全部無意識の一致だったよ!

というかこれ、今日までに書かないと続かないという時間制限だったんですが、正直丁度良かった感があります。これ以上続けろとかもうマジ無理ッス。既に厨二戦闘シーンを書くだけの余裕も無いッス。というかリアルもあるんでしょうが吐いた原因のストレスの内の何割かはきっとこれです。
なのでこれをもって完結とさせていただきます。GWあたりにStS(エリオ編)とか来るかも知れませんが、そのときはまた共にHPを削る心中メイトとしてよろしくお願いします。


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