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No.17010の一覧
[0] リリカルホロウA’s(リリカルなのは×BLEACH)[福岡](2011/08/03 21:47)
[1] 第壱番[福岡](2010/04/07 19:48)
[2] 第弐番[福岡](2010/03/07 06:28)
[3] 第参番(微グロ注意?)[福岡](2010/03/08 22:13)
[4] 第四番[福岡](2010/03/09 22:07)
[5] 第伍番[福岡](2010/03/12 21:23)
[6] 第陸番[福岡](2010/03/15 01:38)
[7] 第漆番(補足説明追加)[福岡](2010/03/17 03:10)
[8] 第捌番(独自解釈あり)[福岡](2010/10/14 17:12)
[9] 第玖番[福岡](2010/03/28 01:48)
[10] 第壱拾番[福岡](2010/03/28 03:18)
[11] 第壱拾壱番[福岡](2010/03/31 01:06)
[12] 第壱拾弐番[福岡](2010/04/02 16:50)
[13] 第壱拾参番[福岡](2010/04/05 16:16)
[14] 第壱拾四番[福岡](2010/04/07 19:47)
[15] 第壱拾伍番[福岡](2010/04/10 18:38)
[16] 第壱拾陸番[福岡](2010/04/13 19:32)
[17] 第壱拾漆番[福岡](2010/04/18 11:07)
[18] 第壱拾捌番[福岡](2010/04/20 18:45)
[19] 第壱拾玖番[福岡](2010/04/25 22:34)
[20] 第弐拾番[福岡](2010/05/23 22:48)
[21] 第弐拾壱番[福岡](2010/04/29 18:46)
[22] 第弐拾弐番[福岡](2010/05/02 08:49)
[23] 第弐拾参番[福岡](2010/05/09 21:30)
[24] 第弐拾四番(加筆修正)[福岡](2010/05/12 14:44)
[25] 第弐拾伍番[福岡](2010/05/20 22:46)
[26] 終番・壱「一つの結末」[福岡](2010/05/19 05:20)
[27] 第弐拾陸番[福岡](2010/05/26 22:27)
[28] 第弐拾漆番[福岡](2010/06/09 16:13)
[29] 第弐拾捌番<無印完結>[福岡](2010/06/09 23:49)
[30] 幕間[福岡](2010/08/25 18:28)
[31] 序章[福岡](2010/08/25 18:30)
[32] 第弐拾玖番(A’s編突入)[福岡](2010/08/26 13:09)
[33] 第参拾番[福岡](2010/10/05 19:42)
[34] 第参拾壱番[福岡](2010/10/21 00:13)
[35] 第参拾弐番[福岡](2010/11/09 23:28)
[36] 第参拾参番[福岡](2010/12/04 06:17)
[37] 第参拾四番[福岡](2010/12/19 20:30)
[38] 第参拾伍番[福岡](2011/01/09 04:31)
[39] 第参拾陸番[福岡](2011/01/14 05:58)
[40] 第参拾漆番[福岡](2011/01/19 20:12)
[41] 第参拾捌番[福岡](2011/01/29 19:24)
[42] 第参拾玖番[福岡](2011/02/07 02:33)
[43] 第四拾番[福岡](2011/02/16 19:23)
[44] 第四拾壱番[福岡](2011/02/24 22:55)
[45] 第四拾弐番[福岡](2011/03/09 22:14)
[46] 第四拾参番[福岡](2011/04/20 01:03)
[47] 第四拾四番[福岡](2011/06/18 12:57)
[48] 第四拾伍番[福岡](2011/07/06 00:09)
[49] 第四拾陸番[福岡](2011/08/03 21:50)
[50] 外伝[福岡](2010/04/01 17:37)
[51] ???(禁書クロスネタ)[福岡](2011/07/10 23:24)
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[17010] 第壱拾捌番
Name: 福岡◆c7e4a3a9 ID:4ac72a85 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/04/20 18:45


今回も引き続き、作者の俺理論&独自設定爆発です。
苦手な方は、ご注意して下さい




=======================================










……これは、一体どういう状況なのだろう?……



アースラのブリッジ・艦長席に腰を下ろしていたリンディはそう思った。

原因は、とても些細な事だった
今回の一件の調査として、第97管理外世界に送り込んでおいたサーチャーが、とある魔力反応をキャッチした。

第97管理外世界……地球には、魔法文明がない
その中で魔力反応をキャッチしたという事は、例えジュエルシード絡みではなくても
それだけでも調べる意味はあるという事


リンディはその報告を聞いて、すぐさまオペレーターに現地の映像をモニターに映す様に命じた。

オペレーターの返事を聞いて僅か数秒後、現地の映像は映された。


そしてその映像を見て、そこにいる全員が思わず唖然とした。


モニターに映ったのは、三人の人影
その内二人は、自分が今受け持っている案件の重要参考人

フェイト・テスタロッサとその使い魔

だが、その二人は視界には入らなかった

そこに居る全員が注視したのは、三人目の人影
白い裾の長い服に身を包んだ、ショートカットの茶髪の女性

その女性は、手に持ったデバイスから魔力灯でとある文章を描いていた。



『時空管理局の方々へ、私達は自首しまーす』



モニターに映ったその文を見て、リンディは思わず噴出しそうになった。











第壱拾捌番「決戦の狼煙」











次元航行艦「アースラ」内の、とある一室にて



「……と言うのが、大体の経緯です」

「……なるほど」


リニスは、テーブル越しにリンディと向かい合っていた。

その部屋にはリンディ、クロノ、エイミィ、リーゼ姉妹、そしてリニス

あの後、リンディはとりあえず任意同行という形でリニス達をこの艦に招いた
そしてアースラに搭乗後、フェイトとアルフは医務室に運ばれた。

アルフの傷は決して軽いモノではなかったが、手当てが良かったのかその傷も大事になるようなものでもなく
フェイトの方も、少々強い睡眠薬を使われた程度でこちらはほぼ無傷だった

そしてリニスは、三人の代表として管理局の事情調書を受けている最中だ。



「それでは、プレシア・テスタロッサの目的とは?」

「ええ、フェイトをアリシアにする事……そしてその為に、ジュエルシードを集めていた様です」

「……プロジェクトFにおける、記憶と人格の完全複写……そしてその為にはジュエルシードが必要。
そういう見方で合っているでしょうか?」

「……はい、ほぼ間違いないです」



この時、リニスは少々情報を改竄した。

プレシアがフェイトにしようとしていた事は、アリシアの人格と記憶の複写などではない

アリシアの“魂”の定着、そしてその為のフェイトの肉体
この事を、リニスはリンディ達に隠した。



……これは、言うべき事ではありませんね……



死者は生き返らない
人は命の大切さとその尊さを教える時に、まずそう教えなければならない


ここで自分が、プレシアの真実を話せば……それは、必ず外部に漏れるだろう

そして、必ず悪用する者も現れる
例えそれが、自分の目の前にいる時空管理局の人間であってもだ。


この中にも、悲しい別れを経験した人間はいるだろう

それこそ自分も死んでしまいたくなる様なそんな悲しい、親しい人と別離した人間もいるだろう


もしも、今自分がここでプレシアの真実を言えば……それが、切っ掛けになってしまうかもしれない

そしてそれが切っ掛けで、第二第三の“プレシア”を作ってしまうかもしれない。


それでは、意味がない。


だからこそ、リニスはアリシアの魂の存在を隠した。


尤も、それはあちらにとっては然程の違いは生まないだろう。



プレシアは、フェイトの肉体を狙っている
そしてその為に、ジュエルシードの力を使おうとしている

そして、それが失敗した今……プレシアは、何をしでかすかは分からない


事の経緯の、大凡は変わらない
さっき、リニスが言った事と同じだ。



……“ほぼ”、間違っていないのだ……



それに、プレシアもアリシアの魂の存在を……決して、明るみにはしようとしないだろう

それによるメリット以上の、プレシアだからこそ解かるデメリットに、プレシアは必ず気付くだろう。



「……だが、これは最悪の展開だ……」



クロノはどこか信じられない、信じたくない様子で呟く

予想はしていた、予測は出来ていた。

だが、いざ事実として突きつけられるとそれはそれで衝撃が大きかった

リニスの証言の一つ
プレシア・テスタロッサとウルキオラは、協力関係にある

これが、全ての原因だ。



「……十二個のジュエルシードと、SSランク級の魔導師が二人……」

「一筋縄では、いかなそうだね」


アリアとロッテも、腕を組みながら続いて言う。

Sランクオーバーの魔導師でさえ、時空管理局にはほんの数%の人間しかいないのだ
それほど、Sランクオーバーの魔導師は希少な存在なのだ。

そして、相手はそれを超えるSSランク。しかも、それが二人
それに加えて、一級ロストロギアが十二個というオマケ付きだ


ウルキオラ一人でも厄介だと言うのに、更に難関が増えたのだ。


だが




「いえ、それほど難しい問題でもないかもしれませんよ」




ここでリニスが提言する
暗く重くなりかけた空気を一変する程に、その言葉は力を持っていた。



「……どういう意味ですか?」

「簡単な話です。ウルキオラはあくまでプレシアの“協力者”に過ぎないからです」



リンディの問いに対して、リニスはそう言って返す
そしてその言葉を聞いて、クロノも気付いた様だ。



「……成る程、もし彼がプレシア・テスタロッサの協力者に過ぎないのなら……」

「プレシア・テスタロッサさえ押さえちゃえば、後は交渉で何とかなるかもしれないわね」

「アリアに同意。この手のケースって、大概は主犯さえ押さえちゃえば後は芋釣る式で解決するもんだからねー」



クロノの言葉を聞いて、アリアとロッテも過去の経験からそう意見を纏める
そして更に、リニスが提言する。



「更に言ってしまえば、ウルキオラ自身には管理局との戦闘の意思はそれほど強くありません
ジュエルシードに関してもそうです。寧ろ彼はあくまでプレシアと“協力関係”にあるから、それらの行動をした可能性の方が高いかと思われます」



リニスの言葉を聞いて、その事に心当たりがある人間が口を開いた。


「そう言えば、あのウルキオラってこの前の闘いの時も……誰かの念話を聞いて、直ぐに戦闘を止めていた」

「それだけじゃないわ。コルド隊との戦闘の際にも、彼は『元々自分はお前らを殺す理由はない』と明言しているわ」


エイミィとリンディも、その事を思い出す。
確かに、こうして思い出すとウルキオラは節々でそういう言動を取っていた事が分かる

ウルキオラの危険性は相変わらず高いが、攻略の糸口は見えてきた。



「更に言ってしまえば、プレシアは現在重度の病に侵されています。
如何にジュエルシードの力を利用しても、その力を利用できるのはあくまで限定的な時間だけだと思います」

「……なるほど、確かにその情報が正しければ……プレシア・テスタロッサの確保も、それほど難しくはありませんね」


リニスの言葉を聞いて、リンディも納得がいったかの様に呟く
そしてその情報を頭の中で整理していくと共に、段々とこの一件の解決の糸口が見えてきたからだ。

そしてここで、リニスが一つの懸念事項を口にする。


「……ただ、一つの危険性としては……プレシアがジュエルシードの力を、過剰な暴走状態にさせる事ですが」

「大丈夫です。それに関しては、こちらで対抗策を用意してあります」


しかし、リニスの言葉に対してリンディは力強く返す
元々管理局は、そちらを念頭に置いてジュエルシードを蒐集していたのだ

当然、それに対する策の一つや二つは持っている。



「情報提供、感謝します。これでこの一件に関する解決の形というモノが見えてきました」



そう言って、リンディは柔らかい笑みを浮べてリニスに言う

そしてその言葉を受け止めて、リニスは再び口を開いた。



「では、今度は私から聞きたい事があります。私達……いえ、あの娘達の処遇に関してなのですが」



それは、リニスが心配するもう一つの懸念事項
フェイトとアルフの処遇に関してだ。

聞けば、あの二人はロストロギアの蒐集を巡って何度か管理局と戦闘行為をしたという
それに、プレシアやウルキオラの事を考えると……やはり、何らかの処罰があってもおかしくない。


「……大丈夫です、その事に関しましては事情が事情ですから。
あの二人が今まで置かれていた状況を考えれば、暫くはこちらの保護監視下にはあると思いますが
あの二人に何らかの処罰が下る事はまずないでしょう」


フェイトとアルフが行った事と言えば、こちらの警告無視とジュエルシードの違法蒐集
そしてそれも、実の母親に強要されたという形だ。

そして今まで彼女達が置かれていた状況を考えれば、何らかの処罰を下す方が難しいだろう。



「……そうですか、良かった」



その事をリンディはリニスに伝え、リニスも漸く安堵の溜息を吐き出した。


















「……ふぅ」

時の庭園の一室にて、その女・プレシアは腰を下ろしていた
今プレシアが居るのは研究室でも玉座の間でもない、プレシアの私室だ

そしてそのテーブルには赤紫の瓶に、紫色の液体が注がれたグラス

僅かなアルコールと甘く上品な葡萄の香りがする事から、それは恐らく葡萄酒だろう。


「…………」


プレシアは、グラスの中身をグイっと飲み干す。
甘くて葡萄酒独特の僅かな辛味が舌を刺激して、頭にも少々アルコールが回り始めた。


「……飲酒か、存外余裕だな」

「景気付けの一杯よ。余裕なんて特にないわ……まあ、準備は粗方終わったけどね」


そう言って、プレシアは自分に話しかけてきた人物を見る
そこには、自分が予測した通りの人物・ウルキオラが立っていた。


「……座れば?」

「遠慮しておく。さっさと用件を言え」

「貴方が座ればこちらも言うわ」


そう言って二人は睨み合って、ウルキオラは小さく溜息を吐いた
そして、プレシアの向かい側の椅子に腰を下ろした。

この女がこの状況で、無駄な話をする事はまず有り得ない……そう判断したからだ。


「貴方も一杯どう?」

「要らん」

「……つれないわね」


少し残念そうに呟いて、プレシアは椅子に背をもたれる。

そして、改めてウルキオラに向き合う。



「……さっきも言ったけど、私の準備はほぼ終わったわ」

「存外に早いな、まだ丸一日程度しか立っていないだろ?」

「下地は殆ど出来ていたから、それほど時間は掛からなかったわ……まあ、後は本番の運次第ね」



そう言って、プレシアは再び自分のグラスに葡萄酒を注ぐ
そしてその時、ウルキオラはプレシアの手首にあるソレに気付いた。



「気付いた?」

「あのガキの腕輪だろ」

「正解」



プレシアの手首にあるのは、青と紫のビースの腕輪

そう言って、プレシアはクスリと微笑んだ
狂気に染まった歪んだ笑みではなく、一人の母としての柔らかい温かみのある笑みだった。



「年甲斐もなく、つい浮かれちゃったわ……まあ、貴方の次というは少し引っ掛ったけどね」

「……ただの気まぐれだ」

「素直じゃないわね。こういうのを、何ていうのかしら……天邪鬼?」

「知らん、さっさと用件を言え」



僅かに語気を強くしてウルキオラが言うと、プレシアは「はいはい」とやや観念した様に両手を上げて



「……ウルキオラ、何でジュエルシードが『願いを叶えるロストロギア』って言われているか知ってる?」

「知らんし興味ない」

「だと思った」



ククっと、ウルキオラの答えを聞いてプレシアは僅かに口元を歪ませる
そしてグラスを手の中で転がしながら、中の葡萄酒の香りをゆっくりと嗅ぐ。



「ジュエルシードはね、言ってしまえば“変換機”なのよ……フィルターとも言うかしら」

「……変換機?」


そう、とプレシアは呟いて今までの研究で知りえた己の考察を語る。



「願い、欲望、願望なんてモノは、人によって千差万別でしょ。
ジュエルシードはね、そんな人や生物の欲の意思……魔力信号を捕らえて、その願望に対して『最適な魔力』を作り出す変換機なのよ」



人や動物の欲望、それは文字通り千差万別だ

例えば、ある者は空腹の時には「何か食べたい」と思うだろう

例えば、ある者は咽喉が渇いた時には、「水を飲みたい」と思うだろう

例えば、病に伏せる者がいたらその者は「健康になりたい」と思うだろう



「人が何かしらの欲望を抱いた際に発生する、体から滲み出る魔力の残滓とでも言いましょうか?
ジュエルシードはね、それに反応する。そしてその僅かな魔力を瞬間的に何百倍何千倍にも増幅させて
その上で自身が宿した魔力を使い、その魔力の性質をその欲望に対して “最適な魔力”に変換するの……勿論、限度と限界はあるけどね」

「……ふむ」



プレシアの考察を聞いて、ウルキオラも思う所はあった。

最初にウルキオラがジュエルシードに興味を抱いたのは、霊子補充に最適な存在だったからだ

そしてあのジュエルシードの魔力は自分に有り余る程の、濃厚豊潤な最高品質の霊子を発した。


恐らく、あれはジュエルシードが自分の無意識の願いを読み取っていたのだろう。



「それでも、ジュエルシードはその正しい形でその力が発動するという事は殆ど無いわ
その理由は簡単、生物の欲望には雑音が多いからよ」

「……雑音?」

「ジュエルシードはね、雑音に弱いのよ」



生物が欲望を抱くとき、一つの欲望しか抱いていないか?
否、生物は時には複数の欲望を同時に抱くときもある


空腹を満たしたい、渇いた咽喉を潤したい

健康な体になりたい、疲れた体を癒したい

アレもしたい、コレもしたい、ソレもしたい、どれもしたい


そんな風に、複数の欲望を同時に抱く時もあるだろう。

そして、生物である以上……ソレらは、常に着いて回っているだろう。
常に欲望という小さな雑音は、頭の片隅に響いているだろう。



「だから、ジュエルシードは叶えるべき願いとその派生となる雑音にも、全て反応してしまうの
……だから、暴走する。人がその時持っていた願いに、全ての雑音に反応して
それらを全て瞬間的に増幅させて……膨れ上がった魔力を制御できず暴走状態を引き起こす」

「なるほど……つまり、お前の“ソレ”は雑音の一切を排除する為の装置という訳か」

「あら、中々鋭いじゃない。その通りよ」



ウルキオラの言葉を聞いて、プレシアは感心したように呟いてソレに視線を移す

それはプレシアの胸元にある、ジュエルシードを埋め込んだ銀色の逆三角形のプレートだ。



「……貴方の言った通り、これはノイズ除去フィルターの様な物よ。
私の“健康な体になりたい”と魔力信号から、雑音の一切を取り除いた信号をジュエルシードに送りその力を制御する為の装置よ
ま、これでも私の病は治せなかったけどね……これが、ジュエルシードの限界という訳よ」



体にエネルギーを送り込んで、再び活力を宿らせる
だが、それだけだ

確かに衰えた体力が戻った分、病の症状は軽くなった
だが、それだけだ

自分というバケツに開いた病という名の穴を、この装置では塞げなかった。



「……もっと出力を上げれば話は違うだろうけど、それじゃあ多分私の肉体の方が持たないわ」

「だろうな」

「貴方の言った通り、下手にコレをアリシアに使えば……あの子の肉体は粉々に消し飛ぶでしょうね
この力を、自分の体に流している私だからこそ……ソレを理解できるわ」



量や圧力の問題ではなく、ジュエルシードの魔力そのものが人間に対して強すぎるのだ
紙に火を着ければ、燃える

そういうレベルの問題なのだ。

そして、プレシアは「ふぅ」と溜息を吐いて



「……とまあ、コレが私の今までの研究での、ジュエルシードに対する大凡の見解かしら」



粗方言いたい内容を話し終えたのか、プレシアは椅子に深く背をもたれる。

そしてウルキオラは、そんなプレシアを見て


「……成る程、大体予測がついた」

「何が?」


ウルキオラは改めてプレシアに視線を置いて






「お前が考えている、その『最適な魔力』とやらの使い方がだ」






その言葉を聞いて、プレシアは再びニヤリと口元を歪めた。



「やっぱり貴方、中々理解が早いわね……どうやら、もう本題に入っても良いみたいね」

「さっさと言え。前置きが長すぎる」



「多分、今からそう遠くない内に……管理局がここを乗り込んでくるわ」



その顔に、瞳に、再び真剣の色を宿してプレシアが言う。

既に、プレシアは準備を整えている。アリシアの避難も完了している。
故に、後はその時を待つだけ

だが、その前にプレシアはウルキオラに話しておきたかった。





「だから……話しておくわ。私の計画を……そして、それに当たっての私から貴方への『頼み』を……」





そして、プレシアは語る

己の計画の全容と、それに伴ってのウルキオラの役目を

自分がその闘いの為に準備した、全ての仕込みについてを






「……と言うのが、私の計画の全容よ」




全てを語り終えたプレシアは、そう言って再びウルキオラに視線を置く。

ウルキオラの表情から、その感情を読み取れない
ただいつもと同じ、無機質な表情だ。


「……一つ、聞きたい」

「何?」


僅かな沈黙と静寂を、ウルキオラの言葉が切り裂く
そして、プレシアに尋ねた。



「……何故、そこまでする?」

「こんな筈じゃなかった未来を、取り戻したいから」



即答
ウルキオラの問いを予想していたのか、プレシアは殆ど間を置かないで即答した

そしてそのプレシアの答えを聞いて、再びウルキオラは尋ねる。


「そうか、では質問を変えよう……何故、そこまでのリスクを犯す? 見返りが大きいとはいえ、それは必要のないリスクだ
あのガキと親子としての時間が欲しいのなら、それこそここでさっさと自決でもして、貴様も霊体になればいい
それで終わりだ……まあ、霊体にも霊体の寿命というのも存在するがな」


それは、ウルキオラが今まで抱えていた疑問の一つであった。

単純な話、プレシアが言う親子の時間を取り戻すとは……既にその願いを叶えているも同然だ。

今のプレシアはアリシアを知覚できる。限定的とは言え触れ合う事が出来てコミュニケーションが取れる。

そしてそれが不満なのなら、自分も霊体となってアリシアにずっと寄り添えばいい。

第97管理外世界……あちらの地球にも、それなりの数の霊体の存在をウルキオラが確認している
あのアリシアの性格なら、友人と呼べる存在も簡単に作る事が出来るだろう。

そしてその消滅の時まで、それなりに幸せに過ごせるだろう。



「理由としては、アリシアには人間としての幸せを掴んで欲しいから。
確かに、あの娘はあの娘で幸せを感じているわ……でもね、私は教えて上げたいの
世の中には、もっと面白い事はたくさんある、もっと楽しい事もたくさんある、もっと綺麗なものもある、もっと素晴らしいものがある」

「…………」

「私も霊体になったから解かるわ……確かに、霊体には霊体の幸せはある。
でもね、それは決して人間の幸せには成り得ない……あの娘はこの先何年、何十年、存在できたとしても
……あの娘は、人間の幸せを知る事は恐らくないわ」



そう言って、プレシアは再びワインを口に含む
そして、僅かに熱が入ったのかよりその語気は強くなる。



「だから、私はあの娘に教えたい……人間としての幸せを、あの娘に与えたい。
それが私の望み。だから私は闘う……アリシアの為に、なんて綺麗事は言わないわ……
それでは、結局アリシアに全ての責任を擦り付けているのと変わらないもの」



そして、プレシアはウルキオラを見る
そして宣言する。



「これはね……私のただの自己満足、娘の都合の事など一切考えてないただのエゴよ
私はね、娘の為にじゃない……自分の下らない自己満足の為に、行動するの」

「そして、下らないリスクを背負う……か。存外直情的な発想だな、見方を変えればただの馬鹿だぞ?」

「馬鹿で結構、阿呆で上等、変人狂人は褒め言葉よ」



してやったり
そんな表情をしてプレシアはウルキオラに返す。

そしてそんな余りにもキレの良い返しを聞いて、ウルキオラは思わず唖然とした

そしてそんなウルキオラを見て満足したのか、「くくっ」とプレシアは楽しげに小さく微笑んだ。



「正直に言うとね……もう、ただの意地なのよ」



そして、さっきまで変わって脱力した様にリラックスした状態で、プレシアは呟く。

その視線は宙を漂って、フワフワと彷徨っている
プレシアは、今日のこの日に至るまで全ての経緯……アリシアを喪ってからの二十六年間を思い出していた。


「意地?」

「……そう意地、諦めの悪い……下らない、ただの意地」


そう言って、プレシアは再びウルキオラに視線を戻す



「二十六年間、何回も挫折して、何回も絶望を味わったわ……そして、私はその度に我が身を呪ったわ

……どうして、あの時止められなかったんだろう? どうして、あの時アリシアを守れなかったんだろう?
何度も何度も、何千回何万回もそう思ったわ……
そしてその度に、私は自分の咽喉を掻き毟り、胸を引き裂いて心臓を抉り出したくなるような衝動に狩られたわ」



思い出すのは、絶望と挫折に彩られた二十六年間
自分がここまで来るのに歩んできた、不遇の二十六年間



「……何で、止められなかったんだろう。何であの時、アリシアを守れなかったんだろう、どうして救えなかったんだろう
何度も、何度も血を吐くような後悔の末に…私の頭の中で、誰かがこう囁くの」



――受け入れろ。これが、私の運命だ――



「受け入れられる訳、ないでしょうがっ……」



吐き捨てる様に、苦々しい表情でプレシアは語る。



「運命? そんな陳腐な言葉で、私は諦める気にはなれなかったわ。
もしも、それが私の運命なのだとしたら……それは即ち、アリシアを殺したのも私の運命という事だものね」



そして、プレシアは再びグラスの葡萄酒を飲み干す。



「私の頭はね、私の願いを実現させる為にあるものよ。
断じて、負け犬として頭を垂れる為に存在するものじゃないっ!」



そしてグラスをテーブルに戻して、その顔に確かな闘志を宿してプレシアは言う。



「何度も何度も挫折して、諦めそうになったけど
私はね、それでもみっともなく足掻いてきたわ……そして、チャンスを掴んだ」



二十年以上の時を超えて、自分はその目的を半ばまで達成した。

娘と再会する、この手で抱きしめる、再び親子として歩む。

だが、それだけだ
自分の本当の目的、アリシアを生き返らせる……コレは、未だに叶っていない。



「私の敵は管理局じゃない、私の運命そのもの」



プレシアは告げる、自分が闘う自分の本当の敵を



「だから、私はそれを叩き潰す。
管理局が、運命が、私の目的の邪魔となるのなら…障害となるのなら、纏めて叩き潰す」



管理局は、あくまでオマケに過ぎない
自分の本当の敵、自分の運命という名の真の敵の……オマケにしか過ぎない。



「そしてその全ての敵を叩き潰して、私は自分の悲願を叶えて……そして言ってやるの
『ザマー見ろ』……ってね」



結局は、単純な話だったのかもしれない

一人の女が、自分の運命を悔やんで、呪って

それを認めたくない一心で、ずっと足掻いてきた


ただ、それだけの事

本人が言った様に、下らない自己満足の為にしか過ぎない……そんな闘いなのだ。




「……それで、どうしてそんな話を俺にした?」

「言ったでしょう。ただの自己満足よ……
少しね、私も自分の人生に対して愚痴を言いたくなった……そして、誰かに聞いて欲しかった
……それだけよ」



こんな話、アリシアは聞かせられないものね
最後にプレシアはそう付け加えて

全ての愚痴を言って全ての鬱憤を吐き出したのか、プレシアの顔はどこか晴れやかだった。

思い返せば、こんな愚痴を言ったのも久しぶりだった
自分の周りには、自分の真実を知る者が居なかったからだ。


二十六年分の鬱憤、それを全てプレシアは吐き出してどこかスッキリしていた。



「退屈だった?」

「思いの外、下らない話だった」

「言ってくれるじゃない」



そう言って、プレシアは小さく笑った
そう言って、ウルキオラも立ち上がり退室した。


さて、もう休もう

戦いは始まる

もう少しで、本当の戦いは始まるのだから……。


















彼女の目に最初に飛び込んで来たのは、見知らぬ天井だった。


「フェイトちゃん!」

「フェイト、良かった! 目が覚めたんだね!」


僅かに視線を動かす、そこに映ったのは見慣れた自分の使い魔
そしていつかの、白い魔導師。

更に視線を動かす。自分はどうやらベッドに寝ているらしい
心地良い温もりと感触が全身を包んで、目覚めた意識を優しく包んでくれている。


「アルフ?……アレ? ここは……」

「時空管理局の航行艦だよ」

「……管理局、の?」


目の前の使い魔の一言、その言葉を聞いてフェイトの意識は瞬時に覚醒した。


「管理局! 何で、どうして! ジュエルシードは! 母さんは!!?」

「ちょ! フェイト、落ち着いて。今説明するから」


予想外の事態

ガバっと布団から飛び起きるように身を起こして、フェイトは現状を確認する。

確かに、ここは時の庭園の中ではない
あの娘がいる事も考えると、本当にここは時空管理局に縁のある場所なのだろう。


それでは、なぜ自分はここにいるのか?

それは当然、あちらが自分達を確保したからだ


では、自分は捕まる前には何処に居た?

時の庭園だ


それは、つまり



「母さんは!? アルフ、お母さんはドコ!? 母さんもココにいるの!?捕まっちゃったの!!!?」



フェイトが思い出すのは、母との最後の会話

自分に謝ってくれた

自分を褒めてくれた

自分を認めてくれた


やっと戻ってくれた

自分の記憶にある、優しい母さんに戻ってくれた


だから、フェイトは動揺した

これで、もう終わってしまうんじゃないか?

あの優しい感触も、あの優しい温もりも、これで全て終わってしまうんじゃないか?


やっと手に入ったのに、自分は再び失ってしまうじゃないか?


そんな思考を、フェイトは抱いてしまった



嫌だ

そんなのは嫌だ

絶対に嫌だ


ここは管理局であろうとドコであろうと、事態によっては荒事を起こしても構わない

そんな風に、フェイトは考えて






「フェイト、一先ずは落ち着いて下さい。私が全ての事情を話しますから」






不意に



「……え?」



そんな声が、フェイトの耳に響き





「……フェイト、私が誰だか分かりますか?」





気がつけば
その人が、フェイトの目の前に立っていて

フェイトの心臓は、大きく跳ねた。


知っている、フェイトは知っている。

その声を

その顔を

その人を、良く知っている。



「……リ、ニ……ス?」

「はい、正解です」



そう言って、リニスはフェイトに柔らかく微笑んで

気がつけば、フェイトは呆然として、その行動が止まっていた。



「……え、なんっで、アレ……あれあれ? だって、リニスは、もう……じゃあ、アレ、どうして?」


「ちなみに、私は偽者でも幻でも、そして勿論他人の空似などでもありません
フェイト、貴方が良く知っている……本物の、私です」



目の前の人物は、再びそう言う
だが、それでもフェイトには信じられなかった。


リニスは、もういない筈

この世界の、どこにもいない筈


だから、こうして自分の目の前に居るなんて事は……決して有り得ない。



「だって、だって……え、でも……アレ、アレ」



でも、偽者とは思えなかった。

目の前にいるその人が、偽者だという考えそのものがフェイトには浮かばなかった

だから、混乱した
目の前の事実を事実として認識できず、かと言って否定しようにも否定できず

フェイトの頭は、相反する二つの考えに揺れて……混乱していた


そしてそんなフェイトに、リニスは柔らかく暖かく微笑んで




「フェイト、一人で髪を洗える様になりましたか?」


「……!!!!」




その言葉を聞いて

フェイトは確信した




「……ほん、とぅ、に……リニス、なの?」

「だから、さっきからそう言っているじゃないですか?」





そして次の瞬間

リニスは、フェイトの体を抱きしめた。



「……これでも、まだ信じられませんか?」

「……ぁ、あ……あ」

「私は、此処にいます。夢でもなく幻でもなく、偽者でもなく他人の空似でもなく、本物の私が、ここにいます
貴方の事が大好きな、ずっと貴方と一緒に居た私は……ここに居ます」



その温もりで

その暖かさで

その優しさで


フェイトは確信した、その答えにやっと行き着いた




「……あ、ぁぁ……あ、あぁ……!!」




本物だと

この人は、本物なんだと

自分が大好きだった、自分の大切だった……あの、リニスなんだと


フェイトは、ようやくその答えを得た。



「……リニス、リニス!!!」



涙が溢れて、止まらなかった

気がつけば、フェイトはその体を抱きしめ返していた

その体を思いっ切り抱きしめて、その体に顔を擦り付けて、ボロボロと泣き崩れた。



泣いた

思いっ切り泣いた

そこがどこだろう、誰がいようと関係なかった。


そんな事も、考えられなかった


だから、泣いた

フェイトはリニスを体を抱きしめて、思いっ切り泣き叫んだ。


そしてリニスは、ずっと抱きしめていた

フェイトの涙が止まるまで

その泣き声が終わるまで

フェイトの気が済むまで、ずっとその体を抱きしめていた。




それが、どれだけの間続いただろう?

フェイトの泣き声も収まり、場は落ち着きも取り戻していた。





「……落ち着きましたか?」

「うん……本物なんだね、本当に本物の、リニスなんだね」

「はい。本当に本物の、私です」



そう言って、リニスは再びフェイトに笑いかける

顔を上げたフェイトの顔は、赤くなっていた
目は未だに水気を帯びていて、瞼は少し腫れていた


それでも、フェイトはリニスに優しく微笑んだ

これで、フェイトの方も一先ずは落ち着いただろう。




……今の内に、やるべき事はやっておくべきでしょう……




もう、時間はあまり残されていない。

そして、そんなフェイトの顔をリニスは持っていたハンカチでそっと拭いて



「フェイト、急な事で申し訳ありませんが……
貴方にこれから……大切な話をしたいと思います」

「……大切な、話?」



今まで優しい柔らかい笑みと違い、真剣な色を宿した表情

そのリニスの空気の違いを、フェイトも感じ取った。


リニスは、決めていた

もう時間はない

フェイトはそう遠くない内に、その秘密に辿り着く

リニスは、その事を確信していた。


そして、フェイトが何の心構えも出来ていない内にソレを知れば……壊れてしまうかもしれない。


フェイトが、自身の出生の秘密を、何の準備も無く知れば

自分が思い浮かぶ、最悪の形でフェイトが知れば……この娘は、壊れてしまうかもしれない



ならば、
そんな結果になるくらいなら、自分から明かそう。


この娘が壊れてしまわない様に

例えこの娘がソレで深く傷ついても、再び立ち上がれる様に


今此処で、自分がソレを明かそう。



「貴方に、全て話したいと思います。貴方の出生について、プレシアについて
そして、『アリシア・テスタロッサ』について……」

























同時刻・時の庭園・玉座の間にて



「……来たようね」



プレシアは自分の目の前に展開されたディスプレイの魔力計を見て呟く。


それは、時の庭園の周囲の魔力に反応するタイプのモノだ

そして、その魔力計には小さなとある反応を複数捕らえている


その正体は、偵察用のサーチャーだ。



「……時空管理局ね」



プレシアは、ゆっくりと呟く

時の庭園は、既にその存在を捕らえられたと見て間違いないだろう。


そして、時の庭園の魔力はあちらに記憶されただろう。



つまり、下手な逃亡は正に無駄という訳だ


そして、プレシアは杖を掲げる


紫電が、杖に走る

それは音を立てて、杖の先に収束していく


紫電は杖の先で凝縮され、収縮され、その唸りと猛りが球状に圧縮される


目標を定める

狙いを定める


そして、魔女は吼える。





「サンダアアアアァァァァァ・フォオオオオオオオォォォォォル!!!!」





時の庭園から、ソレは発せられる

紫電の稲妻が、敵を撃墜する雷光の宝剣となって……庭園の周囲にある全てのサーチャーを叩き落す。




「さあ! 決着をつけましょう!!! 私の敵よ! 私の運命よ! 私は貴様等を叩き潰す!!!
そして取り戻す!!! この闘いに勝って、お前たちに勝って、私は取り戻す!!!
こんな筈じゃなかった未来を! こんな筈じゃなかったこれからを!!! 私はこの手で取り戻して見せる!!!!」




狼煙は、上がる


決戦の狼煙は上がる




魔女と死神と



法と秩序の戦いが



今、幕を開ける。
















続く










あとがき

 アレ……なんかこの小説、主人公がプレシアになってないか?


さて、話は本編になりますが、ジュエルシードに関しては原作を見た作者の考察です。
ジュエルシードの暴走や、成功した月村邸のジャイアントキャット等を見て考察して纏めたモノを、プレシアさん視点で纏めさせて頂きました

何でコレをこのタイミング描いたかと言うと、この設定が後で何気に重要だったりするからです。


しっかしこの小説、一番活き活きとしているのはプレシアとアリシアのテスタロッサ母子二人だなーと、しみじみ実感しました

最近はウルキオラの影が薄くなりがちですが、ウルキオラの活躍はもう少しお待ち下さい


次回から、遂に(無印編の)最終決戦です

そろそろ作者も血湧き肉踊る戦闘物が描きたい頃なので、次回からはバトル展開に入って行きたいと思っています。


それでは、次回に続きます。



追伸・BLEACHの新OP見ました。ウルキオラが格好良かったです

そしてそれ以上にハリベル様がエロかったです!!!




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