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No.17010の一覧
[0] リリカルホロウA’s(リリカルなのは×BLEACH)[福岡](2011/08/03 21:47)
[1] 第壱番[福岡](2010/04/07 19:48)
[2] 第弐番[福岡](2010/03/07 06:28)
[3] 第参番(微グロ注意?)[福岡](2010/03/08 22:13)
[4] 第四番[福岡](2010/03/09 22:07)
[5] 第伍番[福岡](2010/03/12 21:23)
[6] 第陸番[福岡](2010/03/15 01:38)
[7] 第漆番(補足説明追加)[福岡](2010/03/17 03:10)
[8] 第捌番(独自解釈あり)[福岡](2010/10/14 17:12)
[9] 第玖番[福岡](2010/03/28 01:48)
[10] 第壱拾番[福岡](2010/03/28 03:18)
[11] 第壱拾壱番[福岡](2010/03/31 01:06)
[12] 第壱拾弐番[福岡](2010/04/02 16:50)
[13] 第壱拾参番[福岡](2010/04/05 16:16)
[14] 第壱拾四番[福岡](2010/04/07 19:47)
[15] 第壱拾伍番[福岡](2010/04/10 18:38)
[16] 第壱拾陸番[福岡](2010/04/13 19:32)
[17] 第壱拾漆番[福岡](2010/04/18 11:07)
[18] 第壱拾捌番[福岡](2010/04/20 18:45)
[19] 第壱拾玖番[福岡](2010/04/25 22:34)
[20] 第弐拾番[福岡](2010/05/23 22:48)
[21] 第弐拾壱番[福岡](2010/04/29 18:46)
[22] 第弐拾弐番[福岡](2010/05/02 08:49)
[23] 第弐拾参番[福岡](2010/05/09 21:30)
[24] 第弐拾四番(加筆修正)[福岡](2010/05/12 14:44)
[25] 第弐拾伍番[福岡](2010/05/20 22:46)
[26] 終番・壱「一つの結末」[福岡](2010/05/19 05:20)
[27] 第弐拾陸番[福岡](2010/05/26 22:27)
[28] 第弐拾漆番[福岡](2010/06/09 16:13)
[29] 第弐拾捌番<無印完結>[福岡](2010/06/09 23:49)
[30] 幕間[福岡](2010/08/25 18:28)
[31] 序章[福岡](2010/08/25 18:30)
[32] 第弐拾玖番(A’s編突入)[福岡](2010/08/26 13:09)
[33] 第参拾番[福岡](2010/10/05 19:42)
[34] 第参拾壱番[福岡](2010/10/21 00:13)
[35] 第参拾弐番[福岡](2010/11/09 23:28)
[36] 第参拾参番[福岡](2010/12/04 06:17)
[37] 第参拾四番[福岡](2010/12/19 20:30)
[38] 第参拾伍番[福岡](2011/01/09 04:31)
[39] 第参拾陸番[福岡](2011/01/14 05:58)
[40] 第参拾漆番[福岡](2011/01/19 20:12)
[41] 第参拾捌番[福岡](2011/01/29 19:24)
[42] 第参拾玖番[福岡](2011/02/07 02:33)
[43] 第四拾番[福岡](2011/02/16 19:23)
[44] 第四拾壱番[福岡](2011/02/24 22:55)
[45] 第四拾弐番[福岡](2011/03/09 22:14)
[46] 第四拾参番[福岡](2011/04/20 01:03)
[47] 第四拾四番[福岡](2011/06/18 12:57)
[48] 第四拾伍番[福岡](2011/07/06 00:09)
[49] 第四拾陸番[福岡](2011/08/03 21:50)
[50] 外伝[福岡](2010/04/01 17:37)
[51] ???(禁書クロスネタ)[福岡](2011/07/10 23:24)
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[17010] 第四拾伍番
Name: 福岡◆c7e4a3a9 ID:a15c7ca6 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/07/06 00:09



その空間は、張り詰める様な緊張感で満たされていた
その一室は、押し潰される様なプレッシャーが充満していた

そしてその中心の中に、ウルキオラは居た。


(………どうしてこうなった?………)


今現在自分が置かれている状況を、ウルキオラは改めて確認する。


「…………」


視線を右に動かせば、目に映るのは長い金髪
視線を左に動かせば、目に映るのは長い銀髪
視線を正面に移せば、目に映るのは長い黒髪


「…………」


今の状況を再度確認しながら、ウルキオラは再び視線を走らせる。

視線を右に移せば、ムスっとした表情で威嚇する様な視線を左に向けるアリシア
視線を左に移せば、自分に視線をむけるアリシアを意味深な視線で見る銀髪の女
視線を前に移せば、口元を歯軋りする程に歪めて射殺せそうな視線を自分に放つプレシア


(……本当に、どうしてこうなった?……)


その奇妙な三角地帯の中心部に居るウルキオラは、頭の中で毒吐きながら事の経緯を思い出す。

あの時、プレシアの「一緒に暮らしなさい」と言葉を放った直後



「おかあさんのアホおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!!!」



と、涙交じりの声で叫ぶアリシア



「え!? なっ!!? ち、ちがう!違うのよアリシア!これには事情があって!!!」



と、今までの態度から一転して狼狽するプレシア


「……ダーリン?」
「お前は何を言っている?」


そんな二人を尻目に、淡々と会話を進めるウルキオラと銀髪の女

そしてそんな二人をアリシアはキっと睨む様に見て、抱き付くようにウルキオラの腕にしがみ付いて



「言っておくけど!私のだからね!!!」



と、大声で宣言した。









第四拾伍番「新生活のはじめ」









その後、ウルキオラはもはやお馴染みとなったアイアンクローでアリシアを引き離し


「……落ち着け、落ち着くのよワタシ……アレは子供の戯言、小さい子が自分の父親とかに
『私、将来はお父さんのお嫁さんになるー』とか言ったりするのと同じよ……そうよ、要はそういう事、だから、何も心配する事はないわ……」


ブツブツと、ぐしゃぐしゃと髪を掻きながら、プレシアは暗示をかける様に自分に言い聞かせ
一通り落ち着いた後、アリシアを宥め終わった後にこうして会談の席についた訳である。



「……コホン。さて、大分話が脱線しちゃったけど……改めて自己紹介しましょうか
私はプレシア、そこの金髪の女の子は私の娘のアリシア、そんでそこの白いヤツがウルキオラよ」

「それでは私も自己紹介を……と言いたいところなのですが
自分の名前も覚えない状態なので、私の事はとりあえず『夜天』とお呼び下さい」

「そう、分かったわ『夜天』」


銀髪の女・夜天の言葉を聞いて、プレシアは軽く返す。


「話を整理するわ。貴方は昨夜以前の記憶がない、『夜天』という言葉以外コレと言って覚えている事は無い
身分証の類はなく、自分がどこの誰だか一切分からない……それで良いわね?」

「はい、それで合っています」

「昨晩の事はそこに居るウルキオラから聞いたわ。
確かに最初は貴女の事は分からなかったみたいだけど、どうやら身に覚えはあるらしいわ」


テーブルを挟んで対面の位置に座るウルキオラに視線をやると、ウルキオラもそれに応じる様に小さく頷く。


「ああそれと……一応そこの男は邪な目的があって、貴女を我が家に連れ込んだ訳ではないので悪しからず」

「ええ、それはご存知です。それにどうやらこの人は、既に予約済みな様ですしね」

「よし戦争だ表出ろや一秒で全殺しにしてやんよ」

「落ち着け、口調が崩壊してるぞ」


これ以上に無い、爽やかな微笑を浮べながら言うプレシアにウルキオラの歯止めが入る。
プレシアは一瞬、射殺す程の視線でウルキオラを見て、小さく咳をして再び話を戻す。


「……オホン。まあ我が家の意向としては貴女さえ良ければ、記憶が戻るまで若しくは身元が分かるまでの間は
貴女の面倒をみたいと思っているのだけれど……どうかしら?」

「……良いのですか?」

「まあ、このまま『はい、さよなら』ってのは正直後味が悪いしね
一応こっちは、貴方の身元を調べられる伝手と当てはそれなりに持っているし……
まあ乗りかかった船ってヤツね、困った時はお互い様よ」

「ですが、あまりご迷惑をかけるのは……」

「既にウチには一人特A級の厄介者が居るから、一人も二人もそんな変わらないわ
それとも、他に何か当てや手掛かりはあるのかしら?」

「まあ記憶が根こそぎ無くなっている状態なので、宛も何も無いですね……それでは、そちらのご好意に甘えたいと思います」


よろしくお願いします、と夜天は一礼してプレシアに感謝を述べ
プレシアは「こちらこそ」と、夜天に軽く返して




(……なーんか、手応えがないわねー……)




毒吐く様に脳内で呟く。
対面に据わる銀髪の女を見ながら、プレシアはそんな評価を目の前の女に下していた。

目の前の女からは、記憶喪失による動揺や不安、恐怖と言った負の感情が感じられない。
こちらの質問には淀みなく答えているし、落ち着いて冷静に物事を判断している。

やはり、記憶喪失は偽装か?とも思ったが


(……こっちの威嚇には、何も反応なし……)


相手の事を試す意味でも、プレシアは目の前の女と会話を交わしながら
何度かその手の「気になる動き」を交えていたのだが、相手はそれに対して何の反応も警戒もなく
そもそもこちらの行動そのものに気付いていない様に見受けられた。


(……さっき見せたこの娘の魔導技術から察するに、何かしらリアクションを見せると思ったけれど……)


相手にはそれがない、それこそ全くの0と言っていい程に

あまりにも無警戒、あまりにも無反応
正直に言ってそこら辺の素人や一般人と大差ない。

暖簾に腕押し、これが一番合っている表現かもしれない
プレシアの中で、どうにもこの女のキャラが掴め切れないのだ。



『……それで、何か掴めたか?』
『……アンタ、分かってて聞いてるでしょ……』



対面に座る協力者から念話が入る
プレシアは念話越しに毒吐く様に答えて


『……収穫は今一つね、判断材料が絶対的に少ないから未だに悩むのが現状ね……』


ふぅ、と此処でプレシアは一呼吸間を置いて



『まあ、材料が少ないのなら増やせば良いわけだけどね』



僅かに口元を歪ませてプレシアは答える。


『それで、厄介事を俺に全部押し付けようって腹か』

『理解が早くて助かるわ、まあ元々アンタが持ち込んだ種な訳だし、対処としては妥当じゃない?
アンタなら万に一つの事態が起こったとしても、十分対処できそうだしねえ?』

『世話役というよりも、寧ろ毒見役と言ったところか?』

『適材適所ってヤツよ』


ウルキオラが呟いて、プレシアは微笑み交じりで返す。
目の前の女が不安要素であり、危険要素の可能性がる限り、最低限の対策は取って置かねばならない。

だからプレシアは、この女の監視役にウルキオラを指名した。
ウルキオラは基本スペックの高さは良く知っているし、大抵の魔法や魔導技術もスペックのゴリ押しで対処できる。

相手の情報が少ない今、不足の事態が起きた時は自分よりもウルキオラの方が
この女の監視役に適しているのは紛れも無い事実であった。


(……まあ何にしても、情報が少ない現状としては優先すべき行動は二つ……
……一つは、この女から……夜天から出来るだけ情報を引き出す事……)


情報が少ないのなら増やせばいい。
例え口頭からの情報が得られなくても、得られる情報という物は存在する。

それらの情報を引き出すためにも、様々な角度からこの女と接触を図ってみるべきだろう。



(……そして二つ目、この女と友好的な信頼関係を築く事……)



相手がこちらに信頼を置いてくれれば、その分情報が引き出し易くなる。
そしてその情報如何では、相手の事も色々と検証できるだろう。

その為にはまず相手の警戒を解く事
相手の記憶喪失の真偽に関わらず、こちらに対する警戒が薄まった方が何事に対してもやり易いの事実。

相手の記憶喪失が偽装だった場合、警戒が薄れていればボロも出易く、相手の油断やミスも誘発できる。

また相手の記憶喪失が事実だった場合、その信頼関係はそのままこちらの利点になるし、もしかしたら味方に抱きこめるかもしれない。


そして、プレシアの理想としては後者
この銀髪の女・夜天の記憶喪失が紛れもない事実で、その上でこの女からの信頼を買い、味方に抱き込み
その力を自らの意志でこちらに献上させる、そんな関係


類として見れば、嘗てのフェイトとの関係
だがあれとは違い恐怖や暴力には極力頼らない、恐怖や暴力に縛られた主従関係ではいずれ破綻するのは前回の一件で学んでいる

その上で自分が完全に上位の、相手の信頼を得た確固たる協力関係
もしもそんな関係を築く事ができれば……



(……ま、そうそう上手く事は運ばないでしょうけどね……)



何事にもイレギュラーは付き物だ。
嘗ての時の庭園での一件の様に、予想だにできないアクシデントが起きる可能性もある。

そして、この話の根底から覆えされる様な……その基盤ごと粉々に破壊する様な出来事が起きる可能性だってある。


(……まあ何にしても、色々と仕込んでおく必要はありそうね……)


これから自分がやるべき事を確認しながら、ゆっくりと息を吐き出す。
そして


「さて、それじゃあ三人とも出かける準備をしなさい」

「……なに?」

「??? 出かける準備?」


ウルキオラとアリシアがそう聞き返すと、プレシアは「ええ、そうよ」と呟いて
プレシアは最初の手札を一枚切ることにした。


「買い物よ買い物、皆そろってショッピングと洒落込むわよ」
















管理局系列のとある病院にて


「……そうですか、私は四ヶ月以上も眠ったままだったんですか……皆さんには、随分心配をかけてしまったようですね」


僅かに驚いたように、リニスは呟く。


「いやもう、本当に心配したよ」
「でも、リニスが目を覚ましてくれて本当に良かった」


次いでアルフとフェイトが、安堵の息を漏らしながらそう言う。

ここはリニスが入院していた病室、フェイトとアルフはリニスの願いで
リニスが眠っていた四ヶ月、あの時の庭園での一件以来身の回りで起きていた事を報告していた。


「それで、二人に何か処罰は……」

「ああ、それは大丈夫。リンディ提督やクロノが上の方に話を通してくれて、懲役とか実刑とか厳しい罰とかはないみたい」

「それでも、起こした事が事だからねー。
暫くあたし達は管理局の保護観察に入るみたい、まあ裁判が終わればある程度の自由は利くみたいだけどね」

「そうですか、改めてリンディ提督にはお礼を言わなければなりませんね」


安堵の息を吐き出して、リニスはベッドに背をもたれる。
嘗てリンディとの会話でも処罰の類はないと言われたが、あの時はまだ口約束のレベルだったし

その後プレシアの犯した次元断層未遂、そして知らなかったとは言えその手助けをしていたフェイトとアルフ
次元断層は懲役数百年クラスの、管理局法の中でも最も重い犯罪の一つだ。

幾ら事情があったとは言え、何かしら重い実刑になるのではないかと
リニスにはまだ不安があったからだ


「私達の事は大丈夫、だからリニスも安心して療養してね」

「そうそう、ゆっくり休んでおくれよ。何かあったら遠慮なく言っておくれよ」

「では、二人の厚意に甘えるとしましょうか」


三人はクスリと笑って、リニスは改めて二人を見る。

昔は二人が怪我や風邪をひいた時は自分が二人の看病をしたものだが、まるっきり立場が逆になってしまった。


(……成長するもの、なのですね……)


その事が少しおかしくて、少し嬉しくて
リニスの表情は自然と緩み


「それでね、リニス――」

「でね、聞いておくれよリニス――」

「はいはい、二人とも慌てない。私は逃げないから、順番にお願いします」


三人は、久しぶりの家族の会話を楽しむ事となった。

今まで話せなかった事、今まで話し足りなかった事
ずっと話したかった事、ずっと聞きたかった事

自分達の間に空いた空白の時間を埋める様に、家族水入らずの時間の中で三人はお互いに言葉を交わしていき



「――ああ、そうだ…リニス、少し聞いても良いかな?」

「はい、何でしょうか?」



不意に
何かを思い出したかの様に、フェイトはリニスに尋ねた。


「うん、デバイスのカスタマイズの事で少し……
一時的に魔力を別の所に貯蔵しておいて、その魔力を魔法発動時に上乗せして威力を高める……
って言う感じのシステムなんだけど、何か心当たりはないかな?」

「魔力を、貯蔵……上乗せ……フム」


フェイトの説明を聞いて、リニスは口元に手を軽く置いて考える様に俯く
次いで僅かな間を置いて、リニスは俯かせていた顔をゆっくりと上げて


「多分ソレは『ベルカ式』のカートリッジ・システムの事ですね」

「……ベルカ式?……」

「……カートリッジ・システム?……」


聞き慣れないその単語を耳にして、フェイトとアルフは僅かに首を傾げる。


「まあ、二人が知らないのも無理はありませんね。
『ベルカ式』は今ではあまり使われていない技術ですし、その使い手もミッドチルダ式と比べてかなり少数と聞きますからね」


二人の疑問に答える様に、リニスは言葉を続けていく。


「それで件のカートリッジ・システムとは、その名の通り予め膨大な魔力を特殊な術式を施した弾丸…カートリッジに貯蔵し
発動と同時にその魔力を上乗せする事によって、その魔法の威力を爆発的に高める……というモノです」

「……なーるほどー、予め溜め込んで置いた物を上乗せするだけだから、詠唱や演算は必要ないから速攻で発動できる……この利点は大きいね」

「その上前もって用意した魔力を使う訳だから、魔力の消耗も疲労も少ない
使える回数は限られるけど、使い所さえ間違えなければ強力な切り札になる」


アルフが納得した様に呟いて、フェイトもそれに続く。
二人のその言葉に、リニスは更に補足する。


「ええ、強力なシステムです。特にベルカ式はカートリッジ・システムで大きく向上した速効性と攻撃力により
白兵戦……特に一対一の戦闘において無類の強さを発揮したそうですよ」


リニスは肉付けする様に更に説明を続け、フェイトとアルフは感心した様に声を上げていた。

しかし、ここでフェイトは何か疑問を覚えたのか
「アレ?」と呟いて、その疑問を口にする。


「……でもそんな便利なシステムなのに、どうして廃れちゃったの?」

「確かにそうだよねー、聞いた限りじゃメリットはあってもデメリットはない感じだし」

「そうですね、それではそこの所も説明しておきましょうか」


フェイトの疑問にアルフも同調し、その疑問に対して再びリニスが説明する。


「さっきも言いましたが、ベルカ式の魔法自体は数は少ないながらもまだ使い手は残っていますよ
ストライクアーツの国際大会の上位入賞者がベルカ式格闘術の使い手だったという事例もありますし
管理局にもベルカ式魔法を使う魔導師の方もいます

更には古代ベルカの王族や貴族、かの『冥王イクスヴェリア』や『覇王イングヴァルト』『聖王女オリヴィエ』の末裔も
未だ現存しているという噂もある位ですからね」


まあ、あくまで噂ですが…と、リニスは小さく微笑みながら付け加えて


「他のベルカ式魔法が生き残る中、カートリッジ・システムが衰退してしまったのには……やはり、時代の流れが関わってくるんですよ」

「時代の、流れ?」

「どういう事だいリニス?」

「カートリッジ・システムは、デバイスへの負担が大きいんです」


リニスは簡潔に答える。


「使う魔力が大きければ大きいほど、デバイスへの負担が大きくなります。それだけならば問題はなかったのですが……」


しかし、と
リニスはここで一度言葉を区切って


「詠唱や演算が簡略化できた分、自力以上に強力な魔力の制御は極めて困難で、使いこなせる魔導師が少なかったんです
更に時代の移り変わりと共に、魔法技術やデバイスも進化していって、その性能は大きく向上していき……」

「っ!……そうか、態々扱いの難しいベルカ式を使わなくても、もっと使い易くてもっと性能の良い
デバイスや魔法技術がどんどん開発され、普及していったから……」

「廃れちまった…って訳だね。誰だって使い難い道具よりも、使いやすい道具を選ぶもんだからね」

「そういう事です」


納得がいった様に二人が呟く。

アルフが言った様に、誰だって使いに難い物よりも使い易い方を選ぶのは当然だし
デバイスを造る側、メーカーやブローカーにしたって確実に需要があって買い手が付く物を優先的に扱っていくのも当然だろう。


「……じゃあ、バルディッシュにカートリッジ・システムを組み込むのは……」

「厳しいですね。
カートリッジ・システムは本来、アームドデバイスに組み込むのが主流ですので
繊細なプログラムを積んでいるインテリジェント・デバイスとの相性は特に悪かった様ですし……」


それに、とリニスは思い出したかの様に言葉を続けて



「あのプレシアも、嘗てカートリッジ・システムを組み込もうとして失敗したくらいですからね」



その事をフェイトに話し
それと同時に、リニスは「あっ」とまるで己の失言に気付いた様に小さく声を上げた。

何故ならリニスは不用意に、フェイトの前でプレシアの名前を出してしまったからだ。


(……しまった、失言だった……!!?)


リニスは咄嗟に口元に手を置く
フェイトの心の傷に、不用意に触れてしまったか?と思ったが




「そっか、母さんでもか。それじゃあ確かに、ちょっとハードルは高いかな?」




しかし
フェイトは特に気にした様子もなく、感心したように呟いた。


(……アレ?……)


その表情に憂いや曇りもなく至って平常、無理に感情を押し殺している風にも見えない
そしてそんなフェイトの様子を見て、リニスは一瞬呆気に取られるが


(……ああ、忘れていました……もうアレから四ヶ月も経っていたんでしたっけ……)


その事実を思い出す。
それだけの時間があれば気持ちの整理はつけるし、心の傷だってそれ相応に癒えるだろう。

まだ幼くプレシアを心から慕っていたフェイトが、心に傷を残す事無く完全にプレシアの死を吹っ切れたとは思えなかったが



(……どうやら、杞憂だった様ですね……)



フェイトの心の傷を抉るような真似をしてしまったかと思ったが
自分の言葉に対して特に気にする様子を見せず、いつも通りに振舞うフェイトを見ながら

リニスは小さく安堵の息を吐いていた。



















第3管理世界ヴァイゼン・ロレンス商会本店にて


「なんじゃコレはああああああああああああああああああああああぁぁぁぁ!!!!」


店内中に響き渡る様な、そんな痛烈な叫び声が響いて
その店の店長代理のホロは、目の前に居る『ソレ』を一気に抱き寄せた。


「ムッホオォ!フオオオオオオオオオオオォォォ!!!! なんじゃ!なんじゃなんじゃ!この可愛い物体は何なんじゃ!
くぅー、可愛いのー!本当にかわええのぉ! 小さくて柔らかくてフカフカでスベスベで抱き心地も最高でありんす!
この可愛さは兵器じゃ!アルテマウェポンじゃ!戦争じゃ!世界大戦じゃ!今すぐ核シェルターの準備をするのじゃあああああぁぁぁ!」

「むぎゅっ!ぐ、む!……く、くるし……っ!!!」


その胸に顔を押し付けられながら、アリシアは呻くようなか細い声が響く。
アリシアは抱き寄せられ、頬擦りをされ、為されるが儘にされ


「真っ昼間からサカってんじゃないわよ雌犬」


発狂したかの様に捲くし立てるホロを見て、プレシアは呆れた様に呟く。
その後頭部にガツンと一発見舞わして、抱かかえられて狼狽していたアリシアを無理やり引き剥がして


「ったく、人の娘に何してくれてんのよ。びっくりしちゃってるじゃない」


はあ、とプレシアが深く溜息を吐くと
アリシアはそのままそそくさとプレシアの後ろに隠れて


「別にちょっとくらい良いではないか! いつもお主の無茶を聞いておるんじゃから、コレくらいの役得は当然なのじゃ!」

「その分支払いには色をつけてるでしょ
そんなにイチャイチャしたいんなら、後で旦那さんと好きなだけすれば良いでしょうが」

「ソレとコレとは別腹じゃ!」


抗議する様にホロが声を荒げて訴えるが、プレシアはそれを面倒くさげな表情をして冷淡に返す
そしてプレシアの言葉を聞いて、ホロは「ぐぬぬ」と悔しげに唸って


「それで、何しにきたんじゃ? 冷やかしはご遠慮願いたいんじゃが?」

「安心しなさい、今日も客として来たわ。この娘に合う服を一式揃えて欲しいのよ
あと替えの服とかその他諸々用合わせて7~8着コーディネートして頂戴」


そう言って、プレシアはホロから視線を移す。
その動きに釣られてホロが視線を移すと、銀髪の女と目が合って軽く会釈された。


「ほほーこれはまた、随分な別嬪さんじゃのー……誰かや?」

「ちょっとした知り合いよ、少し事情があってウチで預かる事になったんだけど……私の服じゃサイズが合わなくてねー」

「ま、そういう事にしておくでありんす……で、そっちの御仁の分は良いのかや?」


女店主が更に視線を移す。
その銀髪の女の斜め後ろにいる、黒い背広に身を包んだ黒髪の男が立っていた。


「――ああ、アレは良いの。とりあえず今日はこっちの娘の分だけ見繕って頂戴」

「予算は?」

「5桁以内で」

「あい了解。ノーラ!ちょいと来ておくれ!客じゃ!」


商談の算段がついて、ホロは商品整理をしている店員を呼ぶ。
その声に反応して、『ノーラ』と呼ばれた小柄で金髪の少女は小走りにホロの元に駆け寄った。


「はいはーい、お呼びですかホロさん?」

「そこにおる銀髪の娘に合う服を幾つか見繕って欲しいんじゃ、頼めるかや?」

「ええ、大丈夫ですよ。それじゃあ先ずはサイズを測りますのでこちらに」

「分かりました」

「私も行くわ、貴方達はここで大人しく待っていなさい」


そんなやり取りを交わして
プレシアの言葉を聞いて、アリシアは「うん、わかった!」と威勢よく答えて、黒髪の男は小さく首肯して
三人は奥のカーテンで区切られたスペースへと姿を消して行き



『……それで、どういうつもりだ?』

『あら、何の事かしら?』



次の瞬間、プレシアはそんな念話を受信した


『こんな変装までさせて、一体何が目的だ?』

『あら、結構似合っていると思うけど? 不満かしら?』

『不満だらけだ』


どこか憮然とした響きを含ませて、そんな念話が届く
プレシアたちと一緒に来店した、黒いスーツに身を包んだ黒髪の男

この店の誰もが、「どこにでも居る」「普通の客」として接していた黒髪の男
その男の正体は、他ならぬウルキオラだった


『折角貴方の義骸を作ったんですもの、実際に使ってみたくなるのが人情ってヤツよ』


ククっと、愉快気な響きを纏わせてプレシアが答える。
それは嘗てプレシアが思い立った事、ウルキオラ用の義骸の製造

例のベルカの騎士絡みの一件のせいで疎かにしていた義骸を、プレシアはこれを機に一気に仕上げたのである。


『この辺りは治安も良くてね、管理局の目もそれほど強くはないし、何よりホロはこの辺りなら顔が利くから、万が一の時も融通が利くしね
アンタの義骸にもちゃんと魔力フィルターがついているし、後は顔さえ誤魔化していれば大事に至る事は先ずないわ』

『そもそも俺が一緒に来なければそれで済む問題だろ、リスクは可能な限り少なくするのがお前のやり方だったんじゃないのか?』

『こっちの事情ってヤツよ。それにアンタも、いつも隠れ家に引き篭もっているばっかりじゃ気が滅入るでしょ?』

『……さあな……』

『素直じゃないわねー、まあ良いわ。
とりあえず有事の際にはいつでも動けるようにしておいて、その義骸は元々試作品だから壊しちゃっても問題ないから』


その言葉を区切りにプレシアとの念話は打ち切られる。
ウルキオラは特にする事もなく、かと言って服や装飾品に興味がある訳でもなく、どこか手持ち無沙汰になっていると



「見て見てウルキオラー」



白いリボンのついた麦わら帽子をかぶったアリシアが、ウルキオラの目の前に躍り出て


「どう?似合う?店員さんが試着しても良いって言ってたからかぶってみたの」

「ああ悪くは無いな、そこから更にお前の額から下の部分を取り除けばパーフェクトだな」

「私の部分を全否定!!!!」

「黙れ、騒ぐな、喧しい、ここが家の中ではない事くらい認識しろ」

「ぐぬぬ……」


己の部分の全否定を受けてアリシアが思わず叫ぶが、そこをウルキオラに制されて悔しげに唸り声を上げる。
流石のアリシアも、あのウルキオラから一般論で返されるとは完全に予想外だったらしい。


「これこれ、ここは店の中じゃぞ。出来ればもう少し静かにしてくれいかや?」


不意に二人は背後からそんな声を掛けられる
二人が視線を移すと、先程までアリシアを抱擁し、プレシアと親しげに話していたこの店の店員が立っていた


「……お前は、さっきの……」

「で、出た……っ!!」


その顔を認識して、ウルキオラは確かめる様に呟いて、アリシアはビクっと体を震えさせて即座にウルキオラの背後に隠れる。
そのアリシアの行動を見て、その女はカラカラと朗らかに笑って


「ありゃりゃ、これは随分と嫌われてしまったでありんす。さっきの事を謝りに来たんじゃが、タイミングを間違えたかの?」


ウルキオラの背後から、自分を品定めする様な視線を向けるアリシアを見て女は悪戯っぽく微笑んで
次いでその視線を、アリシアが縋り付いているウルキオラに視線を移して


「えーと、確かお主は……アクタベさんじゃったか?」

「人違いだ」

「冗談じゃ」


ホロは笑いながらウルキオラに返して、次いで「ふむ」と僅かに口元を引き締めて
ウルキオラの顔を覗きこみ、品定めする表情から一転して小さな笑みを作って


「……成程のー、お尋ね者の割にアレは妙に余裕があると思ったら……こんなジョーカーを手に入れていた訳か……」

「…………」

「くふふ、そんな怖い顔をしなさんな。わっちは別に主らの敵ではありゃせんよ」


そう言って女は目深くかぶっていたフードを脱いで、首元に巻いていた毛皮を解いて


「……あ……」


アリシアが小さく驚いた様に声を上げる。
女の頭にピョコンと生える大きな三角形の耳と、腰から生える毛皮……フサフサと音を立てて動いている尻尾を見定めて
アリシアは驚いた様に表情を強張らせて


「わっちはホロ、この店の店長代理でプレシアとは旧知の仲じゃ。以後よしなに」


ホロと名乗ったその女性は、軽く一礼して二人に名乗る
そしてその言葉を聞いて、ウルキオラは改めてホロに視線を移して


「……なら、こっちの事情もある程度に理解している……と捉えていいのか?」

「そうじゃな、主等が数ヶ月前に『局』を相手に大立ち回りした……という程度にはの」

「……成程……」

「主も欲しい物があれば遠慮なく頼ってくれりゃ
ご禁制の物は扱っておらんが、それ以外の物じゃったら大概の物は揃えられるからのー」

「覚えておこう」

今までの言葉を聞いて、ウルキオラは大凡の事情を察する。
あの時の庭園での機材や設備、アレを個人で揃えるには相応な人脈と流通ルートと、それを押さえる交渉術が必要だった筈

つまり、その部分を埋めていたのがこの女…という事だろう
と、そこまでウルキオラが考えを纏めた所で



「―――で、お前は何をしている?」



自分の腕を絡め取りながら、自分の背中を軽く抓っている存在に声を掛ける
次いで視線を動かせば、そこには頬をムスりと膨らませているアリシアが写り



「………ウルキオラのバカ………」



小さく静かに、どこか恨みがましくアリシアは呟いて


「……?」

「くっ、ぷぷ……! あいや、これは失敬!
そうじゃな。確かに主様にしたら、この御仁が自分を差し置いて他所の女と親しげにしているのは、面白いものではないな……ぷ、くく……!!!」


その呟きを聞いて、ホロは可笑しそうに噴出して小さく微笑んで、身を屈めてアリシアと目線を合わせる
そして少しだけ顔を近づけて、


(……妙な勘違いをさせてしまった様ですまんの。だが安心せい、わっちは主様の良い人を盗ったりはしないでありんす……)

「っ!!」


その瞬間、アリシアの体がビクンと跳ねる
次いでその表情を驚愕で染め頬を僅かに紅潮させて、ホロは楽しげにクスクスと小さく笑い声を漏らす

その屈託の無い笑みをを見て僅かにアリシアの警戒は解けたのか、品定めをする様にホロに視線を向けて


「……本当に?」

「この耳と尻尾に誓って」


そう言ってホロは両耳をピクピクと動かして、ファサっと尻尾を軽く振って
そして更にアリシアに耳打ちする。


(……それに、その御仁はさっきから主様に素っ気無く振舞っておるが……なんだかんだで、主様の事は気に掛けておるぞ……)

(……??? どういう事?……)


ボソボソと二人はそのまま小声で会話を続ける。


(……さっき、主様が帽子をかぶって見せておったじゃろ?……)

(……うん、私の部分は全否定されたんだよ……)

(……じゃが主様よ、よく思い出してみぃ?……)


先程のアリシアとウルキオラのやり取り、その事をアリシアは思い出すがコレと言った発見が得られず
そのアリシアの様子を見て、ホロは小さく悪戯っぽく微笑んだ後



(………その御仁、主様に「似合ってない」とは一言も言っておらんかったぞ………)



その事実をアリシアに告げて、その事実を告げられたアリシアは


「…………」


僅かに黙って


「……え、へ……えへ、えへ……えへへへへ……」


その表情を緩ませて、惚気るような笑みを浮べる。
そのアリシアの変化を見て、ホロは楽しそうに口元を緩ませて、ウルキオラは不思議そうな視線を投げつける。

次いでアリシアは視線を移して、笑顔のままウルキオラへ振り向く
そして


「ウルキオラ!」

「何だ?」

「可愛いヤツめ!!!」


ドヤ顔でアリシアはウルキオラに向かってそう言い
次の瞬間、アリシアの体は宙を浮いていた。


ウルキオラのアイアンクローによって


「みぎゃああああああああああああああああああああ!!! 潰れる!潰れちゃう!
色々なモノが潰れちゃうウウううううううううううううううううううううううぅぅ!!!!」

「これこれ、店の中で騒ぎ事はご法度じゃぞ」

「……フン」


その痛烈な叫び声を聞いて、ホロが止めに入る
次いでウルキオラは小さく呟いてアリシアを解放し、解放されたアリシアはそのまま頭を抱えて蹲って


「ううぅ、相変わらずウルキオラは気が短いんだよ。見た目は大人、頭は子供なんだよ」

「見た目は子供、頭は残念のお前に言われたくはないな」

「それは挑発と受け取っていいのかなあ!!!?」


頬を更に紅潮させて、「ふんがー!」唸ってアリシアがウルキオラに襲い掛かるが
ウルキオラは「騒ぎ事は御法度だ」と、アリシアの口元を掌で塞いで


「むー!むぐぐ、むぐー!!!」
(………あっちについて行った方が、まだ良かったかもしれんな………)


アリシアの抵抗を受け流しながら、そんな事を考えていた。














(……どうやら私は、記憶喪失という状態らしい……)


白いブラウスのボタンを留めて、タイトなジーパンを穿きながら夜天は現状を確認する。


(……身体機能及び内蔵機能に異常は感じられない、昨夜以前の記憶の欠如という事以外の異常は現時点では確認されていない……)


機械が淡々と情報処理をしていく様に、ジグソーパズルのピースを一つ一つ組み合わせて行く様に、着々と確実に処理していく。


(……現時点において、手掛かりとなるモノは……『夜天』という言葉のみ……)


殆どの記憶を失っていた自分が唯一覚えていた単語
その単語を忘れない為にも、その単語を自分の呼び名にしたのだが



(……いや、正確に言えば……後二つ、手掛かりになるものはある……)



彼女は思い出す
その霞が掛かった様に残る漠然とした記憶を


(……夜闇の中、どこかの空で私は力尽きて……墜ちた……)


かなり曖昧で断片だらけの記憶だが、確かに覚えている
恐らく自分が記憶を失った直後か、あるいは直前の記憶


(……そしてもう一つの記憶は……ウルキオラと呼ばれていた、あの白い男……)


記憶を失っていた自分を拾い、あの家まで連れ帰った男


(……あの男を見ていると、胸がざわつく……)


それは、記憶を失い始めて目が覚めた時に感じた奇妙な感覚


(……あの男を見ていると、頭の奥底が疼く……)


自分でも理由は分からないが、それは自分が確かに認識できる感覚



(……あの男を見ていると……忘れてはいけない『何か』を、忘れている様な気がする……)



それが自分にとって善いのか悪いのかは分からないが

あの男を見ていると、自分が忘れてしまっている『何か』が反応している
あの男の近くに居ると、自分が失っていている『何か』が脈動している

自分でも知らない『何か』が、確かに自分の中に在る事を実感できる


(……多分、この『何か』を知る事が……失った記憶を取り戻す一番の近道……)


直感的な判断だが、恐らく間違っていないだろう。


(……そして、プレシアが私達に言い放った……あの言葉……)

――ウルキオラ、貴方今日からこの娘と一緒に暮らしなさい――


正直言ってこの提案は自分にとってかなり好都合
あの男の存在が気になって仕方が無い自分としては、渡りに船だった。



(……何にしてもウルキオラの傍にいる事が、記憶を取り戻す一番の近道になりそうですね……)



夜天は新しい服に袖を通しながら、その事実を改めて確認していた。













続く











後書き
 今回も少し更新が遅れてしまい本当にすいません!次回はもう少し速めに更新できる様にしたいです!

今回は、殆どの部分が日常パートで構成した感じです。そのため殆どストーリーが進みませんでしたが、平にご容赦下さい!
次回からはストーリーを動かせる様に頑張りたいと思います!

ちなみに、ウルキオラの義骸のモデルになっているのは某悪魔探偵のアクタベさんです……はい、完全に中の人ネタです。

テスタロッサ家の方も新しい住人を受け入れる体勢も整い、フェイトサイドの方にも少しづつ動かした反面
ヴォルケンサイドや管理局サイドの方が全く描けなかったので、次回はその辺の部分も描いていきたいと思います。

それでは次回に続きます!


追伸
なのはのpspソフトの新作PVを見ました。
まさかトーマとアインハルトまで使えるとは思わなかった……文字通り、度肝を抜かれました
ちなみに自分はvivid派かforce派かと聞かれれば、自分はforce派です。Forceに出てくる様なゴツい武装は大好きです。





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